昨日、伊東屋で引き取ってきたのはペリカンのエーデルシュタイン・インクのタンザナイトです。長らく欠品になっていましたが、予約していたボトルを漸く引き取ることができました。予約から入荷案内までピッタリ 1 年(笑)
ペリカンも Ink of the year を作り続ける暇があったら定番品を欠品すんな!っての!!
タンザナイトはブルーブラック系としては pH 6.7 と弱酸性の極みです。拙宅のボトル残量も底に近付いていたので、pH 6.0 のファーバーカステルのミッドナイトブルーに替えようと切迫していた処でした。万年筆洗浄をしなくて済んで良かったです。
「 pH の問題だけ気にしていて色味は考えないのか?」ですか。一時インク沼に嵌まった身としては言い難いことですが、インクの微妙な色の差を気にしてコレクションするなんて全くナンセンス!
身も蓋もない言い方をしていますが、万年筆に充填した直後と最後の方で色が(水分の蒸発などで)濃く変わります(ボトルの中でも軽微ながらもそうなっていきます)から、銘柄の差を考えるだけで使用時の差を考えないのはとんだ片手落ち。なので、大きく色の違うものでないと持つ意味がなく、白頭翁のブルー系ボトルインクは、ブルーブラック系(タンザナイト)、ロイヤルブルー系(ファーバーカステル)、ターコイズ系(ペリカンのトパーズ)の 3 種だけです。
「綴り屋」さんの「 静謐( Serenity )ブビンガ」を使い始めて 2 週間余りが経過しました。
国産万年筆は学生時代は兎も角として、その後は真面目に使ってきませんでした (^^ゞ
アウロラやデルタの秀逸さは望まないとは言えデザインがどうも好きになれず・・・同じような金と黒( P&M の森脇さんは「仏壇カラー」と呼んでいました。言い得て妙!)でも 149 や 146 は手に取りたくなるのに・・・スケルトンのプラチナの「山中」に手を出したけどスケルトンはインクが部品の隙間に入って見苦しくなって売却・・・なんて内容の会話を森脇さんと交わしていました。
今回(先月 14 日)の横浜出張販売では吉宗さんの予約も取ってませんでしたし、万年筆を買うつもりは全くなかったのです。が、上述の会話のあとで「こんなんありますよ。仏壇カラーではなくてブビンガの軸です。ペン先はパイロットの 15 号で P&M 調整済みです」と森脇さんから「悪魔の囁き」(笑)
木軸でも瘤材とか竹の太いのとかは全く好みませんが、ブビンガはバーカウンターでもよく見る木材なので親しみがあるうえ、一応、元 家具屋なんで(笑)良さも分かっています。「神宿る木」。良い木軸は使っている間に色艶が「成長」していくのも魅力です。
字幅については、彼も「お好みと軸の太さから(国産のパイロットなら)太字でしょうね」とお話しでしたし、その通りなのですが、どうせならと吹っ切って EF にしました。画像の通り同じ EF でも DELTA と比べると明らかに細いです。画数の多い漢字でも 5mm 方眼に収まるくらいで、漢字文化圏のペン先、威力絶大(笑)
Pen and Message で調整した商品ですから、極細字でも掠れたり書き出しでインクが出ないといったトラブルは当然ありません。良好な書き味です。インクの消費量が(太字に比べて)少ないのも想定外のメリットでした。ただ、太字だと「味」とか言ってごまかせますが、細字だと悪筆が際立つのが致命傷(自爆)
初めの頃は書き出しでインクが出ないことがありましたが、暫くするとペン軸が馴染んできたのか、直りました。EF なので細いです。が、インクをエーデルシュタインのトパーズに換えたら、フローがよくなり字幅も少し太くなって、色目も濃く見えます(画像では分かりませんが、実物だとトパーズは緑が入るように見えます)。EF(と言ってもモンブランの F より太く、ペリカンの F とは個体に拠るものの略同じ)ですが、ヌラヌラ感も出てきました。重心の位置が前めに感じるので、全体としても軽めですしキャップを尻軸に附けて書いています(まぁ、これは好みですね)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/46/66/1cc5f974e6415071cdf5096f24d2f878_s.jpg)
なお、ガルフブルーとトパーズで悩んでいた淡青のインクはトパーズのままにしました(伊東屋には両方ありました。タンザナイトは欠品が 3 か月以上!)。
理由は、ロイヤルブルー系より使う機会が少ないので容量の少ない方が良いこと、他の淡青用の万年筆を洗わなくて済むこと(ペリカン M805VB、アウロラ Aqua、Celeste など吸入式ばかりで洗浄に手間が掛かります)、伯爵ロイヤルブルーの pH5.2 とほぼ同じ pH5.0 と強酸性でもないこと。何より少し廉いこと(爆)