チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物がつなぐもの 436

2021年07月12日 11時44分03秒 | 日記
本気で生きる
ちゃこちゃん先生のライブで岐阜の恵那に染織工房を持つ高水一子さんのところへ一泊二日お邪魔した
ある日」突然私を訪ねてきてかれこれ30年は立つ
その間「とにかく糸を染めて織っている時が至福といって織に没頭していた

植物の命をいただくのだから、花や実は落ちたものしか使わない、私たちが雑草という草から色を抽出している。たまに大嵐で枝が折れたものや、剪定をして樹木を植木屋さんが持ってきたものは、ありがたく樹皮を使う

ここまで徹底している染色家は数いない
楚々て常に本物をを追及している人の意見を聞く。織でわからなくなったら京都の川島織物で指導仰ぐ、染は山崎青樹さんの本が師匠

一子さんを見ていると左脳のおしゃべりは一切ない。染めることに、織ることに集中しているので右脳しか働かない。右脳ではひたすら内面を見るので、直感が働く。その直感を信頼しているので余分な苦しみなどない

ご主人とも別々に暮らしているが、お互いに認め合い協力し合っている
「好きなことをさせていただくのだから、相手のお金を当てにするのではなく、自分でしっかり稼ごうと思った」
といって自分の工房を持つことを決心したとき、その話を友人にしたら「私ちょうど定年で退職金が出るので、それ全部お貸しするわ」

土地を探していた時
一緒に昼食をした知人が、その店のオーナーに「このあたりに空いている土地はないのか」と聞いたら」「うちの土地が開いている」そして「この金額しかない」と建築屋さんに相談したら「わかったその金額で建ててあげよう」ととんとん拍子

そしてコツコツと」染織をして、たまったら個展を開くということを重ねていたら10年で借金をを返済、178反の反物を織り上げ、それぞれお嫁に行った

残り切れを見せていただいたが、同じ反物は全くない。その人となりにあったところへ、反物をいっている

ちゃこちゃん先生も15年前「この糸で竹染の白を染めてほしい」とお願いし、半年後に「ヨモギの縦絣を入れましたので、もし御気に入らなかったら引き取ります」

白地に緑の縦絣が入った反物は私の注文とは違っていた。しかし仕立ててみると、その縦絣があることで気姿に深みが出た

「糸染めが終わった後、糸をずっと見ていたら竹だから緑が欲しいね」という声が聞こえたという。
右脳の働きを中心に生きている一子さん。その直感をいつも優先する。それがまた人を満足させる反物づくりになっているのだと思う

この反物でこれだけ儲けよう。そういう気持ちが全くなく、天地に感謝して生きている人だから、多くの人達に愛されているのだと思った

バブルにも踊らず、ひたすら自分が何をやりたいかを見続けてきたからこそ、天地人の恩恵を受けている。これからの地球j人の姿かもしれない」

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