Leikon's Photo Diary

写真とカメラなどに係わる独り言

八月花形歌舞伎 第二部

2020年08月13日 17時33分01秒 | 歌舞伎
二月公演以来の歌舞伎座です。「八月花形歌舞伎 第二部」の「棒しばり」を見物。新型コロナウイルス感染症の影響で、三月の「新薄雪物語」は休演となり、見物できませんでした。放映で見られたのは幸いではありましたが、実物を見たかった、と改めて強く感じました。そうした思いもあり、漸く歌舞伎座が再開できましたので、「いざ鎌倉」。我々還暦超え夫婦も新型コロナのリスク世代ではありますが、更に10から20歳ご年配のコアな歌舞伎ファンは時局柄来場し辛いと思いまして、我々がチケットを買って応援しなきゃ、と奮励努力した次第です。とはいえ、観客と街の人出の少なさを考えて、休みを取り平日にしました。
ガイドブックの販売をしないので、各自一冊の配布。
 
客席はこんな感じです。桟敷は売り止めでドアも開けています。ドアと言えば、上演中も通路の後ろは開放しています。
 
平日ではありますが、半分以下に制限した席の半分も入っていたかどうか。

さて、勘九郎は体幹が確りしていて踊りも上手いですね。もっとも「ウフフ」ではなく未だ「アハハ」ですけど。巳之助もなかなかのものです。両者ともにフッと父親の面影が過ぎります。血は争えない。
扇雀も役に合っていますね。


帰りも一斉ではなく、係員の指導で後方席から順番に退出でした。

生の歌舞伎はやはり良いですね。来た甲斐がありました。続いて欲しいです。
そうそう、開演前に巳之助のマイク(録音?)挨拶がありました。滑舌・調子もよく、何より歌舞伎座公演が戻ってきた慶びが伝わってきました。

なお、この演目・演者は 2015 年 8 月の納涼歌舞伎が初共演と思いますので、5年振りの歌舞伎座再演。初演のとき第二部と第三部は見たのですが、第一部の棒しばりは見ていません。但し、2013 年 8 月に勘九郎の太郎冠者、巳之助の父の十世 坂東三津五郎の次郎冠者(今回の逆?)で見物しています。

以下、余談です。元々が六世 尾上菊五郎の次郎冠者、七世 三津五郎の太郎冠者のコンピで初演して大当りをとった狂言です。それぞれの孫、曾孫にあたる十八世 中村勘三郎と十世 三津五郎が何度も演じ、今は更にそれぞれの子供が演じるという歌舞伎ならではの連綿とした流れです。
もっとも、六世 菊五郎、七世 三津五郎という舞踊の名手の両手を縛って踊らせてみたらどうなるだろうと云うのが、この狂言の発端です。十世 三津五郎の『踊りの愉しみ』に拠りますと、十八世 勘三郎(当時 勘九郎)と十世 三津五郎(当時 八十助)が初めて演じる前に、古老の見巧者に挨拶に行った際「お前たちのように、両手を縛られなくても踊れない者が、縛られてどうすんだ」的に言われ、ギャフンとなったとか(笑)

最後に本日のお供は、家内がいつもの Zeiss 4x12、私が BDII 6.5x32 のデビューでした。

【 本日の演目 】

岡村柿紅 作
棒しばり(ぼうしばり)
次郎冠者  勘九郎(三津五郎)
太郎冠者  巳之助(勘九郎)
曽根松兵衛 扇雀(彌十郎)
( )内は2013年8月公演の配役。