遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



   鍛治師 河上知明さんからご招待いただき、奥さまの蒔絵師 河上美津子さんとの二人展に行きました。場所は円覚寺塔頭 龍隠庵....円覚寺は北鎌倉の駅前ですが、緑の紅葉が目にあざやか...街中とは思えぬ静かな佇まい、外人さんのカップル、撮影班がカメラ機器を持って移動しているほかは人影もまばらでした。

  どうやら迷子になったらしく、緑に染まるように歩いていると白い髯、作務衣すがたのご老人が池を眺めています。...思わず思わず”こんにちは!!”と声をかけてしまいました。すると帰ってきた声の不思議な響き、あかるくたかく張りのある声はただのおとしよりとは思えず、同道した娘はふりかえって手を合わせていました。....かえりぎわ、方丈さんに伺ったところ独鈷庵に住まわれている御長老..とのこと、御年97歳だそうです。...すでに神仙の風格でした。

  龍陰庵でもうひとつめぐり合いがありました。女優であり語り手である山下智子さんとその効果音楽を担当し且つお菓子研究家の塩見さきえさんです。山下さんは着物すがたのはんなりしたうつくしい方。塩見さんは闊達ななかに繊細さを感じる方でした。ご紹介いただき語り合ううちに意気投合しました。山下さんは10/5、河上さんがつくられた燭台の灯りのもとで、”京ことばで語る源氏物語”をなさったばかりでした。名草姫伝説についてお話して....語りは鎮魂....ですねと申しましたら、実は、源氏の公演のあと、あいさつのなかで思わず、考えてもいなかった鎮魂...ということばが出てしまったのです....とおっしゃっていました。塩見さんと三人で尽きせぬ語り論議に、再会を約しました。

  立場や方法は違えど、志をおなじくする方に出会えると勇気がわきます。着いたとき、降りる駅を間違えて先に江ノ島に行ったことも、明日ではなく今日此処にきたことも、みな偶然ではないのでしょう。ウィムさんとの出会い、スカイフックさんとの出会い、トマティスとの出会い、奈良祐之さんとの出会い、満喜子先生との出会い、河上さんとの出会い、三昧琴との出会い...みな偶然ではないようです。

  出会いといえば、トマティスの堀井先生の朗読ワークショップ初日、顔を出すと「どうしてここに?!」と驚愕の声、近くの町で朗読やお芝居をなさる劇団の代表者Sさんでした。わたしが地元でひらくワークショップに幾度か参加していただいた..ことで知り合ったとても真摯な方です。

  終わったあと、堀井先生を囲んでまたまたびっくり!! Sさんの前回の公演”おコン狐”、その指導をお願いしたのが堀井先生だったのだそうです。.....わたしはその公演は見なかったのですが、評判は聞き、やまもとのりこさんのワークショップを開いたとき、Sさんのグループの技量や声が目に見えて変わったことを感じたのですが、なるほどと腑に落ちました。わずか数回の指導であんなにも変わるのかとあらためて堀井先生の指導者としての大きさを思いました。Sさんたちも真正面から受け止め精進なさったのでしょう。


....ひとと人は会うべくして会うのだ...としみじみ思います。出会わせていただいたことに感謝し、生かしてゆきたい、ことと想いを尽くしてお返ししたいとつくづく思います。あしたはあなたに、まだ見ぬあなたに会えるかもしれない、その出会いがふたりを開き変えてゆくかもしれない、すでに出会っているあなたにも会えるかもしれない、見えなかったものが見えてあたらしいなにかがはじまるかもしれない、人生はわくわくする冒険です.....さて、鎌倉に戻りましょう。三昧琴を抱き、ハトノサブレのお店で シュガーケーキとショコラノワールをおみやげにして帰りました。あさっては青森に向かいます。





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