My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

KT88ppアンプのB電源強化。

2022-04-23 14:35:03 | 真空管アンプ

KT88ppアンプのB電源に予定していた電解コンデンサを追加しました。

追加した箇所は、回路図上ではこちらになります。

2段のリップルフィルタになりました。

使用した電解コンデンサは、前回使用して気に入ったKEMET製(Made in EU ポルトガル製造)です。

今回は少し容量を増やし、120uF/550V

設置場所に悩みましたが、同時購入した30mm径の黒樹脂製取り付けクランプを使って、上手く収める事が出来ました。(下の写真中央)

この電解コンデンサ、やっぱり良いですね。電源リップルも減り、音が明瞭になりました。

そして今回、グランドの引き廻しも今迄のノウハウを活かして変更してみました。

RCA 245シングルアンプと同様な方法で実施してみました。

まず、大元の電解ブロックコンデンサのグランドが左右で纏めてあったので、ここをカットし分離。

音の広がりが増しました。

 

ここまでは良かったのですが、問題はKT88のカソード・グランド。

現在は、入力近くの1点アースに左右別々に落としているのですが、これをグリッドに繋がっているバイアス用電源のバイパス電解コンデンサのグランドに接続すると、何故かハムが増えます。

KT88カソードGND→バイアス用パスコンGND→ドライブ段GND→初段GND→1点アースはダメ(×××)。

KT88カソードGND→バイアス用パスコンGND→1点アース、こちらもダメ(××)。

バイアス用パスコンGND→KT88カソードGND→1点アース、こちらもダメ(×)。

KT88カソードGND→1点アース、バイアス用パスコンGND→1点アース、こちらは〇。

実験の結果では、KT88カソードGNDは単独で直接1点アースに落すのが一番良い様です。

過去にもこの実験をして今に至ってる気もしますが、忘れました。

記憶が曖昧なので同じ事を繰り返してしまうのです。だから記録を残して置かないと。

では何故か?少し考えてみました。

私の推察ですが、

このKT88ppは、カソード接地にしている(カソード抵抗は電流測定のための10Ω)ので、抵抗のダンピングが効かずに、そのままグランドに流れるので、弱いグランドに落とすと、回路全体が振られてしまう? 自己バイアスと固定バイアスで様子が違う? 違うかな?

出力段のグランドは電流がそれなりの流れるので、しっかりと接地する必要がありそう。難しい。。。

何れにしても、色々と試してみるしか無さそうですね。

 

その他は、NFBのグランドを初段のGNDに戻す様にしました。またヒーター交流点火なので線をしっかりとツイストし直しました。

 

結果、SP端子での残留ノイズは、Lch 1.8mVrms、Rch 0.8mVrmsとなりました。Lchが大きいのは解析必要有り。このレベルであれば、SPに耳を当てても殆ど聴こえません。

B電源のリップルは、0.3Vrmsだったものが電解コンデンサ追加で0.22Vrmsに減少しました。

そのおかげで、細かい音も埋もれずに明瞭になりました。

 

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内部配線に1930年代のWestern Cableを使ってみた。~WAX絹巻ブラックエナメル~

2022-04-12 14:25:46 | 真空管アンプ

前回投稿で書いた、いにしえのヴィンテージ・ケーブルと言うのは「Western Cable」です。まあ、在り来たりですが。

この線材を使用し始めてから100時間程度が経過しましたのでレビューします。

結論から言うと、このケーブルは本当に素晴らしいです。流石、世界で初めて海底ケーブルを渡した頭脳集団Western Electric(ベル研究所)だけありますね。

音がライブ感たっぷりで瑞々しいです。しかも潤いがあります。オイルを塗った肌の様です。ボディビルダーの肌と言ったら良いのでしょうか、力強さが有り輝いています。

Western Electricのブラックエナメル被覆ケーブルは、今までも使った事が有りますが、WAX含浸タイプは初めてです。

今まで使ってきたWEケーブルの印象はドライで中域を強調した少々刺々しい音でしたが、今回のものは少し違います。ウェットで潤いが有って刺々しさを抑えた感じです。かと言ってWEの持ち味はしっかりと味わえます。出るべき所は出ていて音楽の表現力があります。言葉で表すのは難しいですが、脂の乗りきった魚の様?はたまた水面に波紋が拡がる様?。或いは、朝露の付いた瑞々しい野菜の様な鮮度の高い音です。うっとりします。

今回使ったケーブルがこちら。

1930年代のWestern Cableです。

Western Electricのケーブルは1920~40年代のものが良いと言われています。約100年前!

芯線はブラックエナメルで覆われた0.5mm位の銅単線です。エナメルを剥がすと綺麗な銅が出てきます。半田付けする時は必ずこのエナメルを綺麗に剥がしてから行います。

被覆は絹の二重巻きです。外側の色付けされた絹にWAXロウが含浸してあります。

ロウは思ったほどベタツキませんでした。

 

このケーブルをRCA245シングルアンプの要所に使ってみました。

 ①出力管245のカソード~カソード抵抗&パスコン接続部分と、そのグランド側。

 ②ドライブ段~出力管245グリッドのカップリングコンデンサへの接続部分。

写真では分かりにくいです。(写真は前記事と同じもの)

 

以下、私のウンチク。

ケーブルは太い方が情報量が多いと言う方もおられますが、線径と電流許容量は決まっているので、無駄に太くすると、音像、音の定位が定まらなくスピード感も無いと言う感覚です。例えるなら、水道管の太さと水圧の関係?水圧が低いのに管を太くしても勢い良く水は出てきません。違うかな? そして線材は銅がもっとも素直な音がします。銀は高音を強調した音となり、あたかも情報量が増えた様に感じますが耳障りです。そして電流は芯線の表面を流れるためメッキされているとその音が乗ります。

 

しかし、このケーブルは流石に90年前の物と言うだけあって、鳴らし込んで行くと音がコロコロと変わって行きます。最初は低音があまり出なくて隙間の有る纏まりの無い様な音。それから少しして(30時間位経過後)少し詰まり気味な音。その後50時間経過後、低音も良く出る様になり音も纏まってきました。いつになったら落ち着くのだろうと思いながら引き続き鳴らし込みました。約100時間経過後、落ち着いた様に思います。低域から高域まで綺麗に出ています。音楽に実在感が有ります。

電線内部で何かが起きているのでしょう。分子構造が整う?不思議です。オカルト?

物理特性の変化?私は物性屋で無いので分かりませんが、聴感上の音は確実に変化しています。

一時期ブームだったクライオ処理と言うのが有りますが、これもひとつの方法と思われます。

 

配線材も拘ったお蔭で、いつまでも音楽の傍から離れたくない音です。

RCA245の球が1930年製、ケーブルが1930年製で年代が揃いました。少しでも当時の音に近づいた様な気になります。

ただ、アンプ内が温まってくると、蝋の溶けた様な臭いがしますが、嫌な臭いではありません。アロマ風の「いい香り~!」です。(笑)

しかし、ホント、RCAの245(ナス管)って魅力的な良い音がしますね。

RCAの45(ST管)も持っていますので、この状態で音比べをしてみたいと思います。

以前の印象だと、45は綺麗な音だけで、低音や力強さが無く、コクとか潤いも無かった様な感じでしたが、どうでしょうかね。

 

今日は、JAZZ VOCALの「Halie Loren(ヘイリー・ロレン)」を紹介します。

10年位前に流行ったのですが、とあるサイトで紹介されていたので、思い出して久々にCDを聴いてみました。

Amazonのレビューにも有りますが、ロック、ポップスからジャズのスタンダードナンバーまで幅広くカバーしていて、歌も上手く、アレンジもGoodです。

特に私のお勧めが「青い影(A Winter Shade of Pale)」「Autumn Leaves」です。

録音も秀逸ですので、オーディオ・ファイルとして使えます。

チェックの所は、ピアノ、ベース、ドラム等の楽器の音とボーカルの再現性と定位ですね。

曲によってはピアノがちょっと前に出過ぎている感じも否めませんが、録音、ミックスのエンジニアがピアノの人だから仕方ないかな。音質はちょっと固めかも?

この人のもう一枚、こちらも良いです。

音質は先ほどよりは柔らかめで、より色っぽいです。1曲目で悩殺されます。

ジャケットも色っぽいですね。こちらも録音状態は優秀です。

 

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グランドラインの引き廻し次第で音空間が変化。

2022-04-01 11:32:09 | 真空管アンプ

6C33C-Bシングルアンプで実施したグランドラインの引き廻し変更を、RCA 245シングルアンプにも展開しました。

結果から言いますと『効果大』です。と言うか、これが本来の引き廻し方でしょう。

 

見直したところは以下の3箇所です。

 ①出力管245のカソード抵抗とコンデンサのグランド側を左右各々に設けたデカップリング・コンデンサのグランドへ左右単独に接続。←ここは聴感上でセパレーションが大きく改善されました。

 ②SP端子のグランド側が端子部分で左右纏めてグランド接続されていたので、ここを左右独立させてNFBのグランド(初段カソード抵抗GND)に接続。

 ③全体のグランドラインの流れを大元の平滑コンデンサGND→出力段の大信号(大電流)回路→ドライブ段の中信号(電流)回路→初段の小信号(電流)回路→シャーシ・アースの順としました。出口→入口の流れです。左右独立させてます。

 

各段のデカップリング・コンデンサGNDも夫々の回路のグランドに接続し、各段でクローズ・ループを形成する様にしています。

回路図で書くとこんな感じでしょうかね。

①②③のグランドラインの左右分離に関しては、要するに1つのシャーシ内で可能な限り左右Ch独立したモノラル構成のアンプ2台使いに近い状態にすると言う考え方です。

アンバランス入力の信号では、理論的にはグランドが左右共通になっているので、電源ラインのプラス側は分けても、グランドを左右で分ける必要は無いと唱える諸氏もおられますが、私は混成の面から考えて信号の帰路も同じ線路を通る尺は出来るだけ短い方が良いと考えます。足し算ですからね。実際にステレオ録音を聴いてみる分かりますが、音の広がりや奥行・立体感などかなり違いが感じられます。音も鮮明になります。

配線は増えますが、妥協は許さず細かいところまで拘ると、それに見合った改善効果が得られます。

もっと良い方法や注意点があるかも知れません。音を確かめながら試すのも良いでしょう。

 

そして今回、配線材にも拘りました。

この配線材は100時間くらいの鳴らし込みが必要と言う事ですので、その後に紹介します。

写真に写り込んでいますが、いにしえのヴィンテージ・ケーブルです。良いですよ~。

 

 

今日は久しぶりにテレサ・テンを聴きました。歌、上手いですね~。

テレサ・テン40/40(デラックス版)

このデラックス盤にNHKホールでのラストコンサートのDVDが付属している事は意外と知られていないかも知れません。貴重です。映像は当時ですのでそれなりですが、バックバンドも良く、素晴らしい歌と演奏です。

CDのほうも40曲たっぷり収録されています。今まで聴いたことの無い曲もありました。

台湾の彼女のお墓には2回行きましたし、彼女の生涯を思うとうるっときます。

 

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