瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

うる星(映画)感想3~リメンバー・マイ・ラブ~

2007年09月30日 20時19分20秒 | 漫画&アニメ
1985年1/26、映画うる星やつら第3作公開。


深くて暗い森の中…1人の「オババ」が大層腹を立てていた。
或る女の子の誕生を祝うパーティーに、自分だけが招かれなかったからだ。
腹立ちに任せて、オババはその女の子に呪いをかける事を思い付いた。

「年頃になって、女の子は恋をする…。
 しかしその恋心は報われず…どんなに思おうとも、決して結ばれやしないだろう…!」


時は飛んで未来――1人の少年が奇妙な硝子玉を拾う。
硝子球は炎を宿して、妖しく輝いていた。


さて、また時は飛んで現代――学校の図書室で、ラムはしのぶから赤い糸の伝説を聞かされる。
自分とあたるの仲も、きっと赤い糸で結ばれてるっちゃと、はしゃぐラム。
しかし隣に居たあたるは「くだらん」と吐き捨てるだけ。

学校の帰り道、ラムは遊園地オープンのチラシを受取った。
デートの場所を悩んでいたラムは、早速その『友引メルヘンランド』に、あたるを連れて向う。

そこはさながら幻想の住人達がひしめき合うワンダーランド。
あたるがラムとデートする事を聞き付け、妨害目的で来場した面堂&メガネ達が、世にも奇怪な現象に遇ったり。
遊園地に漂う妖気に引かれ、サクラや錯乱坊が駆け付けるも、何故か場内に入れなかったり。

そんな中、怪しい手品師の手によって、あたるがピンクのカバに変えられてしまった。
元の姿に戻そうにも、手品師は助手の女と共に、行方を眩ましてしまう。

仕方なく家に帰るカバあたるとラム。
ラムはあたるに「必ず自分が元の姿に戻してあげるから」と元気付ける。
そうは言っても、もしこのまま自分が人間に戻らなかったら…と不安を口にするあたる。
ラムはそれでも、あたるの傍から離れないと、固く誓うのであった。

「だって……ウチはダーリンの妻だっちゃあ…!!」

しかしその夜…目の前に出現した手品師を追い、件の遊園地まで来たラムは、不思議な力で亜空間に引き摺り込まれてしまう。


手品師の正体は、「ルウ」と名乗る少年だった。

ルウは語る――或る日ゴミ捨て場で不思議な硝子玉を拾い、時空を超えられる程の強い超能力を得た事を。
幾度か試したタイムスリップの途中で、幼年時代のラムに出会い、その屈託無い笑顔に惹かれた事を。

しかしあたるに会って以来…ラムは幼い頃の様に笑わなくなった。
だから彼女をあたるの元から引き離そうとして、今回の事件を企んだと告げるルウ。

「あいつがカバになれば、ラムもあいつに愛想をつかすと考えたんだ。
 なのにラムはあいつの傍から離れようとしない。
 だからラムを此処に連れて来る事にしたんだ。」

此処で何時までも一緒に暮そうと言う少年に、ラムは「冗談じゃない。早く自分を此処から出して、ダーリンを元の姿に戻せ」と怒る。
そんなラムに、「あいつなら放っといても、その内元の姿に戻る」と、ルウは答える。

「けど、その頃にはあいつ…滅茶苦茶ラムの事恨んでるだろうね…。」

指し示された鏡の向うには、ラムが心変わりしたのではと疑う、あたる(カバ)が映っていた。


暫く後、ラムの失踪を聞き付けた弁天ランお雪が、あたる(カバ)の家を訪ねて来た。
3人+1匹は真相究明に乗り出し、ラムの父母の話から「樫の木森のオババ」が事件に絡んでいる事を突き止める。

オババの家を訪ねて事情聴取した所……

自分は今から17年前、ラムの誕生会に招かれなかった。
それを逆恨みして、『銀河系よろず呪い事引き受け組合』なる会社に、ラムを呪うよう依頼をしたとの事だった。
しかし後日手違いで招かれなかった事が解り、呪いは直ぐにキャンセルしたと言う。

3人+1匹は、今度はその組合へ乗り込み、職員に事情を問質した。
調べてみれば、呪いは郵便上の手違いでキャンセルされず、長年放置されて居り…何故か勝手に発動しているのであった。

呪いの元は掴めても、これ以上どうしようもないと、諦めて地球に戻った3人+1匹。
ランや弁天お雪そしてテンは、ラムの居ない地球に用は無いと、各々の故郷へ帰ってしまう。


それから数日――友引町に微妙な変化が起り出した。

しのぶは怪力が出せなくなり、メガネはラムの思い出を消そうと旅に出る。
面堂は飼ってる蛸の言葉が理解出来なくなり、了子の飼ってる桜は普通の木に戻ってしまった。
今迄の非現実的騒ぎが夢だったかの様に、すっかり現実的な日常を繰り返す世界。
やがて元の姿に戻ったあたるは、毎日喜んでガールハントに繰り出す。


そうして――彼らは3年に進級した。


当り前の生活を送っていた或る日、あたるはコーラ缶のプルトップで指を切ってしまう。
切った指に「赤い糸」の如く引かれる血…突如あたるの脳裏に、ラムの思い出が蘇った。

そこへ現れた「ラーラ」と名乗る女。
彼女はルウの家庭教師で、呪いに知らず知らず操られてるルウを救いにやって来たと話す。
救う為には、あたるがラムを愛する念が必要。
だから自分は、あたるがラムを思い出す事を、ずっと待っていたのだと。

かくしてラーラと共に、ラムを取戻そうと亜空間へ突入するあたる。


リメンバー・マイ・ラブ……私の愛を忘れないで。


――蘇るか、2人の愛!?



…とまぁ、敢えて詳しく粗筋書いてみた。(笑)
はっきり言って、うる星の映画5本の中で、私はこの映画が1番嫌いです。(『いつだってマイダーリンは論外』)
なのでこの映画が好きだ~って方は、こっから先の文を読まないでおいた方が宜しいかと。(苦笑)









私がこの映画を嫌いな理由…それは『ラム=全て』の公式で作られてるから。

「ラムが居ないなら地球に用は無い」と言って、あっさり故郷の星に帰ってしまうテン弁天お雪ラン。
ラムが居なくなった事で、今迄有った非常識な騒ぎは止み、普通の時間が流れる世界。

…ラムは確かに『うる星やつら』と言う作品のシンボルに違いない。
しかし他キャラ同様、作品世界の内の1人だと思うのだが…。
「ラムが居なくちゃ始まらない世界」っつう思想には、正直ついて行けないのよね~。(苦笑)
加えて映画第1作目『オンリーユー』の時の脚本家さんが書いたお話なので、ラムが終始一貫して悲劇のヒロインしてるという…。(汗)

実はこの映画の元脚本…『少年サンデーグラフィックスうる星やつら13』に丸々載ってまして、読んだ事が有るんですよ。
公開された映画の内容と比較すると、今回は残念ながら(いや失礼)脚色は少ない。(笑)
この脚本家さんの中での「あたる」は、ラムが居なくなったらこれ幸いと、ガールハントし捲るだけの男でしかないらしい。
人間だから好き嫌いは有るだろうが……その解釈は哀し過ぎる。
しかも色々キャラを出してる割に、ラム以外ちっとも活躍してないし。
キャラ贔屓は過ぎると話のバランスを破壊すると思うんだがなぁ。

…とまぁ、初めて観賞した頃は、怒りと哀しみが胸に渦巻き、大変な状態になっていました。(笑)
なのに公開して直ぐの頃、この映画の反響は好意的なものが多かった。
今思い返すに、前作『ビューティフル・ドリーマー』の反動からだったのでしょう。

「これぞ『うる星やつら』!BDは映画だったけど、『うる星やつら』じゃなかったから。」

映画を制作したスタッフの方でも、そんな思いで作ってたんだろうなぁと、最後全キャラ揃っての雄叫びから感じられた。
自分には、前作より余程原作のキャラや世界を破壊している様に感じられたけどね…。

なんて、大人げなくあの頃の怒りをぶちまけても空しいだけなので、今一度観直してみました。(苦笑)


感想としては、一見明るく楽しいけど、話に破綻が見られるなぁと。
いや、嫌いだから重箱の隅突いてる訳じゃないのよ。(多分)(汗)

脚本家の弁によると、今回は『オンリーユー』の逆で、「ラムを追うあたる」をコンセプトに書いたらしい。
そしてゲストの少年「ルウ」の成長劇を絡めようと考えたらしい。
けどそれは、ズバリ失敗だったと思う。
だって『うる星やつら』のキャラは、成長しないから。(笑)
話の最後でラーラは、「貴方はこれから、沢山の別れと出会いを経験して、大人になって行かなきゃ」みたいな事を、ルウに説教する。
しかしその一方で「うるせい奴等」は、お祭り的日常が連鎖する、相変らずの世界に戻る訳ですよ。
「大人にならない世界」を前に、「大人になれ」と説教するのは、皮肉にしか聞えない。(笑)
それでも成長劇を断固書こうとするなら…ラストはお祭騒ぎが止んだまま、「そして私達は3年に進級した」世界で終らなくちゃならない筈。

あたるとラム2人の関係も、あれではまるで親子愛。
「馬鹿な子程可愛い」と母親的愛情で接するラム、その母親から脱出せない幼いあたる。
成長する道を選び、幼い恋から決別するルウに対し、2人の関係はあまりに幼稚過ぎると感じるのだ。

この矛盾を置き去りにしたまま、映画は無理矢理完結してしまっている。


それ以外は特に大きな問題無く…楽しい所もいっぱい有るなと、今なら冷静に楽しめました。(笑)

敢えて言うなら、OP迄のシーンは要らなかったんじゃと。
「オババ」のモノローグ→ルウが硝子玉を発見→OP→そのまま遊園地シーンと繋いでしまっても、話は理解出来たと思う。
赤い糸の伝説は、遊園地でしのぶと出くわした時に聞く形にしても、良かった気がするのだ。
てゆーかあたるとラム2人でデートだった筈が、何時の間にか皆で遊園地を廻ってるんですが…。(笑)
偶然出くわしたとして、野郎共は妨害(名目上は監視)目的で来たのだから、何らかの反応が有って然るべき。
そここそ丁寧な描写が欲しかったな~と。

当初悪役かと思ったら、手違いだったと呪いをキャンセル、あっさり御退場の「樫の木森のオババ」も、結局何だったのだろう?(笑)
「呪いが自ら意志持って暴走」って、御都合主義にも程が有ると思うんですよ…折角生出したキャラなんだから、願わくばラストまで絡めて欲しかった。

弁天お雪ランについても、あまりに出番があっさり過ぎたなと。
元脚本では、ラスト近くに再登場してたんですよ。
けど削ったのは正解じゃねーかと…出て来ても何もしない予定だったから。(笑)
その事でより薄情度が上るんですが(苦笑)…ただ外側で傍観してるだけの予定だったし…。
「ラーラ」もね…「ルウ」を助けたいなら、さっさと助けに来ればと考えてしまうんだが。
あたるがラムを思い出すのを待つより、その方が話早かっただろうに。


監督山崎和男氏がこの映画で表現したかった事――それは「ラムの居ない『うる星』世界」だったのでしょう。

「僕はラムが『うる星』世界の因果律の元だと考えてるんですよ。」(映画4作目パンフレットより)

「因果律の元」…つまり「全ての事象が起こる原因」という意味だそうですが…「うる星ワールドの非現実的騒ぎは、ラムが原因となって引起されている」と仰りたかったらしく。
その説にはきっぱり異議を唱えたい所なのですが(笑)…でも氏の目論見は成功してたかなと。

ラムちゃん好きな知り合いが言うんですよ。
「俺は映画のメガネに自分を重ねて涙した」と。
映画の中で…メガネはラムを忘れる為に旅に出る。
旅から帰って来てラムの写真を破ろうとする。
けど、出来ない…自分の手で破り捨てられない。
それでも皆が集まる中、全ての思い出に火を点ける。
メラメラ燃えてくラムの写真を見ながら…メガネと仲間達は男泣きするんですねえ。
そのシーンを観てる内、リアルに「うる星」が終った時の自分を想像して、泣いてしまったそうなんですよ。
「たかが漫画&アニメのキャラに…」と笑われるかもしれませんが…今また『ワンピース』と言う作品に嵌り、「ナミ」と言うキャラに入れ込んでる自分には、笑う事は出来ないなぁ。(苦笑)

山崎氏はキャラの感情表現を、とても巧く演出される方だと思う。
観ていてキャラに同化してしまうんですよ。
氏の主張には正直同意しかねますが、その演出力には感心させられました。

他にも、ラムがあたるを思って回想するシーン…
キスをせがむもあたるはそっぽを向く。
けれどこっそり窺った頬は、朱に染まっていた。
…このシーンが非常に印象深かった。
このシーンが有るなら、その前の「ウチはダーリンの妻だっちゃ」なる台詞は、特に要らなかったなと思わせる程。(笑)

後はマジシャンのルウとラムが、宙を飛び回るシーン。
素晴しく立体的で、今のCGをもってしても、この迫力は中々表現出来ないように感じられる。
監督が「最も力入れたシーン」と仰るだけ有るなと。

夜の遊園地~ミラーハウスを、ラムとルウが飛び回るシーンも、幻想的で見惚れる。
自分、結構影響受けてるかも…と、今観直して感じた。(笑)

ただ後半入って、急激に話が大人しくなるのは…意図は解るけど、映画作品としてのバランスは悪くしてしまってる様な…うる星ファン以外の人間が観るには、言葉は悪いが後半退屈に思うかも知れない。

だから本当に「ラムファンによるラムファンの為の映画」で、ラムファンが最も楽しめる映画じゃないかと。
正にリメンバー・マイ・ラムって事で。(笑)

しのぶファンも地味に楽しめるかも。
元脚本の段階では、普通の日常に戻った場面でのナレーションは、サクラの予定だったのですよ。
…そこはやはり「しのぶ」の役所にして正解でしょう。
普通人な彼女の面目躍如たる見せ場でした。


この映画で最も注目してしまうのは、「作画の美しさ」かと。
森山ゆうじ氏&土器手司氏の描く、丸っこい顔でグラマーな女の子キャラが、作中で活き活きと飛び回っている。
OP&EDは西島克彦氏が担当、OPでの幼い頃のラム達が、すんごい可愛いんだ。
あのアニメ史上例を見ないハーレムシーンも西島克彦氏が担当…何でも己の持ってる全精力を注ぎ込んだとか。(笑)
いや~あれは必見ですよ、響子さんがラインダンスしてたりと、ルーミック女の子キャラ総出演ってな勢いですから。(大笑)
ちなみに元脚本では後3回位ハーレムシーンを出す予定だった…西島さんが死んじゃうよ!!(爆笑)

それに小林七郎氏&新井寅雄氏の担当した背景が、溜息出そうな程綺麗。
「少年が生出した世界」という設定から、無色に近い透明感を出したそうで…凄い表現力だと感心してしまった。


色々文句書いといてアレだけど……作画も含めて、今時のアニメ映画と比較しても、遜色無い出来だなと思いました。(笑)




日本ハム、リーグ連覇おめでとう御座います。
小笠原や新庄といった、支柱的選手が抜けての優勝は、真の実力が無いと出来ぬ事。
今パ・リーグで1番強いチームだと、お世辞抜きで思うのです。

…だから出来ればそのまま日本一シリーズに出て欲しいのだが。(汗)
去年同様の失速の仕方を見てるに、また同じ光景を目にしそうで鬱になります。
これ以上チームやファンに、トラウマ重ねさせないで貰いたい…。
泣き言吐くのは自分でも嫌なんだけどさ~~。

てゆーか自分が某所で「マー君に勝てるなら、優勝しなくても構わない」と言って以来、マー君には勝てたが優勝から遠ざかった様な…。
つくづく滅多な事言うもんじゃないですね。(苦笑)
来年マー君に負けても構わないから、優勝させて下さい。(マジで)
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うる星感想その5 ―TVアニメ130話~172話迄―

2007年09月27日 19時50分19秒 | 漫画&アニメ
十五夜には間に合わなかったけど、ふふさん曰く満月は今夜だとか…。(↑)
名月愛でつつ(雲で隠れて見えないけど)、前回の続きです。



★第130話 異次元空間 ダーリンはどこだっちゃ!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

「桜咲く春、ラムは異次元に迷い込みました。

 鬼族が勝ち、地球が負けた世界。
 面堂をダーリンと呼んでいる世界。
 男と女が逆転してる世界、そして…。
  
 ――果たしてラムは、元の世界に戻れるのでしょうか?」

…ビューティフル・ドリーマーに似てるな~と思いつつ、結構楽しめました。
特に最後…自分の夢に描く理想のダーリンで在りながら、ラムがそれを選ばなかったのが印象深い。
しかしあの美形あたるには、正直笑ってしまった。
ラムじゃなくとも「お前誰だ!?」と言いたくなるわな。(笑)

押井氏に代って新しくチーフディレクター(監督職、略してCD)に就いた山崎和男氏の言によると――

「自分がこれから創るシリーズは、押井さんが今迄創造した世界とは違うし、原作漫画の世界とも違うだろう。…けどパラレルワールドの様に、沢山在る『うる星世界』の内の1つだと思って貰いたい。」

――そういう思いを篭めて作った回だったそうな。

成る程…話の最後にラムが降立った世界は、今迄と似ている様で少し違う、山崎ワールドだったと…そう考えて観れば、中々奥深い味を感じます。
ただそこで「あたる」ではなく、「ラム」を選んだ辺り…山崎監督の中では『うる星』の主役=ラムなんだなと、ムッとしなくもなかったんだけど。(苦笑)

とは言え、新シリーズの第1話に相応しい傑作でした。
舞い散る桜と共に異次元を彷徨うイメージが、とても幻想的で見蕩れます。


・第131話 激突!!女王陛下と愛のラガーマン 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度△ 総合△

…前半は面白いです。「行こう…!」「おおっ!!」男子更衣室から出る男共のシーンが渋くて格好良い。逆光が素晴しい効果を上げてますね。(笑)「フォーメーションA」もメチャ格好良い!(爆笑)「プ、プロトカルチャ~!!」とか、ガンダムEDオチとか、ちょこまかとしたパロは面白かったのですが、後半は話の構成がガタガタになってると感じた。何でかっつうと、無理に2本分の原作を繋いであるからで…このパターン、新シリーズになって増えて行くのですが…。


・第133話 き・え・な・いルージュマジック 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度△ 総合△

…何もセンチメンタルにしなくてもと感じた。原作同様ドタバタで通した方が良かったんじゃないでしょか。でないとあの口紅の面白さは伝わらない。少女漫画チックなラブコメと捉えるなら、話はそれなりに纏まってるんですが…。


★第136話 大恐怖!おユキついに怒る!! 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…森山ゆうじ氏描く女の子キャラ達が隈なく可愛い回。
始めから終りまで可愛い女の子ばっかり、さながら美少女アニメを観てる様な…あ、いや。(汗)
原作で出て来る雪男のB坊を削ったのは悪くなく思えた。
何するでもなく、殴られて直ぐ退場しちゃう役所だったし。(笑)
1番の見せ場は弁天のバイクシーン、実に爽快なのです。


★第137話 テンちゃんの不思議な恋の物語 脚本△ 演出○ 作画○(クセは強い) マニア度△ 総合○

…チェリーのナレーションには思わず笑っちゃったけど(特に冒頭)、無くても良いと感じたり…。
「その件は○○課に…」という、市役所ネタに爆笑した。
ストレートに「良い話」にはせず、ブラックギャグを鏤めるという、さり気に毒の有る吉永氏の演出は結構好きです。
作画はクセは有るけど、綺麗だと感じました。(特に夕暮れ、別れのシーン)
それにしても原作者の高橋氏は、幽霊話が実に巧い。(あ、話ズレてる?)


・第139話 愛と闘魂!グローブVSパンツの決闘!! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…パンツは兎も角トウシューズまでは要らなかったと思う。(笑)どうせならキックシューズとか…それで三つ巴の不毛な闘いを繰り広げる展開のが面白くなったんではないかな~と。実況も古館っぽくして。(笑)後は……ポニーテールのラムが可愛かったなと。


・第142話 妖怪退散!艶姿サクラのおはらい!! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…原作2本を無理矢理繋いだ為、話の構成がガタガタ…ひたすら森山ゆうじ氏の描く女性キャラが可愛く美しく、サクラさんのセクシーさに酔え!…な回でした。決して親と一緒には観ないで下さい…気まずくなるから。(笑)


・第144話 またまた登場!愛の狩人クラマ姫 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…お話は原作そのままです。今回原作が前後編と1話だけでなかった事が幸いしたっつか…週刊漫画1話分って、アニメで流すと丁度15分位になるんですよ。だからまんまトレスしてぴったりの長さなんですね~。(笑)ただ最後のレイの心象風景は?で、ぶっちゃけ余った時間を埋める引伸ばしに感じた。(汗)絵は土器手司氏が作監してるお蔭で、とても可愛く綺麗です。


★第145話 キツネのかた思い、恋すれどせつなく… 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…新シリーズになって嬉しかったのは、「しのぶ」が魅力を取戻した事。
ぴえろ時代は「普通の女の子=現実に居る女の子」という解釈から、リアルに女の子の嫌な部分を演じさせられ、不憫に感じたものですが…。(汗)
ディーン時代になってからは、むしろ「普通の女の子」らしい優しさを発揮し、蘇った気がするのです。
過去形で話を組み直した点に、脚本満おぜう様と演出山崎氏の技を感じました。
都会の喧騒に揉まれながら、オロオロとしのぶを探す仔狐の仕草が、実に感じ出てたです。
そして作画…背景も含めて、雨の匂いまで感じられる様な、素晴しい出来でした。
BGM(ビューティフル・ドリーマーのだったり)がまた、話の雰囲気に良く合ってるんだ。


・第147話 怪談!カラーンコローン女子寮!! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…牡丹灯篭を出したのは、案として悪くなく感じたけど…時間を長く割いて描写した割には、後半話の外へ飛んでっちゃってましたね。(汗)お露さん役をサクラさんにしたのが意味不明。今回のゲストは了子ちゃんなのだから、了子ちゃんにしなきゃ筋通らんでしょうに。(絵コンテ担当の趣味?)毎度救いは作画の美しさでした。


★第149話 ランちゃんパニック、友引町に明日はない 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…ぴえろ時代のスタッフが、最後に残して行った傑作かと。

「ランちゃんが亜空間の店に行って買って来たのは、超新星の欠片。
 アクセサリーにする前に、帰り道の途中で落しちゃったから、さあ大変。
 日没までに探さないと、友引町の真ん中で、ビッグバン級の大爆発!?」

久方振りに「うる星」らしい、ナンセンスギャグを観た気がする。
彩色が間に合わなかったのか、モブシーンの塗り方が手抜きで、ちと迫力が不足してたのは残念だったけど。
その他については文句無し、針小棒大な展開が爽快でした。
見所は「巨人の星」パロ…くだらないんだけど、凄い迫力で笑ってしまった。(笑)


・第150話 愛のすみかはいずこ?栗子と長十郎 脚本× 演出△ 作画○(クセは強い) マニア度△ 総合△

…原作話の面白さに救われてる気がするな~。(苦笑)原作通りなあたると面堂の殺し合い部分は面白かったです。ただそれ以外は…脚本がもう支離滅裂で。(汗)オチのナレーションは一体何??(汗)


・第152話 先輩をやっつけろ!ご存知三人娘の逆襲 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…ラムが可愛い。特に最後のマリンルックが可愛い。土器手司氏が作画を担当してたので、ひたすら絵が可愛く綺麗だった。お話自体は原作通りなんですが、それでもラムの癇癪を原作以上に拡大させたりと、巧く膨らませてたと思う。街がどんどんズダボロに破壊されてく展開が楽しいのだ。★は付けなかったけど佳作として挙げたい。


★第154話 死んだらあかん!了子の特製ワラ人形!! 脚本○ 演出○ 作画○(クセは強い) マニア度△ 総合○

…了子ちゃんの底知れぬ魅力が出てたと思う。(笑)
作監を担当した遠藤祐一氏の作画タッチも相まって、全編に怪奇色が漂っていた。
展開はギャグなんですけどね。
暴れ牛やら暴れ象やらの畳み掛けが見事、面堂が心底可哀想でした。(爆笑)
「帰って反省して爪でも切りましょう」という、よく解らん台詞にも大ウケした。
唐突に始まるあたるの心象風景が、浮上がらずに効果を発揮してる所が凄い…演出家の力を感じます。


・第155話 お見合地獄!ヨロイ娘は美女?怪女? 脚本△ 演出× 作画○ マニア度○ 総合△

…前後編に渡って飛鳥ちゃん登場の巻。冒頭の甲冑装着しての疾走シーンがお見事。面堂の夢の中での結婚式で、皆がチビキャラになって逃げてくのが可愛い。話の展開は原作に忠実に、美しい作画で表現しとりました。ただ、暴走してる割には後半退屈…理由はアングルが全く変らないからで、つまりはコンテが悪いっつう事だ。で、トンちゃんは原作通りの愚図男に戻す事にしたらしい。(笑)


・第156話 ヨロイ娘の恋!乙女心はグラグラゆれて 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…こちら後編。前編に負けず劣らず素晴しい作画の出来。「土器手・森山ラム」という呼び方は、この頃に確立したかと。両氏が描く、原作よりも目の大きい、グラマーなラムは、ファンから大人気を博したのです。話は後半やたらマニアックな展開となり、正直うる星ではなく『トップをねらえ!』に思える。(笑)実はこの回『エヴァンゲリオン』の監督として有名な庵野秀明氏が参加してたと聞いて、ああ成る程と頷いた。了子ちゃんが了子ちゃんらしくないのがなぁ…。


★第157話 死ぬほど会いたくて!純情キツネ再び!! 脚本○ 演出○ 作画○(クセは強い) マニア度△ 総合○

…145話では昼の街、今回は夜の街を行く仔狐編。

静かな秋の夜、仔狐は不思議な夢を見ました――

仔狐視点で見た、人間世界の夜の描写が巧い。
音楽に驚かされて逃げる場面とか、屋台で酔っ払った温泉先生に絡まれる場面とか。
前半に出した人間達を、そこで終らせずに、後半ちゃんと話に参加させてるのが偉い。
ただ…夢オチにしなくても良かったんじゃ~と思わなくもなかったけど。
狐になった皆が可愛かったv


・第158話 おしゃべり花なんかどうわいっきらい! 脚本○ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合○

…中盤作画が「ダレ」なきゃ傑作になったかも知れず、惜しく感じてしまった。噂に翻弄され、悲劇に襲われる奴等が愉快痛快。チビの「ロリコンだって人間なんだ~!!!」っつう魂の絶叫には笑った。その後の「俺達皆ロリコンだったんだ~!!!」にも爆笑した。作画に△付けたけど、毎度西島克彦氏が担当したシーンのみ作画が○です。背景のモブキャラの描込みが何時もながら凄い。そしてアニメのラムは少し嫌味な程良い子ちゃんなのですが、今回そうじゃなかった点に新鮮さを覚えました。(笑)


・第160話 ラムの勇気ある決闘!勝利はせこい手で 脚本× 演出× 作画○ マニア度○ 総合×

…原作では名前の出なかったゲストキャラに、名前が付けられた。そうか、「杏」ちゃんって言うのか…。シャワーシーンまで出すサービスっぷりが心憎い。けど話はオチてないし。(汗)ズバリきっぱりゲストキャラの自己紹介は必要無かった。この部分を削れば、ちゃんと落す時間作れたろうに。お蔭で話が破綻してしまってる。作画が美しいのだけが救いです。


★第162話 友引高校サバイバル!生き残るのは誰だ!! 脚本○ 演出○ 作画○(クセは強い) マニア度○ 総合○

…徹底した『13日の金曜日』パロに爆笑。
映画観てから、この回を観ると、尚笑えますよ。(笑)
原作では名前すら無く、冒頭のみの登場で終った園芸トリオのキャラを、巧く膨らましてると思う。
この辺り、160話の演出を担当した鈴○氏に見習って欲しいな~と…失礼ながら。(汗)
キャラが立ってたお蔭か、園芸たのきんトリオは、その後モブシーンで頻繁に出されてました。(笑)
オチも原作以上に無茶苦茶やってて、面白かったと思う。


・第166話 春遠からじ!さびしがり屋の妖精物語!! 脚本△ 演出△ 作画(×に近い)△ マニア度○ 総合△

…一般公募した脚本を元に作った話。実はこれの元話、投稿した当人の同人誌で読んだ事有るんですが…アニメで放送されたのとは全く違い、「雪の妖精があたるに惚れてしまう事で起る、シュールな大惨事」という筋でした。それが何故あたるとラムのメロドラマになっちまったのか…脚色を担当した満おぜう様にしか解けない謎でせう。(笑)無論そのまま放送する訳には行かなかったでしょうが…2人のメロドラマにした事で、(タイトルに出されてるってのに)ゲストである雪の妖精の存在が、希薄になっちまった気がするのだ。


・第167話 夢の中へ!ダーリン争奪バトルロイヤル 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合○

…放送するには丁度な長さの原作を元にした事で、破綻する事無く最後まで纏まってるなと。(この頃になるとそれだけでホッとしたり…)ただラムがウエディングドレス姿で登場するシーンを、何故止め絵にしたのか…?手抜きに見えちゃうんですけど…。(汗)ラムの戦闘シーンが可愛く楽しい。この部分の作画、『クリィミーマミ』で牙出し優ちゃんを描いて人気を博した、高木弘樹氏が担当してました。(ラムが牙出してる顔に注目…優に似てるでしょう?)


・第168話 またもや三人娘!ダーリン誘惑大作戦!! 脚本△ 演出△ 作画○(クセは強い) マニア度○ 総合○

…のっけから「私…痴漢です。…女の子の夜道の独り歩き…危険です。」なぞとゲヘゲヘ下品に笑いつつ、痴漢に有るまじき親切な忠告をくれた自称痴漢にウケたです。(笑)弁天とお雪の色っぽい表情&仕草に唸った。成る程…セクシーとはそういう事か!(膝ポンと叩きつつ)あたるが見事に変態だ。(笑)傑作とまでは行かないまでも、まぁ面白かったです♪


・第172話 友情パニック!わいはフグが好きやねん 脚本× 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…『ど根性ガエル』パロに笑った。テンポは割と良いんですが、脚本が支離滅裂。(汗)テンちゃんとフグの友情劇って…何故そうなるか?(汗)ラスト、あたるとラムとテン(は起き出してるけど)を川の字に寝せた演出意図はよく解らんが、ほのぼの家族してて微笑ましかったです。(笑)



…「精神的、体力的に限界」と、まるでプロスポーツ選手の引退時の様なコメントを残して、押井氏がCD降板。
察するに、原作サイド(&製作会社)と喧嘩した事で、作品にすら関わる気が失せたのが理由じゃないかと…。(坊主憎けりゃ袈裟まで憎し?)(汗)
ただ制作スタジオまで変更したのは不可解…この辺り、やっぱり諸々の力が働いた様な気がするのです。
新しく制作を請負う事になったスタジオディーンは、それまで「アニメうる星」の下請けをしていた会社。
同じタイトルを引き継ぎながら、主要スタッフをほぼ総入替えした事で、新シリーズは全く違う作品になりました。

…とは言え実は158話くらいまで、ぴえろ時代のスタッフも制作に関わってたみたい。
新シリーズ初めに名の出て来る脚本家「浅野佑美」の正体は伊藤和典氏だそう…名前を変えて請負った理由は大人の事情からかと。(笑)
EDクレジットには、新シリーズ突入後半年位まで、ぴえろとディーン連名で記載が有りました。

新しくCDに就任したのが、ぴえろ時代から演出&作画で活躍し、映画2作目で作監を担当した山崎和男氏だった事は、ファンにとって安堵するニュースでした。
山崎氏を推薦したのは押井氏だったとか。
『君去りし後』、『そして誰もいなくなったっちゃ!?』等、氏の演出した回は完成度が高く、その卓越した演出センスを見込んでの抜擢でしょう。

アシスタントディレクターとして、映画2作目で押井氏の演出をサポートした西村純二氏が就任。
シリーズ構成は伊藤和典氏から菅○幸氏に交代。
………正直誰が選んだのか聞きたい。(汗)
もっとも150話辺りで直ぐに柳○茂氏に交代しちゃったみたいなんですが………これについても誰が選んだのか聞きたい。(汗)

音楽スタッフも変った。
加えてランちゃんを演じてた声優(故)井上瑤氏が、インドに旅立ってしまったとかで、小宮和枝氏が新しく演じる事になった。
小宮氏も下手ではなかったのですが、声のインパクトは正直井上氏程無かったのが……。(汗)


色々と難続きな新装開店だったな~と当時を振返りつつ、次回に【続】
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歌え!!アニソン!!~うる星やつら・5~

2007年09月25日 22時39分18秒 | アニソン
――新シリーズ突入。



――ピロロロ♪

リンッ♪ リンッ♪ リンッリリンリンッ♪

リンッ♪ リンッ♪ リンッリリンリンッ♪

リンッ♪ リンッ♪ リンッリリンリンッ♪

リンッ♪ リンッ♪ リンッリリンリンッ♪

――ッドンドン♪

ゆゥ♪ めェ♪ のォ~中までっ♪

追~い駆ァけたくてっ♪

ベェッドの♪ 下に♪ 写しィ~んを~♪ 入れたァ~♪

――ダ~ンダ~ンダッダ~ン♪

そォ~らにィ~浮んでっ♪

良~いトォ~コなのにっ♪

キスした♪ 途端♪ 夢ェ~からァ♪ 覚めたァ~♪――ルルルル~…♪

――ダンッダンッダ~~ン♪

ギュウッと抱締めてね♪ キ~ィット♪

ズット待ってるから♪ ジ~ィット♪

歯ァ~・がァ~・ゆゥ~・くゥ~♪ なァ~~・るゥ~~~♪――ピッピロリロリロ♪

――タラランタララン♪

パ♪ パ♪ パ~ジャマ邪魔ァ~だ♪(邪魔ァ~だ♪)

眠れないのよ♪ 切ない♪ ダーリン♪

パ♪ パ♪ パ~ジャマ邪魔ァ~だ♪(邪魔ァ~だ♪)

裸の気持ち♪ 感じてっ♪ ダーリン♪

ホット溜息ィ♪――ティロリロリロ~~♪――ピピッ♪

燃えちゃいそおなァ♪――ティロリロリロ~~♪――ピピッ♪

青い~~~♪

――ディ・ディ・ディン♪

星の夜ゥ~~♪

リンッ♪ リンッ♪ リンッリリンリンッ♪

リンッ♪ リンッ♪ リンッリリンリンッ♪

――ズッジャカジャ♪ズッジャカジャ♪ズッジャカジャ♪――ジャジャジャジャッ♪

――ジャンッジャンッジャンッ♪



130~150話迄流れたOP曲は『パジャマ・じゃまだ!!』、作詞は康珍化氏、作曲は林哲司氏、編曲は椎名和夫氏、歌ってるのは成清加奈子氏。 

制作スタジオ変って心機一転、OP&EDもそれに合わせて変更しました。
この頃から新人歌手のプロモーションに、アニソンが使われるようになったという…。(苦笑)
まぁ歌詞は作品をイメージして書かれてるんですけどね~。

映像を担当したのは南家こうじ氏。
キャラクターデザイナー高田明美氏のイラストや、今迄作中で使用されたフィルムをコラージュして作ってあるのが斬新。
南家氏曰く、「元有るフィルムを切り貼りして作るだけだから楽だろうと考えたけど、実際やってみたら普通に描いた方が余程楽だと感じた」とか。(笑)
動かし方なんかは如何にも南家氏らしいスムーズなものなんですがね…キャラ修正を担当した方がクセの強い絵を描かれる方で、今一キャラの顔が可愛くないのが残念。(汗)


前回から引き続いて、アニメの制作話です。


脚本が仕上がると、それを元に絵コンテを起します。
「絵コンテ」とは見た目4コマ漫画風のラフ絵でして、この作業によって話を映像化する準備に入る訳ですよ。(業界用語で「コンテを切る」と言う)
作品によって違うでしょうが、うる星がやってた時代、平均300~350程度のコマに分けられてたそう。
このカットで何秒続かせるとか、具体的に時間を頭に入れて、描かなきゃならない。
放送枠より映像が長かったり短かったりしたら、放送出来ませんから。

コンテが仕上がり、話中で出される美術&人物設定も決れば、本格的に作画へ取り掛かる。
作画の流れは、原画→作監→動画→動画チェック→トレース→仕上げという順番になってます。

先ず原画マンが絵コンテを元に、担当するカットの構図(レイアウト)を決めて、何枚の絵を使うか等決める。

日本のアニメは哀しいかな、少ない資金で制作しなくちゃならない。
その為、極力作画の手間を懸けずに済まそうと、動かす部分だけ別に描いて、元の絵に重ねるなんて技を使うのです。
例えば動いてるのは口や目や髪だけで、ポーズは同じ…といった場合、口や目や髪だけ別に描いて、元の絵と合成させる訳ですよ。
だから元の絵を見ると、キャラがハゲだったりノッペラボ~だったりする。
アニメを観ていて、一瞬キャラがハゲになったりするのは、撮影スタッフがセルを合成し忘れて起るミスです。(例:『キャッツアイ』OP冒頭)

そういった技法を頭に入れながら、何枚の絵を描くか考えるのです。
ちなみに1カットをスムーズに動かして観せるには、およそ30数枚の絵が必要だとか。
じゃあ、その30数枚を流してかかる時間は幾らかと言うと、2秒も無いんだそうで。
PC導入により、使用した絵をバンク(溜め)して使い回す事が容易になった現在、多少は作業が軽減したでしょうが…真アニメ制作は難業で御座います。

原画=元になる絵が描き終ったら、回の作画監督に就いた方が、絵が統一するように修正を入れる。
原画を担う人は数名居る…カット毎にキャラの顔やメカが変ったりしたら、視聴者は混乱しますから。(アニメうる星は、敢えて統一させなかったけど)

次に原画と原画の間を繋ぐ「動画」を描く。
最近は賃金を低く済ませられる事から、韓国や中国など外国に発注するスタジオが多い。
これがかなり問題で……ど~しても作画レベルが格段に落ちるのですな~。(汗)
『らんま1/2熱闘編』が海外に作画丸投げしてた為、凄まじく画質が低下したのは、アニメ業界で有名な事件。
海外発注ですから、到着が遅れた為に、絵の修正が出来ない状態で、そのまま放映する破目に陥ったりもする。
しかし到着すれば未だ良い方で…到着が放送日に間に合わないなんて事件も勃発したり。(汗)
そういう場合、動画の足りない状態のまま、放送される事になるんすよ。
例を挙げるなら『ロストユニバース』とか…アニメ『ワンピース』アラバスタ編ルフィ復活の回なんかも、ぶっちゃけ間に合わなかったのではと自分は推理する。(笑)
問題多い海外発注システムですが、発注してる国のアニメ技術を向上させてもおり…世界レベルでアニメの発展を考えるなら、悪い事ばかりではない…かも。

仕上がった動画は、直ぐにチェックに回される。
大抵幾つかのスタジオの人間掻き集めて描かせてますから、点検して修正入れる必要が有る。
枚数が多いんで、勿論数名の手でチェックが入れられます。

終った画は透明なセルシートにトレース(転写)される。
現在ではセルに写さず、PCにスキャンするのがポピュラーですが、以前は1枚1枚手作業で、Gペン使ってセルに描き写してたそうな。

そして仕上げ…主に彩色作業の事ですが…これも現在ではPC画面で塗ってる所が多い。
しかし昔は何人もの手作業で行ってました。
放送日迄間に合いそうにない時は、監督を始めスタッフ総出で塗ったりもした。(汗)
アニメで使う絵の具は特殊な物で、今や1会社のみで作られてるんだとか…もしもそこが潰れたら、その時こそセルアニメは終焉を迎えるかも知れない。

此処まで終えたら、後は1カット毎に纏められ、撮影スタジオに回される。
スタジオでは撮影シートに則り、背景画と合成させて、順番通りに撮影してく訳です。
撮影シートには、カット毎の組合せとか、このカットを何コマ撮影してくれだとか、非常に細かい指示が書かれている。
セルの組合せを間違えれば、最初に書いた通り、キャラがハゲたりノッペラボ~になったりする訳だから、細心の注意を払いつつ、かつスピーディーに行わなければならない。
でないと声優さんのアフレコに間に合わず、声優さんは絵の無い状態で演技しなきゃならなくなるので。
ちなみにアフレコに間に合わせられなかった場合はどうなるかというと…最悪「線録り」っつって、1本の線が画面に映ったり途切れたりするタイミングで、声優さん達に演技して貰うのだとか。

現在は最終的な合成や編集作業も、PCで行ってる制作会社が殆どです。

…此処までの工程読んで、「よくしっちゃかめっちゃかにならないな~」と思われた方も多いでしょう。
そうならないように、全ての流れを把握し、繋ぐ役割を担う「制作進行」と呼ばれる方達が居るのです。
この方達が作画、背景、仕上げ、撮影、編集、録音等の各スタジオを廻り、出来上がったブツ等の受渡しを引受ける事で、作業がスムーズに流れる訳ですよ。


TVシリーズ1本分の時間は、秒数に直して1,300秒位。
その約1,300秒を埋めるのに、毎週アニメスタッフはエライ苦労をされてるのです。

…だから面白かった時は、TVの前で拍手喝采して、褒めてあげましょう。(笑)



参考)…月刊『OUT』、少年サンデーグラフィックス、ウィキペディア、某アニメスタジオ公式サイト等々。
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うる星(映画)感想2~ビューティフル・ドリーマー~

2007年09月24日 21時54分43秒 | 漫画&アニメ
1984年2/11、映画うる星やつら第2作公開。


学園祭を明日に控えて、準備に追われるあたる達。
しかし何時まで待っても、学園祭当日が来ない。
なのに誰もその事を不思議に思わない。
最初に不審を感じた温泉先生は、サクラに相談した後、一旦泊り込みを禁止して、生徒達全員を校舎から追い出す。
仕方なく面堂・しのぶ・メガネらは各々帰宅しようとするが、何故か何処まで行っても帰り着かない。

丁度その頃…温泉先生は姿を消し、サクラは妖しげなタクシー運転手と遭遇する。
祓い串で正体暴こうとするも、寸でで逃げられてしまい、面堂達同様、友引高校に戻って来てしまう。
行く所を失ったサクラや面堂達は、あたるの家に一晩泊めて貰う事にした。

明くる日、やはり変る事無く学園祭の準備に追われる皆。
サクラから話を受けた面堂は、「原因は友引高校に在り」と判断し、あたる達を連れて夜の校舎に乗り込む。

しかしそこで彼らは、驚くべき事態に直面する。

校舎は、さながらエッシャー絵の如く、不条理極まりない造りに化けていた。

ほうほうの体で逃出した彼らは、次に面堂の自家用ハリアーで脱出を試みる。


――果たしてあたる達は、無事、非常識世界から脱け出せるのか?


…とまぁ、冒頭を説明するとこんな感じ。

1作目の映画が興行的な成功を収めるも、監督押井氏としては不本意な作品だったという事で、氏としてはリベンジの積りで制作したらしい。(余談ですが、けしかけたのは宮崎駿氏らしい…責任取ってね、宮崎さん)(笑)

大学時代には「映像芸術研究会」を設立した程、押井氏は映画への拘りが強く、元は映画監督を目指してたそうな。
氏にとっての映画制作とは、生涯懸けての大浪漫なのでしょう。

リベンジを胸に制作の機会を虎視眈々狙うも、原作者・フジ局・製作会社キティとの間に軋轢生じてた事から、一向に声が掛からず。
しかしシナリオが中々出来上がらない事態に業を煮やした製作会社は、渋々氏の脚本を活かす事にしたらしい…実はこれ「押井氏の罠」だったらしいのですが…詳細知りたい方は、済みませんが自分で調べて下さい。(笑)

番組プロデューサーだった(故)落合○一氏が、映画5作目公開の頃出版した『僕のプロデューサーかけだし日誌』には、その辺りの事情が真辛辣に明かされてまする。
「アニメうる星を滅茶苦茶にしたのは押井氏」で、「あいつはアニメうる星の寿命を縮めた。あいつが関わらなければ、後数年は長く続けられたろうに」等々…副題「押井のバ○○ロー」と付けたくなる程、内ゲバ暴露本でした。
確かに当らずとも遠からずな意見にも思えましたが(笑)……しかし番組放映当初、人手の足りないスタッフを纏め、低視聴率時代を乗越えられたのは氏の力。
むしろ居なかったら、半年で終ってた様な気がしないでもない。

「原作通りにはしません。それじゃあアニメ化する意味が有りませんから。」(少年サンデーグラフィックス『うる星やつら1』より)

…こんなコメントを番組開始時からファンに宛てる監督さんですからね~、色々敵に回してしまったのは仕方ないかなと。(笑)


氏が好き勝手やった2作目映画は、興行的には1作目を下回ったとか。
ただその後のビデオの売上げは、相当良かったそうな。
当時のキネマ旬報で、読者が選出する邦画第7位に選ばれもした。
ちなみに1位は『風の谷のナウシカ』…「アニメは子供が観る物だ」と大勢が考えてた時代、その年公開された邦画の中でベスト10内に入るというのは、物凄い快挙だったのです。
1984年春は、アニメ史に於いて、一大転機であったのですよ。


しかし原作ファンの間では、またもや賛否両論分かれた。
原作者も「これは『私のうる星やつら』ではない」とコメントした。
この直ぐ後に押井氏はTVシリーズ監督を降板、会社も辞めてしまった。(事前に辞める準備してたらしいけど)
その後アニメうる星は、制作スタジオまで変更するという、異例の事態にまで発展、タイトルはそのままでも、まるで別作品に変貌して行く事になるのです。


「『カミソリ押井』って言ってな…かつてぴえろじゃ、名の知れた悪さ…。」
「そんな切れ者が何で仕事もせず、日がな1日ゲームばっかして暮してるんですか!?」
「だからさあ………切れ過ぎたんだよ…。」


…なんて映画パトレイバーのパロしてみた。(知らん人には御免なさい)
会社辞めた後暫くフリーで制作続けてたけど、あんま好き勝手やるもんだから、仕事が来なくなって引篭もってた時代が有ったらしい。(笑)
それを見た伊藤氏らが、パトレイバーの制作しないかと声を掛け、再び第一線で活躍する様になったそうな。
今じゃむしろ海外で有名な映画監督さんです。(いや日本でも、映画&アニメファンで知らない人は居ないかと)


映画を観直して感じたのは…原作ファンや原作者が言う程、うる星から外れてない気がするなぁと。
「原作通りにはしない」と言いつつ、押井氏は或る1点だけ、原作に忠実で居たのですよ。

「あたるは心中、ラムを好いている」…この1点だけは守り通し、軸にした上で、アニメうる星世界を構築してたんです。

映画2作目を観た方は、ラストの台詞を思い起して欲しい。


あたる「この俺が何時お前を愛してると言ったぁぁ!!!?」
ラム  「何ィ~~!?まだそんな事を~~~!!く~~や~~しィ~~~!!!」


今度は原作の最終回での台詞を思い起して欲しい。


ラム  「ウチを捕まえたかったら……好きだって言うっちゃァーー!!!」
あたる「だ…誰が言うかアホォ~~~~!!!」


…似て思えません?

2作目公開当時、まだ原作では「好きだと言え」「言わない」といった遣り取りは、全く出て来なかったのに…。


更に映画のオチでは――


「一生やっとれ!」


そして原作のオチでは――


「一生痴話喧嘩続ける積りか、おのれらっ!?」


……似て思えません?


映画2作目は一旦原作をバラシて再構築し、押井氏なりに作品の答えを導き出していたと言えないでしょうか。
そして「作品をバラす」行為が目に付いたからこそ、原作者の高橋氏としては許し難く感じたのではないかと、自分は考えるのです。
どっちも天才故の悲劇っつうか…天才は己の世界を壊される事を、何より嫌うものですから…。(笑)


自分はこの映画好きです。(読んでて何となく知れたでしょうが)
難解に思えるも、エンターテイメント性を忘れて居らず、不思議と画面に目が惹き付けられる。
テーマは「現実と虚構を隔てる壁の曖昧さ」だとしても、筋だけ捉えれば単純極まりなく。

「夢の世界から脱出する話」

…こう解釈するだけでも楽しめる。
キャラ全員に見せ場を用意してるし、静動静動と続く全体の構成も巧い。
色んな観方が出来る、娯楽映画だと思うのです。

以下、徒然と自分が感じた事を――


・「桃太郎は満州に渡ってジンギスカンになるのであった」→んなアホな。(笑)
・給湯室でのラムやしのぶの仕草が細かい。髪をバタバタさせたり、茶筒を覗いたり、実に生活感が溢れてる。

・今回の映画で背景を担当したのは小林七郎氏。『ガンバ』や『クリィミーマミ』、『ウテナ』等、陰影を強く意識した絵で評判高い方。氏の背景の効果有って、非現実な話にリアリティを持たせる事に成功している。今夏、ジブリ作品の背景画を長く担当した男鹿和雄氏の美術展が開催されましたが…男鹿和雄氏の師匠である小林氏こそ、もっとアニメファン以外の人達にも認知されるべきと思うのです。男鹿和雄氏の美術展が呼び水となって、今後アニメの背景描く人にも、日の目が当る様になればなぁと願う。

・「ホントに何が良い訳?あのあたる君の?…他ならぬこの私がそう思うのよ!」→貴女こそ何が良くて付き合ってたんですか、しのぶさん?(笑)
・作品中で自分が最も印象深く感じたのは、「夜のちんどん屋」のシーン。視線で辿らせる様なアングルが巧いんだ。背筋がぞくりと来る怖さが有る。
・「引けェーー!!!力の限り引けェーー!!!根性見せてみろォーー!!!」→その後ゆうきまさみ氏の漫画『究極超人あ~る』にて引用される。(笑)

・サクラさんのバイクアクションがメチャ格好良い。押井氏は所謂メカフェチ。作品中に良く戦車等を出す事で有名な方。アニメうる星初期、戦車を出せと指示飛ばすも、誰も描ける人が居なかった事から、自ら描いたりしてたとか。

・「奥さん…!!」「いけません尚之さん…!!」→TVの中で人妻を押し倒すいけない尚之さんは、作画スタッフの吉永尚之氏がモデルと思われ。(笑)吉永氏はその後、めぞんの第3代目監督、TVパトレイバーの監督を勤められました。
・温泉先生の黴だらけの部屋は、当時ファンの間で『腐海』と呼ばれた。公開時期がぴったり遇ってたからさ~。(笑)飛んでくエロ本はアニメーターさんのお遊びですかねぇ?

・サクラと温泉先生が名曲喫茶で会話するシーンの演出に唸った。回転させる事によって、観客は徐々に催眠術をかけられる。メビウスリングをイメージしてのものでしょうが…。段々と早まって行って最後、サクラがテーブルをバン!!と叩く…長台詞なのに印象深く残るのです。似た様な演出は、サクラがタクシーの中で夢邪鬼と会話するシーン等でも観られる。そこでは一定の間隔で近付き遠ざかってく街灯が、観客に催眠術をかける効果を担ってるのですねぇ。

・「さーて、世界情勢は…」→その後映画パトレイバーに出て来た時は笑った。セルフパロってヤツね。(笑)
・駅ホームの照明がパッパッパッと消えてく場面にも怖気が走った。この作品程、夜の街のミステリアスさを演出してる映画は少ないと思う。
・チビの顔が別人みたく違う。(笑)今回作画監督を担った山崎和男氏が描くと、チビの顔が妙に可愛く整うのです。(笑)
・夢邪鬼役を担当したのは(故)藤岡琢也氏。御存知の通り氏は俳優で声優ではない。しかしとてもそうは感じさせない程演技が巧みで、アドリブまで効かせる辺り流石である。(「ラムダッチャさん?…甘い様な苦い様な…」という台詞は、氏のアドリブだったそうな)

・朝、諸星家で皆が食事する場面での会話が、テンポ良くて面白い。

パーマ「それはそうとまだ教室有んだろな?」
チビ  「戦車ごと落っこってたりして♪」
パーマ「しかし困ったもんだよなァ。あれじゃ折角店作ったって、客の4~5人も入れば床抜けるぜ。」
ラム  「ダーリンは直ぐあの中に隠れるし…どっか移しちゃおっか。」
あたる「へへ~ん!出来るもんならやってみろ!」
パーマ「何とかせにゃな~。」
面堂  「何とかとはどういう意味だ!?あれを搬入するのにどれだけ苦労したか!!」
パーマ「好きでした苦労だろうが。」

…最後の台詞が最も好きだ。
居ますね、自分が好きでした苦労なのに、「皆が期待するから」と恩着せがましく振舞う人間。(笑)

・その後皆で登校する場面…水溜りに落ち葉が浮び、水中を魚がチラリと泳ぐという幻想的な演出は、エッシャーの『3つの世界』をモチーフにしたのではと言われています。チケットのおまけに付けられたポスターも、エッシャーの描いた『上昇と下降』の世界でキャラが騒いでるという物だったし…夜の校舎も含めて、今回の舞台はエッシャーの描く四次元世界をモチーフにしてるよう。

・しのぶが小路に迷い込み、風鈴屋と遭遇するシーンは、映画中で最も幻想美を感じた。
・この映画の音楽を担当したのは星勝氏。(押井氏のリクエストとはいえ)リズムを統一した事で、映画をイメージする音楽を創り出す事に成功している。お蔭で『ビューティフル・ドリーマー』=「あの音楽」を誰もが思い起す筈。
・お好み焼き屋『じぱんぐ』玄関のたたきで、各キャラの個性と共に、店に上った順まで知れる様な靴の並びが細かい。
・サクラ曰く三階建ての友引高校…しかし実際には二階建て。ミスか?故意か?一説には「未だ夢の中」を表す演出だったとか…謎だ。

・「奥さん…!!」「いけません純二さん…!!」→TVの中で人妻を押し倒すいけない純二さんは、演出担当の西村純二氏がモデルと思われ。(笑)氏はその後らんまの第3代目監督を勤めらました。
・面堂家脱出用ハリアー(戦闘機)で飛立つシーンは、メカアクションシーンの第一人者、板野一郎氏が描いてます。流石の超迫力ですよ。
・どうせなら象に蛇も出せば面白かったのに…。(笑)

・メガネの話す『友引前史』と、夢邪鬼が水族館で話す長台詞は、伊藤和典氏曰く自分が書いたのだとか。これに限らず伊藤氏と押井氏は仕事上の繋がりが深く、お互い脚本を書き合ってる節が窺える。
・4人組が買出しに出た時、トラックを運転してたのは一体誰か?→これも謎として挙げられているポイントだったり。
・『ゴジラ』の観賞の仕方がキャラそれぞれで面白い。(てゆーかそこで『ゴジラ』を選ぶのが如何にもと言うか…)

・ラムスペシャル(笑)登場辺りから、作監さんが森山ゆうじ氏に変ってます。女の子の顔が急に丸っこく可愛くなるのはそのせい。
・「ワハハハハーーー!!!…の、大洗(大笑い)海水浴場!!」→(笑)
・水族館シーンがまた、幻想的で綺麗。演出の仕方が『オンリー・ユー』影踏みの時と似て思える。

・「蝶になった夢を見た男が目を覚まして…果たしてどっちの自分がホンマやろ?ひょっとしたらホンマの自分は、蝶が見ている夢の中に居るんとちゃうやろか?」…この作品のヒントになったのは、荘子の『胡蝶の夢』だそうで…名曲喫茶でサクラが温泉先生と話すシーンに蝶が出て来るのは、それを暗示してるんだそう。

・「お兄ちゃんはね…好きな人を好きで居る為に、その人から自由で居たいのさ…。」→押井氏曰く、「うる星で好きなキャラは『あたる』。(自分は)男ですから」との事。…成る程。(笑)
・夢の中のあたるに蹴られて、夢から覚める(?)オチが面白い。
・ラストで漸くタイトルが出る演出は、この映画がそもそもうる星の舞台裏を描くコンセプトだからではないかと、自分は理解しました。


…うる星映画の中で、自分は最も好きな作品です。
何度観ても新たな発見に気付かされたりと、奥深い魅力を持っている。
「映画」と言う虚構を巧く利用して作った、一級品の娯楽映画だと思うのです。






【おまけの今週ワンピ感想】

つまり純白のドレスが汚れる事を嫌がったのは、尾田氏だったと…そう考えて宜しいんですのね?(笑)
あれだ…エロさんはサンジ、ローラ、ナミの3人で、ジェットストリームアタックかけて倒したのだと捉えようじゃないか。
人知れず護るのも騎士の役目さ……な、サンジ!(笑)
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うる星感想その4 ―TVアニメ101話~129話迄―

2007年09月20日 21時44分51秒 | 漫画&アニメ
…なぞと思い、漫画前半のサクラさんをイメージして描いてみた。(↑)

それはさて置き、前回の続きで御座います。



・第101話 みじめ!愛とさすらいの母!? 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合△

…フジ局上層部から納入断られたという因縁作。(笑)言ってみりゃ2作目映画の為の実験だったのだろうと、敢えて★を付けなかったのですが…中々興味深い話ですよ。謎の少女とあたるの母がエスカレーターで擦違う場面…ぞくりと来る恐さが有る。お話自体はかなり難解、と言うより崩壊したまま終り、今一中途半端な感を持ってしまうのですが…個人的には面白いと感じたのでした。(シュールな話を好む人には合うでしょう)


★第102話 面堂家サマークリスマス 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○

…冒頭のコンバットシューティングは面白かったけど、話に何の関係も無かったなと感じなくも無い。(笑)
そしてあれこれ言い訳してたけど、やっぱり夏にクリスマスやるのは、苦しかったと思うよ。(笑)
とは言え、原作を良く膨らましてて、傑作に仕上ってました。
未だあたるに未練感じてる様な、しのぶの描写が細かい。
原作でもこの回ちょびっとだけ、しのぶがあたるに未練持ってた様な描写が有りましてな…だから入れたんでしょうけど。
しかし作画が良く言えば「味が有る」、悪く言えば「崩れてる」為、今一センチメンタルさを醸し出せず終った様な。(笑)
この回の作監は林隆文氏…素人目で見ても氏が描いたと解る程、特徴の強い絵を描かれる方です。
特にテンの顔が物凄く潰れるんですよ。(笑)
ラストの怒涛のギャグシーンでは、その画風が非常に効果を上げてた気がします。
ちなみに落下時の面堂の声は、機械使ったり等して居らず、あくまで声優さんの演技だそうな…ちゃんと遠ざかって聞こえるんだから凄ぇ。(驚)


・第103話 パニックイン幽霊民宿 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…原作通りでした…の一言で終らせると怒られそうですが。(苦笑)本当に原作をまんまトレースした様な出来なんで…前にも書いたけど、うる星はギャグ色が強い漫画。ギャグってのは一発勝負で、1度聞いちゃった後は、同じ事言われてもウケ難くいんですな。(汗)テンポが悪かった点もちょっと…。


★第104話 あぁまぶたの母 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…15年戦争終結から15年戦争突入迄の新編日本史…幾ら歴史は繰り返されると言え、メビウスリングの様に戻ってる辺りが細かい。(爆笑)
「朝廷の計画に基づき、夕陽のイスカンダル星へ移民開始」とか、「移民船タイタニック号、氷海にて沈没」とか、「チリ大地震発生」とか…歴史捏造も此処までやれば偉いよ!(大爆笑)
聞いてる間中、腹が痛くて仕方なかった…。(笑)
筋は原作通りなんだけど、ギャグ部分の拡大の仕方が凄まじい。
前半、後半とも、同様のオチにしてあったりと、実に見事な演出でした。
…それで結局、竜之介の母親の名前は、『まさこ』で正しいんでしょうかね~?(笑)


・第105話 太陽がいっぱい浮気がいっぱい 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合○

…前半と後半で作画監督が違うんで、印象丸っきし違って見える。(笑)前半の作監は西島克彦氏。氏らしく、非常に女の子達が色っぽく描かれてました。特にサクラさん…あたるが水着引張る時、胸までリアルに動くのが凄いえっち。(笑)背景にクリィミーマミが居たりと、お遊びも多い。後半の作監は遠藤麻未氏。ラストであたるがヤキモチ妬くのを見て、喜ぶラムの顔が可愛かった。後半、演出のテンポが悪かったのだけが残念。


★第106話 大激突!テン VS あたる 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○

…原作2本分を繋いで作ってあるのに、全く不自然に思わせないのが偉い。
冒頭であたるとテンが喧嘩するシーン…すっかり慣れ切ってて無言で机をパージする家族には笑った。
担当した作監はテンの顔を激しく潰す林隆文氏。
手抜きだなんだとファンから揶揄されたりもしてましたが…実際手抜きを良くする方だったし(笑)…味が有って嫌いな絵じゃないんだな~。
丁度半分位の所でラムだけ端正な顔に戻りますが、それは遠藤麻未氏が原画を担当したから。
番組初期の作画を独りで支えてた彼女でしたが、惜しまれつつもこの回を最後に、うる星から離れて行ったのでした…。(涙)


・第107話 恐怖!トロロが攻めてくる!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…良くこんな話思い付けるなぁと感心してしまう。(笑)発想の元は…アメーバが生物襲って己の体内に取り込んでく~みたいなSFホラー映画が昔有ったんだけど…それかな~なんて…。(或いは『悪霊の棲む家』?)ひたすらドロドロデロデロとトロロに襲われる話です。(「山芋崩れだ!!」って台詞には爆笑した)面白いんで★を付けようかと思ったんだけど…好みで分かれるかもというのと、「終らない」ラストだった点から(ホラー映画のお約束だけど)止めといた。


・第108話 惑星教師CAO-2の復讐 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…マクロスの作画スタッフが描いたもんで、キャラが皆マクロス顔でした。ランちゃんがまるでミンメイか早瀬未沙。(笑)メカアクションシーンの雄、板野一郎氏まで参加してんだから完璧。お話の方は…前半は面白いんだけど、後半の展開は不自然で、正直要らなかったと思う。ラム弁天お雪ランの関係や性格描写は上手いと感じたけど…あたると面堂がちょっとね…。(汗)「後半は余計」だなんて、まったくマクロスっぽいよ。(苦笑)


★第109話 逆上!みじめっ子終太郎!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…ぶち切れた面堂がマジ恐い。(笑)
「こぉ~~~こぉ~~~かぁ~~~~……!?」なんて…そりゃ、あの顔見たらトラウマにもなるでしょう。(此処の迫力満点な原画を描いたのは、山下将仁氏)
声優神谷氏の、正に泣く子も黙らせる名演技も凄かった。
他細かく目に付いた点を挙げると…

「早く食事にしよう、ワインがぬるくなる」と口だけニヒルに決めるサングラス部隊にウケた。(笑)
覗きしにだけ現れた様な2人組にも笑った。(本当、何の為に登場したんでしょうね~)

それから…この回に限らず、アニメのラムは一々「さん」付けするのが、ちょっと気色悪いなぁと…好みによると思うけどね。
面堂の事は「終太郎」と呼捨てなのに、他あらゆる物を「さん」付けして呼ぶというのは…キャラが統一されてなく感じられる。
あたるが学ランの下に着てる赤トレーナー同様、最後まで気になったのでした。(汗)


★第111話 怒りのラムちゃん! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…テンちゃんが可愛可哀想でした。(笑)
ラムちゃんを怒らせたと勘違いし、謝る方法を必死に考え苦悩する様が面白い。
んで、面堂に聞く件までは原作通りなんだけど、4人組は勿論、しのぶの場面はアニメのオリジナル。
良く膨らましてたと思う。
もう嫌われたと思い込み、風呂敷で荷物包んで家出しようとする姿が、また可愛い。
冒頭、あたるの児童虐待を見て、「そこまでやらんでも…」と眉を顰める人も居そうだが、案外あの2人は仲が好いと思う。
ラストでテンが、寝ているあたるの枕元に、自分の玩具を置いてくシーン…そんな一面が上手く表現されてたなと。


・第112話 ラムとあたる・二人だけの夜 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合△

…「ラムとあたるはデキてるのか否か?」っつうのは、ファンの間で裏に表に議論が交される所。「年頃で好き合ってる男女が一緒に居て、何も間違い起らない訳が無い」というのが理由でしょう。(笑)ワンピでも「クルー間で男女関係有るか無いか」、ファンの間で諸説色々飛び交ってますが…漫画キャラに「性」を意識させようとするのは、生身の人間としてキャラを捉えたいからなのだろうなと。自分達同様「生」の息吹を持った人間だと思いたいからこそ、現実世界で生きる人間と同じ行為をさせたいのですよ…多分。その思いを作品として昇華させたのが「ファン同人」という訳で…

…原作者は触れないで置いた方が良かったと思うんだな~。(笑)

言ってみりゃ「開けなきゃ良かったパンドラの箱」的話で、正直原作者の失敗に思える。(失礼済みませぬ)お蔭でラムの意図が全く読めず、人間性を喪失してしまったのは残念。作画に△付けてますが、ラムの爆裂クッキングシーンと、ラムから衝撃の告白を受けて突然5人がスターウォーズパロするシーンは凄い!(爆笑)話には全く関係無いんですが、僅か1分少々の間に名場面が次々と(笑)…描いたのは林隆文氏…見事としか言い様が無いですよ、ホント。思わずコマ送りして細かく観ちゃいました。(笑)


・第113話 レディー竜之介! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…うる星版『マイ・フェア・レディ』。女の道目指して、竜之介と温泉先生が特訓する様が面白かった。ただラストは今一盛上らず…あたる達は今回出さない方が良かった様な…。あくまで竜之介自身に己の行動決めさせた方が、盛上った気がするんですよね~。


★第114話 ドキュメント・ミス友引は誰だ!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…再び原作者の逆鱗に触れた回。(笑)
原作ではこの話、5回にも渡る中編で、ミス・コン本選の部分こそメインに置いてたのですが、アニメではそこに至るまでの前哨戦で終ってしまったという。(大笑)
その事でファンの評価も、再び賛否両論真っ二つに分かれたのです。
ただ…単純に話の出来だけで比較するなら、アニメの方が上だと思う。
ミス・コン話という事で女の子のお色気サービスたっぷりな展開…それ故カットされた事に不満を持ったファンが多いのですが…正直サービス過剰が目に付いた話だったなぁと。
女同士のキスシーンがバカスカ出るしで、放送し難い内容でもあったろう。(忘れてたけど、そんな超能力が有ったなぁ、ランちゃん…)(笑)

もっとも原作者が怒った箇所はそこでなく…竜之介の顔写真を「踏み絵」にして踏ませるという表現に腹立ったらしい。
実に原作者らしい、愛情深いエピソードだなと感じた…他人にとってはギャグの積りでも、生み出した親の立場からすれば、とんでもない暴挙に映ったのでしょう。
アニメの話に戻して――自分はこの回、傑作だと思う。
最後までどうなるんだろうと、惹き付けられずには居られなかった。
アニメオリジナルのキャラも、それぞれ魅力的で、チョイ役で終らせるには勿体無いと感じた。(笑)
ラスト、見事に手玉に取って逃げたあたるには、拍手喝采で御座いましたよ。(笑)


・第122話 必殺!立ち食いウォーズ!! 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合○

…押井氏の映画『立喰師列伝(2006年公開)』の元。「昭和の闇歴史」と囁かれた、あの伝説の立喰師達が、友引町を戦場に変える!…そんな様な作品。(笑)これも好みによって分かれるだろうと★は付けなかったですが、私は面白いと思いますよ~。ただ戦況を有利にする為攫うと言うなら、最も脅威である筈のサクラさんを攫わなかったのは謎。出演した立喰師の一部は、その後押井氏の作品に続けて出て来ます。次回作では『クレープのマミ』も出演とか。(笑)


★第123話 大金庫!決死のサバイバル!! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○

…あたる&面堂だけでお送りする2人芝居の巻。(笑)
予算不足、声優のストが予定されていた等、理由は色々有った様なのですが…良くぞこんだけ面白い話に創り上げたなと。(笑)
「ちせいはちせいでも『やまいだれ』の方だな」とか、「周りのメリケン粉部分よこせ」だとか、一々台詞が面白いんですよ。
正に丁々発止の遣り取り…見事で御座いました。
歴史に残るアニメ表現だったと思うよ。(笑)


★第124話 (秘)作戦・女湯をのぞけ! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…壁向うの桃源郷を一目見ようと、あらゆる手段を実践する漢達。
或る者は水の反射を利用しようとし、或る者は牛乳瓶をレンズ代りに用い、或る者はライフツールで穴を開け、或る者は事故を装い女風呂に飛び込まんとする…

「ウワァ~~~~!!――す、済みません…向うに居る連中に、無理矢理投げ込まれてしまって…」

妄想シーンの面堂の目が、忙しなく動いてる表現に感心した。(爆笑)
埒が明かぬと最後は全員壁上ってダイレクトに覗こうとする訳ですが――此処からが凄い!(笑)

「俺は見たいがお前ら見るな」と足を引っ張り合う内に、腰を覆うタオルが剥れる。(てゆーか今迄よく剥れなかったもんだと感心してしまう)
それを何処からともなく現れた黒子軍団が、絶妙のタイミングで隠す、隠す、隠し通す!!(爆笑)
男達がジャンプすれば、黒子達も一緒にジャンプする!!(大爆笑)
オチは皆さんの読み通りで御座いまして…しかしまぁ、本当に笑わせて戴いた。
アニメ観て、こんだけ笑ったのは無いなってくらい。(笑)
昔懐かし銭湯の描写も巧く、観ていて久方振りに銭湯に寄りたくなったよ。


★第125話 サクラ・哀愁の幼年期 脚本○ 演出○ 作画× マニア度△ 総合○

…作画は諸事情により、とてつもなく「終ってる」のですが。(汗)
話と演出は実に面白かったです。
幼年時代のサクラの寂しさが、巧く表現されてたなと。
襖に大勢の影が映り、友達が遊びに来たと思って開ける――しかし、そこには誰も居なくて…。
此処のシュールな表現が印象深い。
後半、サクラに隠し子が居たと勘違いして、メロドラマな妄想に耽る温泉先生にもウケた。(笑)
作画も良かったら、間違い無く傑作として、多くのファンの記憶に残ったろうな~と…実に惜しく思うのでした。


★第128話 スクランブル!ラムを奪回せよ!! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○

…ぴえろシリーズの最終回にして、初めての前後編。
元はこれが映画2作目の案だったらしい。
「記憶を失くしたラムを、あたるが奪い返しに行く」という、如何にも最終回らしいお話。
…正直こんな有りがち設定映画にならなくて良かったなと感じたです。(苦笑)

「毎度の事ながら喧嘩したラムとあたる。
 そして毎度の事ながら、ラムは電撃一発、あたるのウチを飛び出してしまう。
 UFOに戻ったラムは、悩んだり苛付いたりしながら、眠ってしまうのであった。

 …と、眠ってる間に、UFOが暴走――面堂邸に墜落してしまう。

 ベッドを覆うシェルターに守られ無傷ではあったが…そのショックでラムは一切の記憶を失くしてしまった。

 一方、窓を開けてラムの帰りをさり気に待っていたあたるは…何時までも戻らない彼女を心配し出す。
 そこへテンが、ラムのUFOが消えたと、慌てて伝えに来た。
 テンがUFOへの連絡方法を思い出し、呼び出してみれば――何故か応答したのは面堂邸に居る黒子だった。

 『ラムちゃん…ひょっとして面堂の所に居るんやろか…?』

 お喋りなテンがサクラに漏らしてしまったのを切っ掛けに、噂は校内中に広まって行く…」

前編では話の発端~4人組、そしてあたるが決起する迄を追ってます。
編みかけのセーターを見て、ラムが「自分から去る訳がない」と確信する、あたるのシーンが良いなぁ。

そして何より4人組が、各々個性を発揮してて格好良い。

皆の中でパシリ役の位置に居るチビ。
チビを虐めつつも、世話を焼くカクガリ。
メガネのフォロー役にしてムードメーカーのパーマ。
そしてパラノイアなリーダー、メガネ。

くどいけど、この4人はアニメのオリジナルキャラで、原作には出て来ない。
なのに原作を元にした世界で、不自然無く関係を築けるというのは、素晴しい事だと思うのですよ。


・第129話 死闘!あたるVS面堂軍団!! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…後編はひたすらアクションに次ぐアクション。
フィナーレに相応しく、最高の作画で描かれておりました。
特にヘリに乗ったあたるが、面堂邸に単身乗り込み、ラムと一瞬の邂逅を果たすシーンは印象深かった。
ただお話の方は正直整理不足が目立ちます。
屋敷に闖入したチェリーが、ラムにあたるの名前をギャグっぽく教えたり…もちっと上手い手考えられなかったものかと。
了子の手助けになってない手助け(笑)も今一。
話の苦しい箇所を、ギャグで誤魔化してる様に感じました。
後…面堂が完全に悪役として描かれてたのがね…違和感持ち捲り。(汗)
それで居ながら、オチでは元通りの関係に戻るという…言葉悪いが、メガネの台詞は、やっぱり逃げに思うよ。

…なぞと色々文句書いたけど、拘らなきゃ非常に感動的な話で、最終回らしい盛り上りでした。




…2年目入った頃から、押井氏は監督を降板する準備をしてたらしく(笑)、やたら実験的な作品続きでした。
脚本家は伊藤氏以外殆ど引き払って、伊藤氏&自分を含めた演出家主導で話作ってたという。
そして多くの作画スタッフを2作目映画に割いたもんだから、TV用の作画スタッフは人出が不足し、総集編を三度連続で放送したりして、お茶を濁す破目に。
…辞めると思ってやりたい放題ですな!(笑)

この件については、引き続き『ビューティフル・ドリーマー』の章で…。



【続】
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歌え!!アニソン!!~うる星やつら・4~

2007年09月18日 19時57分25秒 | アニソン
――セル盗難に遭って放送が遅れた事を覚えている。



――フゥ~~~~♪フッフゥ~~~~~♪

――フゥ~フゥ~~~~~♪

――フフッ♪フフゥッ♪――ズズンズッズズン♪

と・か・い・が寝っしィずまァるこォ・ろォ♪――ピヨォ~~ン♪

お・と・こォはさっそォり座ァにィ変ァ・わァ・るゥ♪――チャチャチャチャチャンチャン♪

お・ん・なァはおっとォめ座ァにィなァるゥ♪――ピヨォ~~ン♪

踊れダン・シィング・ダン・シィング・ナァ~~イト♪

――ポロロロロロ…♪

こ・こ・ろ・をくっすゥぐるゆ・びィをォ♪――ピヨォ~~ン♪

ふ・た・り・はたっくゥみにす・べェ・らァ・せェ♪――チャチャチャチャチャンチャン♪

不・思・議ィ・な宇ゥ宙ゥの果・てェ・でぇ♪――ピヨォ~~ン♪

踊れダン・シィング・ダン・シィング・スタァ~~~♪

――ツッチャン♪――チャチャチャン♪

お・もォ…いきりィ…♪ 抱・きィ…締めてェ…♪

か・え~したく・ない~なんて言っ…てェ…よ…♪

こ・ん~やこそ♪ ふ・たァ~りきり…♪

く・ちィ~づけだァけに・酔いたい~…♪

ほォ・らァ…♪――リィン♪ロォン…♪

私のォ…目ェ・にィ…♪

あ…なァ~…たが映~ゥってェ…♪

ほォ・らァ…♪――リィン♪ロォン…♪

貴方のォ・目ェ・にィ…♪

わ・たァ~~しが美・しい♪

――チャチャンチャチャッチャン♪


み・じ・か・く・燃えっ尽きるよォ・るゥ…♪――ピヨォ~~ン♪

お・と・こォはほっしィくずゥにィ変ァ・わァ・るゥ♪

お・ん・なァは流っ星にィなァるゥ♪――ピヨォ~~ン♪

踊れダン・シィング・ダン・シィング・スタァ~~~♪

――ツッチャン――チャチャチャン♪

踊れダン・シィング・ダン・シィング・スタァ~~~♪

――ツッチャン――チャチャチャン♪

踊れダン・シィング・ダン・シィング・スタァ~~~~~♪――チャッチャンチャッチャン♪

――パァ~~~~~~~~ン…♪




101~129話迄流れたOPタイトルは『Dancing Star』、作詞は伊藤アキラ氏、作曲&編曲&歌ってるのは小林泉美氏。
これも『星空サイクリング』同様、元の歌が存在するらしく、そのタイトルは『CRESCENT PIERCE』。(←これは聴いた事無いな…)
本来は↓で挙げてるEDと共に、98話~流す予定だったそうなのですが…セル盗難に遭いましてな!
当時変更のニュースを聞き、楽しみに待ってたんで、未だに覚えてますが…。(恥笑)
予定日が来ても変更されない…何故だろう?と不思議に思ってたら、後日盗難のニュースが新聞に載ってびっくりした。
セルアニメ全盛の時代は、番組で使用したセルが、マニアに高値で売れたのです。
撮影終れば描いたセルは用済みだしと、アニメーターがマニアに横流しして、小遣い稼ぎしてたりもした。
但し、この時はセルだけでなく、それを撮影したフィルムだか何だかまで盗まれちまったみたいで…放送しようにも出来なかったと。
当時のうる星人気を伝える逸話で御座いましょう。


…え~、毎回マニアックな話続きで済みませぬ。(汗)
正直「出て来る用語等が今一解らん」と仰る方、多いと思いますので、今回次回はアニメ制作について、自分が知ってる限りの事を説明しようかな~と。


1本のTVアニメ制作に懸ける手順は、大体以下の通り――


1)シノプシス(粗筋)の原案を『シリーズ構成』担当者が考え、監督等と協議しながら創り上げる。

…『シリーズ構成』と言うのは以前も紹介しましたが、脚本の元締めに当る様な役職で、シリーズ全体の流れを構想する人です。
アニメオリジナル作品なら、この時点で起承転結をそれなりに決めとく必要が有るし、原作付でも「次のクールは此処まで進みますよ~」ってのを予め決めとかなきゃならない。
『クール』ってのはTV番組放送の区切りの意味で、1クール=13話。
そうしないと沢山の人達が話創りに関わる訳だから、回によって展開が変ったりキャラの性格が違ったりと、全く統一性の無い作品になっちゃう。
作品の骨格を組み立てる、重要なお仕事なのです。


2)脚本を執筆する。

…これは説明不要ですね。
その回の担当を引受けた脚本家が、話を練り上げ執筆します。
大抵の場合4~5人の脚本家が、ローテーションに則って担当してる。
しかもスケジュールの問題から、ほぼ同時進行で。
1話出来てない内から、8話9話10話目に取り掛かり、そっちのが先に仕上ってしまうなんて当り前…だからこそ、先にシリーズの流れを創っとく必要が有るのです。


3)絵コンテを描く。

…上った脚本を元にして、回の演出を担当する人が、映像化する為に、ラフな画でもってコマ続きに表現して行く。
文章のままでは絵に出来ませんからね~。
此処で大まかに、かつ具体的に映像を構想します。
これを元にして各設定を創ったりする訳だから、最も手を抜けない工程であり、言わば第2の脚本。
回の監督権限を持った人達が行う仕事なので、脚本に多少手直し入れたりも許される(筈)。

出来上った絵コンテは、美術監督、作画監督、音響監督にも渡され、皆でコンテを見ながら協議する。
…ラフな画で描いた物だから、ちゃんと現場にイメージが伝わる様、コンテマンは説明する必要が有るんです。
「机の上に皿が載ってる」とコンテに説明有るとして、それがどんな皿なのか?大きいのか小さいのか?九谷焼か有田焼か益子焼か?実は灰皿なのか?…イメージしてる物が伝わってなかったら、意味ナッシングですから。
責任の重大さから、現場指揮官と絵コンテ担当者と、演出役が2人付くケースも有るそうな。


4)各回で出す美術、ゲストキャラ、メカ、小物等の設定を創る。

…ちなみに『美術』とは背景の意味。

此処から工程が細分化し出す。

背景班は美術監督を先頭に先ず設定案を出し、監督に見せてイメージ通りとOK出されたら、正式な設定画を描いて、それを元に水彩等で背景を描いて行く。

他キャラやメカ等も同様、加えて色も設定しなくちゃならない。
OKが出ない内は何度も描き直すし、作業が進まないから、1話から順番に仕上るなんて事は有得ない。
ずっと先の回の分は出来てても、放送直前の回のは全~然なんて事も有る。


5)設定が出来上ったら、それを元に作画作業に移る。

…作画についての説明は、長くなるんで次回に。(汗)


6)音響監督は絵コンテを元にしてアフレコ台本の準備をし、BGMの手配、効果音作成等を請負う。


字数制限がそろそろ恐いんで無理矢理纏めると(汗)…


粗筋創り、脚本、絵コンテ、設定前の協議、各設定、台本作成、原画、動画、作画チェック&修正、作画トレース、彩色、彩色チェック、背景、撮影(←フルCG化により、特に必要としてないスタジオも有)、編集、アフレコ、BGM&効果音付け、音響チェック等々…1回約30分のアニメ番組を制作するのに懸かる工程は、大雑把に挙げても20段階以上。
各工程毎に担当者がそれぞれ付くし、幾つかのスタジオが関わるのが普通。
EDクレジットで流れるよりずっと、制作者は沢山居るのです。(人件費削減の為、海外に作画を発注する様になったし)


…週1で放送して下さる事を、感謝して観ないといけませんな~。(笑)




――ティロロロロロロロロロ…!!――ジャジャジャ~ンチャチャ♪

――ピココォ~ン♪――ポンッポポン♪

――ピコォ~~ン♪――ポンッポポン♪

――チャチャチャッ♪――ジャン♪

日暮れのォ街はァ…♪(日暮っ…れの♪)

薄く煌ァめきィ…♪(煌っ…めき♪)

どんなァ…男もォ…♪(どんな…男も♪)

優しくゥ見えるゥ…♪(コズミック♪)

戸惑う…胸を…♪(とまっ…どう♪)

誘いにィ乗せてェ…♪(誘いに乗せ♪)

恋にィ…落ちてもォ…♪(落ちっ…ても♪)

それはァ…一時ィ…♪(ひ・と・と・き♪)

好ゥ・きィ・なァ・のォ~はァ~~♪ 貴方ァ~1人よ…♪ ――ル~~ル~~ル~~♪

何・時・ゥ~・だァってェ~~♪ 抱いてェ~良いのに~ィ~♪

振ゥ・りィ・向ゥ・けェ~ばァ~~♪ 貴方はァ~居ない~~~♪

やァ・るゥ・せェ・なァ~い~~♪ 心がァ~残るゥ~~~♪――ル~~ル~~♪

――チャンチャン♪

恋は何時も2人のもの夢は1つ♪ ラヴミー♪ モア~~~♪

――ティロリロリロリン…♪

そうよ恋は2人のもの終りの無い♪ ラヴミー♪ モア~~~♪

――ティロリロリロリン…♪

ララララララララ・ララララララララ♪ ラヴミー♪ ラヴミー♪ モア~~~♪

――ティロリロリロリン…♪

ラヴミー♪ ラヴミー♪ モア~~~♪

――ティロリロリロリン…♪

ラヴミー♪ ラヴミー♪ モア~~~~~~……♪



101~129話迄流れたEDのタイトルは『夢はLove me more』、作詞は伊藤アキラ氏、作曲&歌ってるのは小林泉美氏、編曲は安西史孝氏。

さり気に大胆な歌詞…男なら1度は言われてみたいですな。(笑)
日暮れ~日の出迄の背景表現が幻想的。
太陽役の「だっぴゃ星人」は、高橋氏デビュー作『勝手なやつら』に出て来るキャラ。
『勝手なやつら』はうる星の元になった作品で在り…そのせいか、うる星でもお遊びキャラとして、漫画やアニメに頻繁に出演しとりました。


OP&EDと同時にアイキャッチも変更、マジシャンラムのハットからあたるが(首だけ)登場というのが可愛かった。(BGMはEDの『ラブミーモア』)


此処までEDはポコポコ変更してたのに、OPは1年以上変更してなかったのです。
押井氏曰く「OPは作品の顔だから、簡単に変えちゃいけない」と考え、させなかったらしい。

…今のアニメに見習って欲しい。




参考)…月刊『OUT』、少年サンデーグラフィックス、ウィキペディア等。




【おまけの雑記】

…昨日は墓参りに行って来ました。
山は既に紅葉がちらほら始まってましたよ。
サルスベリの花が満開でした…写真は10/6にでも。
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うる星(映画)感想1~オンリー・ユー~

2007年09月16日 21時58分55秒 | 漫画&アニメ
…パァ~~~~♪パァ~パァ~~~~♪

パァ~パァ~~~~~♪

パァ~~~~~~~♪……チャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャッ♪

――チャン♪

ラァ~~~~~…♪

ラ・ラ・ラ・ラァ・ラァ・ラァ・ラァ・ラァ・ラァ~~~~~…♪

――パララララパァ~パァ~パァ~~~~~~…♪

I・I・I・I・愛してェ…♪ 居てもォ…♪ 何故か…♪

You・You・You・You・ユーウツ♪ 何時も♪ 貴方…♪

わ・た・し・と・あ~なたァでェ♪ せかァいがァ~♪ 始まァ~るゥ~♪

待・ち・く・た・びィれてェる♪ お・ん~なじゃ♪ ダメなァ~・のォ~~♪

――チャ・チャ・チャ・チャンッ♪――チャン♪

ラヴ・ミー♪ 浮気なダーリン…♪

ホールド・ミー♪ 内気なダーリン♪

キスミーィ♪ 素敵なダーリン♪

何・時・でェ・も♪ こォ・い・は♪

じゅ・ん~びィ~♪ オ~ケイよォ~~♪


I・I・I・I・愛されェ…♪ たいのォ…♪ 私…♪

I・I・I・I・愛してェ…♪ いるわ…♪ 貴方♪(貴方♪貴方♪貴方…♪)

――チャンッチャンッチャン♪チャンッ…チャンッチャン…♪



タイトルは『I, I, You&愛』、作詞は安藤芳彦氏、作曲&編曲&歌ってるのは小林泉美氏。
第1作目映画の主題歌で在り、TVでも78話~87話迄のEDとして流された。
あたるを先頭に、ラム、テン、そして皆が走る(スキップ?)という映像が、うる星世界を表してて好きでした。(担当したのは南家こうじ氏)


1983年2/13、映画うる星やつら第1作公開。


或る日、あたるの関係者達に、結婚式の招待状が届けられた。
差出人名はあたる、並びに『エル』と言う名の謎の女。

あたる結婚の件は忽ち噂となり、周囲には殺伐とした空気が流れる。
ラム親衛隊メガネ以下3人が、即座にあたるを拷問に掛けて尋問。(懐かしのサド山君登場)
元婚約者のしのぶも厳しくあたるを問い詰め、遂にはラムまでもが電撃リンチに掛ける。
止めとばかりに面堂は私設軍隊を引き連れ、友引高校はさながら戦場、砲撃開始5秒前。

――と、空から突如薔薇の花弁が降頻り、巨大な薔薇型UFOが出現した。

UFOに乗っていたのは、「エルの使い」を名乗る婆と司令官等。
彼女等の話によれば、あたるは11年前、地球に来ていたエルと婚約を交わしたとの事。

「11年後、きっと迎えに来るから…」

そのエルが、幼い頃の約束を果たそうと、銀河より遠い宇宙から、あたるを迎えにやって来たのだ。
しかしあたるの方には、そんな記憶は全く無い。
とは言えエルが絶世の美女、加えて女王と聞くや、俄然結婚に乗り気になるのであった。

「女王と結婚すれば、当然自分は王になれる!
 作るぞぉぉ!宇宙規模のハーレムを…!!
 全宇宙の女は、皆俺のもんじゃぁ~~~!!!!」

無論、ラムがその企みを許す訳が無い。
弁天達に協力して貰い、先に自分の方が結婚式を挙げてしまおうと、あたる(&関係者)を無理矢理拉致して地球脱出。
鬼星向けて愛の逃避行。

しかしエルの方も黙っちゃ居ない。
行く手で大艦隊構えて待ち伏せしていたのであった。
1人の男(あたる)を巡り、事態は宇宙戦争勃発寸前まで緊張する。(迷惑な)

幸い(?)、ラム側にこっそり潜り込んでいたエル星の女スパイが、あたるを連れ去ってくれたお蔭で、戦争の危機は回避されたのだが……。

「ダァーリィーーーーン!!!!
 行っちゃ嫌ァ~~~~~~!!!!
 ダァーーーーリィーーーーーーーーー…ン!!!!」

自分の元から離れて行くあたる…。
ラムの口から零れる悲しげな絶叫が、暗い宇宙空間に木霊する…。


――そして舞台はエル星に。


果たしてあたると結婚するのはエルとラム、どっちだ!?
誰が為にウエディングベルは鳴るのかぁぁ!??


…とまぁ、こんな感じの粗筋。


押井守氏初監督作品としても有名。
しかし押井氏曰く、「元は自分が監督する予定ではなかった」そうで…。
詳しい事情は、ウィキで採上げられてた、このインタビュー記事に載ってます。(→http://www.kyo-kan.net/oshii-ig/report/200301106.html)


「僕の前に前任者として、偉い監督さんが作業していたんです。
 所が『出来ないから辞める』って、半年位過ぎた辺りで辞めちゃった。
 それでスタジオ社長の布○さんから、『やってくれ』と言われた。
 最初、僕は断ったんです。
 だったら最初から自分にやらせてくれれば、こういう事態にはならなかったのに、『途中から交代してくれ』と言うのは虫が好過ぎる。
 こういう形で自分の映画デビューを飾りたくないと。」


――インタビュー記事より、意味簡略して抜粋。


一旦断るも押井氏は、その後タツノコ時代からの師匠鳥海氏から、「うる星やつらという作品が可愛いければやれ。このまま放って置けば滅茶苦茶になるぞ」と説得され、引受けたんだそうな。

氏が引受けた時、残されたリミットは5ヶ月間のみ。
なのに出来てたのは、原作者オリジナルキャラ『エル』の設定原案と、脚本だけという惨憺たる有様だったそうで。
その脚本が、また問題だったらしく…氏の言い分によると、「キャラを総出演させといて、全く後始末着けてない、酷い物だった」と。
それで大幅に脚色した結果、当り前だけど、脚本家からクレームが来た。(笑)
ぶっちゃけると…この時の脚本家の金○氏は、ラムに心底のめり込んで書いてた模様で、書いた作品は漏れ無くラムが「悲劇のヒロイン」している。(苦笑)

「ラムの気持ちは同じ女性として、とても理解出来る。
 だから脚本書く時は、ラムにどっぷり感情移入してました。」

まぁ人間だから、好き嫌いはどうしても有るでしょうが…一々インタビュー受ける度に告白するのは、プロの脚本家としてどうよと思わなくも無い…と、記事読む度に失礼ながら感じてた。(苦笑)
金○氏だけでなく…アニメうる星をおかしくしたのは、「うる星=ラム」という行過ぎたキャラ贔屓思想じゃね~かな~と考えてたり。(タイトルの意味は…)

ちなみに『オンリーユー』の元の脚本がどんなだったかと言うと――


『エル』はあたるの完全女版で、物語ラストは彼女が「もう男なんて愛さない」と言ってる傍を美形が通り過ぎ、そいつに惚れて付いて行ってお終い――というものだったらしい。


………一生懸命書いた脚本を、勝手に弄られ大幅に変えられた、脚本家の悔しさは解る気がする。

押井氏は失礼だなぁとも思う。

がしかし、ファンの立場から言えば、良くぞ脚色してくれましたと感じなくも無い。(笑)


そんな訳で押井氏としては、不本意なデビュー作だったそうで。
同業者の宮崎駿氏からも批判されてしまい、氏としては是非ともリベンジしたかったと。

――そう考えて作ったのが、あの2作目だった訳だ。(笑)


けどこの作品も、エンターテインメントに徹してて、面白いと思うけどね。
あたるファンだった自分は、奴が悪人扱いされてた事に、色々思う所が無かった訳じゃないけど。(笑)

以下、自分がウケたポイント色々――


あたる「ね、悪いこた言わないから、大人しく帰って、お孫さんの面倒でも見てあげなさい!」


・実は此処の台詞、劇場公開時はカットされてたり。
 『オンリーユー』は上映時間の関係から、カットされたシーンがかなり多く、後にそれを惜しんだファンの声を受けて、『ノーカット版』が発売されたのです。
 しかし押井氏としては、「やっぱりカットして正解だった」らしい。
 面堂の元に結婚式の招待状が届けられるだけだもんな~。(笑)(でもアングルとか物凄く凝ってるのよ)


ラム 「ウチはダーリンに命を預けてるのに…何でダーリンはウチに命を預けてくれないっちゃ…!」
上官 「てめぇらの命は、この俺が預かったぜぇぇ!!」
部下達「うおおおお~~!!!」

ラム 「まだちゃんと結婚してないけどウチらは夫婦だっちゃ!!死ぬ時は一緒だっちゃ~!!」
兄兵士「死ぬ時は一緒だぞ~~~~!!」
弟兵士「兄さぁ~~~~~ん!!!」(涙キラーン)

あたる「状況を考えんか、状況を…世の中、惚れたはれたばかりじゃ、有りゃせんのだぞぉ…」
上官 「行けぇ~~!!愛の為に死ねぇ~~~!!愛の為に死ねぇ~~~!!」(ザッザッザッと行進する兵士達に向って)


・この一連の台詞の流れには爆笑した。(少し台詞違ってるかもだけど)
 何故こうも狙いすました様に…巧いな~。(笑)


・挿入歌『ラムのバラード』が流れた時…ラムのイメージするあたるが、やけに格好好い。
 振返ったその顔は、まるで別人。(爆笑)
 恋する瞳は嘘を吐く。(笑)


難解映画ばかり作ると今じゃ有名な押井氏ですが、実はギャグの才能も物凄く高いのです。(元々ギャグセンス買われて、『ヤッターマン』の演出を担当させられたのだし)
この映画は、それを実証付ける数少ない作品じゃねーかと。


それと映像がとても綺麗。
エル星のUFOが飛来、薔薇の花弁が空から降頻るシーンとか、子供の頃あたるとエルが影踏みするシーンとか、見蕩れますよ。


確かにTVの延長の様だけど、今観ても楽しめる賑やかな作品で、5ヵ月間で制作したとは、とても思えないのでした。(笑)



参考)…フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』、月刊『OUT』、少年サンデーグラフィックス、等々。
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森(の家)へ行きましょう。~ホテル・アムステルダム・4~

2007年09月15日 15時43分52秒 | 場内ホテル(工事中)
昨日の続きです。


エレベーターで階を昇って、部屋を観に行きましょう。
今回モデルとして紹介するのは、自分が一昨年3月上旬に宿泊した、最上階海側奥の部屋です。


記事上の写真は、最上階から眺めた中庭(↑)…花壇がハートや花の形してるのが良く解りますね。(反射してて今一ですが)


長い廊下を奥までテクテクと歩きます。(どの程度長い廊下かは、この記事1番下の写真を御参考にされて下さいまし)
扉の前に来たら、フロントで渡されたカードキーで、中に入りましょう。

開けると右側にクロゼット、左側にトイレ、洗面所&浴室に続く扉が目に付くかと。
トイレだけでなく、洗面所と別個になってる浴室が有難く。
しかも浴室にまで洗面所が備わってるし…なんて贅沢なんだ。(詳しくはこの記事を御参考に)

一見して、兎に角鏡の多い部屋だなと感じるでしょう。
浴室には湯気で曇らない大きな鏡。
洗面所にも大きな鏡。
更にその後ろには三面鏡台…スタンダードで三面鏡を備えてるのは、今の所ホテル・アムステルダムだけじゃないかと。
他、クロゼット内やデスクにまで、数えたら5枚貼ってありましたよ…凄ぇ。
1部屋(バス&トイレ含)に在る鏡の数で競ったら、此処が1番なんでないかな~と思う。


ベッドの在る奥まで進みましょう。


部屋は広々、スタンダードでも45㎡…。
これは77㎡在る、コテージタイプのフォレストヴィラに次ぐ広さなのです。
おまけに窓も大きいんだな~。




↑海側の部屋からは、この様にヨットハーバーが眺められる。
カーテンの色はモスグリーン、壁の色はオフホワイト。
白と緑を基調とした配色が、目に優しく映ります。




↑泊ったのはスタンダードツインだったので、並ぶベッドは2台。
他にもグループ客用に、スタンダードトリプル、フォースも用意して在るそうな。




↑この大胆な花柄長ソファ&丸テーブル&モスグリーンの椅子2脚は、ホテル・アムステルダムならではの調度品。
デンハーグ、フォレストヴィラ、ヨーロッパと比較したら、高級感には欠けるけど、だからこそ気安く利用出来るっつか。
特にこの長ソファが、寝心地最高で寛げる。
背面や脇に置かれてた、ソファと同じ柄の長細クッションを枕代りに、第2のベッドとして利用しとりました。




↑その隣には、大きな鏡の付いたデスク。
冷蔵庫はポット&お茶セットが載った戸棚の中です。
用意してあったティーバッグは、ほうじ茶と煎茶のみ。
ヨーロッパやフォレストヴィラは、紅茶や珈琲まで有る…この点に値段の差を感じる様な。(笑)(まぁ飲みたけりゃ朝食会場で飲めるし)




↑窓側からドアの方を見てみた。
ベッドはデスクの相向いに設置されてます。
パジャマやスリッパ等はクロゼット内に、アメニティグッズは洗面所に用意されとりました。
タオルは大判・レギュラーサイズ・フェイスタイプ・足拭き用と種類様々沢山用意されとりましたが…小心者なんで、何時も精々2枚位しか使わず。(笑)


ハウステンボスホテルは何処も個性的。
何処も「このホテルならでは」という特色を持っている為、何処が1番かは正直決められない。
デメリット=裏を返せばメリットになってたりするし。

ホテル・アムステルダムのメリットは、街の中心に在る事。
交通の盛んな区域に建ってる為、1階2階に泊った場合、窓を開けられない。(通行人と目が合ってしまうので…)
が、直ぐ側はバス停で、3つの区域に跨ってるという立地は、何処へ遊びに行くにも都合が好いのだ。

縦に長く凝った造りにした為、エレベーターは館内に1ヶ所しか設置出来ず。
最上階最奥の部屋に宿泊した場合は、館内を往復する度に「遠い…」と呟く事になるでしょう。
しかし最上階最奥こそ眺めの好い部屋。
街側なら夜は煌くイルミネーションを楽しめる。
海側なら朝は日の出、夕刻は日の入、夜には花火が楽しめる。
ヨーロッパ、デンハーグ、フォレストヴィラは、部屋の向きによって当り外れが大きいのですが、此処の場合3階以上であれば、何処の部屋に泊っても眺めは良好。


海側泊った場合の、窓からの眺めを紹介しましょう。(写真は3月上旬に撮った物)




↑朝6時過ぎ…水平線近くの空が、薄桃色に輝き出します。




↑2枚在る内の右の窓からは、朝焼けに染まる港街と、ヨットハーバーが見晴らせました。




↑日が昇って7時過ぎ…空と海が一気に青に染まる。




↑港街も眩しい光に包まれました。


夕刻には日の入を眺める事も出来ます。
山向うに沈む夕日を見届けられるのは、他にドムトールン展望台くらいではないかと。




↑18時頃…遠き山に日は落ちて♪
窓を通して撮影した割には良く撮れてる…窓が綺麗に磨かれてる証拠ですな。




↑19時近く…星は空を散りばめぬ♪
日はすっかり沈んで、微かな朱が山の端に残るのみ。
そして港街に点り出す、眩いイルミネーション。


…といった素晴しい景色を、宿泊すれば堪能出来る訳ですよ。

街側と海側、どっちがお奨めかは、好みによると思いますが……海側のが朝昼夕夜移り変る景色がより楽しめるかな~。
んでも街側も素敵ですよ~。
特にクリスマスなんか、夜には教会・ドムトールン・大きなクリスマスツリーと、場内で最も煌びやかなイルミネーションが楽しめますから。
街側の部屋についてはこの記事を御参考にどうぞ。(残念ながら夜に撮った写真は無いのですが…)


部屋について要望が有れば、宿泊前に申し出ておけば宜しいかと。
繁忙期でもなけりゃ、聴いて貰えると思いますよ。
小さい子供が居る家族向けに、玄関マットやタオルやパジャマまでミッフィーちゃんで統一した、『ミッフィールーム』なる可愛い部屋も用意されてまする。
詳しくは公式サイトのこちらの頁を。(→http://www.huistenbosch.co.jp/hotel/am/index.html)



本日より~11/11日迄ハウステンボスの秋イベント開催!

今年は1,200円のタートヴァンを購入すれば、150種類ものワインをテイスティング出来るという、恒例ワイン祭『サンヴァンサン祭(10/6土~10/21日迄)』だけでなく!(←終了しました)

本日~9/30(日)迄は『オクトーバーフェスト』なるビール祭を新たに開催するんだそうな!(←終了しました)

どちらかっつうとビール党の自分としては、ワイン祭同様息の長いイベントになって欲しいなぁと…どうか自分が行くその日まで。(笑)

期間中、ビール+オリジナルグラスを1,500円で購入すれば、イベントに参加する形になるそうな。
そうすればおかわり1杯700円で可能。
グラスは持ち帰りOKだけど、返品すれば800円戻してくれるんだって。

10月中旬~11月中旬迄、コスモスやダリアが咲き乱れる庭園もオープンする。
春のチューリップも素敵だけど、秋のダリアやコスモス、そしてパレスの薔薇も見事ですよ~。



【続】



…来週は墓参りや秋祭りに行く予定なので、これまで以上に不定期更新の予定です~。


ウロウロさんのブログで、ハウステンボスのイベント映像が沢山観られます♪(ユーチューブへの移行、お疲れ様ですvお蔭様で観易い~♪)

『フォーシーズンズ・イン・ザ・スカイ』に『カナル・ファンタジア』…今では観られない懐かしの映像がてんこ盛り。
貴重な記録を、宜しければ御覧下さいませ!
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うる星感想その3 ―TVアニメ67話~100話迄―

2007年09月13日 20時27分33秒 | 漫画&アニメ
毎度マニアックに前回の続き…今回取上げる回が多いんで、なるたけ短く纏めんと。(汗)



★第67話 君去りし後 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…ファン大賞獲得作品。

「或る日、ラムがあたるの前から姿を消した。机の上に、己のマスコット人形を残して――」

原作でも反響の大きかった話ですが、アニメは更に展開をドラマティックにしている。
特に反響呼んだのが、原作には無い「しのぶとあたるの会話」シーン。

ラムが居なくなって落込むあたるを、しのぶは公園に呼び出す。

し「来てくれないかと思った…」
あ「何言ってんだよ~!…ラムに掻き回されっ放しだったけど…これで漸く2人は元の鞘に戻れるって訳だ♪」
し「……本当に、そう思ってる?」

――あたるのポケットから覗くラム人形を見詰るしのぶ…彼女の視線に気付くあたる。

し「……何か私に出来る事、有る…?」
あ「………いいよ、気にしなくて…。」
し「………あたる君…」
あ「……俺……帰る。」
し「…………うん。」

こんな感じの会話なんですが…実に深いな~と。
あたるとしのぶの関係って、かなり不可解なんですよ。(笑)
原作では面堂に憧れつつも中盤まであたる寄りで、思いを残してるんだかどうだか曖昧なまま、何時しか自然消滅って感じ。
アニメでは当初からあたるとラムが仲好いんですが、19話からは完全に恋人関係となり、この回以降は正しく夫婦として描かれるようになる。
そしてしのぶはこの回以降、何かにつけ「あの2人が別れるもんか」と口にし出す。

原作では曖昧だった、「三角関係の終焉」を描いてる訳ですな。
言ってみりゃ「キャラ関係の捏造」なんですが(笑)…独自の人間関係を構築し、それをシリーズ上で貫き通した事で、原作とは別個の世界を創り上げた力技は、褒められて良いんじゃないかと。

…無粋にもオチを言っちゃえば、ラムはちゃんと戻って来ます。
しかし盗聴マイク仕掛けとくって、えらく性質悪いよな~と思う。(笑)


・第68話 ラムちゃんのクラス会 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…退屈を持余して教室を飛び回るテンちゃんが可愛い、あたる達が温泉先生に「差別だ!!」と詰寄るシーンが劇画タッチで迫力(笑)、ラムの乱れた髪を整える仕草が可愛い…等々、絵は綺麗で見所が沢山。この頃丁度アニメうる星は1周年を迎えたって事で、今迄のゲストキャラが賑やかに出演しとりました。お話の方は…誕生日会なら兎も角、クラス会ぐらいで内緒にする必要が有ったのだろうか?と謎に感じなくもない…まぁ1周年祝って事で。(苦笑)


・第69話 買い食いするものよっといで! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合△

…「大傑作になり損ねた回」とファンから呼ばれてる話。中盤までは『007』ノリでハチャメチャ極まり、非常に面白いんですが…特に中盤はマニアックな作画で評判の西島克彦氏が担当した事で、より遊びの傾向が強まってる。響子さんが煙草屋の店員してたり、作者が通り過ぎてったり、他ルーミック作品が映画上映告知用看板に出演してたり。(笑)しかしラスト7分前から突如作画が崩れて、折角のアクションシーンなのに全く盛上らなかった…残念。


★第70話 戦りつ!化石のへき地の謎 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…か~わぐっち~ひろしが~♪洞窟には~いる~♪(中略)こんな大発見を~しながら~♪決~っして学界には発表~しな~い~♪か~わぐちひ~ろしの奥床しさ~に~♪ぼ~くら~はお~もわず♪涙す~る♪
水曜スペシャルのヤラセをパロって暴露する。(笑)
実は当時、裏でマジモンの水曜スペシャルを放送していたり…大丈夫だったのだろうか?(大笑)
作画に、今じゃ有名なイラストレーター、いのまたむつみ氏が参加してたりと、色々メモリアルな回。
見せ場はチェリーVS化石鳥による大暴走。(原画:森山ゆうじ氏)
通り過ぎた後、一拍置いて爆発という、音速超えの表現が素晴しいかと。(爆笑)


・第71話 クラマ姫 新たなる挑戦! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…原作通りにした事で、原作の?な点もそのまま引き継いでしまったと言うか。(汗)漫画はコマ続きで話が展開して行くから、コマから外れれば描かないで済むけど、アニメにはそれが出来ない。決められた時間内、ずっと映像を流さなきゃだから、「描かない」で済ませられないんですな。原作では人知れず蚊帳の外だった「しのぶ」の扱いに苦労した結果、突然冷めたり燃上ったり、頗る行動が不自然になってしまってるのが…。(汗)救いは作画が美しい事でした。


・第72話 恐怖の虫歯WARS! 脚本○ 演出○ 作画× マニア度○ 総合△

…『地上最後の男』っつったっけ?己以外の全員が吸血鬼になっちゃって、襲い来るその群れを相手に、孤軍奮闘する主人公の話。…恐らくはそのSF小説をパロったのかな~と。オチには笑いつつも戦慄した…恐いよ、マジで。(汗)作画は後半凄まじい程荒れてたけど、だからこそ異様な迫力が出たのかもしれない…か?(汗)


・第73話 ザ・面堂兄妹! 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…完璧に腐った弁当の描写が巧い!落ちながら糸引き続ける刺身に、ひたすら笑った。(爆笑)…所で「牛車」は「ぎゅうしゃ」じゃなく「ぎっしゃ」と読むんじゃ…いや細かい事気にして申し訳無いけど。(汗)原作を良く纏めていて、話は面白かったんだけど、何とな~くテンポが悪く感じられたのは残念でした。


★第74話 階段に猫がおんねん 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…コタツネコの過去シーン、セピアカラーが雰囲気醸してる。
作監を担当した山崎和男氏は、動物を描くのが巧いと思う。
コタツネコはこの方が描いたものが1番味が出てるかと。
個人的な好みですが、あたるもこの方の描いたものが、1番好きでした…ちょっとくたびれた、情けない感じになるんだけどね。(照笑)


・第75話 タヌキは恩返しできるか!? 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…うる星版『日本昔話』、背景まで真似て徹底してるのが偉い。(笑)しかも残酷と言われてる、元の『カチカチ山』で行く辺りがマニアック。…ただ『カチカチ山』まで出したのは、如何にも時間稼ぎと思えなくも無い…あたる爺の投球フォームは見事だったけど。(笑)ミニキャラが可愛い。特に兎耳テンちゃんが可愛かったv


★第76話 決死の亜空間アルバイト 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○

…前半、あたるが亜空間で『あしゅら湯』を探して廻る件は、つげ義春氏の漫画『ねじ式』のパロディーです。(笑)
つげ義春氏は1970年代、学生運動烈しい頃に人気を呼んだ漫画家さんで、そのシュールな世界観は今もって他漫画のネタにされてたり。(例:ゆうきまさみ氏の『究極超人あ~る』)
あまりにマニアック過ぎて「訳解らん」との苦情が舞込んだそうですが(放送当時は自分も解らんかった)、訳解らないながらもアニメで此処までシュールさを表現したのは凄いと思う。
後半は「女湯描かせたら日本一」と名高いアニメーター西島克彦氏が、好き勝手やってくれちゃってます。(笑)
作画△付けてますが、この女湯のシーンだけは、西島氏の魂篭ってて凄い事になってるのでした。(笑)


・第77話 ラムちゃん主催大忘年会! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…アラビアンラムが可愛かった。話の性質上パロディのてんこ盛りで楽しかったけど…今一盛り上りに欠けたまま終った気もしなくはない。特にラストのドタバタ部分、絵に迫力が感じられなかったのは残念。中盤の暴走も二番煎じという事も合せて、52話でのクチナシ暴走程インパクト無かったのが残念。


・第79話 命かけます授業中! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合△

…どうやらこの時期、映画第1作目の制作に追われてたらしく、TVの方に皺寄せが来てるのを感じました。前半なんか、ぶっちゃけ「作画誤魔化し」でしょう。(笑)でも牛丼仮面には笑ったです。こんだけ牛丼に拘るアニメは、うる星(前半)とキン肉マンくらいじゃねーかと。(笑)原作以上にぶっ飛んだオチにも大笑い、「キ~~~……ンコォォ~~~~~……ン…♪」と弱々しく鐘の音を響かせながら、よろめいて倒れる校舎の表現が素敵だ。(笑)


★第80話 夫婦げんか食うか食われるか!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…副題「男はつらいよ」ですか。(笑)
新婚の頃見た夢はシャボン玉の様に掻き消され、可愛かったあのコは今じゃ逞しい母親に。
父親達の悲哀が画面から伝わり、涙無くしては観れません…ってこれ、本当に『うる星』か!?(面白かったけどね)(笑)
所で「エビフライも満足に食べられない位、あたるの家は貧乏なのか?」と、現代の目で見れば不思議に思うかもしれませんが……昔は今程冷凍シリーズも豊かでなく、食のバリエーションに乏しかったのですよ。(笑)


★第81話 ミス雪の女王キッスを奪え! 脚本○ 演出○ 作画○(好みによる) マニア度△ 総合○

…原作には無い、スキー旅行に行く迄の過程を、良く膨らましてると思う。
特に4人組の心理描写が巧い。
ただしのぶの、まるで悪役の様な扱いがちょっとね…。(汗)
これに限らず、アニメでしのぶは、どうにも嫌らしく表現される事が多く、観ていて不憫だった。
絵は非常に癖の強いものなのですが、下手じゃあないんですよね~。
あたるがスキーで滑ってるシーンが格好良い。


★第82話 恐怖の聖バレンタインデー 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…テンちゃん受難編、過激な幼女「真子ちゃん」に愛を迫られ絶体絶命大ピンチの巻…でもお母さん見ると、将来美人になりそうな気がするんだが。(笑)
高橋資祐氏が描く、流れる様な動きが素晴しい。
三輪車とは思えない爆走っぷりだよ。(爆笑)
ラストのあたるとラムのキスシーンは、当時ファンの間でかなり反響を呼んでた事を覚えている。
脈絡全く無いんだけどね~、演出が巧いのよ~。

「子供まで作っといて…鬼の様なパパね!」
「わい、鬼やんか!」

子供達の微笑ましい会話には笑った。(笑)


・第84話 面堂家仮面ぶとう会 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…モブシーンでのお遊びが凄い。ザクやらE.T.やら色々出してたな~と。(笑)ただ、色々出てた割には、あまり迫力感じられずに、ダラダラ展開だった様な…。あたるVS面堂家機動歩兵部隊のトコ、チェリーで逃げずに(あれはあれで壮絶だったけど)ぶつけちゃって欲しかったよ。ブルース・リーの『死亡遊戯』パロも今一徹底されず、肩透かしで終ったのが残念でした。


・第85話 宇宙かぜパニック! 脚本○ 演出△ 作画△ マニア度△ 総合○

…大体原作通りなんだけど、サクラさんとの絡みとか、巧く膨らましてたと思う。拗れてストライプがチェック模様になってしまうのには笑ったです。作監さんの修正が今一の回ですが、原画は良いんですよね~。(汗) あたる達男子がテンを探す場面など、ちゃんとワラワラ動かしてる辺り、偉いと感心してしまった。


★第86話 竜之介登場!海が好きっ!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…高橋資祐氏のダイナミックな作画が炸裂。
波飛沫迸り、さながらバイオレンス劇画の世界でした。
竜之介は「中弛みを感じてた頃、このキャラを生み出した事で、生き返った」と、原作者が後年のインタビューで答える程、お気に入りのキャラらしく。
確かにこのキャラ登場以降、うる星は第2段階アクション編に入った気がする。
「星になれ」っつって、キャラがぶっ飛ぶギャグがお約束化したし。(笑)
竜之介や『ひばり君(江口寿史氏作)』は、他漫画にまで波及した程の、画期的漫画キャラだったのですよ。


★第87話 さよならの季節 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…原作では今迄登場したキャラ達が、主役は誰か揉める「お遊び編」だったのを、良くぞこれだけの話に纏めたなぁと感心してしまう。
主役はメガネ、メガネの独壇場。

「あたるからラムを譲って貰えると誤解したメガネは大いに喜ぶ…が、そこに数々の陰謀が絡んで――」

屋根上での演説シーンに、千葉氏の演技の真骨頂を見ました。
この回で着用したメガネ自作の強化スーツは、映画4作目に渡るまで使用される事に……でもあれって、プロテクターとしてちゃんと役立ってるんだろうか?(笑)
ただこの回も、しのぶの扱いには「ちょっと…」と感じなくもなかった。
「普通の女の子」という設定故、「普通の(現実に居る)女の子の持つ嫌らしさ」を持たされてしまったのが、彼女の不憫さだと思う。


・第88話 ランちゃんのデート大作戦! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度△ 総合○

…絵が素晴しく綺麗。のっけから乙女の浪漫爆発なランちゃんドリームが凄可愛い。桜散る中、あたるとラムがボートで追っ駆けるシーンにも見蕩れた。とことん映像美に拘る山崎和男氏らしい演出が光る回。お話自体は原作通りで、まぁ普通の出来…こう書くと「原作通りじゃまずい訳?」と聞かれそうですが(汗)、うる星は(特に前半)ギャグ漫画なんで、原作通り過ぎると新鮮味が感じられないという難しさが有ると思う。ギャグって一発勝負だから…。


・第89話 はっぴいバースデーマイダーリン 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…些細な事から喧嘩してしまった2人。意地を張り合う内に溝は深まり、遂には周囲までも巻き込んで――と書くと、さながら少女漫画の世界。(笑)(とは言え原作最終回は、それこそこーゆーパターンだった訳だが…)や、悪いと言いたい訳じゃないですが。(焦笑)ただ、仲直りに持ってくまでの展開が、ちょっと安易過ぎた気がする…素直に謝れない意地っ張りが、他人の忠告を聞くとは思えないんだけど。作画の美しさに救われたな、と言うのが正直な感想。


・第91話 花ムコの名は竜之介 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合△

…初期に原画を描いてた平野俊弘氏が、『マクロス』を経て帰って来ました。しかも作監として。キャラの顔が悉くマクロス顔になってるのに笑った。お話の方は、大体原作通り。あたる役の古川登志夫氏の熱演が光ってます。この時の経験が『ドラゴンボール』のブルー将軍役で活かされた…のかも知れない。(笑)


★第92話 ビンづめレター海辺の怪! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度△ 総合○

…見せ場は民宿~入り江への大激走シーンかと。
歯磨きしたり髪セットしたりしながら走る3人には爆笑。
「恐怖の痴漢三面記事男」だったっけ?…ちょっと違う気もするけど(汗)…その言い回しにも笑った。
何だかんだ喧嘩しつつも、一緒に寝てるあたるとテンは仲が好いと思う。(笑)


★第93話 激烈登場!水乃小路トンちゃん!! 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…原作でのトンちゃんは格好だけの愚図男で、豪速球なぞ投げられない。
そんなツッコミする暇も無く押し切る様な作画パワーにやられた。(笑)

ピッチャー投げた!――打ったぁぁ!!センター前ヒットォォォ!!ランナー走る!!――ああ!!しかし一塁前で黒子が梯子構えてザッザッザッザッと迫る!!迫る!!迫るゥゥ!!――しかしランナー負けてない!!梯子次々打破りながら尚も進む!!そして一塁にタッチ!!――出来ない!!!黒子が一塁ベース抱えて逃亡!!ランナー必死に追い駆けるもタッチ出来ない!!――背後から別の黒子が投げ縄飛ばしてランナーの首に引っ掛けたァ~!!そのままランナーを投げ飛ばしィ~!!――ア~~ウツッ!!!

…解説するとこんな感じ…何処のアイアンリーガーか!?って言いたくなる様な。(笑)
問答無用の爆笑巨編でした。


・第94話 しのぶのシンデレラストーリー 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…あたるがちょっと情けなさ過ぎ。女の子を危険に曝す様な真似はしないのが奴なのに…と、観た当時怒ってた記憶が有る。(恥笑)ミステリードラマとして手堅く纏まってはいました。その手堅さが問題で、始めっから犯人が読めちゃったり等、ミステリーとしての底が浅いのがなぁ。(苦笑)それにタイトルで「シンデレラ」と付ける程、しのぶは話の中でメイン張ってないと思うのだ。ただ「利用されただけ」だもんね。ちなみにゲストキャラ一同はスタッフがモデルだそうな。(遊んでるな~)(笑)


★第95話 ラムちゃんの理由なき反抗 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合○

…パロディのオンパレードでした。
「突然炎の如く」、「風と共に去りぬ」、「セーラー服と機関銃」、「マジンガーZ」、「サイボーグ009」、「青い山脈」…さあ、貴方は幾つ解るか!?(笑)
「パロディじゃネタ知らんと解らんだろう」と仰る向きも在ろうが…知らなくてもテンポが良いので、子供の自分は笑って観てた記憶が有る。
皆で力合せて映画作るというプロセスも楽しげで良かった。
オチはちょっとクサかったと思うけど…まぁでも原作のオチもクサかったからなぁ。(笑)


★第97話 怪談!柳のオジジ!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…映画2作目で校舎捜索するシーンと雰囲気似てるな~と感じた方は鋭い。
作画を担当したのが同じ山下氏なのですよ。
七不思議~校内巡回シーンまでかなりの怪奇タッチで、子供は本気で怯えるかも知れない。
あたるとメガネが仲の好い、珍しい回かと。


★第98話 そして誰もいなくなったっちゃ!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…原作者は激怒し、ファンは賛否両論真っ二つに分かれた問題作。(ファンの選ぶ人気投票では2位)
タイトル通り、アガサ・クリスティ作『そして誰もいなくなった』のパロディーでして、孤島に閉じ込められたメンバーが、マザーグースの詩通りに、1人、また1人と死んで行く展開には…自分もかなりショックを感じた。
ギャグで落とされると解っていても…ラムが死んだ辺りから、本っっ当にどうなるんだろうとドキドキしながら観てた覚えが。
それがあのオチだし…冗談じゃ済まされない程、人でなしな理由だと思う。(苦笑)
ただ、作品として見た場合、物凄くクオリティ高いかと。
場面構図、テンポが巧みで、最後まで惹き付けられる。
「キャラ死に話は卑怯」と言えど(笑)、クオリティだけで選ぶなら、文句無で1等賞だと思うのだ。

知合いのうる星ファンの男が、口を揃えてこう言うんですよ。(笑)

「あたるに裸を見られるかも知れないのに、浴室で死を演じたラムに感動した。
 そこまであたるに心を許しているのかと…」

…はっきり描いてはいないけど、確かにそうなんですよね。
その後ラムはベッドの上に裸で寝かされ(布団は掛けてあります)、その手をあたるがしっかり握ってるという描写が有り…これは「あたるによって運ばれた」事を表してる訳ですから。
 
むしろ原作のうる星ファンでない、ミステリーマニアが観た方が、楽しめるかもしれない。


★第99話 火消しママ参上! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…打って変わって大体原作通りの明るいギャグ作品。(笑)
スイカが蒸発する描写が巧い。(笑)
この回のあたるの無敵さを観ちゃうと、前回正体の知れぬ殺人者に怯えるあたるは嘘だな~と感じなくもない…いや文句言いたい訳じゃないけど。(苦笑)
余談ですがテンちゃんの母親役の声優さんは、『かぼちゃワイン』でエルちゃん役を演じた横沢啓子氏です。(或いは『ラピュタ』のシータ役)
非常に可愛い声で人気の高かった方。


★第100話 ダーリンが死んじゃう!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…この回より、「アニメのランちゃんは黒魔術を嗜む」という設定が加えられました。(笑)
異世界シーンが幻想的…トランプの女王ならぬ「花札の女王」には笑った…後「巨大五郎」。(笑)
異世界シーンは言ってしまえば引伸ばしなんだけど、そう感じさせない辺りが偉い。
オチを、原作では途中で早々と明かしてるんだけど、アニメではラストに持って来ていた。
…此処に両者の考え方の違いが見える様で、興味深かったです。



…この間の脚本、エンディングクレジットを信じるなら、ほぼ伊藤和典氏1人で書いてた事になる。(真実なら凄いよ)
1人の脚本家が主立って書いてたから、キャラが変ったり展開がズレたりしなかったと言えるのでは。
押井氏がまた徹底した方で、脚本の出来が気に入らないと、遠慮無くリテイク出したり、自分で書き直したりしたそうだし。(笑)

アニメうる星の絶頂期。
原作とは全く違う世界観で展開し、ファンを別に作る様にもなっていた頃でした。
その事でこの後大問題が勃発するのですが…

…字数が足りないんでまた次回。(汗)



【続】
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歌え!!アニソン!!~うる星やつら・3~

2007年09月11日 20時44分00秒 | アニソン
――アニメ史に於いて、「世紀を分つ作品」と人の言う。



――チャンッ♪

ウ~~~~♪ウ~ウ~ウ~ウ~ウ~~~~♪――ズズチャチャ♪ズズチャチャ♪ズズチャチャ♪ズズチャチャ♪

――チャアゥ…♪

――チャチャアゥ…♪

――チャチャアッチャチャチャッチャッチャッチャアッ…♪――ジャン…♪

夢見ぃるぅ…♪ 銀河ぁを…♪

駆け抜ぅ…けてぇ…♪ ランデブー…♪――ズズチャチャ♪ズズチャチャ♪ズズチャチャ♪――ッチャチャア♪

流れぼぉしぃ…♪ 追い駆ぁけぇ…♪

走りぃつぅづけて朝までぇ…♪――ズッチャン♪ズッチャン♪――ジャジャジャンジャッジャッジャッジャッジャッジャッ♪

コズミックサイクラー♪ 星空サイクリング♪

ラン・ラン・ランナウェイ・ホォーーム…♪

――ッチャチャアン…♪

コズミックサイクラー♪ 星空ホウィーリング♪

ラン・ラン・ランナウェイ・ホォーーム…♪

――ジャッジャンジャジャジャン♪

夜空ァ~のォ♪ フリィ~~ウェ~~イ♪

2人ィ~でェ♪ ファ~~ラウェ~~イ♪

今夜こそ独り占めェ~~~♪

約束してねマイ♪ ダァ~~~リィ~~~~ン♪――ジャッジャンジャッジャッジャン♪

――チャチャアッチャチャチャッチャッチャッチャアッ…♪


コズミックサイクラー♪ 星空サイクリング♪

ラン・ラン・ランナウェイ・ホォーーム…♪

――ッチャチャアン…♪

コズミックサイクラー♪ 星空ホウィーリング♪

ラン・ラン・ランナウェイ・ホォーーム…♪

――ドドドドドドドドゥ♪ッドドドドドドドドゥ♪

「コズ・ミック・サイクラー!!」
…ピーポーピーポーピーポーピーポー…!

――チャッチャンチャチャチャン♪

――ジャッジャンジャンジャジャ~~~~~~…ン…♪




67話~77話、88話~100話迄流れたEDタイトルは『星空サイクリング』。
作詞&作曲&編曲&歌っているのはヴァージンVSなるグループ。

元の歌は『コズミック・サイクラー』と言うタイトルで、この番組のED用に変更した物が『星空サイクリング』という訳。(←微妙に和訳?)
ちなみにその『コズミック・サイクラー』は、アニメ60話「怪人赤マントあらわる!」の終盤で流れてます。(ディスコ大会で流れるヤツね)
「眠れな~いよ~るは~~♪ 誰かが~呼ん~でる~~♪ 特別さ~今~夜は~~♪ 誰かが~~ぁ~~~♪ 呼んでる~~~~~♪」という歌詞で、曲は同じなんだけど、こっちのパターンもかなり好きだった。(「夜空ァ~のォ♪…」な部分に当ります)

歌と言い、映像と言い、数有るうる星のEDの中でも、最も気に入ってたり。
その1で紹介した様に、予めテロップ位置を計算して映像が作られてる点が凄いと思う。

書いた歌詞の内、赤文字は女性、黒文字は男性ボーカル担当です。



今回はアニメうる星について――


原作漫画だけでなく、アニメも後の作品に、多大なる影響を及ぼしました。

「その1」で語った通り「アニメの主題歌を変えた」。
そしてアニメ界ででも「女キャラのバリエーションを増やし」、「ラブコメブームを興した」。
…『うる星』以降、「魅力的な女キャラを多数登場させる事は、作品をヒットさせる重要項目」と考えられる様になったのです。

現在『萌えアニメ』と呼ばれるジャンルが確立した切っ掛けですな。(笑)

しかし最も革命的だったのは――制作スタッフに表現の自由を許した事ではないかと。

アニメうる星を観てると、絵が回によってバラバラで、全く統一されてない事に気が付く筈。
素人目で観てもキャラの顔が毎回違う。
ともすれば話の中で突然、キャラの顔が変ったりする。(笑)
例えるなら「山○花子の顔が、振向いたら松○か子の顔に変ってた」くらいのインパクトと申しますか。

テロップで流れる以上に、アニメは多数のスタジオや人が携わって作られる物です。
多くの人が描いた絵を連続させて、1本のフィルムに纏める――それが『アニメーション(動画)』制作。
一応決められたキャラ設定通りに描く様努めるとは言え、絵が人によって違って来るのは当然の事。
その為、『作画監督』と呼ばれる方が、担当の回に放送される分の原画&動画に修正を入れて、絵の統一を図る訳ですよ。
ちなみに「原画」と言うのは文字通り元になる絵、「動画」は原画と原画の間を繋ぐ絵の意味です。

アニメ制作についての詳しい説明は、もちっと後に回して…。(汗)

アニメうる星は、この作画監督(通称『作監』)の修正を徹底させなかった。
下手な絵は直させたにしても(失礼)、巧い絵はそのまま活かしたのですよ。
結果として、アニメーターさんそれぞれの絵の特徴が浮上がる事になった。
巧い絵を描くアニメーターさんはファンの間で評判を呼び、名前がアニメ雑誌に出されたりまでした。
己の描く絵が注目を浴びるとなれば、アニメーターさん達は尚個性を前面に出して作画する様になる。
絵コンテで指示されてなくともアクションシーンを入れたり、「モブ」と呼ばれる群集の中に遊びで他アニメのキャラを描いたり…脚本&演出家自身、積極的にパロディを導入してたしな。(笑)

「作画の暴走」を許した事で、当初はチーフディレクターが「蓋を開けたら誰も居なかった」とボヤく程恵まれてなかった作画班は、何時しか「このアニメなら枚数制限無く自分の好きに絵が描ける」との噂に引かれて集まった人材の宝庫に変ってたと。
うる星が切っ掛けで名が売れたアニメスタッフは、かなりいらっしゃるんですよ。

アニメを制作する人達というのは「職人」さんです。
職に就いた目的は、大抵の場合お金の為じゃなく、「己の持つ技術を活かしたいから」でしょう。(でなきゃこんな貧乏な職業に就いたりしないって…)
働く多くのスタッフは、観客に名を知られる事無く、何処かに去って行ってしまう…。


光在る所に影が在る。
真名作の影に数知れぬアニメーターの姿が在った。
命を懸けて作品を創った影の漢達。
だが人よ、名を問うなかれ。
闇に生まれ、闇に消える。 
それがアニメーターの運命なのだ。

「監督ゥゥ!!――コンテを切れェ…!」


パラァララァ~~~~♪パララパララパララパララパラァラァ~~~~~♪……って、何アニメ『サスケ』のOPパロしてるんだか。(苦笑)


常日頃裏方で留まるのみだった制作スタッフにスポットライトを当てた事…
そうして視聴者にアニメの細部にまで注目させた事こそ、アニメ『うる星』の最大的功績じゃないかと自分は思うのですよ。


他にも音楽や撮影技術、色彩等々…この作品から始まった表現は枚挙に暇が無いくらい有ります。

原作付で在りながら、原作世界とは別の、アニメ独自の世界を創り出し、成功した稀有なアニメかと。


…字数オーバーが恐いんで、そいった事は追々語るとして。(汗)


「うる星のスタッフは若い。
 だから遣って良いか悪いか迷うくらいなら、いっそ遣り遂げろの方針で突き進んだ――」


これは押井氏が某氏と某氏の結婚式で、スピーチとして語ったものだそうな。


正に革命的アニメだったと言えましょう。






【おまけの今週ワンピ感想】

そして誰も居なくなった――そんな言葉が頭を過ったり。

いやいや、誰も居なくなってないんだけど。(汗)

これはもう、ナミさん自力で助かるって事ですか?
戦って助かるんですよね…?(汗)

それとも、今こそ此処で、ローラの出番が来るのだろうか?
一体、彼女は何処で何して居るんだろうか…
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