My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

KT88 PPアンプ 出力トランス(OPT)交換後、音質調整を進行中(その1)....。

2017-02-26 12:12:18 | 真空管アンプ

出力トランスをソフトン製Rコア品のRX-80に交換した後の音質調整が進んできましたので、この1か月半の間でやった事を備忘録として一度整理しておきます。

このトランスは特性が良くて、今迄隠れていたこのアンプの悪い所(改善点)が顕在化した様で、音質に落胆していました。

そこから奮起して、定数の見直しや部品交換して、現段階で音がある程度落ち着いてきました。

自分的には70点くらいかな?。

添付の写真は、まだ検討段階なので、バラックで仮つけしている状態です。見苦してすみません。

 

<やった事です↓>

1.デジタル回路とアンプ部のグランドの完全分離

 このアンプはリモコン動作が可能なため、デジタル回路を搭載しています。

 リモコンでは、入力切替、ボリューム調整(モーター)、L/R切替、スタンバイ、電源ON/OFFの操作が可能となっています。

 便利ではあるのですが、ハイファイオーディオを楽しむには特に必要のないものかも知れません。

 このデジタル回路用には、わざわざ専用のトランス有り、そこからDC電源が作られています。

 然しながら、肝心のアースがアナログ回路と共通になっていました。

 そこで、このアースを完全に分離しました。

 このデジタル回路での制御は、リモコン受光、リレー、LED、モーターなので、完全に分離が可能でした。

 

2.入力切替のリレーを交換とAC電源リレーを廃止

 入力切替用に元々付いていたリレーが、メーカー不明だったので、よく使う入力のみをTAKAMIZAWA製に交換しました。

 また、リモコンでのAC電源のON/OFF操作(スタンバイ・モード)があり、リレーを経由していたが、必要無いためダイレクト接続とし、機械的なパワースイッチのみとした。

 

3.+B電源のトランス入力の再配線と電解コンデンサの追加

 電源回路の電解コン~左右OPTまでの配線の見直し(グランドもL/R独立配線)と、OPTの根元に電解コンを追加。

 追加した電解コンデンサは、F&T(Germany)製47uF/500V。耐圧が必要なため、手持ち品では唯一。

 47u 500V F&T アキシャル電解コンデンサー

  電解らしくない、オイルコンの様なクリアな音がするそうです。


4.初段カソード・バイパスの電解コンデンサの交換

 当初はニチコンのKZを使ってましたが、これを手元にあったスプラグ製ATOM(250uF/16V)に交換。

 SPRAGUE ATOM 250uF 50V

 KZの時は薄っぺらい音でしたが、ATOMに交換でふくよかな音になりました。


5.NFB定数の変更

 音を聴きながら、調整の結果、NFB抵抗は15KΩに決定。

 実測と計算でNFB量は9.1dBになりました。

 また、オシロスコープで10KHzの矩形波の歪具合(オーバーシュート)を見ながら、この抵抗に抱かせる(並列)コンデンサ容量を100pFとしました。

 抵抗はタクマン製REX(手持ち品)とサンガモ製ディップマイカ(新規調達)。

 ここのコンデンサもセラミックでは、音がざらつくらしい。

 

6.初段入力グリッドにカップリング・コンデンサを追加

 初段の入力部にカップリングコンデンサを追加して、プリアンプとDC的に切断。

 使用しているプリアンプは出力から直接NFBが掛かっているので、DC成分が乗ると影響ありそう。

 使用したコンデンサは、ERO製フィルムコン0.47uF/400V(黄色)

 ビタミンQも試してみたが、高音が派手で今回はパス。

 

7.出力段プッシュプルのカップリング・コンデンサを交換

 今回の目玉です!。

 ここに、私としては初めて使う、TRW製のフィルム・コンデンサを新規購入して投入してみました。

 TRWと言えば、GOODALL→TRW→製造設備、設計技術を買収→ASCという変遷です。

 ASC(アメリカン指月)は白い物ですが、今回のものは630Typeと言われる赤い物です。

 かなりシッカリした作りです。弾丸の様な形です。MIL規格品。

 

 音は低域から高域まで良く出ていて抜けも良く、それにヴィンテージ品特有のコクとか表現力をプラスした感じです。

 エージングが進むにつれて、どんどんと艶っぽくなっています。(現在進行中) 気に入りました!

 以前に付けていた近年のHiFiコンデンサのAuriCapとは全く違います。AuriCapは超クリアな音です。 

 

8.寄生発振防止用には巻線抵抗の使用を中止

 プッシュプル出力段KT88のグリッドに挿入している寄生発振防止用の抵抗をタクマン製カーボン抵抗REXに交換。

 ここに使用する抵抗は、L成分の少ないソリッドカーボンやプレートタイプの抵抗のほうが良いと教えてもらいました。

 さらに、元々の回路では、グリッドに入っている5.6kΩが150kΩとカップリングの間に入っていたので、上図の回路図の様に、150kΩとグリッドの間に配線を変更。

 また、初段のNFB抵抗(カソードに入っている抵抗)も巻線抵抗NS-2Bは良くないと教えて頂きました。

 無誘導の巻線抵抗NS-2Bといっても、多少は誘導があるらしい。

 

9.電源整流回路のダイオードを交換

 まず、C電源(出力段のバイアス電圧)のブリッジ・ダイオードを一般品1N4007から以前CDPに使い効果のあった1N5062(Vishay製アバランシェ・ダイオード)(800V/2A)に交換。

 こんな形状のものです。

 

 今回も音質改善があったので、B電源のダイオード(倍電圧整流)にもウルトラ・ファースト・アバランシェ・ダイオードSF5408に交換してみましたが、音が詰まった感じになり駄目。

 ここはウルトラ・ファースト・リカバリー・ダイオードのUF5408(Vishay製1000V/3A)に交換。これが良かった!

 音がスムーズに前に出てくるようになった。

 ここには、アバランシェが不適切なのか?、1N5062とは別物で良くないのか?はわからない。

 データシートを見ると、1N5062は、

  " Controlled avalanche characteristics"、

  APPLICATIONS : Rectification diode, general purpose

 と書いてあります。

 そういえば、本来アバランシェは、ツェナーと同じでノイズを発生します。それを抑制しているのでしょう。

 SF5408にはその様な表記も有りませんし、

  APPLICATIONS :Switched mode power supplies、 High-frequency inverter circuits

 となっています。気をつけなくては。

 


10.その他にも、細かい所を手直ししています。


取り敢えず、以上です。


今後の検討予定としては、

 ・抵抗の交換テスト

 ・ムラード回路に入っているコンデンサ0.47uFを交換

を考えています。

どこまで良くなるのか楽しみです!!。

 

 

コメント
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