前回に続いて
2018年1/14~1/15&2019年2/8~2/9の箱根旅レポ――夏に冬の旅行について語るのもどうかと自分でも思うわけですよ。(汗)
季節感有ったもんじゃないですが、開き直って今回は山のホテルのレストラン編です。
☆フランス料理「
ヴェル・ボワ」…ホテル1階に在るフランス料理レストラン。
窓際の席からは、芦ノ湖とホテルの庭園が臨めます…これはホテルの全飲食処に言える特徴ですが。
2度に渡る旅行とも、朝食はここの「スタンダードメニュー」を頂きました。
↑卓上を飾る花と調味料、ミルクとシュガー、ホテルオリジナルのジャムは林檎と苺、ケチャップはメーン料理用に用意されます。
↑先ず運ばれて来た「オリジナルジュース」は、幾つか選べる中でオレンジを選びました。
自然な甘さの搾り立て果汁が、脳をすっきり覚醒してくれます。
↑続いて「フルーツコンポート」。
メロンのコンポートは2018年、苺のコンポートは2019年に頂いた物です。
朝の特別デザートといった趣き、贅沢な果物をそのままではなく、一手間懸けて出す辺りに、料理人のプライドを見て取れる。
↑焼き立てのクロワッサンとミルクパン。
バターたっぷり使ったクロワッサンはパリパリに焼かれていて、とても美味しい…ただテーブル上に散るのが困りもの。
クロワッサン大好きな連れは、2度お代わりをお願いしていました。
ミルクで捏ねたミルクパンは、バターが要らないくらいミルク感たっぷり、なので私はジャムだけで頂きました。
メーン料理は「プレーンオムレツ+ソーセージ又は味噌漬けベーコン」、「スクランブルエッグ+ソーセージ又は味噌漬けベーコン」、「フライドエッグ+ソーセージ又は味噌漬けベーコン」、「朝のスープと季節フルーツ」の中より選択するスタイル。
…何時も悩んじゃうんですが、結局は変わり映え無くオムレツを選んでしまいます。
↑プレーンオムレツ+ソーセージに、プチサラダが添えられたメーン料理。
ド定番の洋風朝食、しかしこれが至高!
同じ事何度も書いてますが、オムレツの美しさで、長崎ハウステンボス内のホテルヨーロッパと山のホテルを超える物には、今の所出合っていません。(※個人の感想です)
美しいオムレツの条件は――(1)清々しいレモンイエローカラー、(2)表面が湯葉の様にツルツルな事――だと考えています。
ベーコンよりソーセージの方を何時も選んでしまうのですが、ここの味噌漬けベーコンはお土産として長い事人気が有る様です。
ソーセージもホテルの売店で扱ってますが、売り場の目立つ位置に飾られてるのは、味噌漬けベーコンの方なのですよ。
↑最後は紅茶、又は珈琲…私は何時も紅茶を頂いています。
連れの1人は珈琲党、朝の食卓に立ち込める紅茶と珈琲の香りのブレンド…結構悪くないです。
大変満足の行く朝食内容なのですが、人によっては量が足りないって仰る方も居るかもしれません。
そういう方にお勧めなのが「プレミアムメニュー」、600円程度の割り増しで、フレンチトーストと野菜スープが追加されます。
☆日本料理「
つつじの茶屋」…ホテル2階に在る日本料理レストラン。
名前の由来は岩崎男爵が嘗て別邸に設えた茶室からとの事、落ち着き有る佇まいの中で季節の彩りを表現した懐石料理が頂けます。
2度に渡る旅行とも、昼食はここで食べました。(本当に動きの無い旅…)
ヴェル・ボワより若干こちらの方がランチの料金設定低めだったのが選んだ理由、特に今なら「改元記念特別メニュー」と称して、サービス料等込み2,399円で鯛茶漬け膳が食べられる。
限定30食とはいえホテルのランチとしては、かなりお得な料金設定だと思います。
通常だと「行楽御膳(2,376円)」が比較的お値頃のコース、これについては実際に食べたので、写真と共に以下へ紹介致します。
・2018年の箱根旅で頂いた昼食「行楽御膳」
↑6種盛りの八寸と香の物…八寸は右上より下へ出汁巻き卵、一口押し寿司、真ん中上より下へ餡かけ湯葉、味噌と玉霰が載った葛豆腐、左上より下へ金平、お浸し…の6種類。(詳細は忘れました;)
一口サイズの料理が品良く纏められ、目に美しいです。
ちなみに「八寸」とは八寸(約24㎝)四方の杉で作った、縁付の低い盆に盛りつけた料理を呼ぶそうで、並んでる一品料理の品数を指してるわけではないらしい。(勘違いしていました;)
そんな訳で1本でもニンジン、2足でもサンダル、3艘でもヨット、4粒でもごま塩、5台でもロケット、6種盛りでも8寸…。
↑3種類の漬物と赤出汁の味噌汁。
後に続く料理を考えたら、ここで赤出汁を出すのは料理長、流石です。
↑メーンの「行楽丼」は、海老と野菜の天丼か海鮮丼より、1種類を選びます。
「海老と野菜の天丼」を選び、例の如く連れに海老天を渡しました。
先にホテルの方に告げておけば、海老天の代わりに別の物を揚げて貰えるのですが、連れの1人が無類の海老天好きなので、敢えてカミングアウト致しません。
天婦羅はやはりプロが揚げると全然違うなと思う、サクサク加減が全然違う。
↑プラス594円追加し、水菓子付きにして貰う。
小豆餡に白玉を使った汁粉で、上に最中の皮が載ってました。
やはり旧正月には汁粉を食べなければ!
続いて2019年――
・2019年の箱根旅で頂いた昼食「蕎麦(天麩羅付で2,138円)」
↑「軽いお食事」としての品なのに、この豪華さ。
天婦羅だけでなく、玉霰が載った葛豆腐まで付いて来ました。
葛豆腐大好きなんで嬉しかったv
海老と季節野菜の天婦羅、海老天は勿論、連れに無償トレード。
蕎麦は贅沢にも鴨葱蕎麦でした、美味しゅう御座いました!
…しかし全然軽くないですね。(笑)
そして期待の夕食はと言うと――
・『河豚の特別懐石』…山のホテル冬の特選プランに於ける豪華夕食コース。
ホテルから送られるクーポン券使えば、御一人様2万円程で朝食も付いた上に河豚コースが食べられるって、メッチャお得で御座いますよ!
河豚は高いから…1回の河豚懐石で1万位軽く飛ぶからねえ…それなら宿泊込みで楽しんだ方が、宜しいと思いませんこと奥様?(何処の奥様に語り掛けてるんだ)
その後たとえ一汁一菜の質素な食事が1カ月続くとしても…実際に旅行から帰って大体一月は食費を倹約するのが恒例になっています。(汗)
日常の食事が質素であればこそ、偶の贅沢が輝くと思ってる――それはさて置き、河豚懐石の話に戻ります。(汗)
↑食前酒の「河豚ひれ酒」は別途注文、サービス料等込み1,010円です。
決して安くはないけど、せっかく河豚料理食べるなら、一緒に味わいたい物。
酒器に入れられた河豚のひれ酒に、店員さんがマッチで火を灯してから、蓋をしてくださる。
暫くしてから蓋を開けると、香ばしく炙った河豚ひれの匂いが鼻を擽る。
炙った魚の骨と日本酒って、どうしてこうも相性良いんだろうか?
蓋の裏に描かれた河豚の絵が可愛くて、毎回注目してしまう。
↑は2019年2月に出された先付の「蓬豆腐」、蓬入りの葛豆腐の上には、うるい、柚子味噌、玉霰が載ってます。
紅白の玉霰が可愛らしい、ちなみに2018年1月の席では、先付は出ませんでした。
前菜に纏められたのかもしれない。
↑2018年の席に出た前菜、手前の招福干支皿(杯?)に盛られてるのは「鶏松風」、「篠湯葉有馬煮」、「酒粕のし梅」、「梅生姜」の4品。
写真撮り忘れましたが、戌年という事で「戌」の一文字が書いてありました。
蓋付の扇形黒塗り漆器の中の料理は、右上より下に干柿チーズ、干支伊勢海老蒲鉾雲丹焼き、中央上より下に安肝煮凝り、鯛昆布〆菜の花塩昆布、左上より下に燻製鮭小川〆、百合根黒豆の6品。
全体的に甘目の味付けで、干し柿黒豆のし梅辺りは殆どデザートです。
「招福」の言葉通り福を呼ぶ料理、正月シーズンだった事も有り、お節料理を頂いた気分になりました。
黒漆器の蓋にさり気無く置いてあった葉は「ゆずり葉」、これも伝統の正月飾りの1つですね。
↑重ねて済みませんが、こちらは2019年の席に出た前菜。
富士が観える箱根の情景が描かれた蓋付の黒漆器の中には、猪年という事で「亥」と入った干支招福――やっぱり杯だろうなぁ――と金杯。
右の干支招福杯には芦ノ湖産公魚(ワカサギ)山椒煮、五目稲荷寿司、狐蕪、蛍烏賊唐墨の4品に、白梅を添えて盛ってありました。
左の金杯には梅百合根、蕗東寺巻き、菜の花辛子浸し、福豆挟み揚げの4品に、蕗の葉が被せてありました。
季節の演出が見事ですね~。
ここから先は河豚の定番フルコース、記事の限界字数に近付いて来たので(汗)、一気に参ります。
↑透ける様な河豚の薄造りは、ポン酢・薬味と共に。
薬味は柚子にたっぷりの紅葉おろしとあさつき葱…足りなくなったら幾らでも追加してくださる。
気が付けば追加されてるので、何時でも「足りない状態」にないのです。
取り皿がまた素人が見ても高価そうな器で、使って汚すのが申し訳無い気持ちになりました。
↑続いて河豚ちり鍋、具材は河豚の他、焼餅、長葱、豆腐、白菜、水菜、榎木、椎茸、花形人参…。
↑前回も書いたけど、ここの鍋は半端無く凄い!
鍋の準備を始めて終いまで、1~2名の着物姿の店員さんが、付きっ切りで各取り皿に盛り分けたり、灰汁を取ったり、味を調えたりしてくださる。
私達ただ食べるだけで何もしません、河豚は骨が多く食べるの面倒ですが、下拵えの段階で極力面倒が無いようにしてあり、非常に食べ易い河豚鍋でした。
食のパフォーマンス極まれり!ここのサービスに慣れちゃうと、怠惰になってしまいそうで怖い…。
友人曰く「高級すき焼店の今半並みのサービスだ」と言っていた、今半も最初から終いまで店員が付きっ切りで焼いてくださるとか…日本料理おもてなしが異常ですわ。
各自4~5回位お代わりした所で鍋の具材が尽き、続いて雑炊の準備に取り掛かる店員さん。
私達が観ている前で、河豚と野菜の出汁が出た鍋の中に、ご飯と溶いた卵を入れ、三つ葉を散らし、手際良く掻き混ぜて、雑炊を作ってくださいました。
↑店員さんが綺麗に盛りつけてくださった河豚雑炊と漬物3種。
焼餅も食べたのに雑炊…正直お腹が苦しかったけど、全員意地で食べ切りました。
満腹でも国産米で作った雑炊は大変美味しかったです。
ちなみに「お代わりもどうぞ」と言われたけど、私は遠慮させて頂き、大食漢で鳴らす連れに全て任せました。
↑鍋と雑炊の間に出た河豚の唐揚げ、2018年の席では素揚げ銀杏が添えられてた、正月サービスかもしれない。
唐揚げも部位毎に調理されており、河豚でありながら食べ易かったです。
↑最後の水菓子…2018年の席では「抹茶ブリュレ、小豆、苺、白玉」が載った一皿、2019年の席では「酒粕ムース、苺、甘平みかんのゼリー寄せ」が載った一皿が出ました。
どちらも水の波紋の様な模様の涼し気な硝子皿に盛られていて美しかった。
熱い鍋や唐揚げ食べた後の冷菓は舌に心地良い。
どちらも美味しかったけど、特に酒粕ムースの仄かな日本酒の香りと、レアチーズケーキの様な味わいに感動致しました。
↑店名になってるツツジ柄の湯呑茶碗でお茶をお代わりして〆――感服致しました。
この先極質素な食事が1カ月続いたとしても悔いは有りません。
…これにて2018年&2019年冬の箱根旅レポ終了、山のホテルは良いお宿なので是非行ってください!
【完】