遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



 女三人リビングで寝ることが多くなった。夕べもWはソファでMはカーペットに毛布で わたしは ストーブの前で 奥の和室の押入れから枕と掻巻を持ってきて寝床をこしらえた。小豆色の棒縞で裏地が赤く 別珍の黒い襟と比翼は手拭が縫い付けてある昔風の掻巻。これはおさだおばちゃんが10年以上も前に縫ってくれたものだ。このひと月は夜中に何度も目が覚めたが 朝まで一度も目覚めなかった。毛布のあたたかさとはまったく違う人肌のような温さだった。「洋子 真綿を二〆つかったからこりゃあぬくいよ」おばちゃんの声が耳元で聞こえる。
 
 末娘は今日 ひさしぶりに学校にでかけた。後期試験の日 学校まで送ってゆく。水気を含んだ風は冷たいが 温かい日が2.3日つづけば花々もほころぶだろう。


 

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