徒然なるままに 

BGMはモダンジャズ、暇つぶしの自分史

第60回 有馬記念

2015年12月27日 | 日記・エッセイ・コラム

かつてJRAには、父内国産という呼称があった。
父馬が日本国内で生産されたサラブレッドで、自らも日本産のサラブレッドのことである。
俗に、マル父と呼ばれた。
どんなに活躍した名馬も種牡馬としては優遇されなかった時代があった。
サラブレッドが名馬の血を継承していくことならば、名馬の血が継承されない日本の馬産はあきらかにゆがんでいた。
マル父は、日本で生まれた名馬の血を残すための取組みでもあった。

マル父の呼称は2007年で消滅した。
時代は変わり、今では父内国産が当たり前になったからである。
今年の有馬記念も出走馬16頭すべてが父内国産馬である。

しかし、それで日本の競馬は魅力的になったのかと言えば、むしろ逆だ。
16頭中9頭が社台生産馬、16頭中10頭が社台が生産したサンデーサイレンス産駒の子である。
母系も含め、サンデーサイレンスの血が入っていない馬は2頭しかいない。
その2頭も社台血統なのである。
メジロも、シンボリも、トウショウもいない。
日本の競馬は、まるで社台の馬の品評会のようである。


優勝したのは8番人気のゴールドアクター。
北勝ファームの生産馬で、サンデーサイレンスの血が入っていない2頭のうちの1頭である。
社台だらけの中で、社台色の薄い馬が優勝したのは皮肉な結果と言ってもいい。

1番人気は、これがラストランになるゴールドシップ。
春にはGⅠに勝った馬が秋は惨敗続き、そして、年をとって真っ白になった馬体。
かつてのオグリキャップを彷彿とさせる。
芦毛の馬体は母父のメジロマックイーンから受け継いだもので、5代前のメジロアサマの血である。
数少ない感情移入できる馬だったが、結果は8着。
オグリキャップのようにはいかなかった。

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コメント
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