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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



ホテル川久にあるモザイクを使った床は、ギリシアのアイギナ島、マケドニア王国宮殿跡から紀元前4世紀頃のものが発見されているので相当古くからあった床の仕上げ技法のようである。



モザイクの床は贅沢なローマ時代の建築物を特徴付けていて、イギルスからシリア、北アフリカ一帯に至るまで広い範囲で発掘されている。



ホテル川久の1階エレベーターホール正面の壁とラウンジ奥の壁には、シリアで発掘されたという今から1800年前のモザイクが当時のまま復元されている。





それにしても調達するには相当高価であったと思うが、シリアの貴重な文化財をどういう方法で入手したのであろうか。

鹿



キリスト教のモザイク装飾は、東ローマ帝国時代に花開き、首都コンスタンティノープル、イタリア東部のラヴェンナやシチリア島の大聖堂には、今でも美しいモザイク画で飾った床を見ることができる。

ラヴェンナ



東方正教会の伝統を受け継ぐロシアなどでも教会や宮殿を飾るのも用いられ、ヴェネツィアでも、サン・マルコ大聖堂は内外装をモザイクで覆っている。



近代においては、アントニオ・ガウディの作品が有名で、バルセロナのグエル公園には、動物のオブジェや波打つベンチが色鮮やかなタイルによるモザイクで覆われている。



モザイク構成の技法のうち、直接技法は、テッセラ(モザイクを構成する小さな大理石など)を一個ずつ接着剤などで貼り付けてゆくものである。



直接技法の優れた点は、モザイクによる壁画が出来上がるプロセスを管理しながら作品を完成出来ることにある。



1階エレベーターホール正面の壁にあるシリアで発掘された牛のモザイク画は直接技法で復元されているようである。



間接技法は、テッセラを裏が粘着性の紙に上下さかさまに置き、最後にこれを壁、床、工芸品などの表面に移し、最後に台紙を除去するという技法である。



間接技法は単純な模様や幾何学的な模様、ホールの床など広大な面積のモザイク制作の際に採用され、表面を滑らかで平らに仕上げることができるので、1500㎡もあるホテル川久のホールも恐らくこの技法を使ったものと思われる。





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