My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

いにしえのWestern Electric ケーブル。~第2弾 WE 16GA(スピーカー・ケーブル)~

2019-09-29 13:33:36 | ケーブル

またスピーカー・ケーブルを買ってしまいました。電線病?

購入したのは、ヴィンテージと呼ばれるウエスタン・エレクトリック(WE)のケーブルです。

以前にも購入して現在も使用しているのですが、それより少し太いものです。

前回購入したものが18GA、今回のものが16GAです。どちらも単線です。

それにしても、超高額な蛇の様に太いケーブルに比べると、こんな細いケーブルで大丈夫?と思わせる外観です。

16GAで外径2mm/芯線径1.3mm、18GAで外径1.5mm/芯線径1.1mmです。

製造は1940~50年頃と思われます。 

今回の16GA ↓

 

分解してみると、太さだけでなく被覆の構成も少し違う様です。 

内側の絶縁体は絹(シルク)で同じなのですが、外皮の織り込み込み方が違う様です。

前回の18GA ↓

外被の布(綿?)は紐状のものが並べてあり、これが内被のシルクに螺旋状に巻き付けてあります。

今回の16GA ↓

外被の布(綿?)はクロス状に織り込んであります。

これが電気的、音質的にどんな意味があるかは私にはわかりません。

 

お約束の信号伝送ケーブルについて、色々な資料を元に、音質に影響を与える特性にはどんな要素(パラメーター)があるか勉強してみました。

その要素には、次の3つがあることがわかました。

①導体の材質

②絶縁体(被膜)の材質

③ケーブルの構造

①と③はオーディオ界では良く議論されますが、②については意外と少ないと思います。

①については抵抗値が低い物が良いとか、③については撚り線で太いほど良いとか。

確かに分解能(音数)に関しては①が影響するかも知れませんが、しかし音色に関しては②や③が重要だったりします。


まず絶縁体に注目してみました

・絶縁体の比誘電率について:

大電力、高電圧の伝送には絶縁耐圧が重要になりますが、スピーカー・ケーブルの様な信号伝送ではむしろ比誘電率が重要になります。

学術的な難しい説明は避けますが、この比誘電率により低音域と高音域での信号の伝わる速さに差が生まれます。当然比誘電率が小さいほど高速伝送が出来ます。然るにスーパーコンピューターとかTV局のアンテナ配線、また衛星など高速伝送が必要な機器では比誘電率が小さいテフロンが使われます。

 ※しかしオーディオの周波数帯でこれがどれだけ問題となるかは個人的に疑問ではありますが、取り敢えず置いときます。

比誘電率は真空中の誘電率を「1」とした時の比です。

色々な物質の比誘電率はこちらを参考にしてください。

具体的に見ていくと、実際に一般的なケーブルでよく使われるPVCは「8~4」で、しかも周波数依存が大きいです。PE(ポリエチレン)では「2.3~2.4」、テフロンは「2.2」。

ケーブルで「中空ケーブル」なんてのも聞いたことがありますが、この比誘電率に対処してでしょう。

また、真空管アンプや高級アンプの内部配線でテフロン・ケーブルが使われている理由も、耐熱や耐圧だけでなくこの比誘電率を考慮してでしょう。

では、今回のWEケーブルを見てみましょう。

内側の被覆は絹で、16GA、18GAとも同じです。

絹の比誘電率はなんと「1.3~2.0」で、物質としては比誘電率が低いです。

WEのエンジニアはその当時からこの事を熟知していたのでしょう。 

そして外被にはおそらく綿が使われてます。

 

次に導体の表皮効果について

単純に撚り線にすると表皮効果が表れます。表皮効果とは周波数が高くなると電流が導体の表面に集まり有効な電気的断面積が小さくなる現象です。これを回避するため芯線ごとに被覆し束ねたものがリッツ線です。

WEのケーブルにはブラック・エナメルで絶縁被覆を施したものが多く見受けられますが、これで表皮効果による高周波特性の劣化(高周波における交流抵抗の増加)を防いでるのでしょう。

今回のWEのケーブルにもブラック・エナメルが施してあります。

導通を取るためには、このエナメルを剥がす必要があります。上が剥がす前で、下が剥がした後です。

 

③のケーブル導体の構造について単線か撚線か

単線か撚り線かの議論はありますが、単線のほうが定位がハッキリすると聞いたことがあります。

撚線は、各素線同士が接触して大きな束になると思いがちですが、実は各素線の外側には多かれ少なかれ酸化銅が形成され抵抗膜となるので、素線同士は抵抗を持って接触する事となり、従い、電流は各素線の純銅の中を流れる事になります。

撚線には撚り方が色々とあり、「集合撚線」「同心撚線」「ロープ撚線」がありますが、「同心撚線」がその形状から機械的外力に強いため導体がつぶれ難く、信号伝送に適しているとされています。

同心撚線は、基本は下図の様に中心1本で周りを6本の芯線が囲む構造で、さらにその外側に何層も重ねた物もあり、各層が同心円状になっています。

ロープ撚り線は、上図の同心撚線を束ねたものです。可撓性があり産業用ロボット用などに適しているとされています。

製造設備新設時に工事業者が持ち込んだ電源配線を見たことがありますが、中心1本で周りを6本の芯線が囲む7芯構造でした。この7芯構造が幾何学的にが最も形が整うそうです。

 

余談ですが、海外のビンテージ・ショップで、テレフンケンのスピーカーとマッキントシュ球アンプを細いケーブル(おそらく単線)で繋いでいたのを見たことがあり、その当時は「こんな細い線で大丈夫か?」「何故、こんな細い線を使っているのだろう?」と思っていましたが、最近、自分で試して見てその意味がなんとなくわかってきました。

   

ケーブルのエージングについて。

銅線は太い銅線から延伸して作られているので、細い線ほど延伸率が高いことになります。

この延伸時に銅は機械的なストレスを受けます。この時に銅の結晶構造が乱れたり粗くなっていると思われます。

エージングではこのストレスをエージングによって整った状態に戻す事になる。

 ※結晶構造を戻す?戻るのかな?自問自答。

 ※ひょっとして、延伸で空いた隙間を電子、電荷で埋めるのかな?(妄想、個人的な推論)

従い、細い導体ほどエージングに時間が掛かるのではと思われます。

今回のケーブルも使い始めは、位相がずれた様な感じで低域がフワッとする時がありましたが、延べ50時間もすると治まりました。

 

講釈が長くなりましたが、肝心の音質は、18GAの時よりも重心が下がり、高域も聴きやすく、雑味なく纏まりのあるしっかりとした音です。今回のこの16GAが正解だったと思います。

音の透明度も良く、音がスッと立上がり立下りもスパッとして切れが良く気持ち良いです。

例えるなら、ダムの放水の様で、音の粒子の塊、束が低域から高域まで一気にドバッ~って吹き出す感じでしょうか。

現代のケーブルでは味わえない音かも知れません。

また、定位もバッチリと決まるため、スピーカーの振り角度の再調整も必要になりました。 


今回も前回同様、使い易い様にケーブルの先端部分は撚線ケーブルで延長しバナナ・プラグを接続しました。


今月の『ステレオ誌』にもヴィンテージ・ケーブルや半田の興味深い記事がありました。

「クラフト・ヴィンテージ」のコーナーだったかな?

ステレオ 2019年10月号
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オーディオの愉しみ方はさまざま。~3の追記~

2019-09-20 11:50:56 | オーディオ

ちょっとしつこいですが、書き漏らしたことがあったので追加投稿します。

 

 オーディオは部屋の環境で音質が大きく変化すると書きました。 

 これは高域ほど距離による減衰が大きく指向性も強くなります。だからリスニングポジションが重要になりますし、それ故にスピーカーからの距離によって補正も必要で、そのためにユニット毎のアッテネーターやイコライザが必要になります。また、部屋の広さや構成する材質での音の反射率(吸収率)により、残響、反射音が変わってきます。お店での試聴後、実際に自分の部屋に設置した時に聴感が変わるのはそう言う事ですね。


 そして、人によって音の感じ方や好みの音が違うとも書きました

 音響工学を勉強した事がある人ならご存じと思いますが、人の耳には等ラウドネス曲線というものがあり、その特性は人により若干異なると思います。

 

 等ラウドネス曲線について詳しくは書きませんので、興味のある方は下を読んで下さい。私も再勉強。 

 http://www.lab.kobe-u.ac.jp/eng-arch-en1/intro-acoust/acoustics3.html


 また、耳で音を拾い、脳で認識することになりますが、ここでは脳神経が関係します。音を拾う収音器(耳)は人それぞれ形状等が違いどうしようも無いかも知れないですが、脳神経は鍛えることができます。鍛える事により音の分解能も向上させる事が出来るのではと思います。

 音楽家が他人の演奏を聴いて、ある楽器の音だけを聴き出してコピー、譜面にしたりしますが、凄いなぁと思います。

 耳を鍛えるとそこまで出来るって言う事なのでしょう。


過去にも紹介しましたが、こんな本が有ります。以前、TVでも放送していて私は興味深く見ていました。

 

音楽・情報・脳 (放送大学大学院教材)
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 何が言いたいかというと、オーディオ・システムは人によって音楽を聴く環境、聴こえ方、感じ方は夫々なので、自分が心地く音楽を楽しめたら良いのではと思います。

 自分の尺度で「比較」は出来ても、誰が聴いても「絶対」は無い、言えないのではと思います。

 


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オーディオの愉しみ方はさまざま。~3~

2019-09-15 11:19:01 | オーディオ

前回からの続き。「その3」です。

 

音源アプローチ

 ①オリジナルの音源探し

  アナログ録音時代の古い音源は、やっぱりレコードのオリジナル盤だったりテープが良いですよね。

  古いアナログ音源をデジタル化したものが有りますが、私はアナログ音源をデジタル化した時点で音楽性が失われている様に思います(リマスタリングについては前回触れました)。と、言いながら手軽さから私もその様なCDも沢山持っていますが。

  一方でデジタル録音時代になるとデジタル音源が良いでしょう。

  デジタル録音のアナログレコードでの発売が有りますが、私的には音質的にどのような意味があるのか疑問です。

  いずれにしてもマスター音源に近いほど音の鮮度は良いでしょう。しかし、、、高額。

  レコードの場合は、マスター音源に近いかどうかは、盤のレーベルやランアウト(無音部)の刻印を見る事である程度判別が出来ます。そこにはレコードの品番、スタンプ国、マトリックス番号などが書いてあります。

  しかし、この判別法も単純ではなく、これだけで記事が書けるくらい奥深く、それ故に宝探しの様で楽しいです。

  

   レコードのオリジナル盤探しについては、カテゴリー「レコード」のところに少し書いています。

 

 ②高音質音源収集

  これはデジタル録音時代のハイレゾ音源と言う事になるでしょう。

  収集方法は、CD購入、ダウンロード、ストリーミング等、今や様々な方法があります。 

  高速ネット時代になり、今後はストリーミングが主流になって行くのでしょうか?

  もともと音源のデジタル化は「簡単に持ち運べる、移動やコピーが出来る」という発想から生まれていますからね。

   短時間に手軽に沢山の音楽を楽しむ、また共有するには最適でしょう。

  しかし「音楽を聴いて楽しむ」と「オーディオを愉しむ」「極める」は別物かも知れません。

 

〇システム構成アプローチ

 アンプ、スピーカー、プレーヤーの機器構成を入れ替えて音質の変化を楽しむ。

 これは、一般的にはシステム買い替えで高みを目指す事になるので、オーディオは金食い虫と言われる所以です。

 そして使わなくなった旧機器は、断捨離しないと産廃の山になってしまいます。

 

〇鑑賞部屋の環境

 オーディオは部屋の環境で音質が大きく変化するので、部屋自体の環境や配置を整えて音質向上を図る。

  少し配置を変えるだけでも音質は変わります。


他にも電源環境とかまだまだ拘るところが有り書き切れません。

何事においてでもですが、拘ればキリがありません。オーディオに関しても然りで何を弄っても変化します。

泥沼に嵌らぬよう自制心を働かせる必要が有ります。

 

私の場合は、自分の好みの音を得るために、新旧問わず機器を揃え、自分なりに改造、時には設計変更しています。

音源は特に選びません。ソースによって、レコードを聴いたり、デジタル音源を聴いたりします。


取り留めも無く3回にわたり、オーディオの愉しみ方を書いてしまいました。

くだらなく思われたかも知れません。次からは音質改善に参考になるかも知れない実験結果を書きたいと思います。

 

ところで『stereo』という月刊誌があります。

この本はオーディオ評論家による製品レビューとかが多く、そんなの個人によって感じ方や好みも違うと思うので、普段は立ち読みくらいで、私は滅多に購入する事はありません。

しかし、今月9月号は特集で故:江川さんのケーブルに関する記事が載っていたので興味があり久々に購入しました。

ステレオ 2019年9月号
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ケーブルの話は、別の機会に投稿したいと思います。


 

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オーディオの愉しみ方はさまざま。~2~

2019-09-13 11:08:45 | オーディオ

オーディオ・マニアの人口が減少にあると思われる中で、私の拙いブログへは毎日700人前後の方々からアクセスを頂いています。海外からもアクセスがある様ですが、翻訳して読まれているのでしょうかね。興味を持って訪問頂き嬉しく思います。

 

それでは前回からの続きで、今日は別のアプローチでオーディオの愉しみ方について書いてみたいと思います。

 

音質的アプローチ

 ①高音質派

   ハイレゾなどの最新テクノロジーを駆使した最先端機器を導入して音質の向上、高音質化を追求。

   ハイレゾについては、サンプリング周波数(kHz)と量子化ビット(bit)の争いになっている様に見えます。

   最近はMQAが話題の様ですが、DSDはどうなったのでしょうか?

   最先端、高解像度だと言う優越感は味わえますが、私に言わせると必ずしもその音がその人にとっての好みの音になるとは限らないと思います。

   下のグラフはMQAを簡易的にデコードした音源の周波数解析です。

   44.1kHzの2倍、88.2kHzまで含まれています。

    

 

 ②スペック追及派

   スペックや性能的に優秀な機器や高価な機器が良い音がすると思い、ハイエンド・オーディオ・ショー等に出かけ、自分の経済力ではとても買えないであろう高級オーディオを試聴。

   私も以前は流石に価格だけはあると感心したものですが、最近では音質と価格は必ずしも比例しないと思う様になってきました。それに自分の求める音とは方向性が違う様な。。。


 ③自分好みの音を求める

   自分の求める音をブレる事なくしっかりと持っていて、その音が得られる様に自分で研究、試行錯誤しながらしシステムアップしてゆく。

        「音像はスピーカーの後方に広がり、前に出ないほうが良い」とか聞きますが、それは聴く音楽ソース、ジャンルにも依ると思います。クラシックなどオーケストラはそれで正しいと思いますが、例えばロックやポップスでもそれで楽しく聴けるかと言えば、そうでは無いと思います。ロックが後方で上品に鳴っていたら面白くないですよね。寝ちゃいます。

   事実、私は今まで色々なジャンルのコンサートに出かけていますが、それぞれのコンサートで音の出方に違いがある様に感じます。クラシック系(ベルリンフィルやヒラリー・ハーンに行きました)では確かに音はステージ後方に大きく広がっていました。一方でロックのコンサートに行くと、音は前面に派手に出てきます。PA装置もその様になっています。

   サラ・ブライトマンやアンドレ・ボチェッリではオケは後方にボーカルは前方に出ていました。

   録音方法もロック、ポップの様な電子楽器とクラシックとでは違うと思います。

   電子楽器ではスピーカー音をオンマイクと合わせてオフマイクでも拾い臨場感等などの効果をつけます。

   さらにその後ミックスダウン、マスタリングの加工処理を経て、我々が聴く音源となります。

   音を左右に広げたり、どこに定位を持ってくるかはミックスダウンの段階で如何様にもできます。

   要は、その作品がアーティストやプロデューサーが意図した通りに自宅のシステムでも再生出来ているかがポイントになります。

   最近はリマスタリング音源が多くなっていますが、少なからず元音源が弄られるので、それが作者の意図取りに仕上がっているのか疑問です。作者の監修のもとでリマスタリングされたものなら大丈夫でしょうが、メーカーが適当にリマスタリングしたものはどうかなと思ってしまいます。(単純にイコライザやコンプでメリハリをつけている様なものでは駄目ですね。)

   一方、オケでは全体をオフマイクで拾っているのでしょう。ひとつひとつの楽器にピックアップを付けていたらミキサーが何ch有っても足りませんからね。ただソリストはピックアップで拾っているのでしょう。

   ライブ盤でも、オンマイクでミキサーを通して録音するのと、サウンドボード等を使いオフマイクで録音するかの差があります。一般的に公式版では前者、海賊版では後者となっています。

   この部分を書くと長くなるので、この辺りにしておいて、

   いずれにしても、私は価格や性能の拘らず、自分好みの音を追求しているつ・も・りです

   ここで昨日、偶々関連する本を見つけましたので紹介しておきます。  

   私はまだ読んでいませんが、興味のある人は読んでみてください。

名盤レコーディングから読み解くロックのウラ教科書 The Stories behind The Great Recordings (ギター・マガジン)
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リットーミュージック

 

 

設計アプローチ

 ①自作

  知識、技術、能力が必要です。

  難易度が高いですが、自分の想定した音が出た時の喜びは最高!

  苦労が多い分、達成感、喜びも大きいです。

  ツール、測定装置もそれなりに必要です。


  1KHz(8Ω負荷) 綺麗です。          10kHz(8Ω負荷) まあまあ綺麗です。

    

 

 ②部分的な改造

  既製品の一部を設計改造。

  やはり知識と技術が必要。音質の変化を楽しみながら、自作への知識を蓄えてゆく事が出来ます。

  

 

 ③当時物(ビンテージ品)や高級部品に換装

   所有品の部品をビンテージ品や他の物に交換。ケーブルなど割と手軽の音質変化が愉しめます。

      (MOGAMI RCA CABLE  NEGLEX 2534)

  

  (TUNG-SOL 5998A)

  

 

※但し、設計的なアプローチは、安全性も含め、自己責任となります。⇐ここ重要です!


しっかりとしたメーカー製品は、電気、機械的な安全対策が何重にも施され、また電波法、安全法等の各規格にも適合する様に作られています。逆に言えば、そのためにコストが高くなったり、基本性能の何かを犠牲にしたりしています。

また企業である限り利益を出さないといけないわけで、販売台数見込み、限界利益で売価が決められています。

自作の場合はその部分を全て自分が被ることになります。


~次回に続く~ 

 

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オーディオの愉しみ方はさまざま。~1~

2019-09-11 12:10:54 | オーディオ

近年では音楽もストリーミングで無料や定額で手軽に楽しめる様になり、オーディオという言葉自体が死語に成りつつあるとどこかの記事で読み、寂しくなりましたが、それでも本屋さんに立ち寄るとオーディオ関連雑誌が置いてあり、今でも一部のマニアには根強い人気があると思い安心しました。

そこで、今日はオーディオの愉しみ方について書いてみたいと思います。

オーディオの愉しみ方は人それぞれ色々とあり、どの様な視点で分類するか難しいですが、私なりに考えてみました。無理矢理感があります。

色々と批判やツッコみはあると思いますが、あくまでも個人的な意見ですので、お許しを。

私が個人的に抱いている疑問も書き入れました。

長くなるので、何回かに分けます。

 

時間軸アプローチ(年代アプローチ)

 ①最新製品追いかけ

  新しい製品が発売されると、とにかく気になって仕方がない症候群。

  オーディオが死語に成りつつある今では、この人口割合は少ないのでは?。一握りの高級志向のマニアだけ?。

  その影響が往年のオーディオメーカーであるパイオニア、オンキョーなどの海外売却に現れています。 

  そういう私も最新と呼ばれるオーディオ機器にはあまり興味が有りませんし機器も持っていません。

  敢えて言うなら、最近購入したソニーのブルーレイ・プレーヤー位かな?

 ②懐古主義

  一方で古き良き往年のオーディオブーム時代の音を求めて、当時のビンテージ品を集めて愉しむ。

  これはマニアの間では根強い人気があります。

  ヤフオクでの落札価格の安定、若しくは高騰を見ればよく分かります。

  完成品もあれば部品単体もあります。またアナログ製品もあればデジタル製品もあります。

  プレーヤー、アンプ、スピーカーなどの完成品から、真空管、CR部品、トランス、ケーブルなど。

  さらに年代的にも音声記録・伝達が始まったベル研究所の頃、所謂ウエスタン・エレクトリック(WE)時代にまで遡って収集する人もいます。この時代のものになると、アンティーク品のため市場では希少となり高値で取引されています。所謂ビンテージ。

  また、他にもカセットテープの様に過去の産物?が、マニア以外の若者の間で人気再沸しブームになる事があります。きっと火付け役が居るのでしょうね。

 

#私の持ってるビンテージ品(完成品)の紹介: ちょっとだけ自慢。

ヴィンテージ・コレクターには鼻で笑われそうですが、私には精一杯です。

マッキントシュ MC275

 


JBL スピーカー LE14A + LE175DLH +SP-505J

 


トーレンス レコードプレーヤー TD320

 

 

ルボックス CDプレーヤー B226

 

~次回に続く~



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ヴィンテージ品にはFAKEも多い。

2019-09-09 13:47:22 | 真空管いろいろ

前回の投稿で真空管E88CCの真偽について書きましたが、オーディオに限らずファッション関係(衣服、時計、カバン等)でも、世間でヴィンテージ品と呼ばれるものには、偽造品、模造品、また復刻品がなんと多いことか。

それを見分けるには、何度か痛い目にあった経験と本物を見抜く観察力が必要です。

模造品や復刻品とわからず大枚叩いて手に入れた品物が偽物だった時の精神的ダメージは相当なものです。

オーディオ部品に関して言えば、私は何度か痛手を被り、今ではある程度見抜ける様になったつもりです。

あまり参考にならないかも知れませんが、私の経験から模造品(FAKE)や復刻品(REISSUE)について、いくつかの例を挙げたいと思います。

具体的な見分け方の詳細は、波紋が広がるといけないので、ここでは敢えて伏せておきます。

 

(オペアンプIC)

有名なものでは、Burr Brown製のOPA627AP/BPが有りますね。

これは音質が濃厚でこのアンプを超えるものは無いとか、このICの存在でディスクリートでアンプを組むのをやめた人もいると言われています。オペアンプとしてはとても高価です。

私が最初に手に入れたものは、色々と調査していくとなんと中国製であることが分かりました。そしてその後本家米国から購入した物は本物でした。音質も違っていました。

見分け方のヒントは、電気特性(テスターでわかります)とパッケージの一部です。印字にも違いが。

ネットで調べてみて下さい。

中国製はシリコンマスクをコピーしたという噂もあります、、、。

このOPA627の本物は一時期入手難で高騰していましたが、今は入手出来る様です。本物かどうかは知りません。

他のICでも模造品があります。Burr Brown(バー・ブラウン)ブランドは特に注意が必要です!。

 

(真空管)

信頼性、品質が良く音質が優等生でとされているTelefunken(テレフンケン)が代表格ですね。

一般的には底にダイヤマークが有る物が本物と認知されていますが、果たしてそれが全てか?。

私は印字とダイヤマークで見分ける様にしています。

ECC83にはリブプレートとフラットプレートが有ります。

私は何本か所有していますが、音質的に優等生過ぎて面白味がないので、あまり使っていません。

テレフンケン品を安く手に入れる方法も有ります。それはOEM品です。この場合は印字では見分けがつきません。

またSIEMENS品にもFAKE品が有ります。

これは意外と簡単です。印字形状と製造ロット番号の印字です。

Mullard品にもFAKEが多い様です。

手持ちのムラード・ボックス・プレート。本場欧州から入手しました。

TESLAやMullardにはReissue品も有ります。

他のブランドでも有ると思います。真空管に関しては枚挙に暇が有りません。

手持ちのBRIMAR製。

真空管に関しては、製造年代が古いだけに当時の情報も不足していて、これが混乱させている要因のひとつでも有ります。

 

(コンデンサ)

ヴィンテージと言われるスプラグBlack Beautyにも模造品が有りそうです。

またWest Capには復刻品(REISSUE品)Arizona Capcitors製が有ります。

 

まだまだ他の部品にも沢山有りますが、兎に角、購入する時はよく調査の上、現物を慎重に確認するか、自信がない時は信頼のおける業者から購入する様にしましょう。


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掘り出し物を手に入れました。~E88CC TESLA金足 交換球として~

2019-09-03 13:51:35 | 真空管いろいろ

昨日、久々に地元の中古ショップに行き、なかなかの掘り出し物を見つけたので、すぐさま捕獲しました。

この店には真空管も置いて有り、ジャンクのMT管なんぞはプラスチックの箱に無造作に入れてあります。

何か目ぼしいものがないかと、この箱の中を漁っていたら、金色に輝く足を見つけました。

こ、これはもしやと思い拾い上げてみると、的中!TESLA(テスラ) E88CC金足品(ゴールドピン)です!

あれ、もう1本は?

必ず2本有る筈と信じ、別の箱を漁ると、有りました!。こちらも金足です。

今稼働している5998 PPアンプのドライブ段がE88CCなので、スペアとして購入しました。

確かに箱の中の他の球よりは高価でしたが、それにしても市場価格に比べれば格安です。

今回、購入したものがこちらです。ピンを綺麗に磨きました。

 

ヴィンテージの真空管は偽物も多いので、まずこのE88CCが本物のTESLA製であるか真偽を確認する事に。

このWebサイトやネットの投稿を参考にすると、大まかな見分け方は以下の様です。

http://www.jacmusic.com/JJ/803S-FAKE/

https://jacmusic.com/tesla/tesla-jj.html

 

さっそく今使っているものと比較しながら検証。

(ポイント1)

左右電極の間に有るシールド・プレートがアルミクラッドのグレー(偽物はメッキプレート)

どちらもグレーなので、これは問題ない様です。第一関門クリアー。


(ポイント2)

内部グリッド棒が金メッキになっているものがある。これは、TESLA製でも希少らしい。

https://jacmusic.com/tesla/tesla-jj.html

現在使用中のものが該当。

上マイカからの飛び出し。金メッキです。

下マイカからの飛び出し。金メッキ。

それに対して、今回入手したもの。金メッキではありません。

上マイカからの飛び出し。

下マイカからの飛び出し。

 

(ポイント3)

ガラスの頭頂部。

現在使用中(右)のものは丸みをおびた撫で肩になっています。

あれ?偽物? 角(ツノ)の形状も違います。入手品のほうが尖っています。

 

(その他)

それ以外にも違いがないか、さらに観察しました。

内部の配線材料

 入手品:綺麗です。

 現在使用中のもの:ザラザラしています。

ステム形状

 入手品:綺麗で盛りが大きいです。

 現在使用のもの:盛りが低くて雑の様な気もします。

ガラス

 今回入手品のほうが透明度が高い様な気がします。

印字

 現在使用品(右)は胡散臭い感じです。

裏側のロット等

 意味が良く分かりません。左2本が今回入手品。

 

以上、比較してみましたが、Webの情報を元にしても、現物の部位ごとに真偽が混在していて、結局私には真偽について総合的な判断が出来ませんでした。???

仮に偽物としたらRFT製かな?China製は無いと思います。

テスラの生産工場には、Roznov工場(cord32)、Trinec工場(cord37)がある様ですが、私はcord37の球に出会った事はありません。

また、軍用で剣(SWORD)マークのあるものも存在する様です。

 

音質は、どちらの輪郭のハッキリとした透明度の高いテスラの音です!

どちらも同じ音で私の耳には違いが判りません。

私的には、このE88CC系列のECC88、6DJ8、6922の中では、TESLA E88CCは信頼性、音質とも最高と思います。好みの音です。


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