久々にオーディオ熱が再燃しましたので、6C33Cシングルアンプの動作点の見直しをしました。
6C33Cという球は、ヒーター2本、カソード2枚、プレート及びグリッドは1枚という構成になっていますが、これを私はシングルヒーター、シングルカソードで使っています。要するに片側だけを使用。
理由は、ヒーターが大飯喰らいで球がかなり熱くなるためと、左右チャンネルで対称のヒーターを使うようにすれば、左右交換で寿命が2倍になるからです。
データシートには、シングルヒーター、シングルカソードで使用する場合の特性も掲載されています。
ダブルヒーターの理由は、ミグ25戦闘機に乗せるための冗長設計と思われます。
さて、本題ですが、変更前の動作点がこちら。
これをほんの少し左側に移動しました。これにより右側に余裕が生まれます。
変更後の動作点がこちら。
入力信号を入れて出力波形を確認すると、正弦波の上下ともほぼ同じピーク電圧で歪始める様になりました。変更前は下側が少し早めに歪始めていた。
実際に音を聴いてみると、大音量でも以前よりも歪が減り美音になりました。
動作点移動の方法としては、B電源に直列抵抗50Ωを追加してB電圧を下げ、プレート電流を143mAから167mAに増やしました。
(変更前の回路図)
(変更後の回路図)
(50Ωを追加した所)
抵抗にはDALE NS-2B(無誘導タイプ)を使いました。
50Ωを追加した事で左右の分離が良くなり、音の臨場感や広がりも増した様に思います。
ほんの少しの変更ですが、音質には影響がある様です。
全体写真。内部はかなり密集しています。