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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



アリス・メイベル・ベーコンは、27歳で教師として来日した際の様子を10年後にアメリカで出版していますが、その中に天長節(明治天皇33歳の誕生日)に臨席したときの様子が描かれていましたので、長居植物園のモンシロチョウと一緒に紹介しましょう。<・・・>が引用部

<明治17年(1884年)11月3日、朝7時半に津田梅子(当時21歳)と車(人力車)で大山捨松(大山陸軍卿の妻・当時25歳)の家に迎えに行き、青山練兵場で行われる観兵式の式典会場に向かいました>

<役人や華族たちは金モールのついた大礼服を着て、金のモールの縁取りの帽子を被って式典会場に急ぎ足でやってきます。友人のお陰で、他の人たちのように会場の隅っこで立ち止まることなく、兵隊たちがうやうやしく並んだ通路を通って大山陸軍卿のところに連れてゆかれました>

<(顔見知りの)大山陸軍卿(当時43歳)は、沢山の勲章やメダルがついた豪華な制服を着ておられ、私たちにとても親切で私と優しく握手して下さり、天皇陛下のテントの隣に案内してくれました>

<しばらく待つと次第に人が集まりだし、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、外交官たちに囲まれて混雑しはじめましたが、私はすばらしい席に着けたことを感謝しました>

<やっと、馬のひづめの音が聞こえ、人々は前へ前へと押し合いを始めましたが、幸いなことに私たちは(陸軍卿の計らいで)前の席(最前列)に坐っていたので、観兵式式典をよく見ることができました>

<ほどなく豪華な馬車がやってきて、私たちのすぐ前で止まり、中から天皇陛下が下りてきました。天皇は神の子孫であり、天の子として国民に崇拝されているのですが、私には普通の日本人となんら変わらないように見えました>

<日本人男性としては背が低く、外国人たちから、天皇は日本人にしては色が黒いと聞いていましたが、私にはむしろ色白に見えました。天皇のお顔立ちは彫りが深くどっしりとしています>

<天皇のすぐ後から、大山陸軍卿を先頭に将官たちが続いてやってきて、会場を一回りしてから私たちのすぐ側に戻ってきました。あまりにも近くだったので、もし私が天皇にお声をかけたいと思えば大きな声を出さなくてもお話しすることができたほどでした>



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