語りにいくとき 語るものがたりが決まっているわけではない。
それで ものがたりが 決まるまでは 悩ましい。
なににしようか どうしようか
3年生のクラスに入る前 廊下で 掲示物を見ていたら
修学旅行の班別の研修 行程の記録があった。
そこで ホテルの話から
ホテル・ニューグランドの幽霊
サイパンの青い灯 赤い灯とつなげて
すすり泣きが 聞こえて これで 終わりにしようかな と
思ったのだが 時間がすこし あったので スコットランドの
昔話 黄金の腕 落ちが
「腕はあんたの枕の下!!」
どよめき と 爆笑
先生が廊下に出ていらして ドキドキしました.....
午後 デイサービス
おばあちゃま 15人くらい....
小泉小太郎 .... シーーンと聴いてくださる。
つぎにわたしのパーソナルストーリーをふたつ
肺がんとベンツ
車にあったバスケットを持って行ったので
うさちゃんの 人形をつかって おばあちゃまそれぞれに
好きな食べ物を人形をつかって話してもらう 爆笑がおこる。
パーソナルストーリーと指人形が仕掛けなのだ。
自由に闊達に話してもらうための.....
かわいいねずみの指人形を使って いちばん 好きなひとの告白
亡き夫だったり 母親だったり ひまごだったり 犬のナナちゃんだったり
昔の恋だったり...
ティータイム
会話の輪があちこちにできて 笑いのうずが起きている。
このままでもいいかな? でも もうひと押し
銀のさじ 大岡裁き
そして エネルギーをまわして セブンアップをして おしまい。
17年かかったが ようやく 語り部のいりぐちに立った。
本の暗記もなし テキストもなし ものがたりや ゲームが
糸玉が ころがるように つづいてゆく
ともに 泣く ともにわらう
今がいちばん しあわせ
しあわせだよ しあわせだね 60代はまだまだだよ
いちばん たのしい おもしろい時代だよ 人生の大先輩
のことばが 身に沁みる 一日だった。
中学校では登校できないお子さんのおかあさんが あいさつ
してくださった。お子さんはまだ車のなかにいたけれど
帰るとき 保健室の先生に それとなく 聴いたら 保健室を
指差した。 あぁ 保健室登校できたんだほっとした....
学校にいけない 教室に入れないのは ”いけない”ことではない。
やさしすぎる子 感受性のつよい子にとって 学校はキツイ場所だ。
時間はかかっても すこしずつ 植物が根をひろげ つるを太陽に
伸ばしてゆくように 自分の場所を ひろげ 確保してゆけばいい。
あせらないで 時間は たっぷりあるから....
夜中まで しごとだけれど きょうも がんばれる。