My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

6550Cの予備球としてほぼ新品をゲット!

2019-11-26 13:01:52 | 真空管アンプ

我が家のオーディオ・ラインアップには、KT88(同等管で6550、6550C)を使った管球アンプが2台有ります。

Mclintosh(マッキントシュ)275(上の写真)、それと自ら改造を施したKT88 PP(下の写真)です。

 

これらの出力管にはKT88(GoldLion Reissue)、6550(Tung sol Reissue)、6550C(Svetlana Winged-C)を試してきましたが、私は音質的に6550Cが最も好みで、以来両方のアンプとも6550Cを使ってきました。

6550Cは、低音の出方、ダイナミック感が他の球とはレベルが違います。

 補足) Svetlana Winged-Cについては以前にも書きましたが、ここに詳しく書いてあります。

    しかしながら、このWinged-Cは既に生産終了となっている様です。

6550Cはダブルプレートとなっていて、通常プレートの外側にもう一枚プレートが有り、この辺りが音質に関係していると思われます。

ところが、そろそろ寿命を感じ始めました。外観上でもゲッターが減っています。

そこでこの際と思い、GEC KT88やGold Lion(Original)KT88を狙っていたのですが、如何せん値段が高い!!!

仕方無しに Svetlana(SED)の6550Cのほぼ未使用品のペア x 2 = 4本をゲット。

バイアス調整が面倒なので、取り敢えず自己バイアスのMC275で動作確認を行ったところ、音は問題無し。

聴感上、この球の特徴である高域から低域まで良く伸びていて、力強い躍動感のある音がします。

部屋を暗くして観察すると、この通り↓。1本だけが青く光っています。

これはロシア管に有りがちな真空度が高い時に発生する青く光る現象らしいです。

 (アンプ表面をもう少し綺麗にしてから撮影すれば良かった⤵)

以前New Sensor(US)から直接購入したKT88や6550Cもこの現象が有りました。

今回入手したこの球は新品か使用時間が短いことで間違いない様です。手頃な価格だったのでラッキーでした。

 

折角なので、今まで使用していたものと今回のものを比較してみました。

(今まで使用していた球)

写真では分かりずらいですが、6年前に購入し使っていたものなので、ゲッターがかなり減少しています。

 

(今回の入手した球)

ベースにラベルが貼り付けてあります。Grade番号の同じものがペアになっているらしいです。

出荷検査時、測定されたんでしょうかね、シリアルナンバーもあります。

ゲッターも充分有ります。

長方形窓が旧Svetlana(後にSED)Winged-Cの特徴で、この窓から覗くとダブル・プレートであることが分かります。

現行Svetlana(SOVTEK)は丸穴になっています。

 

(並べて写真を撮ってみました)

上部に有るお皿ゲッターの形が若干違う様に見えます。

頭の部分、従来品はツルンとしていますが、今回のものは頭頂部に何かあります。

触った感じではガラス表面に凹は無かったので内部の様です。何なのでしょうね?

  

しかし、一度はGECやGold Lionの本物を聴いてみたい~! 欲望収まらず、、、。

 

では、最近購入したCDアルバムの中から紹介しましょう。

女性ジャズ・ボーカルのマルガリータ・ベングストンの「アイム・オールド・ファッションド」です。

「I'M OLD FASHIONED / MARGARETA BENGTSON」

 彼女はスウェーデンの歌姫と称されています。

アイム・オールド・ファッションド
←クリックでAmazonに移動が出来ます。
スパイス・オブ・ライフ

 

youtubeでも聴くことが出来ますが、一度聴いたら、自分の自慢のシステムで聴いてみたくなること間違いないでしょう。

 

 

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6C33C シングル・アンプ(FOX-BAT) ここまでの改造点まとめ。

2019-11-16 12:36:08 | 真空管アンプ

6C33C-B シングル・アンプの購入当初のオリジナルから、現時点までの改造点をメモとして残しておきます。


 


①初段、ドライブ段+B電源の左右分離 --- 詳細はこちら

 目的)左右のセパレーションを良くするため。

 結果)聴感上でセパレーションが向上しました。音場空間が広がりました。

 

②出力段+B電源の左右分離 -->詳細はこちら

 目的)①と同じ。

 結果)①と同じ。


③カップリング・コンデンサの交換 -->詳細はこちら

 色々と試しましたが、今は、スプラグのブラック・ビューティになっています。

 

④シングル・カソード化 -->詳細はこちら

 目的)省電力化

 結果)電力が3割削減できました。発熱も低下。

 

⑤カソード・パスコンの交換 -->詳細はこちら

  初段、ドライブ段は置き換え。出力段は容量アップ。

 

⑥真空管の交換

・初段 

 初期付属の球からSIEMENS ECC82の交換。→詳細こちら

 さらにTUNG-SOL 12AU7(スクエア・ゲッター)に交換。→詳細こちら

 

・ドライブ段 ーー> 詳細はこちら

  付属のECC82系からドライブ能力の大きい12BH7Aに交換。

  かなり変化しました。腰のある力強い音になりました。

 

色々と弄ってきましたが、この6C33C-Bシングル・アンプ(FOX-BAT)はオリジナルの初期状態でも、非常にバランスの取れたハイファイ的な音質の優秀なアンプです

今回の様に球交換で、色々な音色を楽しむことが出来そうです。特にドライブ段の球交換で音質変化が出易いと感じました。

私の様に古いビンテージ管を使うと、枯れた癖のあるサウンドになり、古い録音のジャズには適していますが、最近の録音の物には苦手の様です。特にデジタル録音された音源は苦手かも。聴く音楽によって球交換するのも楽しみのひとつですね。

今後、検討するとすれば、音がもう少し前に出てきても良いと思うので、負帰還量の調整辺りですかね。時間がある時にやってみます。ひとまず、ここまでで、ひと休憩です。

 

※重要:

お断りしておきますが、この改造は私個人が趣味で行なったものであり、動作や音質の保証するものでなく、また改造を推奨するもではありません。

 

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6C33C シングル・アンプ(FOX-BAT)の進化(第4弾) ~球の置き換え(続き)~

2019-11-15 14:14:08 | 真空管アンプ

今日は、さらに初段管の12AU7(ECC82)も交換してみました。

ここにも年代の古いヴィンテージ管を使えば、もっと音が枯れるのではという目論見です。

今使っているのはSIEMENS ECC82。これも優秀なビンテージ管です。

これを私の球コレクションの中から年代の古いTUNG-SOL 12AU7に交換。

特徴は写真の様にスクエア・ゲッターです。

1950年代の製造らしい(購入時の出品者コメント/海外から購入)。今から60年以上も前!

確かRCA 12BH7Aも1960年代だった様な。

 

これで、初段管、ドライブ管ともMADE IN USAになりました。出力管はMADE IN RUSSIA。

初段管    12AU7 TUNG-SOL

ドライブ管  12BH7A RCA

出力管    6C33C-B  SOVTEK

 

さて、出てきた音は目論見通りで、さらに枯れた音になって録音の古いJAZZやROCK、BLUESには雰囲気たっぷりで良い感じです。 やはりその当時の音楽は、その当時の球や機器で聴くのが正解かも知れません。多分、それに合わせて録音されているのでしょう。勝手な想像ですが。

こう試してみると、プッシュプル・アンプよりも、シングル・アンプの方が、球の違いが顕著に音質に現れる様な気がします。

 

それにしても、このアンプ、購入時当初に聴いたハイファイ的な音からは180度違う音になってしまいました。

シングル・アンプでこんな力強い音が出るのなら、プッシュプルやOTLにしたらどの様な凄い音が出るのか興味が沸きます。これもこの出力管6C33Cがプレート抵抗が120Ωと低いおかげなのでしょう。同じく低抵抗の5998と比べても半分以下です。(ただ私は6C33Cをシングル・カソードで使ったのでプレート抵抗が倍)

しかし5998は双三極管なので一本でプッシュプルが組めますが、6C33Cはダブル・カソードと言っても内部で繋がっているため、プッシュプルにするにはもう一本必要です。今のシャーシにはスペースが有りません。残念。

 

今日はこんなアルバムを聴いてみました。いずれも定番。言わずと知れたテッパン。

「Somethin' Else/Cannonball Adderley」 1958年録音 

Somethin' Else
Blue Note
Blue Note

マイルスのトランペット、アート・ブレイキーのドラムスも心地良いですね。渋いです。

ラッパやシンバルの音も評価どころです。


「Ella and Louis」 1956年録音 

エラ・アンド・ルイ
ユニバーサル ミュージック
ユニバーサル ミュージック

エラとアームストロングのボーカルの枯れ具合が良いですね。味わいがあります。


「You'd be so nice to come home to/Helen Merrill」 1954年録音

helen merrill
Polygram Records
Polygram Records

この声は魅力的です。演奏も素晴らしい。クリフォード・ブラウンのトランペットも最高。

これはEmArcy(Mercury)のアナログ・レコードも持っています。US製「MASTERDISK」の刻印があります。ずしりと重いです。

アレンジはクインシー・ジョーンズだったのですね。初めて気づきました。

 

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6C33C シングル・アンプ(FOX-BAT)の進化(第3弾) ~球の置き換え(続き)~

2019-11-14 14:32:09 | 真空管アンプ

ドライブ管の交換で良い感じの音になったので、さっそくECC99も試してみました。

この4本が手持ちで有りますが、今回使用したのは左の2本。右の2本は足が金メッキになっただけと思う。

JJ製のECC99は現代管で、12BH7Aの直線性とプレートの耐圧をアップしたものでグリッドには放熱フィンが付いている。ヒーター電流も0.8mA(6.3V並列)と多め。トランス容量がいよいよギリギリになってきた。

 

交換後の音質は、フラットな音になり、結構色々なジャンルの音をこなせる様になった、と思う。

しかし、音が何だかごちゃとしているし、何となく味、コクが無い。音も弾まない。

RCA 12BH7A(ブラックプレート)の時の音と明らかに違います。

特に、先に紹介した「SAXPHONE COLOSSUS/SONNY ROLLINS」「TIME OUT/DAVE BRUBECK QUARTET」などの少人数アンサンブルで顕著です。

これは、ビンテージ球RCA 12BH7A(ブラックプレート)現代球JJ ECC99の違いがあるかも知れませんが、低音の沈み込み、高音の切れなどが明らかに違います。

と言う事で元のRCA 12BH7A(写真のもの)に戻して、再度聴き込みましたが、ウッドベースの胴鳴り、バスドラムの沈み込み、シンバルの切れ、サックスの枯れ具合・響き、ピアノの音が明らかにこちらが良いです。どう良いかって、言葉では難しいですが、音のコクや、リズム楽器がハッキリとし弾むので演奏全体が気持ちよくSWINGします。

こんな音のアンプは初めてかも知れません。今までのアンプとは趣の違うアンプです。

球の違いでこんなにも音色が違うのですね。殆どこの12BH7Aの音色が出ていると思います。

とにかく音が濃厚で深い味わいが有ります。ウイスキーで言うところの十数年も樽に寝かし熟成された深いコクのある味です。個性的で独特の魅力がある音です。唯一無二? この様な人を引き込む音や音楽は何時までも脳裏に残ります。


「Waltz for Debby/Bill Evans Trio」でも会場での人の話し声、グラスの音も良く聴こえます。何しろSCOTT LAFAROのベースがとっても良い感じで響きスイングします。  

WALTZ FOR DEBBY
CONCO
CONCO


私は普段JAZZ VOCALを除いて、古めのJAZZはあまり聴きませんが、このアンプで聴くと各楽器の音と演奏がとても心地よく響き、スイングしてビートが乗り気分高揚し聴き入ってしまいます。目の前で演奏している様です(言い過ぎかも?)。


久々に「TIME OUT/DAVE BRUBECK QUARTET」を最初から最後まで通して聴いてしまいました。それだけ魅力のある音だったのです。 

Time Out
Sony
Sony


その後、立て続けに「MEETS THE RHYTHM SECTION/ART PEPPER」も通しで聴いてしまいました。 

Art Pepper Meets The Rhythm Section
Ojc
Ojc


一方で、現代のジャズ、ポップとか大編成のオケを聴くと少し不自然さを感じます。

DIANA KRALLでも少し枯れて年配に感じます。

少人数のバックバンドの時は良い感じですが、オケのバックはちょっと苦手の様です。

All for You」「Love Scenes」はOK「When I look in your eyes」は少し苦手の様です

やはりオーディオって難しいですね。オールマイティとはいきませんね。

音の繊細さとか緻密さではオリジナルの12AU7に軍配が上がり、音数の多い大編成のオーケストラとかクラシックには向きますが、私が言うところの力強い押し出し感、弾む感じ、バイト感、独特の枯れた感じは12BH7Aの方が良く、小編成の比較的音数が少なく録音の古い(50~70年代)ジャズ、ロックに向いている様です。


そう言えば、このオリジナルFOX-BATのアンプを購入する時に、お店で同時に2A3や300Bと比較試聴しましたが、確かに、このFOX-BATは他に比べてハイファイ的な音だった事を思い出しました。その当時はその音が良いと思って購入したのですが、真空管アンプを色々と聴いているうちに音の好みが変わってきたと思います。どちらかと言うとオールド・ビンテージ嗜好、個性的な音を求める様になって来たのかな。

 

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6C33C シングル・アンプ(FOX-BAT)の進化(第2弾) ~球の置き換え~

2019-11-12 17:26:26 | 真空管アンプ

シングル・カソード化後、しばらく聴きましたが、音質が上品であっさりし過ぎて何だか楽しく有りません

なんとか成らないものかと、初段やドライブ段の球の置き換えを検討しました。

オリジナルでは、初段、ドライブ段ともに12AU7(ECC82)が推奨となっています。

回路的には初段はSRPP回路、ドライブ段はパラ接続の位相反転増幅回路となっています。

現在、初段はSIEMENS E82CC、ドライブ段にはBRIMAR 13D5(12AU7軍用)を使っています

取り敢えず、球のDatasheet上の定格とプレート特性を眺めながら、手持ちの球の中から候補選びをしました。


①初段

Gold Lion(reissue)のE81CC(12AT7)を使ってみました

この球は12AU7よりもu(ミュー)が高いため、若干音量が上がりました。

音質は、この球の傾向通り、少し荒い音となってしまいました。

交換後の各端子の電圧は元の設定値からズレてしまいます。

結局、これは元通りの球に戻しました


②ドライブ段

現在の電圧設定から使えそうなRCA製12BH7A(ブラックプレート)に挿し替えてみました。

交換後の各端子の電圧も元設定値から大きく変わりなく動作点も良さそう。ゲインは少し下がりました。

ヒーター電流が元の球の倍となりますが、電源トランスの6.3V端子容量ギリギリで大丈夫そうです。

音質は、重心が下がって、かつ音に張り、馬力が出てダイナミックになりました

コレです!この音! 私好みの音になりました! 音が生き生きとしてます。水を得た魚の様です。

躍動感が出てきました。聴いていてウキウキ、嬉しくなります。心が弾みます。

音の粒立ち、解像度はそのままです。

「SAXPHONE COLOSSUS/SONNY ROLLINS」も更に良い雰囲気でSwingします。

「Miles Davis」も良いです。やっぱり古い球はJazzに向いているのかな。



やはり、この6C33Cを生かすには、この様なドライブ力のある球を使うのが正解なのでしょうね。

そうすることで出力管の本来の良さが出てくるのでしょう。

12BH7AはマッキントシュMC275用で確保していた物ですが、他にも使い途が出来て良かった。

RCA製を何ペアか持っていますが、今オクを見ると結構いいお値段していますね。

10年前はそんな価格では無かったと思います。当時海外からドル買いしたので詳しくは分かりませんが。

直線性を改善したECC99も持っていますので、そのうちに試してみたいと思います。 

 

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6C33C シングル・アンプ(FOX-BAT)の進化 ~シングル・カソード/ヒーター化~

2019-11-09 12:35:13 | 真空管アンプ

以前のブログに書いた通り、この6C33C-Bの球アンプは大飯喰らいで発熱が半端ないです。そのためこのアンプの稼働は冬場と決めています。

これからの冬場に向けて、このアンプにさらに手を加えるところは無いかと、ここ1ヵ月以上ずっとこのアンプ本体と回路図を眺めながら考えていました。

その結果、低消費電力化と更なる音質改善を図ることが出来ましたので紹介します。

 

<具体策>

①シングル・カソード化

まず第一にこの消費電力、発熱を抑えることです。高発熱は球の寿命に対しても良くないかも知れません。

そこで、思い立ったのが、6C33Cのシングル・ヒーター化です。

この球は、ロシアのMIG-25戦闘機にも使われたくらいなので、信頼性のためヒーターがダブルになっていて片方が切れても、動作する様な構造になっています。

 

Web上でこの球に関する投稿を漁っていると、シングル・ヒーター、シングル・カソードの製作例を目にします。

何でも、オーディオ用途で使うには、シングル・カソードのほうが「利有って害無し」とか。

消費電力も削減が出来るし、寿命が来てももう片方のヒーターが使えるので寿命が2倍? Datasheet上では6C33C-BのOperation timeは750Hrとなっています。意外と短い?

6C33Cのデータ・シートにも、ダブル・カソードの場合とシングル・カソードの場合、両方のV-I特性が載せてあります。 左がダブル・カソード、右がシングル・カソードです。

最大プレート損失はダブル時の60Wからシングル時は45Wに減少します。

シングル・カソードにした時のロード・ラインを引いてみました。

OPT1次側インピーダンスは、正弦波の電圧比より算出。

すると、ナント! オリジナルよりも綺麗なところに来るではないですか! アレ?って感じです。

改造はいたって簡単で、現在ヒーター6.3Vが並列になっている所を片側にするだけです。 

バイアス電圧は-70V、プレート電流は140mAで調整しました。プレート電圧は222V。

 

②コンデンサの交換

お得意のカソード・パスコンの換装です。

1)初段

ATOM250uF/16Vを手元に有ったFRAKO 470uF/16Vに交換。

2)ドライブ段

ニチコン47uF/160Vを手元に有ったBMI 56uF/350Vに交換。

ここでの音質変化は大きく、籠りが無くなりクリアーになりました。

3)出力段

ATOM 100uF/50Vに手元に有ったATOM 100uF/100Vをパラに追加。

いつものパラ作戦です。

 

③6C33C-Bを新品に交換。

データ測定品を入手済みだったスペアに交換。ペア取り品。

ピンはいつも通りの方法で磨きました。

 

<結果>

①消費電力の違い

オリジナルのダブル・ヒーター

ヒーターのみ(117W)      稼働状態(194W)

          

シングル・ヒーター

ヒーターのみ(73W)      稼働状態(138W)

         

稼働状態で約3割の電力を削減する事が出来ました。


②周波数特性 (8Ω抵抗負荷)

オリジナル

(正弦波)  

20Hz                      1kHz                    40kHz

    

(矩形波)

100Hz                   1kHz                     20kHz

    

 

シングル・ヒーター

(正弦波)

ダブル・ヒーターと同じでしたのでデータを記録していません。

(矩形波)

100Hz                    1kHz                       20kHz

           

矩形波でも変化なく同等です。 


<音質>

まさに美音です。歪が少ないのでしょう。

特にストリングスやピアノの音が綺麗です。

ひとつひとつの音の分離、粒立ち、響きが良く、音の伸びもあり、聴いていて心地よいです。

音に澱みがなく、透明感があり、今まで埋もれた音も聴こえてきます。

音量を大きくしても五月蝿くなく疲れません。ゆったりと時間が流れる感じです。

例えば「SAXPHONE COLOSSUS/SONNY ROLLINS」の1曲目のシンバルの音が手持ちのアンプで一番綺麗です。 

また「 I've Got You Under My Skin/DIANA KRALL」の遠くで鳴っているハープの音やオケの細かい音を聴きとる事が出来ます。ストリングスと他楽器の配置も良いです。

これがシングルアンプの音なのでしょう。

オリジナルのダブル・カソードよりもさらに美音になった様に思います。


ただ、これだけを聴きいているとあっさりしすぎて魅力に欠け、飽きてしまいます。だんだんとつまんなく思えてきます。なんだかなぁ~って感じです。

オーディオって難しいですね。美音なだけじゃダメなんですね。

ここですよね、ココ!。現代のデジタル・ハイレゾとヴィンテージのアナログの違いって。

音楽性とか魅力的とか味わいとか躍動感とかワクワクする感じが。

 

矩形波応答波形で見てもわかる通り、低音にパンチ、押し出し感がありません。

ロックやポップを主に聴く私は、5998やKT88 PPの様に力強く、バイト感、押し出し感のある音が好みです。

多少歪感のあるザリッとした感じが合っています。美音過ぎると味気なく何となく物足りないです

まあ、好みや聴く音楽の違いにも依るでしょう。

 

最後に稼働中の写真です。

ヒーターが片方だけだと少し寂しい気もします。


ここで紹介したアルバム: 

SAXOPHONE COLOSSUS
Prestige
Prestige

この1曲目のシンバルの音です。

抜けよくクリアーに響くこと、また金属質過ぎず木製スティックの質感もある事などです。

 

When I Look In Your Ey
Unive
Unive

この6曲目でのストリングスの響きと最後のハープの音です。ハープは左後方で鳴っています。

ストリングスとピアノ、ギター、ベース、ドラム、ボーカルの位置関係やバランスも評価どころです。

また、8曲目のブラシ・ワークも評価どころです。

13曲目のオケの音とボーカルとのバランスも良いですよ。オケにボーカルが浮かび上がります。

 

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