My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

スピーカー・エッジ交換のポイントと難しさ。

2024-02-24 16:04:28 | スピーカー

今回スピーカー・エッジ交換する際に調査して得た情報や実体験で学んだ事を今後のために書き留めておきます。まだ2回目なので経験値としてはド素人です。

<ポイント>

1.エッジ材質選び

 エッジの材質も色々と有る様です。ネット上で調査した結果。

 ・ウレタン---軽くて高音質ですが5年位で加水分解します。JBLオリジナルで使用。

 ・ラバーコートしたウレタンエッジ---純ウレタンより長寿命。音質は?

 ・ゴムエッジ---長寿命ですがfoが高くなるようです。

 ・ポリエーテル素材---長寿命。今回使用して好結果。

 

2.サイズ

 やはり、そのユニット専用の物が良いでしょう。

 サイズは勿論、エッジの山や谷の幅や高さが違っても困ります。

 

3.接着剤

  エッジの一部と考え、乾燥後に硬くならない物を選ぶ。出来るだけエッジ硬度に近い物。

  専用の物がお薦めです。水性で硬化までの時間が長いものが位置調整し易いです。

 

<難しい点>

それは何と言っても、センター出しでしょう。

ダンパーとコーンの位置合わせがきちんと出来ている個体のエッジ交換であれば、それ程苦労する事は無いと思いますが、それでも慎重にやった方が良いです。

センター出しの確認方法は、各角度から適当な力でコーンを押し込んで、「ガサガサ」と擦れ音がしない事。各方位とも均等にマージンがある事です。

今回の教訓で、裏側(コーン~エッジ)、表側(エッジ~フレーム)共に、数か所仮止めをして、ボイスコイルとの擦れが無い事をよーく確認してから、仮止めを1箇所ずつ外しながら位置関係がズレない様に注意を払いながら本接着した方が良かったのかなと思いました。かなり面倒ですが。本接着の順番は裏側から。

 

今回、一方のユニットはすんなりとセンター出しが出来たのですが、他方のユニットだけは、エッジ貼り付け前のセンター出しにかなり手こずって、最適ポイントを探すのに1時間以上四苦八苦しました。それでもちょっと妥協した感じでした。

その結果は、前回書いた通り、こちらのユニットで低音のビビり音が発生しました。

 

さて、ここからが本題。

前回予告したように、貼り付け終わった物をどの様に修正したか。

エッジ山の淵(土手)をフレーム側からヘラで押してやると、ビビりが止まる所が有ったので、「ああ~、そうか。」と閃きました。

フレームに貼り付けてあるガスケットを利用して、エッジの膨らみの土手を軽く押してや事を思いつきました。

ガスケットの貼り付けには、やり直しが効く様に両面テープを使いました。

発振器から信号を入れながらビビりが無くなるポイントを探し、何箇所かこの様な処置する事で、かなりの音量に耐えれる様になりました。普段聴く音量以上でも問題なさそう。

これで多分大丈夫だろうと、発振器の出力を上げながら左右のスピーカーから音を出して見ると、今度は反対のユニットからビビり音が。あれ~?

もしや思い、ユニットと接続しているファストン端子を磨き上げ、カシメ部の半田を実施後、再接続してみると、ビビりは解消しました。ヤレヤレって感じです。

将来的に、このファストン端子は排除して直半田付にしたいですね。

 

さて、センター出しに苦労した原因として考えらる事ですが、この究明に数日掛かりました。

ダンパーの一部分を抑えるとボイスコイルとマグネット・ヨークのクリアランスが広く取れる事から、ダンパーとコーンの位置関係に傾き(シータ Θ)が出ている事が判りました。

因みに、コーン~ダンパーの接合部をゴムで平行に引っ張ってみましたが、状況は変わらず。

この事からもシータずれで間違いなさそうです。

これは、恐らく当初は問題なかったものが、経年で(重力?)一方向に傾きが生じたものと思われます。(と思いたい)

これはエッジの貼り付け位置の調整だけでは、ダンパーとコーンの接着部が支点になる為、簡単には修正できません。

そこでスピーカーユニットを180度回転させて取付直そうとしたのですが、内部配線のケーブルの長さが足りません。

延長の必要がありますが、さて、このケーブルに何を使うか?、音質に影響するので悩みます。また電線病に陥りそうです。

ケーブル選びについては、次回。

 

たかがエッジ交換、されどエッジ交換。細心の注意が必要です。

専門業者に依頼したほうが良いのかも知れません。

業者の方は、どの様な方法を取られているのでしょうかね。

センターキャップまで外して、きちんとセンター出しをされているのでしょか?

それとも場数、経験値でしょうかね。

本当に信号まで入れて確認されているのでしょうかね。

 

 

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スピーカー・エッジ交換後の音出し確認。

2024-02-18 15:44:44 | スピーカー

接着剤が完全に乾いた様ですので、箱に組付けて音出し確認です。

 

エッジ交換が完了したユニット。

 

箱(エンクロージャー)に組付け。

 

さて、何を聴きましょうか?

今回、ウーハーのエッジ交換でしたので、低音が良く出る曲が良いですね。

ロバータ・フラックのベスト盤The Very Best of Roberta Flack」から

Killing Me Softly With His Song(邦題:やさしく歌って) / Feel Like Making Love  /The First Time Ever I Saw Your Face

を聴いてみました。

 

特に、4曲目「The First Time Ever I Saw Your Face」は、ロン・カーターの弾くウッド・ベースがかなり響いており、これが上手く再生できるかがポイントです。周波数は結構低いです。

実際に再生してみると、、、。

心配していた事が起こりました。片方のスピーカーだけがビビります

これはイケない!。音楽を聴くどころではないです。

このまま聴き続けるとボイスコイルを傷つけてしまいます。

 

さっそく低周波発振器から信号を入れて確認してみます。

すると、55~70Hz辺りでビビりが発生していました。ああ~、どうしよう。

エッジのあちこちを押さえてみると、ピンポイントでビビりが止まるところが有りますが、かなりシビアで微妙です。

どうやら、θ(シータ)ズレが発生してるっぽいです。

今さら貼り換えは大変なので、何とか微調整が出来ないものかと暫し考えました。

そこで、思いついた奥の手を使って、何とかビビりが無い様に出来ました。

格闘する事、2日間。どんな処置をしたかは、後ほど詳細を報告します。

ネット上では見つける事が出来なかった方法です。

 

元の位置へセッティング。

 

肝心の音質は、期待以上でした。

最初から良い音を聴かせてくれます。

ウーハーの制動が改善し歪みが消えて高域も素晴らしく綺麗です。

この制動が良くないと、ウーハーの逆起電力がネットワークを介してツィーターの駆動に影響を及ぼします。そのためバイワイヤリングと言った接続方法も有ります。

今回エッジの材質がポリエーテル素材だったので、foが上がるかなと思ったのですが、以前と変わらない様に思います。むしろ低音のキレが良くなり、粘りが出る様になったように思います。

このJBL L26は、トランジェントがとても良く、気持ちの良い「スカッ」とした音を聴かせます。まさにカリフォルニアの青い空、JBLサウンドです。小型ながら、その大きさからは想像が出来ないスケールの大きな音です。

 

参考までに、ネット上で見つけた中古販売店の評価:

このモデルの最大の魅力は、何と言ってもその音です。

「これ以上何が必要なんですか」と言いたくなるくらい、十分すぎるほどの量感のある低域と、最高域までよく伸びきった高域。低域のグラマラスなキャラクターは4311Bとは真逆の個性で、とても興味深い音です。
特に3.6cmツイーターのLE25-1の高域が軽く弾かれたように出てくる感じなど、近年の金属製ドーム型ユニットよりも優れていると感じた次第です。

 

さらに、

瀬川冬樹さんらの雑誌レビューは、こちら。 -> http://audiosharing.com/review/?tag=l26

高評価、褒め過ぎか。

 

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スピーカー・エッジの交換 ~新しいエッジの取り付け~

2024-02-14 21:11:52 | スピーカー

交換用として、調達したスピーカー・エッジは、ポリエーテル系のウレタン・エッジです。

ポリエーテル素材は、耐水性に優れ、加水分解しないので、寿命が長いそうです。

肝心の音質は完成してから報告します。

ウレタン・エッジだけなら通販で1,000円台で入手可能ですが、接着剤もセットで購入したかったのと、安い物では信頼性に不安がありました。

迷ったのは、4,000円台の物(今回購入品)と、8,000円台の物。

まあ、業者に修理を依頼すると、20,000円位+送料なので、それに比べれば、どちらにしても安いものですが。

今回購入したエッジはL26のウーハー専用で、サイズはピッタリ、接着剤(水性白色で硬化すれば透明))も専用の物です。

 

貼り付け作業ですが、まずはコーン側(裏側)から貼り付けます。

接着剤を筆で伸ばしながらコーン側とエッジ側に塗ります。

乾くまでは、密着性を良くするために適度な重さの重しを乗せます。

コーン紙とエッジの境界も接着剤で埋めます。ここ、結構ポイントかも。

裏側も同様に。

この状態で1日間置き、接着剤を乾燥させます。

 

乾燥したら、次はフレーム側(表側)を貼り付けます。

ここからが重要です。

センター出しを行います。

ボイスコイルが擦れない事、均等にギャップが保たれている事 です!

コーンに均等に力を加えて、押し込んでも擦れ音(ガサガサ)がしない事。

私は、写真の様に、円形の物を被せ、その中心をペンの様な物で押さえて、擦れ音がしない所でエッジを洗濯ばさみで仮固定しました。

すごい数の洗濯ばさみです。100均で買った20本を全て使いました。

その後、1箇づつ洗濯ばさみを外しては接着剤を塗り固定、その隣に移り同様に接着、この繰り返しで一周しました。

でも、後で確認すると、このセンター出しが少し甘かった様に思います。

周囲均等な力でかなり押し込んでもボイスコイルに擦れる様な事は無いのですが、色々な角度から力加減を変えながら押さえてみると、もっとクリアランスが取れた様な気がします。

そうは言っても、これは結構大変な調整作業です。

この状態で接着剤が乾くまで1日待ちます。

 

翌日、接着剤がある程度乾きました。

 

最後にガスケットの貼り付けですが、その前にネジ穴の確保です。ナイフでくり抜きました。

これも忘れると、箱に取付ける時に、あれ?ってなります。

ガスケットを貼り付けました。

気を付ける事は、接着剤をあまり多く塗らない事です。すぐにはみ出します。

ここでも洗濯ばさみを使いました。

 

翌日、接着剤が乾き、これで一応完成です。

 

ついでに、裏側のアルニコ・マグネットとダンパー部分の写真です。

 

さて、音質はどうなったでしょう? 

実は、張り替えたばかりの音はあまり期待していませんが。

はやる気持ちを抑え、3、4日置いて接着剤が完全に乾いてから箱に取り付けて、音出しをしてみましょう。

接着剤自体は、乾いても完全に硬化するのではなく、粘性が有る様に感じます。

 

次回に続く~。

 

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スピーカー・エッジの交換 ~古いエッジの取り除き作業~

2024-02-11 11:33:37 | スピーカー

エッジ交換作業の中で、おそらくこの作業が一番大変でしょう。

古い朽ち果てたウレタン・エッジの剥がしです。

この作業を手抜きすると、新しいエッジの接着と仕上がりに影響が出ます。

道具に「ハイカーボン・ヘラ」と「彫刻刀」を使いました。

どちらも100均に売っています。

カーボンヘラ」は傷をつけたくない、主にコーン側のウレタン除去に使いました。

この「ハイカーボン・ヘラ」は優れ物で、硬さが有るのでビスを使わない嵌め込み製品の隙間に噛ませて分解する時にも使えます。

100均で見つからなければ、こちらでも。

 

まずは、ガスケットの剥がし。

その後、金属部分からのウレタン剥がし。彫刻刀でゴシゴシ。

最外周金属フレーム面とその内側フレーム面の段差合わせの為?に黒い台紙の様な物が貼って有ったので、これは残しました。

表側は、こんなもんでしょう。

次に、コーン側のウレタンの除去へと進めました。写真を撮り忘れ。

この作業に先ほどの「カーボン・ヘラ」を使い、擦って削ぎ落しました。

今回、剥離剤などの溶剤は、悪影響を懸念して一切使いませんでした。

 

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スピーカーエッジの寿命が来たようです。

2024-02-09 16:54:12 | スピーカー

気に入って使い続けてきたJBL製スピーカーL26のウーハー(125A)のエッジにとうとう寿命が来たようです。

2015年2月に販売店からレストア済み品を購入したので、あれから丸9年。(購入時の投稿がこちら

ウレタンエッジなので、流石に加水分解して寿命でしょう。と言うか良く持った方でしょう。

ウレタンは、使用環境にもよりますが、大体5年~10年で駄目になる様です。

では、何故そんな寿命の短い材料を使うのか。

それは、これ以上軽量で柔らかく弾性の有る材質は無いから、だそうです。

 

寿命に気が付いたきっかけは、「最近少し低音に締まりが無く歪みっぽい。低音が以前より膨らんでいると感じた」からです。

スピーカーって、経年と共にこんな感じ。

新品>音が固い>馴染んで来て良い感じ>最高潮>ボケてくる>寿命

これ、時間比率で言うと、感覚的に「1-2-6-1」かな?

 

サランネットを外し、ユニットを降ろしてみると、こんな感じでエッジが部分的にひび割れてました。

さらに手で押してみると、ボロボロと落ちてきました。

こんな状態で駆動していたのかと思うと、「ゾクッ」としました。

気が付かずにそのまま鳴らし続けると、ボイスコイルを痛めてしまします。最悪は断線。

まあ、その前に鳴らしている時に「バリバリ」と音がするので、いくら鈍感な耳でも気が付きますけどね。

 

ということで、エッジ交換用材料(エッジ+接着剤)を手配しましたので、交換作業に入ります。

まずは、古いエッジの削ぎ落しからです。

結構手間がかかりそうです。。。

 

以前、BOSE901のエッジ交換した経験が役に立つかな?

この時は左右で18本の交換だったので、大変だった。

その時の記事はこちら

 

 

 

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