My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

必ずしもオリジナル盤が音が良いわけでもなさそう。。。?

2018-05-31 12:41:30 | レコード

洋楽において、日本盤レコードが音質的に必ずしもオリジナル盤(UK、US)に劣るわけではなさそう。

 

そう気づいたのは、同じタイトルを何枚か持っていたら、日本盤は処分しようと思い、1980年代ロック(洋楽ポップス)のLPレコードをもう一度聴き直している時の事だった。

あれっ?日本盤のほうが、オリジナル盤よりも音抜けが良く、メリハリがあり、レンジも広い。何回聴き比べてもそうだ。

私は、取り憑かれたようなオリジナル盤信者だったので、その先入観、偏見を改める事になった。

確かにオリジナル盤は、ジャケットも含めてビンテージとして所有価値はあるが、音質面ではオリジナル盤全てが良いわけでも無さそうだ。日本盤のほうが音質が良い物も存在しそうだ。

その理由はよくわかりませんが、私なりに推察すると、以下が考えられます。

①レコード期後年になって、マスターテープは本国と同じものを使用?。勿論コピーとなるが劣化は少ない。

②-1或いは、同じラッカー盤を使用。この場合、カッティング・エンジニアは同じ。但し、日本盤に刻印は入らない。

②-2或いは、カッティングは日本で行った? 日本のほうがエンジニアの腕が上?

③日本にも優れたカッティング・マシンを導入した?

④スタンパーの設備、技術が本国よりも優秀?

⑤私が比較したレコードの盤質、状態の良し悪し? 日本盤は、扱いが丁寧なので概して盤の状態が良い。

 

今回比較したレコードは、1981年CBS/ソニー製ですが、環境、エンジニアの腕が良いのか、とにかく日本盤の方が音質が良かったです。

これで、オリジナル盤信仰が崩れ、何が良いか?わからなくなって来ましたが、兎にも角にも処分する前に、もう一度、針を落としてみてからにする方が良さそうです。その音に対するオリジナリティ、作者意図も大事にする必要もあると思いますが。

そういえば、レコードの音質に関しては、この頃からレコードの高音質化技術が盛り上がって来ました。

ハーフ・スピード・カッティング、デジタル・マスタリング、海外ではMobile Fidelityなど。

なんと、近年のアナログ・レコードの盛り上がりで、2019年には「HD Vinyl」なるものが出てくるそうです。 目が離せませんね。。。

 

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突然、真空管が真っ赤になった!

2018-05-26 15:04:28 | 真空管アンプ

昨日の事である。

KT88 PPの初段管12SL7を交換して、気持ち良く音楽を聴いていたら、突然、右側のスピーカーから「ブッ!」と言う異音と共に音が出なくなった。

アンプを見ると、出力管6550Cの1本だけが、真っ赤に煌々と光っており、これは尋常じゃないと、すぐに電源を落とした。

その日は、もう夜遅かったので、本日朝から原因究明。

こういう時は消去法で。

まず、該当する球を壊れても良い予備球に交換。6550Cはお気に入りの球で壊したくないので、こういう時にどうでも良い予備球を持っておいた方が良いですね。

そしたら、電源投入数分後に真空管内部でバチバチといって落雷の様な閃光が走った。これは球が原因では無い。

次に疑ったのは、一番可能性の高い出力管に繋がるカップリング・コンデンサの絶縁破壊によるDC漏れ。

取り敢えず、該当するカップリング・コンデンサを外して、絶縁抵抗値を測定。

結果は、推測通り、抵抗値が1KΩ位でした。これは駄目ですね。

 

通常では測定範囲外のOLとなる筈。他CHのカップリングコンデンサを測定してみるとOLでした。正常。

 

結局、前段のDCが漏れて、出力管のバイアスが極端に浅くなり、過大なプレート電流が流れてプレートが真っ赤になっていたのです。

よくよく振り返ってみると、数時間前から右チャンネルの出力が小さく、歪ぽかったです。新しく調達したレコードを聴いていたので、てっきりレコードの盤質が悪いのかと思っていたのですが、これが前兆だったのですね。

それに、前日は、新しく入手した12SL7のエージングのために、暑い部屋で10時間くらい電源を入れっぱなしにしていたことも影響しているでしょう。

さて、代わりのコンデンサをどれにするか?ですが、耐圧の大きいコンデンサは、手持ちが少なく、しかも4個揃えなくてはならず、選択肢として、OdioCapの0.22uF/630Vか、AuriCapの0.1uF/630V、TRWの0.1uF/630Vくらいなので、取り敢えずOdioCapにしました。

交換後は、こんな感じです。金色の円筒がそれです。ポリプロピレンと思います。

このOdio Capは、ご存じの方は少ないと思いますが、UK製です。

 

交換後にコンデンサの両端の電圧を測定してみると、電源投入時に一時的に510V位まで上昇し、その後、380V位で安定します。

元々搭載していたBlackBeautyが0.1uF/400Vなので、電源投入の度に、一時的に耐圧を30%近くオーバーしていた事になります。定常時でも耐圧ギリギリ。

これでは駄目ですね。危険です! 私はリスクを伴いながら使用していた事になります。

交換後、6550Cのプレート電流を測定してみましたが、正常値の35mA位になりましたので、6550Cは壊れていなかった様です。助かりました~、良かった、良かった~。

OdioCap使用時の音もまずまずです。カラッとしていて切れが良いです。現代的な音です。

しかし、BlackBeautyの音が忘れられません。

0.1uF/600V耐圧品を新たに調達するか、WestCap0.1uF/600V品を調達したい思います。

 

今回、その場に居るときの出来事なので、まだ救われたのですが、これが電源入れっぱなしで、近くに居ない時であれば、大惨事になるところ、場合によっては火災になるところでした。あな恐ろしや!

耐圧は、過渡時の電圧も考慮して選定しましょう!

これは、先生からもしつこく指摘を受けていました。身をもって体験しました。


もう一度、回路図をよく見ると、このコンデンサの片側(=前段6SN7のプレート)は、B電源から分圧して生成しており、出力管のプレート電流やこの6SN7のプレート電流が流れ出すまでの間は、電圧が高いままとなる事がわかりました。

反省として、自己責任と言えども、今後は安全設計に気を配りたいと思います。安全第一!!! 

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貴重球!1940年代TUNG-SOL Black 12SL7を入手。~ミラクル・サウンド!~

2018-05-25 12:55:08 | 真空管アンプ

久々に欲しかったST管をオークションで見つけたので購入しました。

TUNG-SOL製12SL7GT Black Glass、Round Plate、Oval Mica 1940年代生産 です。

これだけでは何のこっちゃ?となるので少し説明します。

TUNG-SOL---当時の米国真空管メーカーとしては、Sylvania、RCA等と並んで有名です。

12SL7--一般的には6SL7を使われる事が多いですが、このヒーター電圧が12V版です。

Black Glass--ガラスの内側が黒いです。

Round Plate--プレートが丸形(円筒形)です。勿論Black Plateです。Grayではありません。

Oval Mica--上部のマイカが小判の様な形をしています。

今回入手したものを写真で見ると、この様になります。

今回入手した物は元箱付きで、出品者の説明によるとNOS品の様です。

この球は、オークションでもなかなか見つかりませんし、見つかったとしても高額です。

同タイプで6SN7のNOS品ともなると、4諭吉以上となる物も有ります。

しかし、ヒーター12V品では少し値段がお安くなります。

これは、初段球として一般的にはヒーター6V品の6SL7が使われるためです。

私のアンプは、この理由も有ってヒーター電圧を12Vに改造しております。

早速、KT88プッシュプルのアンプにのせてみます。

今まで使用していた球は、同じくTUNG-SOL 12SL7のミリタリー仕様VT-289でUSから購入したものです。

実は、こちらのほうが、VT型番=ミリタリー仕様のため高価です。マイカはRound Micaです。

 

差し替え後、直ぐに音を聴いてみたい処ですが、流石に70年以上も前のNOS品なので、いきなり音を出すと、球もビックリしますし、今後の寿命にも影響しますので、ここはグッと我慢です。

約4時間くらい静かに通電後、少しずつボリュームを上げて、音を出してみます。

予想通りの音です。ミラクル!!!スペクタクル!!!な音です。この球特有の音ですね。

今まで使っていたミリタリー仕様よりも、もっと音に広がりがある様に思えます。

他のSlyvaniaなども持っていますが、ずば抜けて良い音がします。

昔のヴィンテージ品はやっぱり良い音がします。いやぁ~、昔の技術者、職人に感嘆します。

もう、これは博物館行きですね。(大袈裟でした)

 

それにしても、この球にして見れば、70年後に、まさか電気を通されるとは思っていなかったでしょうね。今回、私の手に渡りゾンビの様に蘇りました。

使用し始めたばかりなので、少し音抜けの悪い帯域もありますが、これからさらに良くなるでしょう。期待大!

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トーレンス(Thorens TD320 MkⅡ) + SME(3009 S2) ~おまけ その2~

2018-05-20 11:28:43 | レコードプレーヤー

今日は朝から地区の公園の一斉清掃に行ってきました。暑くも寒くも無く雨上がり後の草取りには適した天気でした。

草取りであれば、もっと効率的な方法があるとは思うのですが、住民で協力して行う活動の一環としては意義あると思いました。

 

さて、おまけのおまけとして、このトーレンスTD320のプラッターの重さを測定してみました。何かの参考になればと思います。

測定には今回新たに購入した以下の測定器を使いました。

2g単位で、最大50kgまで計量可能、隔測式 デジタル台はかり スケール 電子秤 風袋機能、オートオフ機能
←クリックでAmazonに移動が出来ます。
 

この測定器は、表示部が分離されており、被測定物を測定台に乗せても表示が隠れる事が無い所が大きな利点です。

10g以上、50Kgまで測定できて、測定範囲が広いです。10g以上と言っても風袋補正が出来るので、10g以上の風袋を乗せて測定すれば、2g単位の測定が出来ます。

品物を発送する時でも、これを使って重量の測定をしておけば、送料の概算が可能となります。

 

まず、純正のターンテーブル・シート(マット)の測定。508gでした。

アウター・プラッターの測定。2.14Kgでした。

インナー・プラッターの測定。804gでした。

これらを合計すると、508+2140+804=3452g=3.452Kg

モーターは、約3.5Kgのプラッターを駆動していることになります。

スタートボタンを押してから、規定回転数に達するまで、33回転で約5秒、45回転で10秒くらいです。

まあ、そんな起動時間に関しては、DJをやるわけでも無いので、どうでも良くてあまり気にしません。

 

このプレーヤーで聴き込んで行くと、得意とする音楽がもう少し分かってきました。

やはり、オーケストラ系などの大編成の音楽が得意の様です。

ジャズ系でもバックがオーケストラの場合は良い雰囲気です。バックとボーカルの分離が良く、ボーカルが浮かびあがってきます。ボーカルはエコーの効き具合、ビブラートの収束、息継ぎまで分かり、さらにマイクとの距離感まで分かる感じです。

カルテット等の少人数のバックでは力強さ、切れが少し足りないような。。。なのでロック系には少し不向きな様な気もします。ストリングスとか伸び伸びとゆったりとした音楽に向いている様に思います。

ただ、ロック系でもプログレッシブ・ロックの様な壮大な音楽には向いていました。

ギターでも、エレキではなく、アコースティック・ギターが得意な様です。バイオリン・ソロはどうでしょうかね。あいにく私はバイオリニストのレコードを持っていませんのでわかりません。

打楽器は少し不得手かも。ベース、チェロと言った低い音は得意かも。

こう考えてみると、低域、高域が得意で中域が多少不得手、アタックの強い音は多少苦手、音数が多い中での分解能は非常良いと言う事になるかも知れません。もう少し、色々な音楽を聴いてみたいと思います。

ただ、これは使用しているカートリッジ(私の場合SHURE V15 type3)やその他の環境にもよるので、一概に決めつけるわけにも行きません。あくまでも私のシステム環境で聴いた時の感想です。


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トーレンス(Thorens TD320 MkⅡ) + SME(3009 S2) ~おまけ~

2018-05-19 11:50:01 | レコードプレーヤー

ターンテーブルの裏蓋を取り外した際に、サブ・フレームの吊り部分の拡大写真も撮りましたので、おまけ?として載せておきます。

拡大写真です。

全体写真です。

サブ・フレームは、この写真の様に3枚の板バネだけで支えられています。

写真の状態では裏返しているので、サブ・フレームが自重で下がり、スプリング・ユニットがサブ・フレームとメイン・フレームの間でぶつかっていますが、使用状態では、サブフレームは、プラッターの重みで下がり、サブ・フレームとメイン・フレームは完全に板バネだけで繋がれるように見えます。

しかし、上の拡大写真の下側の穴部分をよく覗いて頂くとわかりますが、実はメイン・フレームとは板バネではなく、ワイヤーで繋がれています。要するに、実質、このワイヤーだけで繋がれている事になります。この事により、メイン・フレームや外部からの振動が伝わり難くなっています。

サブ・フレームの高さは、このワイヤーの位置を表側からのネジで調整する事になります。良く考えられていますね。

 

先日のひと通りの調整以後、今まで聴きなれたレコードを聴き直していますが、やはり良いですね。

溝に刻まれた音の情報を可能な限り引き出して、静寂の中に音楽があると言った感じで長時間聴いても疲れません。と言うことは歪が少ないのだと思います。

やはり、ターンテーブルも、振動を排除することで、ここまで情報量の多いクリアーな音が引き出せると言うことを学習させられました。

ターンテーブルの役目とツボを押さえた設計、構造になっていると思います。

・力まかせにテーブルを回さない。最低限の力で回す。

・回転するレコードと針、トーンアームは同じ土台(ベース)の上に置く。

・振動源のモーターは、音を拾う部分とは構造的に切り離す。

・動力源のモーターは最低限のトルクで、プラッターの慣性モーメントに任せる

 

SMEの3009S2に関しても、同じ事が言えると思います。溝を忠実にトレースして刻まれた音の情報を可能な限り引き出す事に徹しています。

その構造は、ダンプとか電子制御などに頼らず、いたってシンプルなナイフエッジのヤジロベエ方式です。

今まで聴けなかった反りの大きいレコードも楽々トレースしてくれて、やっと聴くことが出来ました。

 

ジャンルと問わず何枚かレコードを聴いた感想ですが、このプレーヤーは、音の情報量、分解能、低歪から言って、ジャズ、ロック系と言うよりは、むしろ大編成のクラシックのオーケストラ向きかも知れません。

フル・オーケストラを聴くと音場空間の広さや、それぞれの楽器の分離、定位の良さを感じます。

 

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トーレンス(Thorens TD320 MkⅡ) + SME(3009 S2) ~回転数の調整~

2018-05-12 11:02:23 | レコードプレーヤー

レコードを聴いていて、同じ曲のテンポがCDに比べ少しゆっくりに感じたので、回転数の確認と調整をしてみました。

恐らく調整が必要だろうと、ターンテーブルを分解し調整が出来る状態にしました。

調整のためには、その都度分解が必要なところが厄介です。

今どきのプレーヤーなら分解しなくても表から調整可能、更にはクォーツロックで調整が不要なのですがね。

でも、これがまたアンティークでマニアチックで良いですね。愛情を込めて調整しなさいって事かな。

裏蓋を開けて、基板を外しました。

念のため、電解コンデンサの膨らみ、液漏れを確認しましたが、大丈夫な様です。

この機種は、元々、エンド検出、オートリフトアップ機能があり、それが右側のコネクタからの出力と思うのですが、取り払われています。この機能が悪戯すると言って、態々取り外して使われている方もおられる様です。

調整は、基板の左端にある2個の半固定ボリューム(SVR)で33回転と45回転をそれぞれ調整します。

下の回路図から読むと、P1が33回転、P2が45回転の調整用ボリュームの様です。

 

調整には、FIDELIXさんがWeb上に掲載されていたストロボスコープを印刷して使用させて頂きました。

ボリュームを裏から調整するのは大変なので、基板自体をターンテーブルの横に取り出しました。

ストロボの光源は、LEDの豆電球を使いました。AC駆動で私の地域では周波数60Hzです。

調整風景は、こんな感じです。

これで、ゼブラのゲージが流れない様に、ボリュームを調整します。

調整前は、少し流れていたので、33rpm、45rpmとも再調整しました。 

調整後は、良い感じになりました。

タコメーター(回転数計)を使えば、もっと正確に調整できそうですが、私は絶対音感も持ち合わせていないので、これで充分です。

 

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ターンテーブル(Thorens TD320Ⅱ)+トーンアーム(SME3009) ~モーター駆動系のメンテナンス~

2018-05-11 13:49:31 | レコードプレーヤー

先日購入したトーレンス TD320 MKⅡのモーター周りの分解掃除とオイル注入を行いました。

分解してよく見ると、モーター部分のプーリーの構造は、この様になっていました。

分解前です。

六角レンチを使い2本のビスを緩め、プーリーを外します。

右側の金属蓋の裏側にフェルトが張り付けてあります。これが後に述べるクラッチの役目となります。(写真を撮り忘れました)

この金属蓋はモーターの回転軸に固定され、プーリーはサブ・プラッターとベルトで繋がれます。

バネが出てきました。サスペンションに相当します。さらに、下の円板も外します。

全部を取り外したところです。金属製円板が汚れていたので無水エタノールで洗浄しました。この金属製円板の裏側にはプラスチックのリングが付いています。

モーター軸に少量の注油をしておきました。

オイルは、タミヤ製のメタルオイルを使用しました。ノズルが付いているので狭い所の注油にはとても便利です。このオイルは本来ミニ4駆、ラジコン等のモーター等に使うオイルですが、Made in Japanの素晴らしいオイルです。個人的にはターンテーブル専用オイルの代用として充分と思います。

タミヤ HOP-UP OPTIONS OP-508 メタルオイル
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タミヤ(TAMIYA)

再度、組み戻したところです。綺麗になりました。

サブ・プラッターを取り付け、ベルト掛け、メイン・プラッターを取り付け、マットを乗せて、いざ動作させてみると、シュルシュルという音と共に回転を始めます。

そして、以前の回転始めのギュギュという音がしなくなっています。 サブ・フレームがブルっと揺れる事もありません。

調べてみると(構造から言っても)、これが本来のあるべき姿、動作なのです。

そう、トーレンスのターンテーブルには、クラッチ機構が付いているのです。これもトーレンスの特徴!

プラッターが重いので、モーターの回転を上蓋の裏のフェルトをクラッチとして滑らせながら、徐々に回転をあげて行き、プラッターを本来の回転数に持っていくのです。

下側の金属板はモーター回転軸に載せてあるだけなので、これもクラッチの役目をしています。

そして、この上下2枚板のクラッチをスプリング(サスペンション)で結んであります。

と言うことは、このサスペンションの強さ(テンション)でもクラッチの効き具合が変わるのでしょうね。

単純だけど、よく考えられた機構です。この機構が入手した状態では経年で固着していた様です。

モーターの駆動力(トルク)を最小限にして、あとはプラッターの慣性力に任せる。それでいて、回転数の制御は電子回路で行う。余分な動力源は音質に影響すると考えたのでしょうかね。

分解してみて、あらためて、このメカニズム、音質に対する考え方に感心しました。

エンジニアの心を擽ります。 

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ターンテーブル(Thorens TD320Ⅱ)+トーンアーム(SME3009) ~トラッキング・エラー調整~

2018-05-06 11:54:10 | レコードプレーヤー

トラッキング・エラーを調整しました。

調整用のゲージは、ある方がSMEトーンアームのトラッキング調整用としてネットに上げておられたシートの中から3009用を使いました。 

SMEの理論的解説から、自分で計算してゲージを作成されたそうです。ありがとうございます。

そのシートを使った調整後の様子です。


〇オーバーハング:17.8mm

 

〇トラッキング・エラー

中心から離れた2箇所ポイントでカートリッジが平行になっていると良いらしいです。

このポイントでカートリッジが平行になっていると良いらしいです。

・66.1mmポイント:大丈夫そうです。

・120.7mmポイント:大丈夫そうです。

 

調整後の音質変化は、ほとんど感じる事が出来ませんでした。

 

それよりも、このプレーヤーは暫くお休みされていたのか、使い込めば使うほど音が良くなっていきます。

ケーブル等が馴染んで来たのでしょうね。

このプレーヤーから出てくる音は、ほんとに瑞々しいです。音が生きています。

 

アナログ機器は、丁寧に調整すればする程、音質が良くなって行くので、この過程が楽しいですね。

ああでも無い、こうでも無いと試して、前進、時には後退、これが、オーディオの醍醐味ですね。

そして新しい発見や出会いがあると、またテンション・アップ! 嬉しくなります。

研究が尽きる事がありません。日々邁進!。

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ターンテーブル(Thorens TD320Ⅱ)+トーンアーム(SME3009) ~調整の続き~

2018-05-04 12:09:17 | レコードプレーヤー

交換用ベルトが到着しましたので、調整を続けます。

〇ゴム・ベルトの交換

 新品の相当品に交換しました。

 長さの違い。ゴム表面が新しく、喰いつきが良さそう。

 外側が旧品、内側が今回入手した新品。やはり伸びていた様です。

 交換後は、外れる事が無くなりました。

 

〇裏蓋を外してみました。

 こんな感じです。左上がトーンアーム。右上がモーターです。

 サブフレームは、3箇所の金属板とバネで支えられています。

 この金属板を調整する事でサブフレームの高さが調整できる様になっています。合理的ですね。 

 サブフレームのスピンドル受けから出たアース線がぶらりとしています。

 分解した時に外れたか?元々外れていたなら、他端子の接触の可能性があり危険なところでした。

 取り敢えず、形状的、距離的に金属シャーシの後面にあったグランド端子に挿入しておきました。

 トーンアームの出力端子は SMEオリジナルの4ピン特殊プラグでした。

 S2 improvedは、一般的なRCAプラグだったのでは?この形状のタイプもある?

 ケーブルを交換しようとも思いましたが、ケーブル、配線もSMEの思想が入っていて、線径、線材も考慮されており、それぞれの信号ラインで異なっていたりするそうです。欧州人はちゃんと考えていて無駄な事はしないとか。

 ケーブル交換は邪道と言う人もいますので、取り敢えずそのままとしました。

 結局、端子磨きだけを行い、元通りに組み直しました。

ついでに、モーター部の写真も撮りました。W-GERMANYとなっています。

 

〇カートリッジの交換

 今までのプレーヤーで使用していたSHURE V15typeⅢに交換しました。 

 リード線もZOOTの吟醸リードです。1940~60年代WE社製ブラックエナメル&シルク被覆AWG22単線。

 このリードは、しっかりと芯のある音で生き生きと再現してくれます。

 

アナログリラックス吟醸リード:ジャズスタンダード
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ズートコミュニケーション


 端子の磨き上げも行いました。

カートリッジ交換後は、ラテラルバランスの再調整、針圧の再調整を行いました。

針圧は1.2g程度に調整しました。

 インサイドフォースキャンセラーは、1.0gに設定。

 

さらに、オーバーハング、トラッキングエラーの調整もありますが、大きくはズレていない(OH約15mm有り)ものとして、一旦、ここで調整を終わりにして試聴してみます。

トラッキングエラーに関しては、SMEの技術解説によると、最内周6cmと最外周12cmでエラーが0になる様に合わせるとの事だとか?。少し勉強し後日やってみたいと思います。

 

<音質>

日本製のスタティックな性能を重視した音とは真反対で、実聴感上の音質、つまりダイナミック特性を重視した音です。

音が太く、情報量も多いです。楽器の分離、定位も良いです。ひとつひとつの楽器の音が聴き分けやすいです。

どう表現して良いのか、盤の溝に刻まれた音情報をきちんと音楽として聴かせてくれます。雑味な(耳障りな)音がありません。

柔らかくてふくよかな音です。

きっと、SNが良いのでしょう。音楽を上手く捉えて聴かせてくれます。

 

ターンテーブルが動きだす時は、ゆっくりと動き出し、ギュギュと軋み音(恐らくサブフレームのバネ音)と共に、徐々に回転あげて行き、サブフレームがブルっと動き、やがて回転が安定します。その間、約10秒くらい。

今にも壊れそうなところが、なんとアンティークで情緒があるのでしょう。

例えが良くないかも知れませんが、まるでプロペラ飛行機のプロペラが回転を始める時の様です。

最近ですが、「タモリ倶楽部」でゼンマイ式のLP用ターンテーブルが登場していた事を思い出しました。

この発想はモーターの電磁波を嫌ったとか。

また、ある人は、レコードを手回しした時が一番良い音がするとか。

ベルトドライブは、その考えに近いかもしれません。

 

今回、トーレンスTD320MK2に、SME 3009 S2 improvedSHURE V15typeⅢと言った、アナログファンの所謂、定番中の定番の組み合わせが完成しました。

これでアナログ再生マニアの仲間入りに一歩近づきました。 

愛着を持って 大切に使って行こうと思います。

 

今も再生しながら、書いてますが、気が付いた事があります。

綺麗に掃除した筈のレコードなのに、針に塵カスが付きます。これは、トレース性能が良いからなのでしょうかね。 

 

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