瀬戸際の暇人

もう台風は勘弁…

秋に初夏の薔薇4

2009年09月26日 17時23分11秒 | ハウステンボス初夏の旅行記
テレ東放送「いい旅夢気分」が好きで毎回観ているんですが、あれって必ず鮨や蕎麦を取上げる気がしませんかね?
何故だ!?日本人は鮨蕎麦が好きだからか!?
国民人気№1と言われるラーメンを遥かに超える登場回数に思うぞ!
何か場所からして鮨蕎麦の美味い土地優先で選んでる気がするし。
スタッフの趣味丸出しか!?
素朴な疑問はさて置き、前回の続きです。



待ち合わせの場所であるドムトールン1階ロードレーウ前に来た私は、そこで衝撃の事実を知らされた。(大袈裟)
なんとこの日、ロードレーウはお休みだったのである。
残念無念がっくりしつつ母の携帯に連絡した私は、代わりの昼食場所を何処にするか相談したのでした。

私「何処が良ーい?てゆーか何が食べたい~?」
母「う~ん……あんたの好きな店で良いわよ~」
私「そういう投げやりが1番困るんだけど。(汗)洋・中・和、どれが良い~?」
母「う~ん……パンよりは御飯が食べたいわね~」
私「御飯くらい、和でも洋でも中でも出て来るって」
母「う~ん……そうねぇ~、前に天麩羅食べに行った和食屋さん、あそこが良いわ~」

母の言う「前に天麩羅食べに行った和食屋さん」とは「花の家」の事。(↑)
港街スパーケンブルグ地区に建つ和風ファミリーレストランである。
味・立地・値段の3点に於いて、非常にバランスの良い店なのだ。
立地が良過ぎてディナータイムは混雑し易いんですが…何せナイトショー会場の傍だから。
ランチタイムはディナータイムよりも更にお値頃で、リーズナブルに和食を楽しみたい人には最もお勧めですよ。
ってか現在場内の和食屋って、あんま選択の余地が無い…。(汗)

話を元に戻して――ドムトールン下~スパーケンブルグまで、歩いて行きました。



↑暖簾を潜って入った花の家の内装はこんな風に落ち着いたしつらい。
お昼のピークを過ぎた事も有り、ガラガラで御座いました。



↑席に着いた後、出して貰ったお茶。
お替りもちゃんと頂けますよ。



↑母が頼んだのはこのランチ限定「かつ丼定食(1,050円)」。
うどん(冷or温)か茶碗蒸し&汁物かを選べます。
この日は晴れて暑かった為、母は冷たいうどんを選んでました。



↑私が選んだのは「鯛茶漬けランチ(1,400円)」。



↑長崎の海で獲れた鯛の刺身を敷き詰めた御飯に、



↑海苔と茗荷と浅つき葱と自家製鯛味噌を塗した後、熱してあったダシ汁を注いで頂きました。
鯛の刺身には下味が付けてあるから、そのまま食べても美味しいv



↑付け合せに出された、茄子の白す和えと菜っ葉漬物も美味しかったです。
特に茄子の白す和え、あっさりした上品な味わいで、気に入っちゃいました。

なんか鯛茶漬けばっか食べてるな~って気がしますが(汗)…率直に言って好物なのですよ。
鯛も好きですが、茶漬けが大好きなのです。
パパッと掻っ込めるから、朝昼に食べるのには適してる。
汁を注がなけりゃ普通の御飯としても食べられるという、1品で2品分の味を楽しめる飽きの来ない料理だと思う。

食べ終わり落ち着いた所で、お互い何をしてたか報告。
母は私と別れてから、ギヤマン、タンテ・アニー、ランガダイクを廻ってたらしい。
既に大量の土産袋を抱えていた。
ハウステンボスに来て母が何より楽しみにしてるのは、ランガダイクのオークションだから。
そんな母なので、私は未だに閉館のニュースを伝えられないで居る…。
オークション自体はワールドバザールの方で引き続けられてるけどね。
この話の続きはまた後日。



↑デザートに「ぷち抹茶パフェ(350円)」を注文しました。



↑桜の花弁を模した様な皿が可愛かったですv

抹茶アイスの上には小豆餡と生クリームが盛られ、抹茶ソースがかけてある。
アイスの下にはコーンフレークが敷き詰められていました。
抹茶の渋味が甘さを緩和していて、食後にぴったりのすっきりデザートでした。

花の家のメニューや営業時間等については、まったりさんのブログを御覧下さい。
ハウステンボスの店舗は何処も営業が不定期、他料理店についても事前に営業日を確認しとくと、無駄足踏まずに済むんではと…。(汗)

今秋限定此処のデザートでは、「柿のババロア栗チョコビンロウ(500円、~11/15迄)」が注目かも。
柿のババロアの上に載った栗チョコが、如何にも秋らしい風情で惹かれる。




↑食べ終った後、近くに開店した「プチ・パピヨン」と言う店に寄りました。
チーズケーキの店「ラフレシール」がビネンスタッドに移転し、替って新しく入った店でして、場内の冷暖房用エネルギーを製造する際、ボイラーから発生する排熱を利用して栽培したミニ胡蝶蘭を販売しているそうな。
エコに拘るハウステンボスらしい店ですね。



↑その名の通り蝶に似て、可憐なミニ胡蝶蘭v
店内はさながら春の趣き、桃色の蝶の群れが羽根を休めている様でした。
大切なあの人の記念日に贈られては如何でしょう?(なぞと花屋の営業トークの様に)



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秋に初夏の薔薇3

2009年09月25日 21時49分51秒 | ハウステンボス初夏の旅行記
タイトル通り秋中に終わらせる為に(汗)、若干こっちのレポを優先してお届け…という訳で前回の続きです。



運河の両岸を彩る薔薇の運河は、ユトレヒト~ニュースタッド迄続いていました。
運河沿いを歩いて行く間に潜った橋は3つ。
街の建造物を基準に説明すると、アムステルフェーン~kirara辺り迄、ずっと薔薇が滝の様に咲いていたのです。
通るお客さんが口々に「綺麗ね~!」なんて言って、感激してらした。
世に薔薇園は数有れど、薔薇の滝の路は(今んとこ)ハウステンボスだけ(と思う)。
類稀なる(褒め過ぎか)眺めを目にしたければ、来年初夏にお訪ね下さい。

チューリップで有名で、春に最も混雑するハウステンボスだけど、この薔薇の運河を数年続けて行くなら、初夏も人気を呼ぶかもしれん。



↑途中こんな隠れベンチが置いてある。
これはキンダージム(旧ゴールデンホップ)近くに有った物。
家族やカップルで来た人が中に連れを入れて記念撮影をする光景をよく見ました。
冬の夜には電飾を纏ってキラキラ光る、それもまた綺麗。

薔薇の滝の終点を見届けた所で階段を上がり、来た道を戻りました。



↑ニュースタッドとミュージアムスタッドとを繋ぐクリスタル橋からの眺め。
向うに写っているのはフリースラントとビネンスタッドとを繋ぐジョーカー橋です。
ちなみに記事上の写真は、クリスタル橋からこれを写した向きとは逆に、ミュージアムスタッドを眺めた物。(↑)



↑今年の初夏はkirara前がプチガーデンになってて綺麗だった。
少しマウリッツ広場の噴水周りに分けたらってぐらいに、薔薇が咲き誇ってましたよ。
kirara前には小さい子用の遊園地「チャイルドキングダム」も有るんだけど、修学旅行で来ていた中高生にも人気を呼んでいたのには笑った。
好きな友達と遊べば、シーソーだってブランコだって滑り台だって、何だって楽しめるもんな。



↑クリスタル橋を渡ってミュージアムスタッドへ、橋から続くスロープに設けられていた薔薇のアーチ。



↑ミュージアムスタッドから、対岸に建つkirara館を眺めるように。

薔薇は運河に沿って咲いてるだけじゃない。
此処でクルッと回れ右してみましょ~。



↑そこにはこの様な薔薇窓が…よく見るとカメラ構える私が写っちゃってます。(汗)



↑ミュージアムスタッドに建つ館の窓辺に花を添える薔薇。
地区閉鎖から醸す暗い雰囲気を緩和するには良いアイディアだなと、意地悪い感想を持たなくもなかった。(笑)

あんまり言いたくないんだけど…現在ミュージアムスタッド地区は休眠状態なのです。(意地でも××とは書かない辺り)
オルゴールファンタジア、カロヨンシンフォニカ、アニメワールド、シーボルト出島蘭館、全て休館しちゃってるんですよ。



↑私が訪れた頃丁度全館眠りに就き、それが為(元から静かな区域ではあったけど)ナッソー広場に人気は無く、寂しいかぎりで御座いました。
いや全館ではなく「柿右衛門ギャラリー」と「3D」は未だ営業してたけどね。
その2館も、現在では「柿右衛門ギャラリー」がパサージュへ移動、「3D」はスパーケンブルグへ移動しちゃいました。
オランダ独立の父ナッソー伯(だったか?)の銅像の背中にも哀愁が漂っているようです。

 ・柿右衛門ギャラリー移転についての記事。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/event/blog/staff/?itemid=476&catid=6)
 ・MEGA 3D 360移転についての記事。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/event/blog/staff/?itemid=487&catid=6)



↑カロヨンシンフォニカの鐘の音も、今では遠い昔に聴いた調べ…。

なぞと落ち込んでた私の耳に、驚きのニュースが飛び込んで来た。
なんとあのマイケルさんが亡くなった事を切っ掛けに、生前遊びに来たマイケルさんが絶賛されたという「クリスタルドリーム」を、期間限定で復活させると言うのだ。
マイケルさん御逝去の折、「残しておいてれば、それを縁に偲ぶイベントが開けたのにね~」なんて友人と話してたが…本当にやるとは!
有名人の影響力の凄まじさを、しみじみ感じた出来事でした。

 ・復活したクリスタルドリームについての記事。
 (→http://www.huistenbosch.co.jp/event/blog/staff/?itemid=512&catid=6)

他の館についても触れてて欲しかったぜ、マイケル…。
残念ながら9/23迄の公開だった為、もう閉館してしまってるでしょう。
しかし1度は閉館しても、復活させる事は出来るんだなと、少しだけ希望が持てたような。
それと館で展示してた作品の一部は、パレスハウステンボス内の美術館で来年4/11迄公開されるんじゃなかろうか?
(→http://www.huistenbosch.co.jp/museum/topics/collection.html)

ハウステンボスに有った博物館は何処も個性的な魅力に溢れてて大好きでした。
全てパスポートで入れたから、ひょろっと寄りたい時に寄れるのが気安くて嬉しかった。
何時か復活する日を心から願ってます。



↑電話ボックスの横に在る、ミュージアムスタッドからビネンスタッドに抜ける出入り口。
秘密の出入り口っぽくって何か好きだ。
深緑の向うにカルーセルとドムトールンが覗けます。



↑マニアックなマリングッズを扱う、土産屋「フィギュアヘッド」前に有った薔薇窓。
「もしやフィギュアヘッドも移転か閉店…?」なぞと心配してましたが、変らず営業しててホッとしました。

賑やかな場所を好む人が居る一方、静かで人気が無い場所を好む人も居る。
何も営業してなくても私はミュージアムスタッドに休憩目的で立ち寄ってる。
封鎖して入れない訳じゃないんで、孤独に浸りたい時はこちらへどうぞ。


ミュージアムスタッド~ビネンスタッドまで歩いて来ました。



↑これはビネンスタッドバス停に停車してた花のフロート。

5/16、5/17開催のローズパレードの為、サイトでフロートのデザインを募集、来場客が手伝って完成させたという物。
近くで見たらほぼ造花だった、まぁそりゃそうか、生花だけで造ったら、金がかかってしょうがないもんねぇ。
造花とはいえ綺麗でしたよv
目に留めたお客さんが、寄って来ては写真を撮っておられた。
パレードについてはまたの日に語らせて頂きまする。

・花のフロートについての記事。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/event/blog/staff/?itemid=362&catid=6)

ビネンスタッドバス停の横には、特に冬に泊まるのに適している(気が個人的にする)、ホテル・アムステルダムが建っている。

何故冬向きかと言うと、広場側3階以上の部屋に泊まれば、光のイベントで盛上るアレキサンダー広場を見下ろせるから。
もう少し経てば冬イベントについての記事が公式サイトに上がると思うけど、毎冬ハウステンボスが開催する光のイベントは見事ですよ~。
イルミネーションの多種多様さでは、ハウステンボスが1番だと考えてます。(若干の贔屓目は承知の上だが)



↑そのホテル・アムステルダムの横(裏?)に有る、深緑が気持ち良かった通り。
隣はヨットハーバー、紺碧の海が広がっています。



↑こちらは中央広場を廻る表通り。

初夏は花だけでなく、深緑の美しさも加わるのが良い。
1年中で最も色が溢れる季節じゃなかろうかと。



↑ホテル・アムステルダムのパティオも初夏の花で飾られていました。

母と約束してた昼食時間が近付いていた為、此処で一旦撮影終了、ユトレヒトに向う事に。
といった所で続きは次回!



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君と一緒に(ルナミ編―その2―)

2009年09月23日 21時43分39秒 | 君と一緒に(ワンピ長編)





サンジが酔いつぶれた所で、俺達の忘年会はお開きになった。
バイクで来てたウソップは店を出てそのまま家に直帰、自動的にサンジを送る役目は俺とゾロに任された。

俺とゾロは帰り道同じ方向で、カラオケ店から歩いて行ける距離だけど、サンジの家は逆方向で、電車に乗って1駅行った先に在る。
元からグルグル巻いてる眉毛みたく、目をグルグル回しちまったサンジに、ゾロはブツブツ文句を言いつつも、肩を貸して引きずって歩いた。
一緒に肩を貸して引きずって歩く俺は、文句を聞いてて「酔いつぶしたのはゾロじゃん」って言いたくなったけど、めんどくさいんで黙っておいた。

行きに通った時にぎやかだった商店街は、帰る時には全部店じまいしてて真っ暗だった。
サンジを間に引きずる俺達の他誰も通ってない、なのにクリスマスソングはガンガンうるさく響いてる。
店の人がスイッチ切るの忘れちまったんだろうか?
俺達しか居ないのに一生けんめー楽しく盛上げてる音楽が、何だかむなしくてさびしく感じられた。

それから駅に着いて電車に乗って、また少し歩いてサンジを家に届けた俺とゾロは、来た道を戻って逆方面の電車に乗り、元居たカラオケ店の在る通りに辿り着いた。
そこから数m一緒に歩いて十字路に出た所で、「またな」っつって別れようとした俺をゾロは引き止め、コンビニでビールを4本買った後、近所の公園に誘った。

そこは俺が小さいころ「汽車ぽっぽ公園」と呼んでたとこで、階段でつながれた上と下、その内の上の遊び場にはデゴイチに似た機関車が飾ってある。
小さいころはその機関車の中に入って遊べるようになってたのに(もちろん走りはしなかったけど)、久し振りに来てみたら金網で囲まれててがっかりした。
見回したら砂場の周りも金網で囲ってあったり、大好きだった箱ブランコが無くなってたりしてるのにも気が付き、俺はがっかりを通り越して腹が立った。
自分の大事な場所を荒らされた気がしてムカついたんだ。
そんな俺に向い、ゾロは「きっと変な大人が隠れないように、野良猫なんかに糞をされないように、子供が怪我しないようにする為の措置だろうよ」って冷静に言った。

「時が経っても変らない物なんて何処にも無ェさ」

ゾロはしゃべりながら入口近くのベンチに座り、全然納得出来なくて金網ん中閉じこめられてる機関車をにらんでた俺を呼んだ。

「飲み足りなかったし…訊きてェ事も有ったしな」

プシッと鳴らして缶を開ける。
足を組んで座った横に、俺も同じポーズで座った。
間に置いてあった缶の内の1本に手を伸ばす。
したらゾロが無言で手の平を差し出した。
おごりと思ったのに違ったらしい。
納得いかなかったけど、旅行前に戦って疲れたくなかったから、大人しく払ってやった。

しばらく並んでビールをゴクゴク飲む。
一際寒くて強い風が、俺とゾロの足下にたまってた枯れ葉を吹き飛ばした。

公園には桜といちょうの木が植えられてる。
真っ白な外灯の光に照らされてるいちょうは、黄色く色付き始めたばっかだったけど、桜はすっかりハゲてさびしくなっていた。
一月前まではこんなに寒くなかったし、こんなに静かじゃなかったのになーなんて考えてたら、ゾロからとーとつに聞かれた。

「旅行って何時行くんだ?」
「明日」

答えたとたん、ゾロがビールをブッ!とふき出した。
そんなにウケる事言ったっけか?

「そうじゃねェよ!!だったらこんな所で寛いでる場合じゃねェだろ!!何故直ぐに帰らねェ!?」
「ゾロが公園で飲み直そうって俺を誘ったから」
「ああそうか、なら仕方…無くねェ!!んなら断って帰れ!!もう準備は終わったのか!?明日の朝は何時に起きるんだ!?」
「いや、全っっ然してねェ。そして明日は早朝4時起きだ」
「堂々と答えんな!!少しは焦れよ!!」
「ゾロが焦ったってしょーがねーだろ」
「そらそうだが……まァ、確かに俺が行く訳じゃねェしな…」
「準備ったってせいぜい財布と替えの下着だけ持ってきゃ良いだけじゃん。失くしちゃいけねーチケットなんかは、とっくにナミに渡してあるしな。5分もかかんねーで終わるさ!」
「何処へ行こうってんだ?」
「長崎の『ハウステンボス』ってテーマパーク」
「あ~あのオランダそっくりって言う……」

そこでゾロは苦笑いに似た、あいまいな顔をしてみせた。
初めて行くとこだし俺もよく知んねーけど、笑われんのはしんがいだ。
顔をムスッとさせた俺に向い、ゾロがフォローするよう聞いた。

「何故そこを選んだんだ?」

たずねられた俺は、手の中で缶をクルクル回しながら、下を向いて答えた。

「…今年の夏結婚した兄ちゃんが、彼女連れてった時、『ムード良かったぞ』って言ってたからさ…。
 『海の側だから、船に乗れて、ヨットにも乗れるぞ』って……」
「…船に……ヨットか……」
「それ聞いてナミ誘ったら、すっげー行きたがったし…。
 花がきれーな場所だって評判聞いてて、ナミも前から1度行ってみたかったらしい…」
「……ふうん……」

そこで再び2人同時に黙っちまった。
公園に俺達以外の影は見えず、外の道路を時々走ってく車の音だけが響く。
さっさと缶を空けちまったゾロは、両手でひねりつぶしてから、後ろに有ったゴミ箱に放りこんだ。
そうして新しい缶に手を伸ばして、またグビグビ飲み出す。
それを見て俺も急いで飲み切り、つぶした缶をゴミ箱目がけて放り投げ、もう1本取ろうとした。

けれどゾロの手が先に缶を取上げちまった。
また「払え」って事なのかと思い、しぶしぶ小銭を財布から取り出そうとした俺の顔の前で、ゾロの手がヒラヒラゆれる。

「ハネムーンを控えてる身なんだろ?飲み過ぎは禁物だぜ」

不意打ちでぶつけられた「ハネムーン」という言葉に、今度は俺がブッ!とふき出した。
冷たい空っ風に吹かれてるのに、顔が急速にほてって熱くなるのを感じる。
ニヤニヤ笑ってこっちを見てるゾロの顔を、俺はジロリとにらみつけた。



ゾロ・ウソップ・サンジとは、今のバイトで知り合ったけど、直ぐにいきとーごーした。
特にゾロとは無死二塁――あれ?何か違うな――とにかくそんな感じの親友になった。
仏頂面して無口な奴だけど、不思議とウマっつうかノリが合った。
「類稀なる方向オンチ同士、引き合う赤い糸でも見えたんだろうよ」なんて、サンジはしっけーな事ヌカシてたけど、初対面の時から俺はゾロの言いたい事が解ったし、ゾロには俺の言いたい事が解ったらしい。

けれどそんなゾロでも、この時の俺の気持ちは、聞かなきゃ解らなかったみたいだ。



「しかしマジでプロポーズする気か?おめェ高校卒業したら、直ぐにシャンクス追い駆けて、ヨットで太平洋横断するって言ってたろ?結婚後即嫁さん放ってく積りか?それ知って首を縦に振る女は居ないだろ」

「シャンクス」ってのはヨットで太平洋横断と世界一周に成功した男の名前で、俺がこの世で1番尊敬してる海洋冒険家だ。
それから十年後、今は東回り単独無寄航世界一周に挑戦してる。
出会った時、シャンクスにサインしてもらった麦わら帽子は、俺の大事な宝物だ。
高校卒業後は弟子になる約束を交わしていた。

「…断られっかな?」

カラオケ店でのサンジの言葉を思い出して不安になる。

「普通の女なら、断るだろうな」
「ショックだなー、断られたら……」

ゾロからそくとーされちまい、俺の背中から力が抜ける。
ズルズル背もたれをズッてく内、自然と夜空を見上げる形になった。
風に吹かれて晴れた雲のすき間から、星が光って見える。
1番明るく光る星、あれは北極星だろうか?

「…今すぐ結婚してくれって意味じゃねーんだ。そこに居て俺が戻るのを待っててほしいんだよ」
「『帰る港になってくれ』ってか?」
「違う!灯台だ!」
「大して変んねェだろ」
「違う!全っ然違う!」

振り向いた時には、ゾロは早くも3本目のビールを空けていた。
空になった缶を後ろにポイポイ放り投げてく。
前に向き直る途中で俺と目が合ったゾロは、兄ちゃんみたいな顔で笑って言った。

「ま、てめェの選んだ女なら普通じゃねェだろうし、大どんでん返しも有り得るんじゃねェの?」

それから立ち上がって、1人さっさと帰るそぶりを見せた。
門の手前で足を止めたゾロが、ニヤニヤ笑いを浮かべて振り返る。

「もう1つ、忘れちゃなんねェもん、思い付いたぞ!」
「何だ?」
「ゴムだ!旅先でも売ってるだろうが、念の為に持ってけ!――帰ったら初Hの感想を聴かせろよ!」
「1番はそれじゃねェ!!プロポーズが最重要だ!!」
「はは、顔が赤いぜ17歳!」

起き上がって怒鳴る俺を置き去りにし、ゾロは冷やかしながら公園を出て行った。
後ろ向きで手を振り離れてく背中を、同じく手を振って見送った俺は、また背もたれをズッてベンチの上あお向けになった。

さっき見た星は、まだ同じ位置で光ってる。
俺は頬に当たる風が冷たいと感じるまで、そこにジッとして居た。




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秋に初夏の薔薇2

2009年09月21日 17時58分16秒 | ハウステンボス初夏の旅行記
タイトルに「秋」と入れたからには、秋が終わるまでに書き終えないと間抜けになるって今気が付いた…。
間抜けになるのは嫌なんで、微妙に焦りつつ前回の続きです。



撮影に没頭してる私の携帯に、母から連絡が入った。

「アンカーズラウンジでケーキ食べながら待ってる」

そんな訳でナイアンローデ城を潜り抜け、ブルーケレンに在るバス停から、バスに乗ってスパーケンブルグまで行きました。
ホテル・ヨーロッパに行く場合、キンデルダイク(実際にはブルーケレン)のカナルステーションから、専用のカナルクルーザーで直に行ける。
が、入国した時間が早かった為、通常のブルーケレン~ユトレヒト間を航行するタイプしか出てなかったのです。
ブルーケレン~ホテル・ヨーロッパとを直で結ぶカナルクルーザーは、チェックイン客を見据えて午後の時間帯に航行している。
ホテル・ヨーロッパを含め、場内ホテル(場外もか)の通常のチェックイン時間は15時より。
クルーザーに乗って優雅にチェックイン出来るのは、ホテル・ヨーロッパとフォレストヴィラに泊まる客だけなので、是非利用したいサービス。
場外でも全日空ホテルの宿泊客は、ホテル~専用のクルーザーに乗って、場内(ユトレヒト)に入る事が出来るけどね。
ブルーケレン~ユトレヒト迄の航路は、河岸に瀟洒な建物が多く建ち並び、眺めがとても素敵なのですよv

しかしこの時私が選んだのはバスで、石畳の道をガタゴト揺られながら、港街スパーケンブルグに在るバス停に到着。
それから少し裏通りを歩くと現れるのが、記事上写真(↑)の如き立派な佇まいのホテル・ヨーロッパ。
薔薇祭に合せ、玄関前の花壇に植えられた花は薔薇。
華麗な薔薇に彩られたホテルは、何時もにも増して絢爛豪華に見えました。
玄関を潜る際には思わず知らず、背筋がシャンと伸びます。



↑陸路から玄関を潜り入館する客を出迎える、ロビーに据えられた大輪の花。
やはり薔薇祭を直前に控え、薔薇と初夏に咲く百合を中心に活けられていた。



↑けど何だか花が草臥れてる様な…?
これには理由が有る、ヒントは「明日は金曜日」。
解答は○回目の記事まで待て暫し。

此処のホテルロビーは、まるでミュージアムの様に色々な物が飾られているのが面白い。
アンティークに興味の有る人なら、楽しく廻れる事でしょう。
大きなのっぽの古時計は特に必見。
ただ木目細かいサービスを売りにしてるホテルなもんで、じっと佇んでると「何かお困り(お探し)ですか?」とばかりに、スタッフが傍に寄って来る。
例えるならデパート服売場の販売員の様に…放っといて欲しい人には、ちと合わないかもしれない。
とは言え本当に困ってる際には、此処のフロントに飛び込む事をお薦めする。
(ホテルスタッフの仕事を増やすようで申し訳無いが)、総合インフォメーションばりに頼りになりまする。
帰りの高速船が急に欠航した時等、私は此処のスタッフの方に随分助けて貰った、今でも感謝しています。
ハウステンボスの中軸(中枢?)と呼んでも過言じゃないのではと。

さてロビー奥のアンカーズラウンジに来たものの、母の姿が見えない。
何処か寄ってるんだろうな~と思い、ホテル内あちこちを撮影して廻った。



↑アンカーズラウンジ正面から見晴らせるポンツーン(船着場)。
ホテルの建物は「口」の形をしていて、中には運河を通じ海水が引き入れられている。
そうして造られた内海がこのホテルの景観の特徴で、専用のクルーザーは此処を入ったり出たりする。
のんびり行き交うクルーザーを優雅に眺めるラウンジ、設計した方は大したロマンチストだよ。

撮影を終えても母は現れず、時間を持余した自分は、先にテーブルに着く事にした。
案内されたのは何時もの船着場を正面から眺める席。



↑テーブルには母の日が近かった事から、カーネーションが飾られていました。
ピンクで可愛らしいねv



↑ケーキセットを注文、ホテルでケーキを注文すると、ケーキ全種類をトレイに盛り付け、店員がどれになさいますかと伺いに来る。
私はキルシュ(サクランボ)風味のスポンジに、苺や生クリームやチョコが飾ってある「ルロ・フレーズ」を選んだ。
…なんだか何時も選んでる気がしなくもないけど(汗)、てゆーかポピュラーなショートケーキだけど、スポンジしっとり生クリームは甘過ぎず、とても美味しいと思う。
紅茶はアールグレイ…を選んだっけか?(汗)、木目細かく泡立てたミルク&ストーンシュガー(白)がポットと一緒に用意される。
1杯目をカップに注いで貰ってる所へ、母がやって来た。



↑同じくケーキセットを注文した母が選んだ「レスプリ」。
濃厚なカシスのムースに、香ばしいナッツをアクセントに効かせてるケーキ。
カシスムースだから酸っぱいだろうと注文したらしいが、意外にも食べ較べてみたらショートケーキ(ルロ・フレーズ)の方が甘くなかった。
あっさりした甘味が好みなら、ルロ・フレーズはかなりお薦めで御座います。
いや「レスプリ」も美味しかったけどね、正に濃厚な味わいに感じられた。

場内ホテルのケーキはどれも美味しさ一級品、詳しくはまったりさんのブログを御覧下さい。
季節に合わせて新作も登場、そういうケーキは人気が高く、早く行かないと売切れてしまう。
ホテルラウンジに無い場合は、新しく出来たカフェ・デリ「プリュ」でテイクアウトして、ホテルの部屋で食べるのも良いんじゃと。
ラウンジで食べられるケーキとは違うだろうけど、同じホテルメイドの味を楽しめると、ファンの間で注目されとる店で御座います。
ケーキ以外にパン食品等も販売してますよ。(→http://www.huistenbosch.co.jp/restaurant/special/cafe_deli.html)
ちなみに現在サイトでは垂涎の場内秋スイーツを並べて紹介中。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/event/photo/?contest_id=3)

合流して一緒にケーキを食べるも、母は正味15分程で平らげ、ランガダイクへ向った。
このランガダイクについての残念なニュースは後で。
昼食場所にロード・レーウを設定した後、母と私は再び別れて各々の目的の地を目指したのでした。



↑ホテルを出て、私は薔薇の運河を観に行った、これはスパーケンブルグ~ユトレヒトを繋ぐシンゲル橋を眺める景色。



↑こっちはドム・トールン展望台の入口に続くトールン橋付近を撮った写真。



↑薔薇の運河を観るなら、階段を下りて運河沿いに歩かなければ。
って事で緑の蔦が這うシンゲル橋の下に参りました。
このトンネルをホテル・ヨーロッパ方面に潜ると――



↑――ユトレヒト地区に在るカナルステーションに出ます。
天気が好ければ近くに広がる野外席に座って、サンドウィッチ等を食べるのも気分が良いでしょうね♪



↑トンネルを逆方向に進むと――



↑――ジョーカー橋下の魚ッチングスポット迄、さながら滝か簾の様に薔薇が運河に沿って咲く眺めが出現する。
いやいやこの見事な眺めはジョーカー橋を過ぎても尚先へと続きます。
しかも写真は片岸しか写してないけど(御免…)、実際には両岸ずっと続いてる。



↑これが今年の初夏に初披露された「薔薇の運河」。
3年の歳月を懸けてるそうで、完成までは相当苦労したらしい。
ハウステンボスは海を臨む街、運河に流れる水は海水で、吹き抜ける風は塩を含んでいる。
かてて加えて下に向って蔓を伸ばす薔薇の例は無く、ならば如何なる工夫で拵えたのか?
詳しくは公式サイトの記事を御覧下さい。(→http://www.huistenbosch.co.jp/flower/special/rose.html)



↑運河に降り注ぐ薔薇の滝飛沫を、良くぞ実現したと思う。
今迄自分はハウステンボスを初めて訪れると言う人には、「光の運河」や「光のパレス」を観られる冬(クリスマス頃)を勧めて来たけど、この「薔薇の運河」が観られるなら初夏もお勧めかなぁと考えるようになった。
薔薇の運河――光の運河に匹敵する、ハウステンボスならではの季節イベントに育つ予感がします。



↑運河に沿って歩いているだけで、立ち込める薔薇の良い香りに酔いしれますv



↑水面を滑る白鳥をお供に運河をお散歩♪…写真の白鳥は逆方向に進んでるけど。(汗)



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秋に初夏の薔薇1

2009年09月18日 22時05分30秒 | ハウステンボス初夏の旅行記
秋の薔薇咲くシーズンに、季節外れは承知で、初夏の薔薇咲く園へと御案内。(汗)

今年の5/14、飽きもせず長崎ハウステンボスへ行って来ました。
その旅の記録を、今更ですが(汗)書いて行きたいと思います。



「今年の初夏のハウステンボスは、薔薇が夢の様に咲き誇ります!」
「最大の見物は運河の両岸1kmにも続く薔薇の運河!」
「花嫁のウエディングドレスをイメージさせる様な、純白のローズガーデンがオープン!」
「園内何処に居ても、芳しい薔薇の香りを感じられるでしょう!」

HPのそんな宣伝文句に惹かれて、○度目の訪問を決意。
旅立ちの日は、連れの母と共に午前3時起きでした。
何処ぞの歌じゃないが(タイトル忘れた)、夢を見る間も有りゃしない。
寝惚けてるもんだから、母は向う途中で財布を忘れた事に気付き、家に戻った。
「前日ちゃんとチェックして鞄に詰めないから、そういうポカを仕出かすんだ!私なんか此処数年忘れ物なんてした事無いよ!」なぞと、親相手に偉そうに説教する私。
しかしそこで自分も常備薬を忘れてる事に気付き、慌てて家まで取りに戻ったのでした。
そのせいで旅行中ずっと母から皮肉を言われ続ける破目に…軽はずみで大きな口は叩くもんじゃないと心から反省した。(恥)

とまぁ初っ端からゴタゴタした割には、遅刻する事無く羽田第2に到着しました。
浜松町~羽田空港まで直で結ぶ空港快速のお陰です。
時代と共に進化して行くサービスって素晴しい!

夏至に近付いてる頃だったんで、午前5時には朝陽が昇り、明るかったです。
今回往路の飛行機はSNAを選んだんだけど、その為初めて羽田第2空港を使ったという。
今迄はJALで第1しか使った事ないから…どんな売店入ってるか観るの楽しみにしてたんですけどね~。
早過ぎてガランガラン(汗)、1店たりとも開いてなかったですよ。(いや虱潰しに探せば1店舗位見付かったかもしれんけど…)
空港のサービス自体始まったばかりらしく、案内係のお姉さん達が、忙しそうに自動発券機の点検をしとりました。
窓際の席を選んでとっとと待合スペースへ。
そこで家から用意して来たお弁当食べてる間に漸く売店がオープン。
しかし出発時刻が近付いてたんで、結局覗く事が出来なくて残念だった。

予定より15分遅れて、6:55羽田を離陸。
離陸前にビデオを使わず、フライトアテンダントさんがジェスチャーでフライト中の注意をして下さったのにはビックリした。
機内にビデオ(TV)が有るのは当り前と思い込んでたもんで…。
今迄乗ったのに較べて、随分可愛い飛行機だったなと。
機長も外国人だったみたいだし、シートは横に6つ並んでるだけだったし、普段ジャンボ慣れしてるもので、色々と珍しく感じられたです。

全国的に好天だったお陰で、途中富士山が綺麗に見下ろせて嬉しかった。
少し太目の半月もくっきり浮んで見えたし。
風の影響も特に無く、予定よりも早くスムーズに到着~と思ったら、事件は唐突に起きた。
肉眼で「NAGASAKI(植え込みで造ってある)」と読めるまで長崎空港に近付いたものの、再びグイ~~ンと上昇。
「え?何々?どうしたの??」と不安げにヒソヒソと話す搭乗客。
勿論私と母も不安を顔に貼り付けてヒソヒソと話した。
「チラッと見えたんだけど…空港に消防隊と思しき赤い服着たチームが待ち構えてたのよ…ひょっとして車輪が降りなかったんじゃ…?」と母。
それは怖い、凄く怖い、どうせ事故を起こすなら、ハウステンボスを満喫後の復路に…ってそれも嫌だ。(汗)
いいかげん若くないとはいえ、まだ死にたくないのが本音。
状況を説明するアナウンスが中々流れず、心配は募るばかりでした。

再度上昇後飛行機は約25分間、長崎空港上空をグルグル回ってました。
空から眺める長崎の海は、正に紺碧色でしたよ。
一部諫早湾の辺りだけ、黄土色に汚れてたけど…早く開放すれば良いのに、あそこ。

結局は無事到着したし、只で遊覧飛行を楽しんだと思えばラッキー、話のネタにもなった事だし。(笑)
到着後流れたアナウンスの言葉を信じるなら、計器トラブルが原因だったらしいです。
後で頂いたコメントによると、長崎空港は海上に在って、海風の影響を受けるから、こういうトラブルが起き易いんですと。
という事は後5~6回位は体験するかも…。

午前9時頃長崎空港到着、飛行機が遅れた為、バスも出発を遅らせていた。
ハウステンボスへは高速船を利用しても行けるんだけど、値段が張るもんで最近自分は往路だけバスで行っている。
海に沿って田舎道を進むのも風情が有って好きだ。
行った日は薄雲が広がる青空、波穏やかな大村湾が窓から眺められて、気分最高で御座いましたよ。
バスの運ちゃんが丁寧にガイドしてくれたのも楽しかったし…昔はしてなかったと思うんだけど、観光客を増やす目的でサービスし始めたんだろうか?

10:15、バスはハウステンボスに到着。
入国棟前にも薔薇のゲートが続いてて綺麗だった。
到着後、入国棟側の場内ホテル宿泊者用荷物受付口で、荷物をホテル・ヨーロッパに送って貰ったり(パスポートも此処で購入した)、場外の全日空ホテルに寄ったりして、ハウステンボスに入国したのは午前11時頃でした。



↑入国ゲートを潜った目の前に広がるエントランスガーデン。
一歩入った途端、咽るほどの薔薇の香りに包まれました。



↑薔薇のゲートが続く此処は、場内最初の撮影スポットとして、人気が高かったです。



↑ゲート内から覗いた景色。

入った傍から足を止められ困る。(笑)
夢中で写真を撮り捲っていて、気が付いたら母の姿が無かった。
既に先へ行ってしまったらしく、後で携帯に連絡を入れて来たのでした…。

しかし入国して直ぐのこの地区は、絶好の撮影スポットなのです。
記事1番上の写真は、ナイアンローデ城からキンデルダイクの風車を眺めるように写した物。
どうぞ足を止めて、ゆっくり御覧下さい。



↑ナイアンローデ城前に置いてあったベンチ。

「此処に座って。
 貴方に見せたい景色が有るの」

場内のベンチは大抵眺めの良い場所に置いてある。
撮影場所に困った時は、近くのベンチに座って見よう。



…こんな風に、今日からワンピ連載と並行して、初夏に訪れた時のレポを書いてく予定です。
季節外れではありますが、暫し懐かしい初夏の風をお楽しみ下さい。(汗)




コメント (2)

君と一緒に(ルナミ編―その1―)

2009年09月16日 22時34分09秒 | 君と一緒に(ワンピ長編)
「俺さァ、今度彼女と一緒に旅行するんだ!
 そんでそこでプロポーズしようと思ってる!」

12月初め、コンビニで一緒にバイトしてる4人で、ちょっと気の早い忘年会をする事にした。
場所はとあるカラオケ店で、延長に次ぐ延長を重ねて盛り上がり、いいかげん帰るか~という声が出だしたころ、俺は思い切って重大発表をした。
それを聞いたとたん、隣で分厚い曲リストをめくっては指をはさんでたサンジと、その真向いで黙々とビールをピッチャーで飲んでいたゾロが、ものすごい勢いでこっちを振向いた。
続いてTV隣の席陣取って必要ねーのにこぶしを回しながら「いい日旅立ち」を歌ってたウソップが、マイクを口に当てたまま「こいつ死亡フラグ立てやがったァァァ!!!」と絶叫した。
叫びを聞きあっけに取られたのか、俺に何かを言いかけてたゾロとサンジが、口を開けたままの顔で固まっちまった。
エコーが完全に静まるまで、俺達4人は顔を見合わせ黙っていた。





                            【君と一緒に】
                         ―打ち上げろ!(ルナミ編)―





「…『死亡フラグ』ってどういう意味だよ?」

まだ耳の奥にさっきのウソップの絶叫がつまってる気がして、両指で耳をほじくりながらウソップに聞く。
「死亡」ってくらいだから良い意味じゃない事は察せたんで、聞く前からムッとした顔でにらみ付けてやった。
そんな俺を正面からおちょくるように、ウソップが説明する。

「ドラマなんかで観るだろォ~?『今度恋人にプロポーズするんだ』っつった直後に死んじまう奴がよォ~。今度今度とのたまう奴に『今度』と言う名の機会は訪れない、これ鉄則のお約束パターンなんだよ!」
「ウソップ、喧しいからマイク離して喋れ」
「お、悪ィ、つい手と同化しちまってた!」

隣からゾロに注意されたウソップが、マイクのスイッチを切りテーブルに置く。
そうして腕組み足を組み替え、さらにブツブツとよく解んねェ文句をつぶやいた。

「時は師走…クリスマスに正月という、2大お目出度イベントを控える時期に…おまえって奴は不吉なフラグを立ててくれるぜ…」
「バカかてめェ?『今度』って言ったぐれーで死ぬかよ!フィクションと現実こんどーしやがってはっずかしー!」
「いやいや、死にそうにねェ奴ほど、案外コロッと逝っちまうもんで…わっからんぜェ~?」
「死んでたまるかっ!!人に『死ぬ』なんて言う奴のが先に死ぬんだからなァ!!」
「小学生並の屁理屈捏ねんな!てめェに17歳ハイティーンとしてのプライドは無ェのかよ!?」

「待て待て2人共!今は争ってる場合じゃねェ!」

つばを飛ばしつつケンカをおっ始めた俺とウソップの間に、サンジがちゅうさいに入った。
俺達が黙った所で、サンジは脱いだジャケットの胸ポケットを探り、たばこを1本取り出して口にくわえる。
すかさずサンジの正面に座るゾロが、渋い顔で非難した。

「おい、屋内で煙草吸うなっつったろ!」
「るせェな、吸わなきゃ冷静に話せそうにねェんだよ!」

問答無用で立ち昇った煙が、クルクル回るミラーボールの光を反射する。
プラネタリウムみたく紫色に薄暗い部屋の中、TVに映ったジャイアンが俺達の代りに歌を熱唱していた。
「明らかに歌が上手くなっている」だァ?歌の上手いジャイアンなんてジャイアンじゃねーだろ!
そんな事を考えつつチラッと腕時計を見たら、残り時間後30分。
せっかくカラオケしに来たのに、歌わなくて良いんだろうか?

「なー、誰も歌わねーの?だったら俺、歌って良いか?」

どうも空気が重くて居心地悪かったんで、笑顔でたずねてみた。
サンジの前に置いてある曲リストを取ろうと手を伸ばす。
けどそれを阻止するように、サンジの手がリストを押さえた。
綱引き状態のまま、しばらく無言でにらみ合う。

「……なんだよ、歌わせろよ。室料もったいねーじゃん」
「歌いたけりゃ、こっちの質問に答えろ。ルフィ……てめェ…彼女が居るのか?」

テーブルの上の黒いプラスチック製の灰皿でたばこをもみ消した後、サンジは再び俺と向き合いすごんだ。
顔左半分金髪で隠れて1つ目しか見えないのに、両目でにらまれる以上の眼力を感じる。
なんでそんな険悪ムードを漂わせてるのか解んなかったけど、聞かれた俺は素直に答えた。

「うん、居る!」

直後、サンジの顔がクシャミを我慢してるブルドックみたくゆがんだ。
押さえてるリストを伝って、体がブルブル震えてるのが判る。
風邪でも引いたのかと心配になり、額に手を当てようとしたら、乱暴に振り払われた。

「17歳高校生のクセして彼女持ちだァァ!?しかも一緒に旅行してプロポーズだァァ!?十年…いや百年…いや千年…いや一万年早ェよ!!!」
「そんなに長い事経ったら俺も相手も死んじまってプロポーズ出来ねーじゃん」
「うるせうるせうるせェェェ!!!…クソォアアア!!!19歳大学生の俺が未だ清らかな体で日夜真実の愛を求めているというのに、今日びの高校生ときたら…!」

わめきながらサンジが頭をグシャグシャかきむしる。
そこへゾロがあざけるようにボソリとつぶやいた。

「童貞」
「黙れ緑のヒヨコ頭!!!俺は恋愛に崇高な憧れを抱いてるが故に、相手が中々見付からないで居るだけだ!!!」

プッツンしたサンジが怒鳴って返す。
しかし今の一言はそーとー効いたらしく、目尻には涙がたまっていた。

「プロポーズって、『ナミ』さんにだろ?おまえより1つ上で、幼馴染の…」

俺の横でヘビみたく体をくねらせ独りで遊んでるサンジを無視して、今度はウソップが聞いて来た。

「おう、決まってんじゃんか!」
「……ふーん…」

サンジほどじゃないけど、ウソップの態度からも面白くなさげなにおいを感じて、首を傾げた俺はふと気がついた。
俺とウソップは学校は違うけど、同じ高2で17歳、先を越された気がして面白くねーんだ。
そこまで考えついて、サンジの様子が変なのにも納得が行った。
ちなみにサンジは俺より2つ上、ゾロは先月誕生日を迎えたばかりの20歳、2人とも大学生だ。
そういやサンジの奴、ウソップに彼女が出来たって聞いた時も、ブッチン切れて暴れたっけなー。

「小坊がそのまんま高校入ったよな形のクセして、そこまでススンデルとはねェー」

俺の前でカルピスサワーをグビ飲みし、笑ってしゃべる声にはトゲが有る。
「ススンデル」の意味が今一理解出来なかったんで聞いてみた。

「だって一緒に旅行するよな仲なんだろ?って事は既にAとか…Bとか…Cとか……」

段々と声が小さくなってって、しまいにはゴニョゴニョとしか聞き取れなかったけど、大体の事は解った。
つまりナミとHしたのか、暗に聞いてるらしかったので答えてやる。

「俺とナミ、まだ何にもしてねーぞ」
「は?」

したらウソップの顔がモアイになって固まっちまった。
視線を左にズラしたら、ゾロまで同じ顔で固まっちまってる。
ダブルモアイだ、後998体位集めて並べたら、イースター島みたくそーかんだろうなーと思った。

「…何もしてねェって…ひょっとしてキスもか?」
「ああ、してねェ」
「…そ…それで一緒に旅行して…プロポーズをすると…?」
「そうだ、悪ィか?」
「悪ィかって…ああ貴方、事には順序ってもんが…!」

ウソップから質問を受けてる最中に、サンジが「ククククク…!」なんて笑いながら、ビヨンと起き上がりこぼしみたく起き上がった。
ゾロが「気色悪ィな!」と文句を飛ばす、俺も同感だった。
けれどサンジは遠巻きで居る俺達にかまわず、腕を組んで気色悪ィ笑いを止めない。
と、いきなりクワッて開いた右目が、俺の顔を真直ぐにらみ付けた。

「ウソップ、てめェの言った通り、こいつの告白は死亡フラグで当りだぜ!」

その言い方にすこぶる悪意を感じた俺は、負けねーぐらいすごんで聞いた。

「何で俺が死ぬんだよ?」
「物理的に死ぬって意味じゃねェ。精神的な死――即ち『失恋』するって言ってんだよ!」

さっきまでの暗黒落ち込みモードがウソだったみたく、サンジは俺に対して活き活きとせせら笑った。

「しかしよー、一緒に旅行すんのをOKしたって事は、プロポーズを受容れるかはさて置き、HはOKと解釈して良いんじゃねェ?」

火花を散らす俺とサンジの間にウソップが割り込む。
どうもウソップにとっては、俺のプロポーズが成功するかより、俺の初Hが成功するかが大問題らしい。
ゾロはといえば、口をはさみこそしないけれど、興味はシンシンらしく、大好きなビールをピッチャーに半分残したまま、ジッと話に耳を傾けている。
残り時間も少ないってのに、全員歌いもしないで、俺の恋の行方をさかなに激論し合った。
ウソップの「HはOKと解釈して良い」の発言を受けたサンジが不敵に笑う。

「一緒に旅行するのをOKしたって、体までは許してくんねェかもしれんだろ」
「一晩一緒の部屋に泊まって『何もしないで』ってか?そりゃねェぜ!」

自分が彼女と旅行して、言われた所を想像でもしたのか、ウソップが理不尽だとうったえた。
そんなウソップや俺に向い、サンジが年上風を吹かして解説する。

「そこが女性心理の難しい所でな。一旦は恋人に身を委ねる覚悟で来たものの、いざ初夜を迎えて一つ布団の上並んだ枕を見ている内に、『果たしてこの人と契る事が真の運命かしら?自分で自分の気持ちが解らない。嗚呼、お母さァ~ん!』と不安が募って拒んでしまうのはまま有る事」
「と、過去に拒まれた経験者は語っている」
「喧しいんだよクソッタレェェ!!!」

ゾロから茶々を入れられ怒鳴ったものの、直ぐにサンジは俺の方に向き直って話を続けた。

「おまえの彼女、1つ上で幼馴染だって?」
「おう、俺の家の前に住んでて、赤ん坊の頃から見知った顔だ」
「そこまで近しい付き合いだと、『男』としてじゃなく、『弟』みたいな感覚で付き合ってるかもしれねェぞ?」

俺が見ている前で、唇の端がクイッと持ち上がる。
内心そーいう不安を感じてなくもなかったんで、俺はことさらムキになって反論した。

「違う!ちゃんと俺が中学卒業する時に、『付き合おう』つって付き合ってんだからな!」
「まァ~、親友として陰ながら応援はしといてやるけどよ。フラレても切れて彼女を無理矢理押し倒したりすんなよ?
 大体てめェ、あからさまに泥縄なんだよ!
 プロポーズするなら社会人として身を立てられるような技術を持てよ!
 そしてマイホーム購入の為の貯金を始めろよ!
 そこへ行くと俺なんか実家は一流レストランだし、料理の腕も将来有望と謳われてるし、遊んでるように見えて貯金は万3桁まで届いてるし、身奇麗にして社交的かつ女性を楽しませる話術を日々研究してるし――」
「すげェなーサンジ!けどそんなに努力してて、何で彼女出来ねーんだ?」
「余計なお世話だクソッタレェェ!!!!」

心底不思議に思って質問しただけなのに、サンジにとってはちめいしょーだったらしい。
頭上に出現したブラックホールの重みに沈没しちまった。
悪ィ事言っちまったなーと済まなく思ってたら、その頭が直ぐにムクリと持ち上がる。
忙しい奴だ。
復活したサンジがキョロキョロと俺達の顔を見回す。
こっちが理由をたずねる前に、サンジの方が先に口を開いた。

「…さっきからどうも違和感持ってたんだが……ゾロ、ウソップ、おまえらルフィの彼女の事、知ってたのか?」
「ああ、前に写真見せて貰ったからな」
「俺なんか、カヤも合せて4人でWデートして、直に会ってまでいるぞ!」
「どうして俺だけ仲間外れにすんだよ!?紹介しろっっ!!今直ぐに!!」
「そうやって暴れるのが目に見えてたから、話すらして貰えなかったんじゃねェの?」
「緑のヒヨコは人語を喋らず黙っとれェェ!!!」

俺に代って真実を告げてくれたゾロにサンジがほえる。
言われた八つ当たりもこみか、サンジは俺のえり首を乱暴に掴むと、ヤクザっぽくドスを効かせた声でナミの写真を要求した。

「写メとか持ってんだろ!?命が惜しくば大人しく見せやがれ…!」
「持ってねーよ!!見せてほしかったら今度持って来てやっから待ってろ!」
「んだとてめェ…!?大事な彼女の写真を肌身離さず持ってなくて、よくそれで『付き合ってる』なんてヌカセるなァァ!!」
「あ、俺持ってるぞ!前にWデートした時、4人で撮った写真!」

よせば良いのにウソップが手を挙げる。
肩がけカバンから取り出したケータイを、サンジは光の速さでキャッチし、ピクチャ画面を開いた。

「その中の3番目の…そうそれ、4人並んでるヤツ。右端ルフィの隣に居る女が、噂の『ナミさん』だ!」

おせっかいなウソップが横に付いてマメマメしくガイドする。
その間サンジはじぃっっと穴の開くほど写真を見つめていた。

「……この…オレンジ色の髪の、極めて可愛らしいレディが『ナミさん』か…?」
「まーカヤには負けるけど、結構可愛い顔してるだろ?」
「……こここの…型崩れしていない豊かなバスト、きゅっとしまった蜂腰、逆ハート型のヒップラインと、美少女モデル真蒼の完璧プロポーションなレディが、ルフィの彼女……」
「んーそこは悔しいがカヤ負けちまってるな。デートしたのは夏だったから、尚更目立って判ったけど、すんげー巨乳だったぜェー!だがしかし胸は大きけりゃ良いってもんじゃねェ!!そう思わないかい?サンジ君!」

ウソップから能天気に同意を求められるも、サンジは無言で写真を見つめたままだ。
その内ブルブル体が震え出したのに気づき、俺の胸に嫌な予感が走った。
横に立ってるウソップも、俺の前に座ってるゾロも、同じく感じたらしい。
俺達3人の注目を集めたサンジが、地をはうような声を出した。

「……駄目だ…駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ…!結婚なんて許さねェ!プロポーズだァ!?とんでもねェよ!PTAと教育委員会は何してやがるんだ!おい誰か文科省に電話しろ!高校生の不純異性交遊許すべからず、一刻も早い指導が待たれる…!」
「この野郎…また発作起こしやがった!――ウソップ!アルコール度数の高い酒じゃんじゃん注文しろ!酔い潰して黙らせる!」
「えええ!?注文すんのはいいけど誰が払うんだよ!?」
「勿論この顔面ハーフサイズの男に払わせるに決まってんだろ!!いいから早く注文しろ!」

暴れるサンジの手足をゾロと俺とで押さえてる間に、ウソップがメニューを見ながら適当に注文する。
カクテルにサワーにウィスキー水割にビールに焼酎に日本酒…テーブルは瞬く内にグラスにせんきょされた。
それから俺達はサンジの口をこじ開け、手当たり次第に注ぎこみ、ついでにおつまみプレートに残ってたチーズポップコーンもブチこんだ。

「ハイハイ♪そんじゃ忘年会らしく行ってみよー♪
 サンジ君のっ♪ちょっと良いとっこ見ってみったいっ♪
 あ、イッキ♪イッキ♪イッキ♪イッキ♪…」
「離ぜ離ぜ離ぜェェェ!!!!結婚なんべばべっが!!!―ゲフッ!!――結婚ばんべ…お兄ばん絶対許ばべェがんばァァ~~~~~!!!!」

ウソップの音頭に乗って次々グラスを空けてくも、サンジはしぶとく叫び続け、酔いつぶれて静止したのは終了時刻を30分過ぎたころだった。




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夏草や 化物共が 夢の跡

2009年09月12日 17時09分22秒 | ただいまおかえり(雑記)
百物語が無事終了しました。

……いや終ってないじゃん、百話まで語ってないじゃんと、ツッコミ入れたい方も居られる事でしょう。
しかしこの回で語った通り、「完成」それは「崩壊」の始まり、99話で打ち止めるのが幸いというもの。
子供の頃噂に聞いた人も多い筈、「学校の七不思議全て知ったら死ぬ」とか、「不吉に見舞われる」とか。
百話まで語る事を期待して通ってくれた人には申し訳無いけど…ぶっちゃけ99話~百話目の回は、凄まじい混雑振りで御座いました。
怖い怖いと言いつつ覗き見た、皆様の不屈の野次馬根性に乾杯(完敗)。

けどさぁ…怖いもん、マジ怖かったもん。
もし百話語って何か起きたりしたら、洒落にならんじゃないすか。(汗)
怖いなら語るなよってか?それとこれとは話が別腹の別問題なんで御座いますよ。
オカルト好きな人間って、実際には人一倍臆病なものです。
「怖い」と感じる気持ちが無けりゃ、そういう話に興味持ったりしないって。(笑)
敢えて自分から恐怖に飛び込む事で、来たる恐怖に耐える力を付けよう、慣れておこうと考えるんではと。
見えない未来を知ろうと、占う気持ちに似ていますな。

とは言え百話語って噂の真偽を確めようという気持ちまでは無い。
怖いものは見ないに越した事は無いですからねえ。
それはこの記事を読んでる方々も同感の筈だ。
お互いの心の平穏を守る為に、99話でお開きに致しましょうぞ。

閉会を機に、裏話なぞを細々と。

百物語を思い立ち、己の知ってる不思議で奇々怪々な話を、ノートにリストアップする事から始めた。
「99話(最初から百話語る積りは無かった)も集められるだろうか?」と、最初は不安に思っていたんすが、やってみたら軽く五百以上集まってしまった…。
つくづく自分はオカルトが好きなんだなぁと実感。
しかしそれでは百物語ではなく、千夜一夜物語になってしまう。
そんな訳で次に話を削る作業を行った。
一応図書館で本読んだりして、新たな怪談を仕入れようともしたんすが、結局は思い入れの強い、昔から知ってた話を多く選んでしまったなと。
読んでて「妙に偏ってるな」と感じた方は多いでしょう。
岡本綺堂ばっか取上げて済みません、半分近く怪談言うより、フェアリーテールになってて済みません。(汗)
綺堂の怪談は「人から伝え聞いた」という手法で語られる分、百物語の会の席で話しているという、リアルな感覚が持てる気がしまして。
フェアリーテールは……まぁ……結局は己の趣向の問題です。(汗)

怪談って短い方が怖さが引き立つ気がします。
話作りの巧い作家が書いても、怖くて面白い怪談が生れる訳じゃない。
例えばこの女子高生作と思しき怪談なんて、充分ゾッと出来る。
元の話が在るにしても、上手い事アレンジしたなぁと感心してしまう。

最後に紹介したヒュー・ウィリアムズの話には、更に底知れぬ謎が在るらしいです。
1664年12/5、1785年12/5、1860年12/5にメナイ海峡で起きたと言う3件の沈没事件だけでなく――

1660年12/5、ドーバー海峡で1隻の船が沈没した時の生存者も、ヒュー・ウィリアムズ唯1人。
1780年12/5、ドーバー海峡で1隻の船が沈没した時の生存者も、ヒュー・ウィリアムズ唯1人。

1820年8/5、テムズ川で1隻のボートが転覆した時の生存者も、ヒュー・ウィリアムズ唯1人。

――これまで含めるのは流石に無理矢理過ぎる気もするけど。(笑)
メナイ海峡とドーバー海峡で起きた沈没事件の生存者名が、同じく「ヒュー・ウィリアムズ」なのも驚愕っすが、同じ日に起きてるっつうのが不気味に思えませんかね?
名前だけだったら、こちらで言う所の鈴木一郎さん並にポピュラーなんだなと納得行くけど(イチロー御免)、日にちまでピッタリ同じっつうのは凄い。
ちなみにメナイ海峡で起きた3番目の事故は、乗客20人全て「ヒュー・ウィリアムズ」と言う名前だった可能性も有るんだそうな。
なんでも「ヒュー・ウィリアムズ」って名前なら、沈没しても助かるだろうって、集まったらしい。
…本当かいな?で、結局その内のたった1人の「ヒュー・ウィリアムズ」さんが選ばれたと言う……聞けば聞くほどゾッとしますな。



↑百物語を終えた所で、厄払いでも致しましょう。
那須温泉神社鳥居で御座います。
会に参加された方、モニター越しで構いませんので、手を合せて拝んで下さい。
少しは気分が良くなると思うよ?(笑)



↑8/27にレンタカー借りて、那須に日帰りで遊びに行ったんですよ。
この建物は南ヶ丘牧場のレストラン。



↑これは牧場に咲いてた花。
花の名前に疎いんで名は知らず。(汗)
場内赤蜻蛉が飛んでいて、秋の風情で御座いました。

…前日にこんな怪談を話してたから、車内では密かに怯えてましたよ。
我ながら自虐的だと呆れる。

書いた話は会終了後、多少修正を入れました。
特に1年目は、未だキャラ(?)が統一されてなかったもんで。
誤字脱字無駄な改行なんかはそのままにしてあるけど…順に読んでくと次第にこなれて行くのが見て取れて微笑ましかったり。(笑)

百物語のやり方についてなんですが、岡本綺堂の「百物語」に見られるように、蝋燭を百本用意するのではなく、行灯に百筋の灯心を入れて火を灯し、一話終える毎に1つずつ消すというのが正しいそうです。
でなきゃ火事になりかねんからねぇ、蝋燭に変ったのは江戸末期の頃からだそうな。
現代では蝋燭の方がイメージし易いと思い、選んだんだけど、由緒正しい作法に拘る方は、灯心を百筋用意されて下さい。
つってもコックリさん同様降霊術だからね…危険だからやらない方が良いですよ。(汗)

さて秋はマジカルエミの感想を中心に、懐アニ記事を更新してく予定を立ててたんですが……

ハウステンボスがピンチという話を伺い…いやあそこは何時だって大ピンチですが。(汗)
正真正銘かつて無い大ピンチらしい。(汗)
そこで急遽ハウステンボス中心に記事を更新してく事にしました。
コロコロ予定を変更して御免なさい。
けどハウステンボス外の記事を書いていて、その間にあそこがヤバクなったら、自分後でかなり悔やむだろうなと。
そういう訳で来年の3/25迄、ハウステンボス中心で行かせて頂きます。
具体的に何を書くかってぇと、今年の初夏に訪れた時のレポと(今頃…)、7月に書こうと思ってたワンピとハウステンボスのコラボストーリー。(汗)
夏~秋は仕事の忙しさが年度末並にピークを迎えるんで、ゆっくりのんびり更新になるとは思いますが、お付き合いのほどどうか宜しくお願いします。

そう…今丁度忙しいんですよ。
毎日更新しているように見えて、実際には「予約投稿」機能を使った、過去に書いた記事が今年の百物語だったり。
予め指定した日が来ると、ブログが勝手に公開してくれるという。
そんで後は携帯使って修正したり、ネットカフェのPC使って修正したりしてました。
8月は殆ど自宅のPC使ってなかったのです。(弟がノーパソを新しく購入、ネットに繋ぐ際に不具合発生、その煽りを食らって使えなかったっつう理由も有る)
自分がPCの前に座ってないのに、日々記事が更新されてく様は、考えてみればオカルトだった。
果たしてこのブログの主は誰?
自分が更新を止めたとして、それでもブログが続いて行くとしたら、それは……

世に不思議は尽きまじ。
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異界百物語(目次―上―)

2009年09月06日 19時17分07秒 | 百物語
やあ、いらっしゃい。

此処は怪奇と幻想に彩られた百の物語へと続く扉だよ。
有触れた日常に疲れた夜に、覗いてみるといい。

行きはよいよい、帰りは恐い。

覗いて無事帰れるかは、保証しないがね……



)ボーリィ牧師館
)ウィンチェスターハウス
)バークリー・スクエア50番地
)幽霊と親しくなったガブリエル卿
)幽霊滝の伝説
)アハ・イシカ
)クロー・マラ
)ドゥアガー
)ヘルラ王
10)輪の中の世界
11)湖の精に恋した男
12)妖精の騎士
13)消えた3人の燈台守
14)ハベトロット
15)ファウル・ウェザー
16)ヘッドリー・コウ
17)緑の子供達
18)常識
19)トーレエッペ
20)部屋消失事件
21)破約
22)ツツジの伝説
23)子供達が屠殺ごっこをした話
24)腹裂き殿さん
25)血塗れエリザベート

26)濡髪堂
27)お貞の話
28)葬られた秘密
29)鳥取の布団の話
30)忠義者の首
31)謀
32)何時も有る事
33)死骸に乗る者
34)和解
35)吉備津の釜
36)青頭巾
37)板橋三娘子
38)猫の湯治
39)妬婦津
40)血を啜る人魚
41)赤い蝋燭
42)平和の女
43)ボカン
44)妖精の銀貨
45)底革のハンス
46)ウィッテンハムのショートホッガーズ
47)家精
48)強盗のお婿さん
49)踊りぬいてぼろぼろになる靴
50)怖がる事を覚える為に旅に出掛けた男



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異界百物語(目次―下―)

2009年09月06日 19時15分39秒 | 百物語
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51)座敷童子が現れる宿
52)青蛙神
53)百物語
54)月の夜がたり―二十六夜―
55)兄妹の魂
56)箱根の宿での奇談
57)女学士の報怨
58)妖精のワイン
59)迷い家
60)鬼国
61)サムトの婆様
62)亡妻
63)見知らぬ爺さん
64)ヴェルサイユの亡霊
65)王申の禍
66)女人の悪鬼に点されて食噉はれし縁
67)黄衣婦人
68)首の飛ぶ女
69)小奴
70)六部殺し
71)振向いた子供
72)陰徳延寿
73)雨夜の怪
74)霊鐘
75)亀の眼

76)ハムステッドの幽霊屋敷
77)西瓜
78)新牡丹燈記
79)指輪一つ
80)朝顔屋敷
81)池袋の女
82)四面塔
83)シャワー室の怪
84)奇妙な声
85)続く死
86)正夢
87)タクシーの怪
88)バスの怪
89)レンタカーの怪
90)流れ人
91)海辺にて
92)山荘にて
93)港の公衆トイレ
94)公園の公衆トイレ
95)下宿に居るもの
96)工場に居るもの
97)笑う老婆
98)稲生物怪録
99)偶然 



…私が今迄に読んだ、或いは知った、不思議に恐ろしい物語ばかりを集めてある。

「百物語」なのに、99話まで無いのはどうしてかって?
それは貴殿に語って貰う為だとも。

さあ、早く聞かせてくれ給え……
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異界百物語 ―第99話―

2009年09月05日 20時34分56秒 | 百物語
やあ、いらっしゃい。
蝋燭も2本を残すばかりとなったが、怖気ずに来てくれて有難う。
辺りを見回せば、人の影すら判然としない、夜の闇。
転ばぬように気を付けて、各自席に着いてくれ給え。

さてこれまで98の怪異を語って来たが、改めて貴殿に質問させて貰おう。

貴殿は、この世に、妖が存在すると思うかい?

それとも起った不思議の全ては、「まやかし」或いは「偶然」等で片付けられると思うかい?
いやそもそも「偶然」こそが、人知を超えた最大のミステリーかも知れないが…。

こんな話が在る。




1664年の12/5、イギリス、ウェールズ北方に位置するメナイ海峡で、1隻の船が沈んだ。
81人乗りの客船だったのだが、助かったのはたった1人だけだったと言う。

それから百年以上が経った1785年の12/5、今度は60人乗りの客船が沈んだのだが、この時も1人だけ助かったのだと言う。

そして1860年のまたしても12/5、20人乗りの客船が沈み、やはり1人だけが助かったのだと言う。

助かった3人は年代から考えても全くの別人だが、1つだけ共通点が有ったのだそうだ。
3人共に、「ヒュー・ウィリアムズ」と言う、名前だったのである……




或る者は妖を見ると言い、或る者は見ないと言う。
両者の違いは、こういった話を聞いた時、影に潜んで思える何かを感じるかどうか、なのではないだろうか…?


…今夜の話は、これでお終い。
それでは蝋燭の火を吹き消して貰おうか……。

……有難う……遂に、1本だけとなったね……。


どうだろう?
最後の1話は貴殿に語って貰おうと思うのだが…

怪語らば、怪来たる。

最後の引き金を引く勇気を持って……さあ、皆待っている。

早く聞かせてくれ給え……




『ワールドミステリーツアー13(第12巻)―ワールド編― (編集部、著 同朋舎、刊)』より。
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