瀬戸際の暇人

只今、夏休み中

信濃への旅その5

2006年02月28日 19時20分14秒 | 旅の覚書
2/3の旅行最終日朝…やっぱり8時まで寝過ごしてしまいました。(汗)
朝食がゆっくりで本当に良かったなと思います。
2人して日頃の疲れが出たのかもしれない…大して疲れる様な毎日送ってない積りだが。(笑)


身支度整えて朝食を食べに。
1日目の夕飯、2日目の朝飯食べた食事処、『深仙庵』で御座いました。
但し個室では無く、他のお客さん達と一緒で…つっても席は離してあって、私等と一緒の客は、3~4グループ位しか居なかったけど。
昨夜の話になっちゃうのですが…「朝食は蕎麦粥になさいますか?それとも他の和食になさいますか?洋食になさいますか?」と伺われてたんですね。
蕎麦粥があんま美味かったんで、また蕎麦粥の朝食をお願いしたんですが。
もしも他の朝食選んでたら、食事処変ってただろうとね…多分、洋食選んでたら喫茶室『櫓』だったろうし、和食だったら個室になってたんじゃないかな~と。
泊ってる客が多いと、捌くのも大変じゃのう~と思いました。(笑)


他の朝飯もどんなんか興味有ったりはしたんすが、やっぱ蕎麦粥が食べたいからって事で…此処泊りに来て、食事で何が楽しみだったかっつうと、蕎麦粥だったもんで。
そんな訳でしつこく、蕎麦粥。(笑)

朝食だけど、またデザートまで出ました。
デザートは苺のヨーグルト掛け、美味しかったですv


チェックアウトは11時…しかしこの時間には問題が有った。
バスの時間調べたら、11時の時間帯に発車っつうのが無い。
10時の時間帯か、12時の時間帯でしか無いんですよ。
仕方が無いんで、荷物送ってチェックアウト済ませて、その後喫茶室行って、12時まで優雅に茶をしばいて居りました。


あ、昨夜の内になんですが、お土産も買いました。
小布施の『栗落雁』…家と職場用。
落雁好きじゃないんですが、これは別、栗蜜が入っててねー、美味しいです。
え?そんだけかって??
……そんだけです。(苦笑)
後はまた電車内で食べる様に、おやき買っただけだしねー、いやこれはまた別の場所でね。
友人から良くこの件で、「お前一緒に行ってて張り合いが無い!」と文句言われるんすが、元来自分は土産をあんま買わない性質。
ハウステンボスだと何故か沢山買っちゃう…これは、私にしちゃ相当珍しいんすよ。(笑)


喫茶室で樹氷観ながら…本当はケーキ食べましょうかね~とも考えたんすが…やっぱ入りそうにないんで…したらば、店の人がサービスって事で、クッキーをお茶請に出して下さいましたv
前日貰った絞りクッキーだったよ。


チェックアウト時、もうすんごい人が詰掛けてたロビーも、12時には閑散としてまして…でも数名は自分達同様、バス待ちしてたみたいで…12時近くなってバス停へと向う事に。
最初バス停で待とうとしたら、宿の人が「大丈夫です。宿此処1軒だけだから、入口まで来てくれるんですよ」って事仰って下さいまして。
表門の中に設けられてた火鉢に当りながら、皆して待ってました…そうか、その為に表門内にまで、火鉢の有る休憩処が用意されてたんだなーと納得。
ちなみにバス停なんですが……雪で埋まってました…昨日散歩した時、気付かず通り過ぎちゃう程に…雪国だなぁ~。(笑)


12時になってバス到着。
宿の方に見送られながら、一路須坂駅に。

須坂駅から信濃電鉄乗換え、長野駅に。

長野駅から善光寺詣でしに、バスに乗換えました。


帰りの新幹線が3時台だったんで、間を埋める為にも、どっか行こうと話してたんですよ。
じゃあ節分だしね…善光寺で節分の豆撒きするみたいだしと、急遽予定決定。
善光寺までは観光周遊バスが出てまして、何処行くにも100円っつう『ぐるりんバス』だったか?
それに乗って行きましたです。
善光寺までの参拝通りには、かなり古めかしいお店が軒を並べてまして、こんな事なら1日かけて来りゃ良かったなと思いましたねー。
面白そうな店沢山在ったよ。
おやきも…以前話したけど、駅前のより、こっちの方が美味しかった。
後、蕎麦がき団子ってのが美味かった…生醤油ダレに付けて食べるんですがね、香ばしく焼いてある蕎麦粉の固まりが、素朴で美味かったっす。


さて、牛に牽かれて善光寺参り。
生憎三門が修理中って事で、観られなかったのは残念ですが、本殿大きかったですねー。

節分って事で参拝客も大勢居りました。
写真は本殿です、此処の境内からゲスト参加者が豆撒いた。
約700名の福男(←既に言ったが高嶋兄弟含)・福女が一斉に撒いた豆を、約4,000名の参加者(←私等も含まれるんだろな)が奪い合う、エキサイティングな催しでした。

いや、凄い迫力だったよ!!(笑)
餌貰おうと待ち受ける鯉の群れが如し。

やっぱなるたけ前に居た方が、捕れる機会が増すって事で、友人は人掻き分け前方に。
私はひたすら写真撮ってたんで、参加しなかったんですが…面白かったですねー。
撒くのは豆だけでなく、縫ぐるみやら、お菓子やら…豆も何故か落花生とか柿ピーだったりして、袋に入れられた状態で撒かれんですよ。(笑)
んでビニール袋に入ってるから、滑るんですねー。
パシパシパシーッ!!と手から滑って弾かれてって、漁夫の利で後ろの人が掴んだりね。(笑)
かてて加えて地面に積ってた雪が凍ってて滑るし…結構でんじゃらすで大変だったっすよ。(写真撮ってる自分も滑りそうになったんだ)(笑)

あ、友人も無事1つだけゲット致しましたです――『おっとっと』を。
…帰りの電車の中で食べました。(笑)


豆撒き終って、2人しておみくじ引いてから帰りました。
寺社仏閣詣でして、何が楽しみかって、みくじ引く事だったり。
最近は色々なおみくじが有って面白いですなー。
綺麗な折紙で三角形に包んであって鈴付とかね…私等が引いたのは『招き猫おみくじ』、七色の招き猫がおまけとして入れられてんですがね。(笑)
私も友人も、面白味の無い白でした――ちっっ。
あ、でも自分と友人のと、色は同じでも、デザインは微妙に違ってた。
何故か私のだけ尻尾が出てた…。(謎)

運勢は――『

仕事、交渉、取引…この辺りで状況は好転して来ます。若干時間は掛かるが事は有利に運ぶ。短気を起しては損。

愛情、縁談、恋愛…感情が通じ合い良い関係に進展する。以前から有った話が復活したり、昔のよりが戻る場合も有る。

健康、病気、療養…健康状態は次第に回復して行く。病気は治るが逆に古い病が再発する暗示が有るので注意する事。

学業、技芸、試験…1度躓いても再挑戦する勇気をもって当れば希望は叶う。「柳に跳び付く蛙」を見習え。

……そうか、解った、蛙を見習おう。(笑)

友人は『末吉』で御座いました…『吉』と『末吉』、どっちが良いんだっけか??


余談なんですが、毎年私等が初詣行く所は、浅草寺っつう寺なんですが、そこはかなし『凶』が出易い場所として有名で…いや、私等の間では。(それでも毎年参拝に行く)(笑)
5人位で以前行った時、5人全員共『凶』が出て爆笑した思い出が…だって中々無くない?(笑)


も1つ余談なんですが、今回一緒に旅行した友人と2人して富士急遊びに行った時、『おみくじ観覧車』なる物に乗ったんですよ。
乗った観覧車の席に『大吉』だとか『凶』だとか、でっかく貼り紙して有る訳ですが。

友人と私が乗った席には――『最凶』。

………乗ってる間中、2人して爆笑したっつうの。(笑)
良いセンスしてるな~~富士急!!(大笑)


話を戻しまして…新幹線乗る時間が近付いたんで戻る事に…この時、小雪がチラホラ舞って来ましてねぇ。
傘差そうとしたら、折畳みの柄の部分が外れて壊れました。(笑)
幸い雪は直ぐ止んだんで、結局使わずに済んだんですが…まぁ10年も使って来た折り畳み傘だったしねー、此処等が寿命だったんでしょう。

長野駅で寂しく思いつつも、捨てて来ました。(ちょっと罪悪感を感じながら)
結果として荷物減って助かったと言えない事も無かったけどね。(笑)


長野から新幹線乗って家路へ。
最後の日は肌に痛い程の寒さでしたが、全体的にはポカポカ暖かく、雪はずっと降ってたけど、むしろ雪国らしさを感じられて楽しかった…そんな旅行で御座いました。


――完!!(漸く…)





…っつう訳で、明日から3/5まで、ネットから離れますんで~。
その前に先に言っとこう。↓

ラブコック、サンジ、3/2のお誕生日おめでとう~~!!!
美しき狩人、ヒナさん、3/3のお誕生日おめでとう~~!!!

――良ぉし!これで思い残す事無く、ハウステンボスに行って来れる!!(笑)
そいじゃまた(3/3~だが)行って来ま~~す♪
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信濃への旅その4

2006年02月27日 22時16分59秒 | 旅の覚書
…そんな訳で、明日までには終らす、もう強制的にでも。
ハウステンボスの方と比較して、その差は何だって?いや…愛の差っすよ、はい。(苦笑)
あ、でも、国内温泉の中では私、1番好きなのがこの仙仁温泉なんですけどね。(笑)



んでまぁ、帰って来たら炬燵が出てた訳ですよ。
いや~嬉しかった!!やっぱ冬は炬燵で蜜柑でしょー!…蜜柑は出なかったがな。
そいでお茶菓子と漬物がまた置いて有った。
お茶菓子は洋風の…スポンジの中にスイートポテト焼き込んである…なんての?松蔵ぽてとみたいなヤツ…あ、この言い方じゃ解らない??(焦)
兎に角美味しかったですvぽろぽろになってちと食べ難くはあったですが。
後、クッキーも置いてあった。
前回レポの写真にも写ってるんですが、ココアとバニラの絞りクッキーでね、どうやら手作りっぽい…メチャ美味しかったvv


友人は家族風呂入って来た訳ですが、この家族風呂、以前は御家庭で良く拝見するタイル風呂って感じだったんですが、改装されて綺麗になってました。
石造りの楕円形で、洗い場も拡げられてましたね。
こちらのお風呂も人気が有って、入るの大変だったんですが、露天では無い分だけ貸切風呂よかマシだった。
友人は最後の日まで、結局こっちの家族風呂ばっか入ってたそうな。


さて、せっかく炬燵出して貰ったっつう事で、ゆっくりまったり寛ごうかね~と…。
いやいやしかし、私には1つの野望(?)が有ったのです。
連載してる話を、この機会に書いちまおうじゃないかと。
わざわざハウステンボスの資料、全部持ち込んで来てたんですよ。(笑)

「温泉地で執筆……くくくくくっ…文豪気取りだぜい……」とばかりに。(←馬鹿)

そんな訳で、資料広げて、頑張って書いた。

書いた…。

書いた……。






4時間近く経過して、何処まで書けたかっつうと――





早朝、『観光丸』の繋留された桟橋を1人で歩いた。





↑この1行だけ。





…自分は文章書きに向いてないなと、つくづく感じました。(大笑)



気が付いたら寝てたし…友人曰く、「お前は心底安らかに眠っていたよ」と。(苦笑)



あっという間に夕食時間が来まして、今夜の指定された食事処に。
昨夜とは違い今夜は、昼食べに行った和洋折衷な喫茶室、『櫓』でっつう事でした。
ランプが灯された回廊通って…喫茶室玄関には、燭台に蝋燭が吊るされ灯されてて、趣深かったです。
昨夜とは打って変って、洋風の個室部屋にての夕食。
蝋燭に灯された部屋の窓からは、ライトアップされた雪景色。
時折、枝から雪が滑り落ちてく音だけが響く様な、静寂に包まれた空間。
……景色は何よりの御馳走とは良く言ったもんだとね。


――それでは今夜のお献立。


先附………酢みそがけ
前菜………山里のおもてなし
向附………カルパッチョ
焼物………イトウの塩焼き
汁…………せりすり流し
強肴………ちりむし
箸休め……梅酒ゼリー
蒸し物……小かぶ道明寺
煮物………たけのこと湯葉
御飯
香の物
デザート


…以上、献立書きより抜粋。


食事処の雰囲気を重視したのか、昨夜よりも幾分洋風の献立でした。
でも食べるのは箸で、この辺りが和洋折衷。

食前酒は苺酒v時季ですねーv
苺の甘い香りは、人を幸せにしてくれる様で大好きですv

カルパッチョが特に美味しかったですねーv
アボカドと川魚の刺身を自家製ドレッシングとカシューナッツで合せてまして。
甘酸っぱくてとっても美味しかったんですよ~v
見た目もとっても綺麗でしたしねv

ちりむしってのは…牛肉とかシラタキとかを網の上で蒸し焼きしてねー。
これも美味しかったv良い肉使ってますよっつう。
流石信州牛の産地!と思った。
「ちり」って名前の通り、ちり風味の辛いタレが良かったっすv

梅酒ゼリーは、焼酎漬けされた梅の実1ヶ丸ごと使ってて、冷たさと上品な甘さが、箸休めならぬ喉を休めるのに、最適な1品で御座いました。

小かぶ道明寺…名前聞いた時から、どんな料理か気になってたんですが…最初イメージしたのは、かぶをすって餡にしたのを、道明寺で桜餅風にしたっつう。
実際はその逆でした。
桜の香り付けした道明寺を、かぶで丸く包むという、そんな手の込んだ料理で御座いました。
すんごく可愛くて綺麗でねー、感動した。
とろりとした味も、最高でしたv

昨夜とは反対に、私が御飯&澄まし汁、友人は蕎麦。

デザートは栗のムースに苺が飾られ、チョコレートがけしてあるという物でした。
栗のムース、程好い甘さでとても美味しかった~v


んで……またですね……べらぼうに食事時間がかかったんですよ…。(汗)
夕刻6時から始まって、終える頃には8:30過ぎ………また3時間近く。(汗々)
宿泊してる人が多いってのが有ると思うんですが…正直それなら、洞窟風呂の女性専用時間、1時間位延長して欲しいな~と。(汗)
食事時間は早くても6時から3時間近くたっぷりで、女性専用風呂時間は8:30~9:30じゃあ……誰も8:30に入りに来られないと思うんですが。
………誰か入りに来てるのか??誰が為の設定時間だ!?
あ、宿で働いてる女性の為とか??(謎)


夕飯食べ終わって満腹で苦しかったですが、それでも根性で直ぐに入りに行きましたよ、この日も。(もう必死)
あ、部屋に帰って来たら、やっぱり布団が敷かれてました。
炬燵も片付けられてるんじゃあ?とか危惧してたんすが…しっかり炬燵そのまんまになってましたねー…有難いv


洞窟風呂に入りに来たら、やっぱり自分達以外誰も居らんかったですね~。(そりゃな)
湯浴み着纏ってじゃぶじゃぶと、昨夜同様1番上まで登って行きましたよ。
本当に、段がかなし急でして、よじ登るっつう感じで上行かにゃならんのですわ。
それが楽しくてね、自然の湯滝が流れる岩肌を登って行くっつうのが。
けどこれ、お年寄にはきついでしょうね。
実際暫くして何人か来られたんですか、足が上がらなくて最上階諦めた方も居られましたよ。
鍾乳洞みたく、湯でツルツルの岩肌になってますから、結構危ないですね。
滝の流れに足取られて滑ってじゃぼん、岩に頭ぶつけて死…もとい(汗)、怪我人が出たりしてないか…ちょっと心配。(怖笑)
でも好きだ、この野趣溢れる温泉…それこそ最近までやってた連載と同じく、以前漫画で描いた事有るんですよ。
ラムと女乱馬と響子さんとで行く仙仁温泉旅行記、その名も『仙仁温泉に行って来ました』――変ってないなぁ~~自分。(泣笑)
まぁそれ位気に入ってる場所っつう事です、此処も。(照笑)
頑張って昨夜より早く入りに来たお陰で、昨夜よりかはゆっくり浸かれました。
冷泉でつくづく良かったと思う…もしもこれが熱い温泉だったら、食べたばっかりで入った事で、気持ち悪くなってたかもね。(怖)


お風呂から出て…飲泉所も在るんですよ、此処。
飲める温泉(冷泉)らしい。
一口二口飲みました…幸いに、案外不味くなかった…とんでも無く不味苦臭いっつう温泉も在るからね~、硫黄泉とか…そんなんでなくて良かった。


後はやっぱり昨夜同様、温泉から出て直ぐの棟に設けられたお休み処で、火鉢に当たりながら蕎麦茶飲みました。


一息吐いた後で部屋戻って、腹苦しい言いながら夜食を戴きましたです。(笑)
また漬物まで用意されてて…↑の写真は1日目の夜食を写した物。
この夜のは、三角形に握られたプチおにぎりでした。
写真でも出てますが、兎に角詩が好きな宿でして、用意されてる物に、必ず詩と、小花が一輪そっと寄せられてるっつう…いや風流で御座いました。(笑)
感動した友人が、記念に持って帰りましたですよ。


この夜も更けて…炬燵が有るんならと、何とか頑張って話書くかな~と無駄な抵抗しなくもなかったんですが………睡魔に負けて眠っちゃったのでした。(苦笑)


そんだば、今回は此処まで…明日続き書きます~。
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ハウステンボス雑感

2006年02月26日 12時55分30秒 | ハウステンボス雑感
2003年2月26日…今から3年前の今日、ハウステンボスは『会社更生法』の適用を申請、ぶっちゃけ倒産致しました。

という訳で本日は、その頃ヤフー掲示板ハウステンボストピに、私が投稿した文章を紹介致します。
本当は恥しいんで出したくないなぁと思わなくも無いんですが…ぶち切れてて文章滅茶苦茶だし若いし。(苦笑)
↓でも言ってますが、ぶち切れた原因は、某コメンテーターの発言。
実際には此の方の発言に対してだけでなく、ハウステンボス倒産を巡る、一連のマスコミ報道に有ったんですが。
「何も知らない、行った事も無い人間が、偉そうな口叩くな!」みたいなね…実際、何も知らない方々が、軽々しくした発言のお陰で、ハウステンボスはもう倒産しましたー営業しておりませーんと思い込んでる人も多いっつう…まったく被害甚大で御座います。(苦笑)

元々の文章があまりにも怒ってたんで、多少柔らか目に修正してはいますが、筋は敢えて変えてません。
或る意味、文章を自分が本格的に投稿し出す切っ掛けでも有ったし(こんな事で…)、ハウステンボスへの自分の思いが、最も込められてる様な気もするんで、ブログ上でも発表しとこうかとね。





ハウステンボス倒産時、某番組の席上で、或る女性コメンテーターが、こんな様な発言をしてくれました。

「大体、オランダの真似なんかするからいけないんですよ。本物に敵う訳無いじゃないですか。」

…誠に遺憾ながら、世間一般から認識されてるハウステンボスは、この女性コメンテーター同様、「オランダのパクリ」、巷に溢れる「外国村」の1つといった感じです。

確かに、中世オランダの建造物を模倣している訳だから、否定出来ない部分も有りますよ?
ただ「外国の真似しては駄目、だって本物には敵わないから。」と言うなら…じゃあ、元々中国「長安」の建造物&都市計画を模して造られた「京都」はどうなのでしょう?

794年遷都~数えて1200年以上の歴史有る街ですが、外国の真似してるから「駄目」で、本物には「敵わない」と言うのでしょうか?
「東京」だって、「札幌」だって、元は外国の都市を模して造られた街ですよ。
日本だけでなく、アメリカだってヨーロッパ真似して都市造ったし、ヨーロッパだってイスラム・エジプト文化から影響受けたし、もっと辿って行きゃ古代アフリカ文明からとか、そんな所まで行くという…切り無いですよ。

本物に敵う訳が無い?
本物って何?
在った物をアレンジして、より良い物に改良してく…当り前にやってる事だと思うんですがね。
良い物・意思を受け継ぎ育み、そして後世に伝える――人の歴史とは元来、そいった積み重ねであるんじゃないでしょうかね?

こうゆうのは「パクリ」とは違うと思うんですよ。
まぁ「パロディー」と「パクリ」の線引きは、今一難しくは有るんですがね~。(汗)


世の中に「完全なオリジナル」というのは無いんです。

どんなに個性的に見えても、必ず何か元にしている物事が有るでしょう。

「個性が無けりゃ、意味が無い。」――巷賑わすこの考え方は、或る意味「人民皆平等」っつう民主主義の弊害…格差が無いと自分を確立出来ないじゃないかってな焦りから生れてる気がします。

良いじゃないですか「普通」!
『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』なんか、「普通」が受けて国民的大ヒット飛ばしたんじゃないですか。


さてさて、ハウステンボスは何故洋風(というかオランダですが)建造物で構築されたのか?
日本なのだから日本の伝統的建造物にすれば良かったではないかと、それでも考える方が居られるんではないかと。


理由は大きく2つ有る、と考えています。


1つ目は、日本の伝統的木造建造物は、後世まで残し難いという事。

木造だから、火に弱い――明治時代、新政府が明治5年に起きた「銀座の大火事」を発端にして、火に強い西洋的な都市のモデルとなる様、「銀座煉瓦街」の建設に当ったのと同じ理由が、ハウステンボス計画時にも働いたと考えられませんでしょうか?
千年も続く街を造る、というのは伊達で言ってる訳じゃない――この街を訪れた事の有る人ならば解る筈。

2つ目は、鎖国政策を執っていた江戸期に、唯一開港していた長崎は、諸外国と接する中で、自然と異国文化が染み付いて行った…という事。
長崎行って驚いた事なんですが、「和菓子」が他の地域に較べて極端に少ないんですよね。
日本全国何処へ行っても有ると思われた、小豆餡の入った「饅頭」が無い、「団子」も無い(いや、勿論少しは有りますが…)。
この地で歴史有る有名な菓子って、「カステラ」みたいな洋風菓子ばっかなんですな。(若しくは中華か)

「和華蘭(わからん)」――これは長崎料理の特徴を指しての言葉だそうだけど、長崎文化全体をも指してる様な気がします。
和=日本、華=中華、蘭=(オランダを筆頭とした)西洋…3つの文化が混ざり合い、出来たのが長崎独特の郷土文化。
そんな長崎に「外国の建造物は日本の中において不自然だから、日本の建造物にして下さい」と言われても困るだけ、だって長崎にとっちゃ却って不自然なんだもの。
西洋文化が自然に溶け込んでる長崎の地に洋風建造物が並ぶのは、むしろ当り前の事なんだとお感じになられませんでしょうか?(単に「オランダ村」が前身になってるからかもしれんけど…)


未来を見据えて、オランダの街造りを手本にしたのには、私も賛成致します。
オランダは国土の3分の1以上を干拓して造り上げた、半(?)人工国です。
明治期、日本の河川工事の多くは、オランダの土木技師達の指導により行われたそうです(技師達の中にエッシャーの父君が居られたというのはおまけの話)。
環境と文化の両立をテーマに掲げるハウステンボスにとっては、最良の「お手本国家」と言えるんじゃないでしょか。
ハウステンボスが、中世オランダの歴史建造物を忠実に再現したのには、そんなオランダの歴史・文化に対して、敬意を表しての事からだと思われます。


和歌山県白浜町に、「ホテル川久」と言う名のホテルが在ります。
ハウステンボス同様、建材を外国から取り寄せて、外国の城を模して建てた様な、テンボス同様倒産してしまった高級ホテルなんですが(未だ営業はしております…そんなトコまで似ている)。
これまたテンボス同様、バブル弾ける直前に建てたもんだから、オープン当初から経営危機が叫ばれてたんですな。
けれどそこのオーナーが、こんな様な事を言ったそうなんですよ。

「戦後建てられた日本の建造物の中で、どれだけ後世永きに渡ってまで残る物が在るだろう?――住む人は残らずとも、手間暇惜しまずに造られた建物は、後々まで残るだろう。」

…いや勿論、「その為なら、倒産しても構わない」と続く訳ではないと思いますが…戦後の建造物、特に「東京オリンピック」前後の昭和30年代頃のって、やたら手抜き工事して出来てる物が多いじゃないですか。
千年どころか、50年も保たないんじゃないか?ってな位の…今度震度5以上の地震が来たら即アウトだな、みたいなね…阪神大震災であれだけ酷い被害が出たのも、多くは欠陥工事が原因に有るんじゃ?と言われてるそうで。
昭和40年以降に建てられた物だって怪しいんですけどね…。


所で長崎の有名観光地といえば「グラバー園」が在りますが――日本最古の洋館「グラバー邸」を中心とし、現存する洋館群を纏めて、庭園で囲んだ場所です。
「長崎来たからには、此処を訪ねなくっちゃ嘘でしょー」とばかりに観光された人も多い筈…でも、もしも此処が今の時代に出来たばかりの建造物だとしたら、観光して来ようという気になりましたでしょうか?
ならなかった…とするなら…何故でしょう?
歴史が無いからでしょうかね?

だけどどんな歴史的建造物でも、建てられた当初はピカピカの「新品」だった訳ですよ。
フランスの1大観光地「ヴェルサイユ宮殿」だって、最初はフランス国民の「血税」によって建てられた、当時の民衆にとっては唯の「無駄遣いな公共建造物」…それが現在はフランス国民の自慢、観光客も惜しまず金を落としてくれるドル箱(ユーロ箱か?)。
ハウステンボスは今年で14年目(もう直ぐお誕生日~♪)、建物の色味も大分良い感じになって来ております。
後40年もすれば風格有る「街」となるでしょう。――此処は未だ、誕生すらしていないのです。


そうは言っても、地元長崎の人達からすれば、「遠い未来よりも今を何とかして欲しい。綺麗事ぬかしてたって結局倒産してりゃ世話無いよ。なら最初から造らなきゃ良かった。そしたら無駄に金も使わずに済んだ」と考えてしまうのは致し方の無い事で。
長崎外の私には、本当は偉そうに意見する権利なぞ無いのですが(つってしてますね)。(汗)

でも、もしハウステンボスを造らずに、あのまま放っといたとしたらどうなってたでしょうか?


本来あそこは、工業団地用に造成された土地でしたが、工場誘致に失敗、その後行政側が持て余した挙句に放っぽらかしにしていた「草木も生えぬ死んだ土地」だったそうです。
そのまま更に放っといたら…大村湾は確実に死んでました。
漁業を営む人は大打撃を受けてたでしょう。
加えて地元経済は緩やかに後退し続け、ただ過疎化が進むのみだったでしょう。


ではハウステンボスが出来てから、自然は本当に浄化されて行ってるのか?
私が最初にハウステンボスに来た時、大村湾はもっと黒かった気がします。
最初は潮の影響から、自然とそんな色になってるのだろうと考えてたんですがね…年毎に来て撮った写真を較べて見て…少しづつ碧味が増してるなぁと。
もしオープン当初~現在まで、此処の海の写真を撮り続けている方が居られましたら、ちょっと最初の頃と今の写真を較べて見て欲しいのですが…。
以前関東付近で不漁だった時も、大村湾では豊漁だったっつう事が有ったんですよ。

東北の某大規模温泉リゾートエリア――1つの温泉郷を丸ごと1つの会社が買い取って発展させ、今じゃ観光地として名を馳せた場所が在ります。
でもそこだって名を馳せるまでの間に、規模の大きさ故に維持出来ず破産、周辺住民から非難轟々の毎日だったっつう歴史も有ったそうです。

大きな計画程、一朝一夕には成立しないもの。
長崎の方々、否さ九州の方々、これからもハウステンボスを、なるべく温かい眼差しで見守ってあげて行って下さい。

何時か日本有数の観光地に…なるかも…しれない。(汗)




…忘れもしない3年前の2/26、私、ハウステンボスに丁度行って帰って来たんですよ。(汗)
帰って、TV点けたら…「ハウステンボス倒産です」なんてニュースが流れてね……ショックだったなー。(遠)

当時の投稿文では怒りのあまり、番組名まで(伏字にしたとはいえ)明らかにしてたんですよね。(苦笑)
今回は流石に控えました、武士の情けで。(まぁヤフー掲示板では出してんですがね)(笑)


このコメンテーターさん、本物だっつうオランダの街は、何もモデルにせず造られてるとでも考えてるのだろうか?
…だとしたら、ちと浅はかだと思うよ。(苦笑)

個性個性と声高に叫ぶ人程、個性が無く感じられるのは何故だろうか?と、意地悪く。(笑)


そんでですねー、また予定変えて申し訳無いんですが(汗)、3/25がハウステンボスの誕生日(オープン日)なんですね~。

それに伴い、まったりさんを始め、全国のハウステンボスファンが、オフ会を3/25にハウステンボスで行うという事なので、その宣伝含めて3/25までハウステンボス特集を続行致します。

詳細はまったりさんのブログにて…近隣に住んで居られる方、宜しければこの機会にどうぞ御参加下さいませ。(礼)(←オフ会無事終了との事で、貼り付けてたリンクは外させて頂きました。)

丁度連載裏話をしようかな~と考えてもいたんで、都合良いよなと。(笑)
そんな訳で3/25まで連載裏話です…連載途中からどうにも疲れて説明不足になってしまったきらいが有ったんで…てゆーか補足説明?


後、3/1~3/5までブログお休みします。
実は、3/3~3/5までまたハウステンボスに行く予定なんで。(恥笑)
3/1、3/2は、出掛ける前に残業予定なんで、多分書けない…。(汗)
3/3夕方~行くんですよ、ええ。

帰って来て連載話訂正したりもすると思いますんで(恐らく、間違ってるとことか、チョコチョコ有るだろうし…)、連載終ったんなら読み出すかな~と考えてる方がもしも居られましたら、3/25以降に読んだ方が良いですよと言っとく。(笑)

修正は3/25まで…それ以降は、余程の間違い無い限り致しませんので。(笑)


写真の説明~、今は無き(涙)、気球『ルフティーバルーン』から観た春のニュースタッド…広場真ん中に在るのは、女神アフロディーテの噴水。
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『何度も廻り合う』その40

2006年02月25日 11時09分04秒 | 桜トンネル(ワンピ長編)
前回の続きです。】





船内に入った途端、非難と好奇の視線で、体中チクチクと刺された。

迷惑懸けたのは確かなので、一応済まなそうに頭を垂れながら、奥へと進む。

最後部右端窓際席をしっかり確保したルフィが、ガキみたく船窓貼り付き景色を眺めてる。

その隣でゾロは、もう早眠りの体勢、瞼を固く閉じている。

座り直す間も無くエンジン音が轟き、高速船はゆっくりと岸から離れた。


少しづつ、少しづつ、街から離れて行く…


18世紀王宮の様な、『ホテル・デンハーグ』。

その後の森から頭だけ覗かした、『パレス・ハウステンボス』。

雄々しくマストをぴんと伸ばした、木造帆船『観光丸』。

場内何処よりも高く聳える塔、『ドム・トールン』。



…離れて行く…皆…皆…離れて行く…



「ナミ!!ナミ!!窓から観てみろよ!!夕陽がすっげーきれーだぞ!!!」


手を引っ張り、興奮した面持ちでルフィが叫ぶ。

覗いた窓からは……山を焦す様な、赤々とした夕陽。


「な!?まるで山火事みてェできれーだろ!!?」


「……確かにイメージとしてはそんな感じだけど……もちょっと別の例え出来ないのルフィ…?」



往路同様、暫くは緩い速度で進んでいた船が、急に駆け足になる。

ガタゴトと揺れが増し、波飛沫が窓に掛かる。

見えていた街並が、一気に離れて行った。




「楽しいトコだったな!!」


朗らかにルフィが笑う。

その頭上には、古ぼけた麦藁帽子が載っかっていた。

着ている服は赤のノースリーブ、履いてる靴はビーチサンダル。


全身に風を感じて辺りを見回す。

気付けば乗っている船は、見覚えの有る小型木造帆船。

海風にはためく、麦藁帽子を被った髑髏の海賊旗。

こちらからは見えないけど、船首はきっと愛嬌溢れる羊の顔。

継ぎ接ぎだらけの愛する船……ゴーイング・メリー号。


後部デッキから、皆と共に私は、沈む夕陽を、離れ行く島を、見送っていた。


「楽しかった…怖いもんちっとも居なかったし…平和で、美味い食いもんや飲みもんいっぱい有って…なのに3日しか居られないなんて…オレ、すっげ寂しいぞォォーーー!!!!」


右隣で船縁ぶら下がってたチョッパーが、ウルウル目で海に向かい叫ぶ。

トナカイの様な狸の様な、毛皮モコモコの愛くるしい姿。

頭に被った『×』帽子は名医の証、頼り甲斐有る我等が船医。


「また来たいよなァ~~~。来れるかなァ~~~?チーズやハムやソーセージやワイン……どれもこれも美味かったよなァ~~~。」

「バナナマフィンも美味かったよなァ~~~。後50個くれェ買って行きたかったよなァ~~~。」


そのチョッパーの横で、ルフィが同調する。


「オレ、お菓子の家見たぞ!!魔女が住んでて、サンタが訪ねて来るんだ!!」
「俺も見たぞチョッパー!!良いよなァ~~~。あんな家に1度住んでみてェ~~~。そんでエントツから丸かじりすんだァ~~~v」
「食っちまったら駄目だよルフィ!!住めなくなっちまうじゃんか!!!」

「寂しがってんじゃねェよてめェら!!!」


バタンと扉開いて、ウソップが飛び出して来た。

一体誰の真似なのか?……手にはギター、頭にはテンガロンハット、黒いグラサン掛けて、長鼻の下にはマジックで描いたチョビ髭、ベルボトムジーンズといったスタイルだ。


「幾つもの出会いと別れを繰り返し、人は大人になって行く。愛する者を残しても、ぐっと涙堪えて独り旅立つ……それが漢の生き様ってもんだぜェェ!!!」(キラーン)

「うおおおっっ!!!ウソップカッコエェェーーーー!!!!」
「良いぞォォ~~~!!!漢・キャプテンウソップゥゥ~~~~!!!!」

「…っつう訳で聴いて貰うぜ…!!キャプテェ~ンウソップ様が歌う別れのバラード!!!てめェらしっかり声援頼むぜェェ!!!!」

「さよならは別ァ~れェ~のォ~言葉じゃなくゥてェ~♪」
「「ヒュー!!ヒュー!!」」
「再び逢うまァ~でェ~のォ~遠い~約束ゥ~♪」
「「ヒュー!!ヒュー!!」」
今を~嘆ェいてもォ~胸を~痛ァ~めてもォ~ほんのォ~夢ェの途中ゥ~~♪…ジャンジャンジャンジャンジャカジャカジャジャン♪――どうしたどうしたァ!!?声が小さいぜてめェらァァ!!!!」

「ウソップ、ルフィ、チョッパー、あんた達、煩い。」

「ナミさん…!!」


背後からそっ…と肩を抱かれる。

振り返ると、右の瞳をキラキラと輝かせたサンジ君が立っていた。

気障ったらしい黒スーツと黒ネクタイ、咥えた煙草からはハート型した煙。

その煙が私に掛からぬ様、決して風上には立たない、見上げたフェミニスト根性。


「今度来た時は君と、あの海辺佇む、ホテルデンハーグに泊りたい…!!

 宿泊する部屋は勿論、窓から海を見渡す、デラックスハーバービューツインだ。

 寄り添い紺碧の海を見詰ながら、2人の夢について語合おう。

 いっその事、結婚式も挙げてしまおうか?

 幸い、あそこには教会も用意されてると言うし。

 そうだ!ハネムーンはその後でも良いさ!!

 昼に太陽の祝福を受けた2人は、夜には月と星の祝福を受けるんだ。

 満天の星を映した夜の海を背景に、2人きりで乾杯をしよう。

 夜も更けて…『そろそろシャワーを浴びて寝ないかい?』と俺が誘う。

 君は『いやんv初めてなのに、一緒にだなんて恥かしいvサンジ君からどうぞv』と、初々しく拒むだろう。

 その仕草に惜しく思いつつも、心トキメカセながら先にシャワーを浴びる俺。

 逸る胸を抑え、腰にバスタオルを巻いて出て来ると、ベッドの上には――」

「――誰も居らずもぬけの殻。

 間抜けな花婿さんがシャワーを浴びてる間に、花嫁さんは貰った御祝儀ごっそり持って、彼方へと逃げてしまいましたとさ!」


サンジ君の足元で、縁に寄っ掛かってたゾロが、茶々を入れる。

親父シャツに緑の腹巻に、左腕には黒バンダナ、左耳には3連ピアスといった、ダサさを超越したファッション。

右の腰には勿論、3本の真剣を差していた。


「話横取りして勝手に哀しい展開に変えてんじゃねェよ毬藻ォォォ!!!!」
「台詞長ェんだよてめェはァァ!!!!出番無かった腹いせかァ!!!?クルクルラブリン!!!!」
「煩ェェ!!!!毬藻は毬藻らしく独り寂しく湖底沈んで眠ってろっっ!!!!早よ帰れ故郷の湖に!!!!」

「国の起源を知る上でも、興味深いサンプルだったわね。」


左隣に立ってたロビンが微笑む。

風に吹かれ、はらりと広がる漆黒の髪。

同姓の私でも憧れる、彫像の様に整った容貌。

髪と同じ色した瞳は、理知を宿してきらりと輝く。


「かつて栄えた大国も、一日にして成された訳では無い。あの国の歴史は未だ浅いけど…ひょっとして私達は、綿々と続いてく国史の内の序章を、垣間見たのかも知れないわ。」

「始まりは全て0から、か…。」


希望と理想に溢れた、良い国だった。

エコロジー&エコノミー、自然と文化の共存……成功すれば良いなと思う。

その試みは必ずや、未来に生きる人達の指針となる。



刻々と、夜に染められて行く空。

濃紺の世界で、稜線のみが、薄桃色に輝いてる。

船は波を蹴散らし、真直ぐに航行してく。




「ぜってェ、また来ような!!」


何時の間にか近くに、ルフィが来て笑ってた。

さっきまで被ってた、麦藁帽子は消えている。


見回せば、居るのは帆船の上でなく、振動鳴り響く、高速船の中。

最奥窓際から並んだ席には、ルフィ、ゾロ、私の3人。


……ウソップ、サンジ君、チョッパー、ロビンの姿は、何処にも無かった。



「今度来たら忘れず馬車乗るぞ!!チョコレートフォンデュも食う!!タクシーにも乗りてェなァ~!!カナリカフェだったか!?あれも乗りてェよなァ~!!後キッズ何とか!!ガキ用遊園地でも1ぺん観てェ!!あ!!キャプテンショップ!!今度はゆっくり観るぞ!!そんで明かり点いたきれーなシャンデリアも観なくちゃな!!……こうして考えると、まだまだし残した事、沢山有るよなァァ~~~!!」

「…それだけじゃなく、知ってるか?地下にゃ迷路まで在るんだぜ!」

「地下に迷路ォォ!??」
「ゾロ、起きてたの?」


間で熟睡してると思ってたゾロが、むくりと身を起こす。


「…ルフィの声が煩くて寝付けやしねェ。安眠妨害極まりねェよ。」


その右腰に、3本の真剣は差してない。


「上ばっか歩いてて気付かなかったんだろ?今度来たら、俺が道案内してやるよ!」


妙に優越感たっぷりに、ニヤケる。


「へー!!そんなトコまで在ったのかァァーーー!!面白そうだな♪」

「あんたに道案内お願いしたら、それこそラビリンスみたいに、一生抜け出せなくなりそう…。」

「どういう意味だよそりゃ!!?」

「それを言うなら私だって…あんた達、飛ぶ魚を目の前で見た事有る?」

「「飛ぶ魚??」」

「飛魚よ!この海には沢山居て、ピョンピョン飛んでるトコ見たわ、私!」

「飛魚ってアレか!?羽の生えた魚か!?うわっっ、すっげー観てェェ~~~!!何で俺達にも観せてくんなかったんだよ!?」
「呼んでもあんた達、部屋に鍵掛けて、狸寝入りカマしてたんじゃないの!!!」

「まァ良いじゃねェか。次に来る時の為に、楽しみ色々残しといたっつう事でよ。」


ゾロが珍しくも、朗らかに笑う。


「そうだな!!全部、次来た時の宿題だな!!」


ルフィも力いっぱい、声立てて笑った。


「………そうだね。」



夕陽は沈み、街ももう見えない。

すっかり薄暗くなった空の下、波飛沫立てて、船は高速で進む。



被ってた帽子の鍔に触れた。


ルフィに渡された、『誓いの帽子』。




「……また来よう!!

 今度は…皆で…!!





ハウステンボスまでは何マイル?

お船に乗って行けるかな?

行って帰って来られるさ

波が高く荒れなけりゃ

お船に乗って行けるとも






【終】





写真の説明~、以前話に出した、ハウステンボスのオリジナルチューリップ、その名も『ハウステンボス』。

ピンク色してフリンジ付いてて可愛いっしょv



…改めてブログ上で、お礼を言う積りですが……

まったりさん、

ちばさん、

ふくちゃん、

ぐらさん、

ウロウロさん、

勝手にでは有りますが(汗)、資料として貴ブログを大いに参考にさせて頂きました。

有難う御座いました。(礼)

そして、此処までお読み頂いた皆さんにも、有難う御座います。(礼)

お陰で何とか、最後まで書き切る事が出来ました。

本当に有難う御座いました。


あ、追伸…最後のフレーズはマザーグースのパロディ、深い意味は無いです…まぁ、洒落で。(苦笑)

後、ウソップが歌ってるのは来生氏の『夢の途中』です、言わんでも解るでしょうが。(汗)
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『何度も廻り合う』その39

2006年02月23日 22時45分27秒 | 桜トンネル(ワンピ長編)
前回の続きです。】






我に返った時は、既に山端近くまで、陽が傾いていた。

あっという間に黄昏に染まった場内、釣瓶落しとはよく言ったもんだわ。


予約しといた長崎空港行高速船の出発時刻まで、もう後15分足らず。

慌てて3人して出航場所、『マリンターミナル』へと向う。




出入口の所では、タンテ・アニーの店員さんが、出張販売をしていた。

…こんな所まで…商魂逞しいと言うか…。(でも商売人として、見上げた心意気よね)



待合席の前には、場内の季節イベントを流してるTV。

ゴスペルライブ・ショーや、ラィティング・セレモニーといった、懐かしい映像の数々。

2泊3日なんて、短いもんだったわよねー…。


2人に待合席で座ってるよう言い、側の高速船発券所で、人数分の券を貰った。

後5分もしたら乗船出来るんで、準備しといて下さいと説明される。



発券所を横に、ルフィとゾロはシートに並んで座っていた。


ルフィを間に挟んで座り、貰った乗船券を渡す。


後10分…10分で…この、時が極めて遅く流れてるよな街と、サヨナラしちゃうのね…。

今度来れるのは何時になるんだろう?

不吉な想像だけど、その頃まで、この街は在るだろうか?

決して多くはない待合客の数を見てると不安になった。



「しかし最後まで忙しねェ旅だったよなァァ。…場内幾度となく駆け摺り廻らされてよォォ。」


如何にもくたびれた風で、首をコキコキ鳴らしながらゾロが言う。


「一体場内何周したんだろうなァー?帰って体重計乗ったら、やせてたりしてな♪」

「『ダイエットに効果有。万歩計持参してお出でませ。』なんて、キャッチコピー出して宣伝すりゃあ、挙って女共が来るんじゃねェの?」

「うはははは♪♪ゾロ!!お前、上手い事言うなァァ~~~!!売り込んでみろよ!!ナイスアイディアだっつって、さい用されっかもしんねーぞ!!」

「広々としてますよったって、限度が有らァな。全部廻る気なら、3泊は必要なんじゃねェか?」

「そうだなァ~~~。広いのは気持ち良いし、好きなんだけどな。結局、乗りたかった物とか、行きたかったトコとか残っちまって、ちょっと欲求不満だよなァ~~~。」

「消化不良っぽいよな。…まァ、でも…漸く帰れるっつか。本音言うと、握り飯とか、簡単に食えるもんに飢えて来ててな…此処の食いもんはまずまず美味ェが、やっぱ家の飯が1番だよな。」

「それ言ったら俺はカップメンが食いてェ!」

「ルフィ、お前、外国行くなら、味噌汁とか茶漬けとか、山程インスタント食品背負ってけよ。向うではそうゆうの、あんま売ってねェらしいぞ。」

「え!?そうなのか!?よし!!カップメンにカップスープにインスタントみそ汁永○園のお茶づけ…あああ!!思い出したら食いたくなって来た……早く帰りてェェ~~~~~!!!」

「……………悪かったわねェェ2人共……こんな…来たくもない場所に連れて来ちゃって………」

「「あ??」」


ガタリと勢い良くシートから立上がる。

あっけにとられてる2人の顔を、思い切り睨め付けた。

最後くらい、喧嘩せずに気持ち良く、別れてやろうと思ってたけど…

もう駄目…我慢限界…堪忍袋がぷっつんだわ…!


「ゴメンねェ2人共!!最後まで私の我儘に付き合せちゃってェ!!でも恐らくこれで最後だろうから許してくれるゥ!?」

「…どしたんだナミ??顔が赤鬼みたくメチャ怖ェぞ???」

「……んだよ?その、『お終い』めいた言い様は?」

「でもさァァ!!そォんな行きたくなかったんなら、無理して来なきゃ良かったのに!!私だって…来たくもなかった奴と旅行したって、却って気分が悪くなるだけだわ…!!」

「は??…別に俺、行きたくなかったなんて、1度も言ってねェぞー??」

「……おい…ナミ…いきなり何ぶち切れてんだよ…?」
「ぶち切れちゃ悪い!!?足りなきゃついでに縁切ったげるわ!!!」


――ガタン!!と音立てて、ゾロも立上がる。

怖い顔して傍寄って、腕を力いっぱい摑まれた。


「離してよ!!!痛いでしょォ!!!」
「我儘もいいかげんにしろっつったろ馬鹿女!!!最後最後最後最後って…てめェはそんなに俺達と別れたいのかよっっ!!?」
「別れたがってんのはあんた達の方じゃない!!!っつかもっと性質悪く眼中に無!!?自分達の夢追っ駆けるのに夢中で、残される人間の寂しさなんて考えた事無いんでしょ薄情者共!!!」
薄情者だァ!!?こっちの気も知らず悲劇のヒロイン気取りかよ!!?そんな寂しけりゃ一緒に来りゃ良いだろがいっその事!!!」
「一緒に行ける訳無いでしょ!!!私にだって追い駆けたい夢が有るんだからっっ!!!」
「人薄情者扱いして何だよその自己中態度は!!?だったらお互い様だろがっっ!!!」


「……あの……お話中失礼ですが……そろそろ出航時刻となりますので…乗船して頂けませんでしょうか…」

「誰だ?おっさん??」

「乗船案内の者です。…他の皆さん、既に乗船して待ってますんで…済みませんが、話を切り上げて…あの……」

「あーー…この2人の口ゲンカなら、放っときゃその内カタ付くから、ちょっと待っててくれよ♪」

「いえ、待っててったって……もう間も無く出航――」
「何他人事みてェに呑気に座って観客面してんだルフィ!!!?」
「そうよ!!!ゾロだけじゃなく、あんたにも言ってんだからね!!!」
「何だよーー!?俺まで巻き込むつもりかァーーー!?関係無ェんだから止めてくれよなァーーー!!」
「おめェが何時までも仲裁しようとしねェから平行線なるんだろがっっ!!!何で止めねェんだ!!?薄情者!!!」
俺のどこがはくじょうだってんだ!!!?いつでも2人して勝手にケンカしていつの間にか仲直りして、止めに入る必要無ェだろバカヤロウ!!!!」
「そんな事問題にして無いでしょ!!?話逸らすなゾロ!!!」
「馬鹿野郎だァァ!!!?――人がわざわざ、何で2人だけで廻らせたと思ってんだ!!!?鈍感馬鹿!!!!
「知るか!!!!そんなの!!!!何でだよっっ!!!?」
「服が濡れてしんどくて廻りたくなかったからでしょ!!!!来たくなかったんなら最初から付いて来んな馬鹿迷子!!!!
迷子言うんじゃねェ!!!!来たくねェなんて1度も言ってねェだろがっっ!!!!――この女に付き合って話聞いてやって甘えさせてやりたくとも俺じゃあ直ぐ喧嘩になっちまって出来ねェからお前に期待して頼んだんだろうがっっ!!!!」
「甘えさせるって何よ!!!?私が何時甘えさせてなんて頼んだっつうの!!!?人の知らぬ間にこっそり失礼な事頼んでんじゃないわよ!!!!」
「そうだ!!!!何でナミ甘えさせてやんなきゃなんねーんだよ!!!?俺だって甘えてェ!!!!」
「おめェが甘えてどうするよ!!!?っつか四六時中思うが侭甘えてんだろが!!!!――ナミが…俺達と離れるのが嫌で…寂しくて…せめて最後くらい甘えさせて欲しい思ってんのが、解んねェのかてめェにはァァ…!!!!?


「………何だ、ナミ。おめェ、俺たちと離れるのがイヤで、さびしがってたのか?」


「う………う……うっさァァァい!!!!!あんた達みたいな薄情者、遥か彼方のM78星雲まで行っちまえば良いんだっっ…!!!!!」

「………そんな遠くまでは行けねェよ。ったく、でっけェ乳して、中味はてんでガキっつうか…!!」
「ゾロもそう思うか!?マジでっけェェよなァ~~~!!!コートの上からでもくっきり判るデカパイ!!俺、感動しちま―――」


――ドゴッッ!!!!メキャッッ!!!!


「…も、物も言わずにアッパーで殴んな!!!防御する間位与えろよ!!!!」
「るさいっっ!!!!セクハラで訴えられたいかあんたら!!!!?」

「い…良い、右ストレートだったぜ……さすがだな、ナミ…!!」


「…っとに……何であんた達…こ…な…デリカシー無い……だか…!!!」

「あ、ナミ泣かしちまった!!!…悪い奴だなー、ゾロ!」
「おめェが泣かせたんだろうがっっ!!!責任転嫁してんじゃねェよ!!!」
「2人揃って泣かせたんでしょ馬鹿ァァ…!!!!」



…連れて来るんじゃなかった…連れて来るんじゃなかった…!!

せめて…最後くらい…楽しい思い出作っておこうとしたのに…!!

こいつらちっとも…こっちの気持ちなんか解ってくれようとしない…!!


春になったら、会えなくなっちゃうんだよ…?

それぞれ分かれた道進んで……それが、2度と交差しないかもしれないのに…!!


あんた達は平気なの…?

寂しくないの…?

何でそんな、ヘラヘラヘラヘラ笑ってられんのよっっ…!?



「なァ~~~ナミィ~~~。泣き止んでくれよォ~~~。おめェ泣かすと、おめェんトコのおっさんに死ぬほど怒られて怖ェんだからよォ~~~。」
「…知るか馬鹿ァァ!!!むしろ私からゲンさんに頼んで半殺しにして貰うわよっっ!!!」
「いィィ!!?半殺しィィ!!?――ヤベェよゾロ!!早く行っちまわないと、おめェ身が危険だぞ!!」
「だからおめェの身が危険なんだろっつうの!!!」
「どっちもに決まってるでしょうがっっ!!!!」



馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿…!!

もう知るもんか、行っちまえ、薄情者共!!

今此処で縁切りだわ!!むしろこっちから2度と会ってやるもんか!!

卒業したら赤の他人、写真も何もかも全部破り捨てて、記憶から排除してやるっっ!!!



「あのよ…ナミ……俺、20歳になったら、戻って来っから。そしたら……また、皆でここ来ようぜ!」


泣いて床に蹲る私の耳に、ルフィの声が届いた。

顔を上げる、コートの袖で涙を拭う。

ルフィが、目の前に座ってた。


「………信じられないわよ…あんたの口約束なんて…!!」


――ポン…と、頭の上に、何かが被された。


「……本当は、麦わらだったら良かったんだけどな。」


そう言って、にししっと、歯を剥き出しにして笑う。


手で触れたそれは、正面に鍔の有る帽子……さっきまでルフィが被ってた、船長帽だった。


「――必ず、約束する!!…それは『ちかいのボウシ』だ…!!」



………誓いの、帽子…?



「…ったく、黙って聞いてりゃ、今生の別れでもあるかの様に……大袈裟なんだよ、てめェは!離れるったって、同じ日本国内だろがっっ!!」


ルフィの隣に来て、ゾロも床に胡坐を掻く。


「そうだ!!俺だって同じ地球の上じゃんか!!大げさだな、ナミは!!」

「いや、おめェは少し大袈裟に捉えとけよ。…大体、俺達てめェに借金してるしな……それとも踏み倒し許してくれんのかよ?」
「許す訳無いでしょ!!!?地獄の果てまでだって取り立てに行ってやるわ!!!!」
「それ見ろ!縁切る気全く無ェんじゃんか!」
「つかあんたら!!!卒業前迄には耳揃えて払ってくれるんでしょうね!!!?延滞する分だけ利子増してくんだから、早く払いなさいよ!!!!」
「安心しろ!!ナミ!!出世したらまとめて払う!!!」
「信用出来ないっつったでしょ馬鹿者ォーーーー!!!!!」

「まーとにかく、20歳まで後…たったの2年だろ?今度は皆してここ来て、どんちゃん騒ぎしようぜェ♪♪」

「ハウステンボスで同窓会か……悪くねェんじゃねェか?」


「その頃まで……此処……もたないかもしれないじゃない……」

「「もたねェ??」」

「此処ね……すっごい赤字なんだって……1度、倒産もしてるし……ひょっとしたら、2年後は、もう…無いかも…!!」



会える港を失くしたら、私は皆を、何処で待てば良いの…?



「千年続く街だっつうたじゃんか。」

「……それは、あくまで理想よ、ルフィ。」

「でもこんだけしっかり、がんじょーに造ってあるんだ!建物は必ず残るだろ!?」



建物だけ残ってたって……!!



「なァ、ナミ!………会いてェヤツが居て、そいつと行きてェ場所が在んなら、何度だって廻り合えるさ!!」



そう言ってルフィが微笑む。

人を安心させる、太陽の様な笑みで。



「……本当に、あんたって、理想主義者なんだから…!!」




「…あの……お話の決着はなされましたでしょうか…?」


案内係と思しき小父さんが、おずおずと側近寄り、喋り掛けて来た。


「とうに出航時刻を10分も過ぎております…他の乗客の方の御迷惑になってしまいますので、お早目に…あの……」


はっとして身を起す。

気付いた時には、私達の周囲は、黒山の人集りで、垣根が作られていた…。




「おい…向う戻ったら俺、携帯買いに行くから、付き合えよ。」


入国した時の様に、海に長く伸びた桟橋を、駆け足で渡ってる途中で、ゾロに肩を摑まれ耳打ちされた。


「携帯??……あんたが!?…何の為に!??」

「俺1人じゃ、機種とか何選んだら良いか、判んねェからな。だから、付き合え。」

「……肌身離さず電話持つのは、考えるだけで煩わしいんじゃなかったの?」

「それで……どうしても寂しくて仕方ねェ時は、俺に電話しろ。何時でも、会いに行ってやっから…!」


話した後でポンと私の背中を叩くと、急いでルフィの後を追い、船内へと入ってった。


「………ゾロ……。」


私も、案内係に急かされ、船へと走る。

桟橋に繋留された、来た時と同じ、小さな高速船。


振り返れば、すっかり薄暮に包まれた、童話めいた煉瓦の街並。

橙色に灯った街灯が、暗い海面にまで光を投げる。




2年後……この街は、変らず在ってくれるだろうか?


会いたい人に廻り合える場所で、在ってくれるだろうか…?





その40に続】





写真の説明~、ニュースタッド、アムステル運河の夕景。

夕方5時を過ぎると、場内にポツリ…ポツリ…と灯りが点き出します。


漸く、ラスト…ワン…!!(お疲れ様~)(汗)
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『何度も廻り合う』その38

2006年02月22日 23時18分54秒 | 桜トンネル(ワンピ長編)
前回の続きです。】





安政2年(西暦1855年)、オランダ国王ウィレム3世が、徳川幕府に献上した蒸気帆船『観光丸』。

長崎海軍伝習所の練習艦だったこの船を、ハウステンボスはオランダで忠実に復元、自力回航して此処まで持って来たらしい。


そんなノスタルジックな木造帆船に乗って、大村湾周遊クルーズ。


私達が乗船した午後4時の回は、本日最終便という事で、結構賑わいが有った。


ホテル・デンハーグ前の乗船所には、主に修学旅行生や遠足に来た小学生が、列をなして待っていた。



乗船の合図と共に、それらが一斉に甲板に雪崩込む。

船内には売店付の座れる休憩所が在ったりしたが、あまりそちらには人は流れて行かなかった。


「そりゃそうだろ。遊覧船乗って景色観ないんじゃあ、乗った意味が無ェ。」

「確かにそうだわねー。」


船縁に寄り掛り話す私とゾロの前には、念願叶ってハイになり、メインマストをペタペタ触って回ってるルフィの姿。


「すっげーぶっといなーー!!それに高ェ~~!!上に見張台在るけど、あそこまで上るの大変だろぉなァ~~!!」


その側で青いジャンパー着た船員達が、困った様な顔して立っていた。

作業したくても、ルフィが邪魔で出来ないらしい。


「ルフィ!!こっちいらっしゃい!!後ろのお兄さん達、仕事出来なくて困ってるみたいだから!!」


私の声に反応し、ルフィが走り寄って来る。




丁度出航時間が来たらしく、帆船がゆっくりと動き出した。

甲板に居た子供達から歓声が上がる。


3人して船縁から身を乗り出し、船が岸から離れてく様を観守った。

強い海風が顔に当り、前髪が乱される。


「ルフィ、その船長帽、手に持ってた方が良いわ。風強いから、海に飛ばされちゃうかも。」

「ん?…そか!」


被ってた帽子を脱いで右手に持つ。

タイミング良く、脱いだ途端に突風が吹き付ける。

ルフィの広いおでこが全開にされた。


「晴れてくれてラッキーだったな♪おかげで青空クルーズが出来る♪」


雲は南端まで飛ばされ、上空はほぼ澄み切った青空。

陽が傾き、甲板上に幾つもの、長い影が伸びていた。


「まァねェ。でも日焼しちゃいそうで、本音少し曇ってくれてた方が良かったかな。」

「帰りの高速船5時だろ?これ乗ってて間に合うのか?」

「所要時間約35分。大丈夫、10分前にはマリンターミナルに入れるわよ。」

「どうせならこれ乗って空港行けりゃ良いのになー。」

「それは幾ら何でも無茶と言うものよ、ルフィ。」


強風でかなり波が高くなってるのに、船体は殆ど揺れなかった。

穏やかに、ゆっくりと航行してく。


「あの『大航海体験館』みたく、もっとバカゆれすりゃあ、面白ェーのになー。」

「そんなまで荒れてたら、中止になってるわよ!」

「やっぱり大型の船は、安定度が高いんだなァ。」



観えていた街並がどんどん小さくなって行き、ハウステンボスの全景までもが見渡せる位まで離れた。

と、急に甲板が賑やかになりだす。

メインマストの周囲に船員が並んで挨拶、これから催すショーの説明を始める。

帆を揚げる展帆作業を行うって事だった。

目の前のマストに、白い巨大な帆がスルスルと揚げられてく。

その巨大さたるや、何と畳44枚分有るらしい。

幾ら数人で力合せてるったって、澱み無く馴れた手捌きで、全く重みを感じさせない。


「うっはーー!!あーんなでっけーの簡単に揚げちまうなんて、すっげー怪力だなーー!!」

「力だけでなく、コツも有んのかもしれねェぜ。」

「迫力有るわねェ!やっぱプロの仕事は違うわ!」


メインマストに帆が無事揚がると、次は船首の三角帆を揚げる作業。

この作業は乗船客も参加出来るらしい。

そう聞いた途端にルフィの瞳が、ルックスを増して輝いた。

声掛ける間も無く、脱兎の勢いで船首の方走ってく。


「ちょ…!!ルフィ!!待っっ…!!」


追い駆けようと縁から離れて1歩踏み込んだ瞬間―――ガクン!!!と、船体がいきなり斜めに傾いた。




思わず、甲板に尻餅をつく。

頭上から止め処無く水が浴びせ掛けられた。

服がじっとり濡れてるのが感じられる。


驚いて上空を見上げる………真っ暗だ……雨雲がとぐろ巻いて空を覆ってる。

ドォォ…ン!!!と雷鳴が轟く音がした。

まるで嵐…そう嵐だ!!

荒狂う風、激しいスコール、降掛かる波飛沫で、甲板はすっかり水浸しになってる。


何、これ…?

何時の間にこんな天気になっちゃったのよ…?

ルフィ…?ゾロ…?皆、何処行っちゃったの…?



また大きく船体が傾く。

衝撃で後ろへ転がった。

木の樽が強風に煽られ、海上に飛ばされてく。

轟々と風が唸りを上げてる…凄い暴風雨だわ…。

休む間も無く振動が続いてる。

高波に船体が恐ろしい程持上げられ、そして一気に海面に叩き付けられた。

樽同様、海に放り投げられる恐怖を覚え、傍の縁にしがみ付く。



状況が、全く見えない。

さっきまであんな好天だったのに、何故?

沢山居た船員や乗客は、ルフィやゾロは、何処?


それにこの船…観光丸じゃないわ…!!

何なの?あの海賊旗の様な帆は?

麦藁被った髑髏!?…何よそのふざけたデザイン!!

船も小さいわ…まるでデ・リーフデ号位に…そうだ、大航海時代の船にそっくり…!!


それに……私の着てる服…違ってる!!

何時こんな薄地の、肩剥き出しミニスカワンピに着替えたっつうのよ…!?

呆然と甲板に座ってた前に、バシャバシャと水掻き分け、向って来る人影が見えた。

金髪…片目…グルグル眉毛……ああ…サンジ君だ…。


「…て…えええ!?サンジ君!!?何で此処に居るのォォ!!?
「ナミさん!!!大丈夫か!?ナミさん!!?」


横殴りの雨風に晒され、髪も顔も黒いスーツも、私同様すっかりびしょ濡れだ。

肩に手を回し、抱き起こされる。


「此処に居たら危ねェ!!早く船内に…!!」


「ね、ねェ!!何なのこの嵐!?何で私この船乗ってるの!?…そもそも何でサンジ君が此処に――」



――またガクン!!!と、縦に大きく傾く。


溢れた水に足を取られて流され、サンジ君と一緒に甲板を滑り落ちてった。


壁に衝突寸前、甲板から何本も伸びた手に縫い止められ、私は難を逃れた。


……ん?…何本も伸びた…手……!!?


「キ…キャ~~~~~!!!いィィやァァ~~~~~!!!船幽霊~~~~!!!!」


「早く指示を出して航海士さん!!でないと向ってる方角がどんどんずれてしまうわ!!!」

ロ…ロビン先生!!?何で先生まで此処に!!?」


甲板に縫い止められた体勢で、声のした方振り向くと、飛ばされない様マストにしがみ付きながら、ロビン先生が叫んでいた。


バタン!!と扉が開き、中から角を生やした狸が出て来る。


――狸ィィ!!?角ォォ!!?二足歩行~~~!!!?


「大変だァァ!!!船底に穴が開いたァァ~~~!!!」


――ああっっ!!しかも人語話してるゥゥ~~~~!!!


「よォ~~し!!!待ってろ!!!今修理に行ってやる!!!」


バタバタとウソップが板切れ抱えて甲板走ってった。


……ウ、ウソップまで……サンジ君も……あんたら、受験は諦めたっつうのォォ~~~~!!??



……あ…駄目…頭、混乱…脳味噌爆発しそう…。

きっとこれ夢だわ…そうよ、夢…常識的に言って、有得ないもの…。

寝ちゃおう、このまま…!!目が覚めればそこは暖かいベッドの上――


「寝たら駄目よ航海士さん!!!早く!!!早く船の方角確認して!!!」

「いやん、起さないで、先生v大丈夫、これ、夢だから。…てゆーか夢でなくっちゃ嫌。」

「現実逃避は止して航海士さん!!!」


肩を摑まれガクガクガクーと強く揺さぶられる……何てしつこい夢…でも負けないわ…眠るの…眠るのよ、自分。

…あ、何時の間にか手の拘束が解けてるし…良かった…やっぱり夢だったのねv


「眠ったら駄目だってば航海士さん!!!早くこのログポースを見て!!!」

「……ログ……ポース…??」


左腕を摑まれ、目の前にかざされる。

ブレスレットと一緒に、手首に嵌めてある、丸っこい変な物。

方位磁石に似てるけど……何の字盤も無いし……


「…こんなん見て、一体どうしろってんですか!!?大体、私、航海士じゃな――」



――また…今度は、大きな横揺れが来た。

今迄で1番のその揺れで、私の体が宙に浮き、真っ黒くうねってる波の中に投げ出される――すんでで、ギュルン!!と何か餅の様に伸びた物が体に巻き付き、強い力で船に引き戻された。


「あ…ぶなかったなァァ~~~ナミ!!!」

「あ、有難う…ルフィ…!!――ちょっと待って!!!あんた!!その腕伸びてる…!!!


私の体にグルグル巻き付いてるそれは……ルフィの腕だった!!


「そりゃ伸びるさ!!ゴムだもんよ!!」


さも当然そうにルフィが言った……ええ!?えええええ!!!?

ずぶ濡れの頭の上には麦藁帽子、赤いノースリーブの服、ビーサン――こ、こいつも夏服ゥゥ!!?


「おい!!!ナミ!!!どうしたら良い!!?どうすりゃ良いんだよ俺達!!?」
「ど、どうすればって…私に聞かれても…!!」
「航海士のおめェに聞かないで誰に聞くんだよ!!?」
「だから私、航海士じゃないってば!!!!」


ぐいっっと背後から強い力で肩を摑まれる。

振り返ればゾロが――こいつまで妙ちくりんな格好してるゥゥ~~!!!

腹巻親父シャツに真剣が3本って、何なのよその常軌を逸したスタイルは!!?バ…バカボンパパのコスプレェェ!??


「ナミ!!!早く指示を出せ!!!これ以上波に翻弄されちまったら方角見失っちまう!!!」
「だ、だから…私にそんな事出来る訳無いでしょォ!!?私、船だって殆ど乗った事無いんだからっっ!!!」



――ザザザァ…!!!と高波が押寄せて来る。

甲板に波飛沫が大量に降掛かった。



「何とかしろ!!航海士っっ!!!」



――何とかしろ!!航海士っっ!!!



………ルフィ……



「しっかりしやがれ!!てめェが指示出さなきゃ、皆沈んじまうんだぞ!!」



――しっかりしやがれ!!てめェが指示出さなきゃ、皆沈んじまうんだぞ!!



………ゾロ……




腕に嵌めたログポースを見詰る。

透明な球に浮ぶ針が、真直ぐ、目指す方角を指していた。



…そうだ…私…この、ゴーイング・メリー号の航海士だったっけ…。

この偉大なる航路『グランドライン』を、皆で一緒に航海して。

何で…今迄、忘れてたんだろ。



「――ルフィ!!ゾロ!!急いで帆を畳んで!!サンジ君とロビンは舵を取って!!右へ75°ズレてるわ!!修正一刻も早くお願い!!!」

「畳むんだな!?解った!!!」
「おう!!!任しとけ!!!」
「凛々しいナミさんv素敵だァァ~~~vvv」
「緊急時にメロってないでコックさん!!急ぐわよ!!!」



大丈夫!!波に翻弄されたりしないわ。

どんな嵐でも、目指す方角見失ったりしない。

私は…航海士なんだから!

皆を導いてく役目なんだから…!!






……どれ位…経ったんだろう…?

…揺れが…治まってる…風の音も…静かだわ……。

空高くで…鴎が鳴いてる……良かった…漸く嵐を抜けたみたいね…。



首だけ動かし辺りを見回した。

私同様、甲板に皆して寝そべり、へばっていた。

直ぐ右隣にはチョッパーが…ああ、そうか…あんた、チョッパーだったわね…。

ゴメン、チョッパー…忘れて、狸なんて思っちゃって…。

そのチョッパーが、板切れ抱えたまま、うつ伏せで倒れてる。


「ね……チョッパー…船底の穴は塞がった…?」

「な、何とか塞がったよ…でも、未だ、底に溜った水…掻き出してないや…。」
「後で全員して掻き出しゃ良いさ……今は皆…少し休んどけ…。」


頭の方で船縁寄り掛ったゾロが擦れ声で言う。


「早く…1級ドッグに入れて、メリー修理して貰おうぜェェ~~!!…でねェと傷だらけで可哀想だ…。」


足下で転がってたウソップは、しくしくと涙声だ。


「そうね…此処はグランドライン、予測不能の海流渦巻く海。今回みたいな嵐は、これから幾度も襲って来るだろうし。出来るだけ船を頑丈にしとかないと、何時か防ぎ切れなくなるわ。」


左隣でロビンが、半身を起こして空を見詰てる。


「大丈夫さロビンちゃん!!この船には、海に最も愛された女神、ナミさんが居る!!その船が沈められる訳無ェ!!」


バタンと船室の扉を開け、珈琲人数分載せたトレー片手に、サンジ君が現れた。

ピシッと糊の効いた紺のスーツに着替え、口にはトレードマークの煙草を咥えている。

そして私やロビンに、「はいv」と熱い珈琲を手渡し、倒れてる男共の頭上にも、それを置いてった。


「おめェ…心底メルヘン野郎だな…脳味噌そのまま薔薇に浸らして窒息しちまえ。」
「んだコラ!?毬藻羊羹野郎!!頭に爪楊枝刺してパンッッと割っちまうぞゴルァァ!!?」


…自分だって疲れてるだろうに…ほんっっとマメなんだから。


「そうさ!!!この船には一流の航海士が居るんだ!!!ぜってェ沈むもんか!!!――なァ!!ナミ!!!」


傍に近寄り、私の顔を覗き込む様にして、ルフィが笑う。

見上げれば、麦藁帽子の向うに、太陽が重なって見えた。


「…当り前でしょ!!こんなに可愛くて海が大好きな私を、海の神様が沈めたりするもんですか!!!」


立ち上がり、宣誓するが如く、右手を天に突上げ叫んだ。


「さァ!!次の島に向って、また波を越えてくわよ…!!!」




「…つって、未だどっか廻る気かよ?右手突き上げエイエイオーなんて、いいかげんタフなヤツだなァ。」

「――え…??」


目の前には、ゾロが呆れた顔して、立っていた。


「もう直ぐ5時だぜ?諦めて、そろそろ高速船の乗り場に向わねェか?」


…高…速…船…?



耳元に喧騒が届く…船から桟橋に乗客が降りてく。

親子連れ、修学旅行生の群れ、挨拶して送出す観光丸の船員。

…何時の間にか、船はまた、観光丸に戻ってた。

羊のフィギュアヘッドの付いた、ゴーイング・メリー号の姿は無く。

ウソップも、サンジ君も、チョッパーも、ロビンの姿も無い。

桟橋の続く岸には、見慣れた赤煉瓦の街並。


ルフィが甲板を駆けて、こちらにやって来る。

服は元通りの赤いジャケット、頭の上にはガキっぽい船長帽…ゾロも緑のダウンジャケットにジーンズ、刀なんて勿論1本も差してない。


そう言えば、私の格好…!!

はっと思い出して見下ろす……オレンジのダッフルコートだ…何処も濡れてない…元のままだ…。

嵐に遭った痕跡なんて、何処を探しても見付からなかった…。


何よ…これ…?どういう現象なのよ…??


「楽しかったよなーアトラクション♪お前らも参加すりゃ良かったのに!!ロープ1本でハシゴ作っちまったり、三角ほ揚げたり…覚えときゃ将来役立つかもだぞ!!」

「ロープ持って無ェのに教わったってしょうがねェだろよ。」

「だったら買や良いじゃんか!!」

「そんだけの為にかよ!?…まァでも中々楽しめた。ネット登って帆の上まで行く業だとか、プロはやっぱ凄ェよな。」

「ほを揚げた所、写真とってもらったからな!!後でウソップ達に見せてうらやましがらせるんだ♪……そいやお前らは、どこで何してたんだ?」

「俺はだから、遠巻きにして観てただろ!ナミは……そう言えばナミ…お前は、何処で…何してたんだ…??」


「……私……?」



私は……



「……何、してたんだろう…?」


「「はァァ??」」


「お、おい!ナミ!!大丈夫か!?…お前、焦点合ってねェぞ!?」
「おい!!ナミ!!この手見えるか!?――ヒラヒラヒラ~~♪」

「……駄目だルフィ…完璧に放心しちまってる…。」




……私は……


……一体……


……何処で、何を、してたんだろう……?





その39に続】



写真の説明~、観光丸乗船場の桟橋。

シルエットですが、観光丸写ってます。(笑)

連載、後2回…!(汗)
コメント

『何度も廻り合う』その37

2006年02月21日 23時37分46秒 | 桜トンネル(ワンピ長編)
前回の続きです。】





お昼を食べ終った後、予定してた展望室に向う為に、一旦1階に下りて、塔の入場口からエレベーターに乗った。


場内で1番高い塔『ドム・トールン』、展望室はそののっぽな塔の5階に当るらしい。


予想してたより狭く、場内のパノラマを360°見渡せる構造になっていなかったのは残念だったけど(←精々270°位かしら?)、地上80mから見下ろす景色は、絶景としか言い様が無かった。

区切られた窓から覗ける、小さな赤い屋根の街並み。

こんな高さから見ても判る程、澄んだ水した運河。

赤煉瓦の敷詰められたアレキサンダー広場には、塔の黒い大きな影が落ちていた。


天気が好くなってくれて本当に幸い。

お陰で大村湾を取巻く周囲の島々まで、くっきりと観える。


「なァなァ!!ナミィ!!俺達が乗る船が出てくぞ!!!」


身を乗り出し、窓に貼り付いたルフィが、興奮して叫ぶ。

指した先には、紺碧の海を波立てて走ってく、観光丸の雄姿。

そうか、今丁度2時だから、本日3度目の出航って訳ね。


その隣1番奥の窓からは、私達の宿泊してたフォレストヴィラが観えた。

鬱蒼とした森に包まれた湖畔のコテージ、そして更に奥には、場内でも一際瀟洒な建物、パレス・ハウステンボス。


「すっげェなー!!どれもこれもミニチュア、まるでレゴブロックで作ったみてェだな!!」

「確かにこっから観ると、まるきし玩具だよな。」

「……身も蓋も無い感想ね、あんた達。」


「お!?あそこ観てみろよ!!俺達の乗ってたバスが走ってっぞ!!…あ!今バス停に停まった!!客がゾロゾロ降りてく!!」


眼下の、広場へと続く橋を指しながら言う。


「目ェ良いわよねルフィは。私も良い方だと思うけど、あんたには負けるわ。視力5.0位有んじゃないの?」

「本当にそうなら、モンゴルの遊牧民並視力だな。」

「…色んな色した車が走ってるよなー。茶色に緑に青赤黄色…信号みてーだな。」

「青赤黄色いのは多分ホテルの車だと思うわ。場内ホテル宿泊者用の送迎バスなんてのも有るみたいよ。」

「バスより小っせェ、茶色い四角ばった車も、チョコチョコ走ってるよなー。」

「あれはクラシックタクシーね。手を挙げれば、場内の何処からでも乗車出来て、行きたい場所に連れてってくれるんだって。」
「そんな便利な乗りもん有ったのか!?早く乗っちまや良かったのに!!」
「タクシーだからお金が掛かるの!!!だから乗らなかったし、あんたにも言わないでおいたのよ!!!」


ふと、ヒソヒソ声が隣から聞えて来たんで振り向くと、セーラー着た中学生女子と思しき1固まりが、失礼にもこちら指差し笑い合っていた。


どうやら修学旅行御一行様とかち合ってしまったらしく、展望室内はそいつらにほぼ占拠されてしまっていた。

ギャアギャアワイワイ、はっきり言って煩い。

学ラン&黒セーラーで、さながら烏の群れみたい。


そんで笑われてる原因は、彼女達の視線を辿ってって直ぐ解った。

ルフィが頭上に戴いてる、大人気無い船長帽。

…そりゃ確かに、良い年した高校生が、こんなん被って窓にベタッと貼り付いてたら……笑われるのも当然かもだけどさ。


「ルフィ…その船長帽、いいかげん脱いだら?」


近くに寄って耳打ちする。


「ん?何でだァァ??」

「だってあんた、さっきからそれで周りの子達に笑われてんの、気付かないの…?」

「笑いてェ奴は笑わせときゃ良いだろ!?」


少しムッとした顔で返された。


「ルフィの言う通りだ。無視しとけ。…人目気にするなんて、らしくねェぞ。」


ゾロが背後からポンと肩を叩いて来る。


「別に自分が笑われてんなら、気にならないけど…。」


人を小馬鹿にした様な黄色声が益々大きくなる。

ガキって集団になると本当、性質が悪くなるんだから。


いいかげん収まらなくなりそうだったんで、2人を引き摺りさっさとエレベーター乗って下まで降りた。




害した気分を治すには、美しい物を観るのが良いだろと、橋を渡ってアレキサンダー広場に建つ『ギヤマン・ミュージアム』に入館する。


エントランスは吹き抜けになっていて、大理石の床の真上には、世界最大級だっつう豪奢なシャンデリアが飾ってあった。


案内スタッフが説明するには、フランス・バカラ社製で、幅は2.2m、高さは3.5m、重さは750㎏、4,628個もの硝子のパーツが組合されていて、飾り付けた当時、組立てるだけで丸5日も掛かったらしい。

無色透明な骨組みに、赤と緑が鏤められてて、そのあまりの眩さに圧倒された。


「すっげーなァァァ~~~~~!!!」

「豪華絢爛。唯の硝子でも此処まで凝ってると宝飾品並だな。」

「綺麗ねェェ……ガイドブックによると、毎日夕方5時に点灯して、益々麗しく輝かせるらしいわ。」

「へーーー、観たかったなァーーー。何で観に行かなかったんだよ??」

「……あんたがフィギュアヘッドっつう雑貨屋に篭り切りになっちゃって、行く時間が無くなっちゃったからでしょうが……!」
「うわっっ、ヤブヘビ!!」
「口は禍の門だな。」



螺旋階段で2階へ上る。


バロック調に設えられた館内では、技法毎に分類・展示された硝子製品が、穏やかな照明の中で燦然と輝いていた。


中央にはドイツの或る宮殿の喫茶室を模して造られたっつう『黄金の間』。

此処だけロココ様式の優雅な一角には、金と赤とに煌くヴェネチアングラスが38個。

凄いわ……こんな喫茶室に通されたら、ビクビクしてお茶も啜れない。


「ふへーーー!!すっげきれーだなーーー!!どーやったらあんな血みてェに赤く作れんだろーなァーーー!?」
ルフィ近寄るな!!!じっとしてて!!!ステイ!!!ステイ!!!


はしゃいで中入ってこうとしそうなルフィの腕を引張り止める。

怪力出して割られたり、うっかり落とされたりしたら思うと……考えただけでぞっとする。


「んだよォォ!?人ガキみたいにィィ~~~!!するワケ無ェじゃん、そんな事よォォ~~~!!」
「力弱い分だけガキのがマシよ!!!」
「極めて真理だな。」



フロア奥にはドイツの或る宮殿の応接室をモデルにして造られた、『鏡の間』と呼ばれる展示室が在った。

展示されているのは、青いヴェネチアングラス76個。

鏡面になってる壁に嵌め込まれたグラスが反射し、何重にも観えて幻想的だった。

昨日行った磁器の博物館、『ポルセレイン・ミュージアム』に設けて在った、『磁器の間』に似た感じだわね。



一巡した後、また階段上って今度は3階へ行く。

入館した時観たあの大シャンデリアが、この階からだと目と鼻の先に見える。


「なんかこっから手を伸ばせば届きそうだよな~~!!…届くかも??―――よっと!!!」
「手を伸ばすなァァーーーーーーーー!!!!!」


手摺から身を乗り出して触ろうとするルフィを、焦って羽交い絞めにして止めた。

…まったく…腕白なお子ちゃま連れてるお母様方の苦労が、身に沁みて解るわよ。



3階は極めて落とされた照明の中、硝子1点づつを灯りで照らしてあるっつう、今迄観て来た中では異質に感じる展示方法だった。


展示品は全て壁面に嵌め込まれてる。

正面はステンドグラスで彩られ、祭壇が置かれてる。

ぽっかり空いた室内には、席がズラリと並べられてる。

席は左右に分断され、中心が道の様に空けてあった。


「……何だか、教会みてェな造りだな。」


ぼそりと、ゾロが呟く。


「みたいじゃなく、そうみたい。此処は『誓いの間』として、挙式会場としても使用されてるみたいよ。」
「こんな所で結婚式挙げんのかよ!?」
「結構人気有るんだって。パレスなんかでも挙げられるみたい。馬車パレードとか、観光客にまでお披露目イベントなんかも出来たりして、結婚式場としてハウステンボスは、良く利用されてるらしいわ。」


フロアを一巡し、せっかく席が有るんだったら…と、何とはなしに3人並び、座って話した。


「つまり左右を分断してるこの空白スペースは、『バージンロード』を敷く為か。」

「そうゆう事ね。…前の祭壇で牧師さんが聖書を朗読してくれて、新郎新婦が指輪交換して、病める時も健やかなる時も手を取り共に生きて行きますっつって永遠の愛を宣誓する…と。」

「美術館で結婚式挙げるなんて、おんもしれーなァ♪」

「此処で結婚式挙げると、名誉市民として台帳に名前記入して貰えるらしいわよ。」

「それって何かのメリットになんのかよ??」

「……あんた達、ガタイは良いし、気立ても悪くはないんだからさ。将来良いお嫁さん貰える様、ルフィはもっと落ち着きを持って、ゾロは仏頂面治してついでにファッションセンスも正す様……ちょっとは先の事考えて生きてきなさいよ。」

「んあ??良いヨメさん???」

「……んだよ?いきなり…。」

「姉として、妹としての、心からの忠告。」


――最後のね。


「……だったら俺も忠告してやるよ。おめェは見てくれ結構良いんだから、ちったァその果てしなく救い様の無ェ我儘を治せ!!振りだけでも治せ!!そうすりゃ騙される馬鹿も居るさ!!ついでに、もっと素直に甘えられる様なりやがれっっ!!!」

「な………どさくさ紛れに言うだけ言ってくれるじゃないのさっっ!!」
「見てくれ良くてもこんな性格可愛くねェと行き遅れちまうんじゃねェかって、兄貴分としちゃ心配なんだよ!!」

「安心しろってナミ!!いざとなったら俺かゾロがもらってやっから♪」


―――は??


急にしじまが舞い降りる…。


のほほんと笑ってるルフィの隣では、目を点にしたゾロが居た。


「何故そこで俺まで含めんだよおめェは!!?」
「ゾロはもらいたくねーのかーー??」
「ってか何!?その私が行き遅れる事を前提にした言い様は!!?」
「ナミは素直じゃねェからな♪行き遅れるに決まってら♪♪」
「ヘラヘラ笑って失礼言うな!!!私がちょぉっとその気でフェロモン垂れ流したら、たちまち引手数多なんだからね!!!」
「安心しろよ、ナミ。ラブコックが最終キープに居るんだ。嫁に行けねェって事は無いだろうさ。」
「あ、そっか!!居たなー、サンジも!良かったなー、ナミ♪将来思ったよか暗くなさそうだぞ♪」
誰の将来が『思ったよか暗くない』っつうのよ!?私の将来はプラズマTV画面並にくっきり明るいわよ!!!真空管TV並に薄ぼんやりはっきりしてないのはあんたとゾロの将来の方でしょう!!?――ってか何で私の将来気に懸けられなきゃいけないのよもォォ~~~~!!!」



大声で喚いてる所に、また修学旅行の1グループがやって来た。

静寂に包まれてた(←そうでもないか…)館内が、一気に賑やかになる。



時間的にも3時を切ったし…と、次に予定してる『大航海体験館』に移動する事にした。




広場を出て、ビネンスタッドバス停から、バスに乗ってスパーケンブルグまで行く。

この時間になると場内もそれなりに賑やか、何校かの修学旅行が重なってるのか、様々な制服が街を闊歩していた。

1人用の自転車に3人も乗って、港街前方デッキをウロチョロウロチョロ…何時か車に轢かれそうで、見ていて怖い。


「不思議だよなーー。」


前の席でまた、車窓にベタッと貼り付いた姿勢のルフィが呟く。


「何が不思議なの?ルフィ??」

「今日ここまで歩いて来て、俺、1回も水たまり見てねェ。昨夜あんなに雨降ったのに、不思議じゃねェ?」

「…言われてみればそうだな。」

「道の多くが煉瓦で舗装してあるからよ。コンクリートと違って、雨水を地中に浸透させ易いからだと思う。」

「へ~~~??解んねェけど、レンガってすげェんだなァ~~~。」

「成る程、景観上の理由からだけじゃなかったんだな。」




スパーケンブルグバス停に着く。

『大航海体験館』は、丁度その正面に在った。

海上に浮ぶシミュレーションシアター。

スクリーンに映像を映して、それに合せて席を振動させ、船の揺れを体感させる。


「要するにディ○ニーの『スター○アーズ』みてェなヤツだな?」

「そうだけど……本当に身も蓋も無い例えするわね、ルフィ。」


映像フィルムは2本。

16世紀末にオランダから東洋を目指して航海をして来た、デ・リーフデ号の記録を再現した『デ・リーフデ号の大航海』。

それと17世紀中頃、オランダから徳川将軍に献上された、オランダ灯篭を巡る話を再現した『将軍への贈り物~海を渡ったシャンデリア』。

この2本を交互に上映してるって事だった。



私達は『デ・リーフデ号の大航海』を上映する時間に入館したらしかった。


薄暗い館内に、映画館みたく前から後ろへ、段々と高く並べられた観客席。

振動がより大きい方が楽しいだろうと、1番後ろの左端から、ルフィ・私・ゾロの順で座った。


「『デ・リーフデ号』って、オレンジ広場前に繋留されてる船だろ?」

「そうよ、ゾロ。日本に初めて着いたオランダ船の話って事ね。」

「あの海賊船が出て来る映画か!?」

「……だから海賊船じゃないってばルフィ……もう、いいわ。呼びたいように呼べば?」



或る程度観客が集まり着席した所で、館内の照明がいっぺんに消された。

闇の中、正面の大型スクリーン左端に、白い男の顔がヌッと浮き上る。

案内役キャラ、『ウィリアム・アダムス(三浦按針)』らしかった。


彼の語りで紹介される話――




1598年、5隻の東洋遠征船団が、日本を目指してオランダを出航した。

いざ目指そう、黄金の国『ジパング』。


此処から客席が振動し出した。


…ふーん…海上にわざわざ浮かべただけあって、波の動きがリアルに再現されてるわ。

何だか本当に、船に乗って揺られてる気分。


暫くは平穏な波だった。


しかし船はあらゆる苦難に襲われて行く。

突然の暴風雨、荒狂う波――って、ちょ、ちょっと待ってっっ!!!


これ…結構揺れない…!!?


「うわっっ!!!すっげェェ~~~~!!!席が真横に傾いてっぞこれ!!!」
「こ、これは…ひょっとして、今迄で1番激しいアミューズメントじゃねェか…!?」


上下左右前後と、映像に合せて振動する座席。

ローリング(横揺れ)とピッチング(縦揺れ)が連続して続く。

最大揺れ時、ルフィの言う通り、席はほぼ真横になるまで傾いた。


これは…乗り物酔いし易い人、きついかも…!


照明と音響も凄い迫力。

雷鳴が本当に頭上で轟いてる感じ。

映像の中の帆船が1隻、また1隻…と、どんどん壊れて沈んで行った。




――何とかしろ!!航海士っっ!!!




…………え……?




「今、何か言ったルフィ!?」

「えーーー!?何か言ったかナミィーーー!!?」


激しい振動ですっかりハイになってるルフィが、浮れ声して叫ぶ。


「私じゃなくって!!今、あんた、私に何か言って来たでしょォォ!!?」

「はァァ!!?俺…ナミに何も言ってねェぞォォォ!!?」




――しっかりしやがれ!!てめェが指示出さなきゃ、皆沈んじまうんだぞ!!!




「……ゾロ!?何か言ったァァ…!!?」

「は!?…んだよ、いきなり!?何も言ってねェだろがっっ!!!」




……だ、だって今、確かに…!!




荒れる波の中、デ・リーフデ号を残して他4隻は、全て大破してしまった。


唯一残ったデ・リーフデ号は、豊後の国(大分)、臼杵湾に漂着した――って所で終幕。


上映は終了し、振動も止まって、館内の照明は明るくなった。




「面白かったな♪♪」

「ああ、中々面白かった。…他施設が地味でのほほんとしてる分、新鮮に感じられたっつか。」

「…………。」


館の外へ出て、広場に並んでた白いテラス席に座って休憩した。


目の前にはデ・リーフデ号……話の中とは違い、港に繋がれのんびり穏やかに、海上で浮んでた。

強い潮風に煽られ、マストが揺らいでる。


…こんな小さい帆船で…よくも転覆しないで、荒波越えて行けたもんだと、しみじみ感心してしまう。



風が強いお陰で、雲はすっかり取払われていた。

気持ち良い位の青空……帰る時にお天気になられても、何か悔しいけど。


「そうだなーー…90点くれェは付けてやっても良いな!!」

「お前そりゃ点やり過ぎだって。他の場所行きゃ、この程度の施設幾らでも在るしな。」

「そんでもメチャクチャ楽しかった!!本当に船乗って航海してる気がしたもんな!!……なつかしかったよなァーー…。」

「………ああ、懐かしかったな。」

「な!!ナミも、なつかしかったよな!?」

「んなわきゃ有るか!!海を知らない都会っ子が!!!」




遮る物無く、何処までも続く海原。

水平線、沈む夕陽、昇る朝陽。

嵐、うねる波、翻弄される小さな帆船。

一心不乱に越えて、漕いで、また漕いで。

漸く、薄っすらと見えて来る、島の影……



………懐かしくなんて、ない。



有得っこ無いんだからっっ。





その38に続】




写真の説明~、春なんですが、しかも懐かしき気球、ルフティー・バルーンからなんですが…

まぁ、こんな感じで、展望台からは観えますよ、と。
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信濃への旅その3

2006年02月20日 21時01分06秒 | 旅の覚書
そんな訳で長野旅行2日目…っつってもこの日は何もしてないんで、ただひたすら食っちゃ寝だったんで、正直何も書く事無いんですが~。(汗)


朝起きたら8時、既に日は昇っておりました。
自分にしては遅い起床、ええもう、ぐっすり熟睡しちゃいましたがな。
友人起こして、用意整え、朝食へと向かいます。


友人は反対に、珍しく早起きでした…いえ、自分と同じ起床時間だったのですが。
実はこの友人は寝起きが悪い、そりゃもうこの上無く悪い。
黙って放っとくと際限無く寝てる。
しかも起こすと物凄くぶーたれる。
結果、誰も起そうとしない。
高校の合宿ん時なんか、放っとかれて朝食食べ損ねてたっつう……後で「何故誰も起さなかったんだよ!?」と怒ってたけどね。(笑)
まぁそんな奴が起きた訳ですよ、あっさりと、めっずらしー。


朝食も、昨夜食べに行った食事処と一緒でした。
個室になっててねー…お天気回復してポカポカ陽気になったんで、周囲の枝に積ってた雪が、融けて重みで落ちてくっつった、風情溢れる情景が窓から観られました。
良いねー、雪国v(←呑気者)


此処の朝食の目玉メニューが「蕎麦粥」。
蕎麦の実が入ってる粥ですね。
美味しい、非常に美味しい。
薄~い塩味故、蕎麦の素朴な香りとか食感が消されておらなんだ。
軽く噛むとプチプチと弾力有ってね。
1人用の鍋に入れて、その場で温め出されるっつう。
1人用っつっても3杯分は入ってますよ、たっぷりと。
三つ葉が振り掛けてあって、ずずずっと掻っ込む。
やっぱり粥は掻っ込んでこそ粋!
案外、普段の生活で、美味しいお粥は食べられませんから…朝食で粥が出されると、もうそれだけで嬉しいv


他のメニューも美味しかったですよ。
でもこの蕎麦粥のイメージが強過ぎて、今一イメージ薄い。
だから他メニューについて覚えてない…御免。(苦笑)
いや本当、どれも美味しかったのよ?(汗)
鮎の干物を炙った物とか、香草サラダとかねー、ドレッシングも自家製で、酢味噌味でした。
夕食と同じく、現地の新鮮素材に拘っておられたよ。


ああそうそう、びっくりしたのが、朝もデザート出た事。
フルーツ出たよー、やっぱ林檎出た!
そいやお目覚めジュースは、絞り立て林檎ジュースorオレンジジュースor牛乳で御座いました。
〆は珈琲ね、ポットで淹れて、冷めない様に固形燃料で温めて出して下さった。


朝御飯食べ終わってから、さあ今日はどうするか?と…いや、朝食の時に、既に「本日の御予定は~?」とさり気に宿の方から伺われてはいたんですが。(笑)


……な~~~んもする事無ぇよなぁ~~~~と…。(苦笑)


好いお天気ったって、雪がもうすんごい積ってるんですよ。
雪深い温泉宿泊りに来ると、遊びには行き難いですわな。
「特に予定決めてないです。ひたすらゴロ寝してます。んで偶に温泉入りに行きます~」と言ったらば、宿の方に笑われてしまった。(笑)
で、じゃあ、温泉入りに行く時は、言って下さいね、と。
したらばお掃除に入らせて頂きますんでーと。
「お掃除なんて良いですよー」とは言えなかった…。(笑)


お食事処から部屋戻って…恐らく、この間に布団片付けてあるだろね~と、友人と話しながら帰って来たんですが。
未だ敷いてありました…これは意外だったな。


だからって寝直してると、多分またさり気に、「あの~、温泉せっかくだから、入って来ませんか~?」みたいな事言われる様な気もしたし。
…結局、入りに行く事にしました。
私は貸切風呂に、友人は家族風呂に。


部屋より上階に在った貸切風呂に行ったら、鍵が開いてたんですよ。
お、空いてる?らっきーvと思って入ろうとしたらば、出入口に男性用草履が2人分転がってまして…


……どうやら、男2人が鍵開けたまま入ってる様でやんの。(鍵閉めてよ~)


しょうがないんで、風呂の隣の書斎辺りで待ってる事にしたっつう。
実際、此処で待ってたのは正解だったんですが。
兎に角大人気なお風呂でしたんで(1つしかない露天風呂だからねー)、入るにはもうそれしか手は無かった。
友人なんか、結局1度も入れなかったらしい。


暫く書斎で本読んでたりしたんすが。
書斎に入ってると、扉で音が遮断されちゃうんで、出て来たとしても気づき難そうだなぁと、なんぼ隣に在っても。
じゃあ外で待ちますかと思い、書斎前辺りに在ったテラスで、雪遊びして待ってました。


館の屋根の上に設けられた月見台スペースらしく、雪がすんごい量積ってましてねー。
大人気無くも雪だるま拵えて遊んでた。(苦笑)
屋根の上だしねー、あんま大きいの作って、重みで屋根傷める事有っちゃ拙いだろ思って控え目に。
でも何か拵えてる内に興が乗っちゃって、ついつい親子雪だるま完成させちゃいました。
宿の方済みません、あの不恰好な親子雪だるまは私が拵えました。(照笑)


散策道への入口とも繋がってたんで、ちょいと根性出して上ってみるかーっつって挑んだらば……1足目で――ズルゥ!!!って滑ってしまったんで…ああ…こりゃ拙いか…やっぱと思い直して、止めときました。
だって雪の上に、誰の足跡も付いてなかったし!!(怖)
散歩したかったなー、でも山ん中の雪道入ってくのは怖過ぎ。


そうこう遊んでる内に、風呂が空きました。
漸く入浴~♪
鍵掛けてさあ入ろうと思い服脱ぎだしたら――ガチャガチャガチャ!!なんて、扉こじ開けようとする音が…ラ、ライバル多過ぎ(冷汗)…直ぐ外で待ってて良かった…っつか、鍵ちゃんと掛けといて良かったよ。(焦)


石の内風呂と露天風呂、浴槽の広さはどちらも、1人が足をゆっくりと伸ばせる程度。
んでも1人で入る分には、非常に広々として感じられました、いや洗い場が広く設けられてたんでね。
内風呂と露天の仕切りは硝子戸で、窓開けりゃあ内風呂入ってても露天気分っすね。
内風呂から窓開けて、1段上がるとそこは絶景露天風呂。


露天風呂からの眺めは最高でした。
雪山、樹氷林…見晴らしが宜しいの何の。
これ以前に写真UPしてるんで、御覧になって下さいませませ。
入ってる時に丁度また小雪がちらほら舞って来まして。
綺麗でしたねー。
露天風呂は雪見時に限る、としみじみ思いました。
周りに降り積もってた雪を、お湯の中に浸して、じんわり融けてく様を見詰てたりしました。


風呂出てから…せっかくだから写真撮りつつ、雪遊びでもするかと。(←順番逆の様な気もしたけど)
宿の外出てって、雪道よちよちと歩きましたです。


もう一面銀世界でねー、触れるとほわぁ…っと柔らかいんですよ、雪が。
正にパウダースノー、これには感動したー。
歩きながら1人で雪玉作って、飛ばして遊んでました。(←暇な…)
で、のたくた散歩してた時に、枝に降り積もった雪が――ドササッ!!と、いっぺんに頭上落ちて来て、雪浸しになっちまったり。
……せっかく風呂に入ったのにぃ。(涙)
でも遊んでてあんま寒さ感じなかった、実際暖かかったっす。
寒かったのは最終日のみ…そういう意味では、天気に恵まれた。


暫く遊んでて戻って来たらば、「宜しければラウンジでお茶お淹れしますよ~」と宿の方に言われたんで、玄関隣のラウンジ行って、昆布茶貰いました。
英国調のアンティークソファに座ってまったり寛ぐ。
で、ラウンジも書斎になってたんで、本でも読むかと。


選んだ本は――『沈黙の古代遺跡』。


何処行っても、人はそんな変われません。(苦笑)


ラウンジでお茶飲んでたら…友人が来ましてね。
「昼食どうするか?」と聞いて来た。
ラウンジから1段下がった処に、モダンな雰囲気の喫茶室が在る。
何ならそこで食わんかと。
…いや、そもそも山奥の1軒宿っすから、他に選択肢無いし。
じゃあ、そこで食おうと…もう直ぐ1時だしなとね。


昼食タイムは1時までだっつうんで、じゃあ移動しますかってったらば、「宜しければ抹茶と茶菓子も出しますよ」と言われたんで…んじゃあ折角だからと、お願いしました。(笑)
茶菓子は昨日と同じ、上品な餡子玉で御座いました。
優雅だなぁ~~。


喫茶室も最近造ったみたいでして。
『櫓(やぐら)』って名前なんですがねー。
明治大正モダニズム、和洋折衷、すんごい雰囲気良いんですねー。
ほぼ個室になってまして。
ステンドグラスなんかをふんだんに採り入れた内装。
個室の窓からはクリスタルな樹氷林が観られる。


2人して、頼んだのは「ブレッドセット」でした。
レーズンとライ麦とプレーンの、3種類のパン。
それにシャキシャキ野菜スティック付…味噌とマヨネーズでどうぞ、と。
デザートは苺と林檎。
紅茶はティーポットでのサービス。
美味しかったですよーv
本当はケーキ食べたいよね~とも思ったのですが…夕食に響いて来そうな気がしたんで止めときました。(汗)
ブランデー風味のオレンジチョコレートケーキ…食べたかったよ…!(涙)


お茶飲んでゆっくりのんびり寛いで部屋に戻って来たらば……おこたが出ておりました。(↑の写真参照)




…と、今回は此処まで、続きはまた次の月曜~。

何か自分で書いてても眠たくなりますが…退屈な旅行記で済みません。(汗)

や、実際、本当~~に何もして来なかったんで。(苦笑)


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『自分を例えると?バトン』

2006年02月19日 15時40分41秒 | ただいまおかえり(雑記)
我がナミ師匠にして同志にして悪友のマサムネ氏から、『自分を例えると?バトン』を頂いたので、今日はその回答をしたいと思います。

マサムネ氏は自分にとって最も話し易い方…同じナミさんファンだからというだけでなく、多分、同じブラザーソウルが燃え滾って居られるのだと思います。(笑)

師匠!バトンを回して頂き有難う御座います!(礼)

そして何時も陰に日向に、お世話になっております。(再礼)



【自分を色に例えると?】

…自分、色について1つ、エピソード持ってまして。

幼稚園通ってた頃の話なんですが…或る日お絵描きの授業してて、私、黄色のクレヨンのみで絵を描いてたんだそうで。
その絵を見た幼稚園の先生が、不安に思い、自分の母に相談したんですな。


「黄色が好きな子供は情緒不安定だと言います。○○ちゃんは大丈夫でしょうか?」(←失礼だな、先生)(笑)


んで、それ聞いた母も不安に思ったらしく(←失礼だな、母)(笑)、私に黄色1色で絵を描いた理由を聞いて来たんですよ。

したら当時の私曰く、


「だって黄色が1番余ってたんだもん。」


……黄色は皆に嫌われてたんですねー、何故か。
そんな黄色に、当時の自分は何か同情したらしくって(苦笑)、むしろ意地になって使ったと。(笑)

良い色じゃん、黄色。

選ぶと狂気の世界に連れてかれちまうから??――良いじゃん!楽しそうでさ!(笑)

そんな訳で、此処は自分にとって縁の有る『黄色』って事でv



【自分を動物に例えると?】

『ありときりぎりす』なる童話に出て来る、「きりぎりす」っしょ!(←え?昆虫は駄目??)

命果てるまで遊び倒す。



【自分を好きなキャラに例えると?】

周りから兎に角「似てる」言われとるキャラが居りまして。(笑)

『ケロロ軍曹』に出て来る、「日向冬樹」少年。

「学力心許無し。
 体力心許無し。

 ただし、興味の対象(←自分の場合、オカルトとか漫画・アニメね)において、ズバ抜けた観察・洞察能力を発揮する。
 気性は穏やか。
 順応能力高し。」←『ケロロ軍曹』2巻&5巻より。


……確かに、言われてみりゃ、そうかもね。(苦笑)



【自分を食物に例えると?】

ナマコ」。

ナマコ、私、食べられませんが…のた~~っとしたイメージが似て見えるかと。



【次に回す5人を色で例えると?】

理知の色、『』かなー?………chibapeanutsさん。
ワインレッド』って事で………ふくちゃん
美味しそうな『桜餅色』v………ぐらさん。(←悔しい、ピンクが無い!!)
やっぱ理知の『』っしょ………かるらさん。(←バトン返しっす!)
染まる様で染まらず『水の色』…ぴいさん。(←やっぱバトン返し!)

…上記5名様、宜しくお願い致します。(礼)

本当はねー、mattarinonbeさん(←誠実の色、『』のイメージ)、ウロウロさん(←生命力溢れる『ショッキングピンク』のイメージv嗚呼!やっぱり色が無い~!!) にも渡したいんですが…お2人共、今特に大変でしょうから、此処は気持ちだけ。(笑)

かるらさん、ぴいさんは、既に回ってる気もするんで、その時は気持ちだけって事でv


 
後やっぱり師匠から、何と先日回した『変換バトン』のお返しがやって参りました。(笑)

【やり方】は、お題のテーマを一発変換して下さい。


【追加単語】

こうかいしさん」で。

ふっふっふっ……やってやろうじゃないですか!!!(不敵笑)




『公開資産』




――ちきしょー!!!負けたーーー!!!!(悔)



…じ、自信有ったのに…!!(さめざめ)



悔しいんで、またお返しだ!!(笑)

なみのりじょにー』で……さぁ!!師匠!!勝負よ!!(←何のだ?)


ちなみに自分は「波乗り所にー」になりました。

……は、敗北……!!(泣崩)

せめて『波乗りジョニー』と変換したかったよ…。(苦笑)




【おまけ:本日の贈る言葉】

トリノオリンピックに出場してる選手の皆さんへ。

失敗の出来ない貴方達に、

のグロンサンを贈りたい。


――諦めるな、皆…!!

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『何度も廻り合う』その36

2006年02月18日 10時22分21秒 | 桜トンネル(ワンピ長編)
…昨日の夜、何か妙な投稿文御覧になられた方は居られますかね…?
もしもいらっしゃいましたら――幻覚ですんで、どうか忘れて下さいませ。(汗)
いや…お見苦しいの見せてしまって済みません。(苦笑)

↓そんな訳で何時もの如く、前回の続きです。




ホテルの車で、ホテル・ヨーロッパまで送って貰う。


既に精算は済ませてあるので、フロントでその証明書と、コテージの鍵を渡した。


金色した重たいキータッグの付いた鍵ともお別れ。

もう、あの湖畔のコテージには戻れないのね。


赤煉瓦の壁、ドアを開けて中へ入れば、広々としたリビングルーム。

床はフローリング、暖かい色した絨毯が敷かれてる。


ルフィお気に入りのロッキングチェア。

居る間、あんだけ力いっぱい揺らしてて、よくも壊れなかったもんだわね。


ゾロお気に入りの長ソファ。

ソファとしてより、殆どベッドとして使用されてたっけ。


窓に背を向けた肘掛ソファは、私の指定席。

肘掛部分がなだらかにカーブしてて、肘が楽に掛けられた。


大きく開く窓を出れば、湖を眺めるバルコニー。

身を乗り出してると、すかさず白鳥が側に寄って来て、餌を強請られ困ったのよね。

今度泊る事が有ったら、お麩でも持って来ようかな。


窓から日が射すと、湖の波紋が白い壁に反射して、幻想的に揺らいで見えた。


階段上って2階には、ベッドルームが2部屋も在って。

TVの有る方が良いんだと、ルフィが散々駄々を捏ねた。

…その態度があんま子供染みてて、昔と変らないままだったもんだから、つい譲ってしまったのよね。


3人してお茶飲んで寛いで……楽しかったなー……。


「気持ち良いコテージだったよな♪」


フロント後ろの椅子で、荷物整理しながら思い出に耽ってた私の肩を、ルフィがぽんと叩いて言う。


「素敵だったわよねェ。あんな家に住めたらなァ…。」

「こっそり住んじまうとか!」

「それじゃ犯罪じゃない。」

「表札出して『ここは俺の家ー!』なんてな♪…1けんくれェ見逃してくんねーかな??」

「おめェが言うと冗談に聞こえなくて恐ェよ。」



荷物が半端で無く多かった私とルフィは、ホテルから宅急便で送る事にした。

お土産いっぱい買っても大丈夫なよう、家で1番大きなショルダーバッグ持って来たのに…全部詰めたらギリギリのパンパン、チャックが壊れそうで冷やりとした。

四角形だったバッグがボールみたいに丸くなっちゃって…こんな事なら3日分も着替え持って来んじゃなかったわ。



小っさいディバッグ1ヶしか持って来なかったルフィはもっと深刻だった。(←本人ちっとも深刻そうじゃなかったけど)

詰める前から許容量の2倍は有るって、見ただけで明らかだったし。

なら食っちまえば問題無ェって、その場で店広げようとしたんで慌てて止めた。(←つまり土産の殆どが自分用の食い物って事なのね)

結局、箱買って詰めるよう、ゾロと2人で説得した。


「ちゃんと必要な物は手元に持つのよ!」

「おう!!ちゃんとキャプテンハットと短剣は手に持ったぞ!!」

「いや、むしろそれは送った方が良いだろよ…。」

「ゾロは送んなくて良いのかァ?」

「ああ、送る程荷物無ェし。」


確かに、ゾロの黒いディバッグは、膨らみ具合が来た時と殆ど変ってない。

荷物整理に奮闘する私とルフィを尻目に、涼しい顔して突っ立っている。


「お土産、全然買わなかったの?」

「あれ?でもしょーちゅー1ビン買ってただろ??」

「買って即送っちまったよ。割っちゃ拙いからな。」

「へー、ナミと同じだな。」


――スカーン!!!


「言うなって約束したじゃないさ!!!」

「…わ…悪ィ…つい…口がすべった…!」

「なんだ、結局てめェも酒買ったのかよ?自称健全女子高生!」
「家への土産よ!!!何か文句有る!!?」
「べぇぇつぅにぃぃ~。」


にやにやァァと意地悪く笑われた……だから言わないで欲しかったっつうのにっっ。


「後買ったのはクリームチーズ1ヶ。それ以外は下着と財布と航空券。身軽なもんだぜ。」

「カッコ良いぞゾロ!!シンプル・イズ・ベストだな!!」
「でも一緒に旅してて、面白味の無いタイプよね。」
「煩ェ、ほっとけ。」


宅急便の受付はフロントの後ろ…館内右奥のカウンターで行っていた。

ルフィと一緒に荷物を預け、言葉通りに肩の荷を降ろす。

はー…これで帰り道、楽にしてられるわァァ。


「そう言えば…ルフィはカメラと財布と帰りの航空券、ちゃんと手元に持ってるんでしょうね?」

「あ!!……いけね!そっちは忘れて預けちまった!!」
「早く取り戻しに行って来いっっ!!!」
「はいィィっっ!!!」

「……何処までもお約束通りな奴だな。」




重厚なホテル・ヨーロッパの玄関を、後ろ髪引かれる思いで潜る。


玄関を出る時、シルクハットを被ったベルマンが、笑顔で送り出してくれた。


嗚呼、この優雅な赤煉瓦造りの、超高級リゾートホテルともお別れなのね。

玄関上に飾られた特大のクリスマスリースが滲んで見えた…なんちて。




外へ出てそのまま真直ぐ、ホテル前に建つ売店に寄る。

真新しい風の小じんまりした店、『ラフレシール』。


「何だ?ケーキ屋か?」

「チーズケーキ専門店よ。此処のキャラメルチーズケーキが美味しいって評判なんだって。ナンジャタウンで開かれた『全国チーズケーキ博覧会』で1位に選ばれたらしいわ。試食が出てれば食べてみて…美味しかったら買ってこうかなと思ってv」
「全国で1位に選ばれたチーズケーキィィ!!?買う!!!俺も買って食う!!!」

「…って荷物送ったのに、未だ買う気かよ!?」

「だって全国で1位のチーズケーキがどんなもんか…ちょっと気になるじゃない?」


タンテ・アニーのイメージカラーが緑色なら、此処ラフレシールのそれは明るい卵色だった。

庇も看板も、内装にまで卵色が溢れてて。

ショーケースの中には3種類のチーズケーキが陳列されていた。(←季節によって変るらしい)


他にもキャラメル風味のパイクッキーやら紅茶やら…でも正直バリエーション少ないかな。


ショーケース前に、細かく賽の目に切られたキャラメルチーズケーキが試食として出されてたんで、1口貰って食べてみた。


――あ……美味しい!すっごく美味しいかも…!!


チーズケーキなんだけど、キャラメルの風味が香ばしく効いてて、これならチーズ苦手な人でも食べられそう。

まったりとクリーミィーだから、きっと紅茶に良く合うわ。

一緒に口に含んだら、クリームみたいに蕩けてくでしょうね。


うんめェェ~~~!!!これメチャ美味ェじゃんかっっ!!!こんな美味ェチーズケーキ、俺初めて食べたぞっっ!!!」

「…あんた、ずっとそれしか言ってないし。」



背後からゾロに皮肉言われたりもしたんだけど、ルフィと2人で結局買ってく事にした。


ただ1つ問題が有って…此処のチーズケーキは冷凍タイプらしく、長時間常温で置いとくとドロドロに溶けちゃうって事だった。


だから送る時はクール宅急便で、召し上がる時は解凍して下さいよと。


少しでも代金浮かせる為に、私とルフィの分を一緒にして、私の家に送る事にした。

勿論掛かる代金は折半で!

土産代だけじゃなく、運送代も馬鹿にならないわねェ~。



タンテ・アニー同様、ケーキはカット売りでも販売してて、店の外のテラス席で食べたり、買ってってホテルの部屋で食べたりも出来るらしかった。




1時回ってお腹も空いて来たんで、昼食にする事にした。

「肉!!」と言うルフィの希望と、「米!」と言うゾロの希望を同時に叶える為、ユトレヒト地区ドムトールン下2階に在る韓国料理屋『ソウル』を選択する。


比較的手狭な店内だったけど、平日で時間がズレてたのが良かったのか、ガラガラに空いていて驚いた。


ウェイトレスさんに案内されて、奥の窓際席に着く。

ゾロと隣り合って、ルフィは1人前に。(←隣り座ると、食い散らかされて大変だから)

窓からはのどかに運河を進むカナルクルーザーを見下ろせた。

楼蘭なんかと同様、水以外にもお茶が無料でサービスされて、嬉しかった。


「かん国料理っつったら焼肉だろ!?俺、焼肉!!焼肉決定な!!」
「韓国料理じゃなくても、てめェは肉しか選ぼうとしねェだろうが。」
「ルフィ、あんた手持ちの金少ないんでしょ?だったらお安い昼定食にしときなさい!」
「えーーー!?……昼定食ってどんなんだよォ~~~?」


メニュー写真を抱えて眺めて熟考に入る。



店入ったら自分が1番にメニューを開く。

どうやらそれがルフィの中では当然になってるらしい。

旅行中、私やゾロがメニューを開いて…なんて殆ど無かった。

ルフィが開いてるメニューを、横から逆から覗く感じ。

今更だけど自己中極まりない奴……けど不思議と憎めない、得な性分よねェ。



「…う~~ん…ビビンバ定食ってのが有るけど…これって美味ェのか?」


メニューに載ってる写真を指して聞いて来る。


「美味しいって評判らしいわよ。何でも韓国人からも本場の味に近いって人気が有るらしいし。…ってな訳で、私はこの1,000円の『石鍋ビビンバ定食』にしよっかな!」

「じゃあ俺は1,500円の『ユッケビビンバ定食』だ!!」

「んじゃ俺は間を取って、1,200円の『特製石鍋定食』な。」

「…何で借金持ちのあんたらのが、高いメニュー選んでんのよ?」


愛想良く注文を聞き、ウェイトレスさんが厨房に戻ってく。



「さてと…料理が来るまでの間、これからの予定について話したいんだけど、聞いてくれる?」

「おー、頼むぜェ、有能秘書。」


メモを広げる私に、ゾロが茶々を入れる。

気にせず、コースを読み上げた。


「食べ終わったら先ず、此処の展望台に昇ろうと思うの。そんで次はアレキサンダー広場に在るスタッドハウスまで徒歩で移動、館内の硝子の美術館『ギヤマン・ミュージアム』を見学。その次はバスに乗ってスパーケンブルグまで移動、『大航海体験館』へ。で、最後は帆船『観光丸』に乗船。」

「船!!やっとあの海賊船乗してくれんのか!?」

「だから海賊船じゃなくて『観光丸』だってば。」

「何だか昨日と較べてゆとり有る予定に感じるが…どうかしちまったのか?」

「……別に。昨日大方廻ったし。もう時間も無い事だしなァと思って。」

「まァ、確かにな。此処出たら後、3時間と少しってトコか。」

「今言った中で行きたくない場所とか有るなら抜かすわ。逆に、行きたい場所が有れば追加する。…何か希望有る?」

「じゃ、『カナリカフェ』とか言うのに乗りてェ!!」
「それは却下!」
「ええ!?言ってる事と違うじゃねェか!?」
「手持ち金が残り少ないってのに、金のかかる遊びしようとすな!!!」

「行きたくねェ場所とか、行きてェ場所とか聞かれてもな…詳しく知らねェし…良いさ、それで。」

「だいこーかい何とかって、何だ??」

「名前通り、映像や振動なんかで、航海を体感させるシアターみたいだけど。」

「航海を体感かーー…面白そうだな♪俺もそれで良いぞ!」

「じゃあ、このコースで決定ね!」



話してる間にビビンバ定食がやって来た。

器になってる石鍋は、高温で熱してあるので、手を触れない様にと注意される。


…確かに物凄く熱そう…じゅうじゅう音出てるし。


私のは御飯の上に、4種類のナムルと生卵が乗せられていた。

ゾロのはナムル6種類、生卵、加えてミンチ。

ルフィなんか、加えて牛刺……贅沢者め。

3人共に、辛くて真っ赤な大根のキムチ、わかめスープがセットで付いていた。

後は味付け用の辛味噌…全部入れると流石に辛いから、お好みに調節してどうぞと説明を受ける。

辛党のゾロはまんま全部入れてしまった……辛そうっっ。


「あのさ、石鍋ビビンバの美味しい食べ方教えたげよっか?」

「「美味しい食べ方??」」

「御飯を掻き混ぜる時に、底の部分を少し残しておくの。そうすればお焦げが出来るでしょ?」

「ああ、成る程な。」
「よし!底を残すんだな!?」


中央乗ってる生卵を、箸で潰して、底を残し、良く掻き混ぜる。

卵と具と御飯が絡んで、熱々の卵混ぜ御飯が出来上がった。

食べてみると、辛味噌の辛味とナムルの酸味が程好く馴染んでて、美味しいのなんの!


「…ハフハフ…!!……ふへェ!!!ふへェはァ~~~!!!ははごはへほはんはは…!!!」

「…そりゃ卵掛け御飯だろうが。」

「でも本当に美味しいvこの辛味噌、辛いんだけど、それだけじゃなく甘味も感じられるって言うか…入れた事によって、美味しさが増してるわァァvv」

「キムチも美味ェな。うん、イケる!」

「お!おほげ食っははふえェェ!!…はひはひひへへ、へんべーみへーはほ♪♪」


石鍋の熱で、御飯が焦げて張り付き、煎餅の様に香ばしく、パリパリになっていた。


「お焦げは残しといて、最後にわかめスープを注いで食べると良いわよ。そうするとお焦げがふやけて、雑炊みたくなってまた美味しいのv」

「雑炊か…そりゃ良いな!」

「ハフフ…!!…ふひ!はいほはほーふひはは!ふへェほはー、ほーふひほ♪♪」



熱した石鍋は中々冷めない。

20分経っても…30分経っても…スープを注いでも温かく、最後まで熱々のまま、美味しく戴けた。





その37に続】





写真の説明~、ホテルヨーロッパの玄関。

回転扉は大概の場合、安全の為閉じられてる。

所謂、雰囲気出す為の演出??


クリスマスには観ての通り、巨大で煌びやかなクリスマスリースが飾られます。

あ…ビビンバの美味しい食べ方は、何処ぞのガイドブックからの受け売りです。(笑)

でもこうして食べると本当に美味しいですよv
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