My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

WE421A ppアンプの更なる改良。~ドライブ段~

2022-05-31 13:31:14 | 真空管アンプ

計画で書いた様に、WE421Aを強力に駆動する様にドライブ段の見直しを図りました。

結論から書くと、

6DJ8系を使用し最適な動作点とする事で、かなり良い結果が得られました。

 

以下、実験経緯です。

はじめに、候補として挙げた球の規格を比較してみます。

ここで注目すべきは内部抵抗、そして注意が必要な項目は最大プレート電圧と損失です。

表から分かる様に、最も内部抵抗が低いのはECC88系です。但し最大プレート電圧が低い。

ここに着目しながら、球選びと設計。

まず選択したのは、6C33Cで好結果が得られた12BH7Aです。

この球に合わせて設計した動作点がこちら。動作点は150V 8.5mA。

今回は次段も含めた交流負荷線も引いてみました。

この設定で音を聴いてみると、悪くはありませんが何だか満足出来ません。ちょっと籠り気味で音抜けや広がりが今一歩って感じです。歪も少し多そう。

6C33Cの時と同じ様なロードラインにしたのだけど、どうも聴感上の様子が違う。

回路構成や出力管によって違うのかな? 

差動回路に使うには直線性が悪く適してないのかな?と思い、12BH7Aの直線性を改善したECC99に交換してみたが同傾向。6CG7/6FQ7は手元に無かったので検討は中止。

 

そこで、次にECC88(6DJ8)系で設計し直しました。内部抵抗が12BH7Aの半分の2.6kΩです。

但し最大プレート電圧と損失に注意が必要です。

E88CC(6922)であればEp(max)220V有りますが、ECC88(6DJ8)では130Vです。

ECC88(6DJ8)でも使える様に設計します。

ここを考慮して引いたロードラインがこちら。動作点は、112V 9.5mA。

この状態で聴いてみると、良い感じです。

12BH7Aよりもかなり良い。歪も少なく感じる。

かなり音質が向上した。

音数が増えて、分厚い音になった。低音も良く出て、アタック、キレも良い。

ドライブ能力が向上したと言う事かな。

ドライブ段に使う球は、ECC88(6DJ8)系に決定です。

 

更に、ECC88とその高信頼管E88CCでは様子が違う。

E88CCのほうがノイズが少なく、音質も良い。

恐らく、製造工程、条件が違い、時間を掛けて丁寧に作られ高信頼性、と言う事が音質にも現れている。(個人的な想像)

 

実験的に、E88CCを使って、最大プレート損失を超えない様に注意しながら、電圧と電流を振り音質確認したところ、電圧を下げて電流を流した方が歪が少なく音数も多く、アタックも良く、音が厚く感じられました。

Vp100V、Ip10mA位が良さそう

先輩諸氏の設計を参考にすると、6DJ8系は電圧低め100Vで電流を多め(10mA位)、負荷抵抗は5k~20kΩが高域特性が良く、歪率も優れると書かれていますが、実験でもその通りでした。

 

 

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WE421A ppアンプの更なる改良計画。~設計変更など~

2022-05-28 14:37:40 | 真空管アンプ

WE421Aは、Western Electric製双3極管で、1本でプッシュプル構成が出来る事と、本来整流用なので内部抵抗が低い事が特徴です。隠れた銘球とも言われています。また中古市場でもWE出力管としては比較的良心的な取引価格と思います。同等管としてTUNG SOLの5998が有ります。

 

<見直し点1>

過去の改造経緯として

このアンプのオリジナル出力管は6AS7Gで、バイアスが深く(約-95V at Vp200V)、使い難い球の回路でした。

これをTUNG-SOL5998やWE421用として、バイアスを浅く(約-30V at Vp190V)しました。

また、この球は6AS7Gに比べμ(ミュー)も大きいので使い易い。

しかし、ドライブ段は元の6AS7G用の深いバイアスを振るための設計のままで、5998用としては無駄に余裕のあるものでした。

WE421Aや5998専用となった今では、ドライブ段はパワーの取れる球を使い、振幅よりも寧ろ電流をたっぷりと流し、強力にドライブした方が良いのではと思う。

具体的には、今はE88CCを使用していますが、これを例えば12BH7Aとか6FQ7/6CG7へ置き換えてロードラインを引き直す。但しE88CCやECC88も使える様な設定にしておく。

E88CC使用の場合でも、より最適な動作点がある様に思う。

 

<見直し点2>

E88CC⇒12BH7Aに変更すると全体のゲインが低下するので、初段とPK分割段のECC82を少しμの高いECC81へ変更。ロードラインも引き直し。

検討しましたが、12AT7はVk/fは90Vmaxの制約が有るため、PK分割段への使用は難しい。

 

<見直し点3>

グランドラインに引き回し変更。

 

<見直し点4>

B電源回路を小変更。

 

<見直し点5>

Western ElectricのVintage Cable(ブラックエナメル、絹巻、ロウ引き)を部分的に使用。

 

それぞれについて、次回以降に順を追って掲載したいと思います。

 

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古き良き時代の洋楽好きには堪らない本!持っておきたい一冊。

2022-05-21 15:13:11 | 音楽

以前から欲しかった本を買いました。

それは、

「ビルボード年間チャート60年の記録 1955年~2014年」

です。

内容は殆どがチャートで、それ以外の事はほんの少ししか書いてありません。

これで良いんです。でも、それも貴重な内容ですよ。目次の下の方を参考にしてください。

 「ナンバー1の記録」---シングル1位獲得週数No.1は?なんとあの人です。

            ---シングル1位獲得枚数No.2でもあります。

             ヒントは女性ボーカルです。

 他には、「息の長い大ヒット記録」「HOT100登場数ランキング」など。

この様にチャートを1冊に纏めてあるのは、世界にこの本だけだそうです。

私は学生時代、深夜放送で毎週発表される全米チャートをチェックしてノートに書き留めるほど洋楽好きでした。

番組名は、AMラジオで放送されていた「全米トップ40」だった様な気がします。

DJは湯川れい子さんとラジオ関東の坂井隆夫さんだったと思う。懐かしい~。

しかし、そのノートは今やどこへ行ったやら? 

でもこの本で遡る事が出来ました。この本には毎週ではなく年間ですが仕方ありません。

湯川れい子さんも大推薦です!。

詳細は、Amazonを参考にしてください。

 

また、こんな本も。

「洋楽ロック&ポップス・アルバム名鑑 1955-1970」

「同1971-1977」「同1978-1985」

こちらも懐かしく、読みごたえが有ります。

音楽を聴くときに傍に置いておきたい本です。

 

さらに、この6月にはレコードコレクターズ創刊40周年記念で70年代のロックアルバムをまとめた物も発売されました。私は当然購入しました。

 

世代なので、70年代が特に熱いです。

この頃は歌詞の意味はよく分からなくてもリズムやメロディーが身体に刺さって何回も繰り返し聴いてた曲が多いです。飽きないですね。今聴くと当時の頃が蘇ってきます。

これらは洋楽ファンなら持っておきたいバイブルです。

 

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やっぱり良い物は良い!!! ~Telefunken(テレフンケン)~

2022-05-18 12:48:00 | 真空管いろいろ

最近なんだか調子悪いな~。何か変だな~。腰が座ってない浮ついた音。芯の無い位相が回った様な定位がハッキリしない音。こんなだったかなぁ~?何が悪いのだろう~? と暫し悩んだ。

こうした少しの音質変化でも敏感に感じるのは、損な感性の持ち主なのか?得なのか?

オーディオを永くやっていると自ずと聴覚が鍛えられますね。

「損」と言えば、お金が掛かってしょうがない。

「得」と言えば、音の変化を感じながら『弄り』を愉しむ事が出来る事、かな。

 

それは兎も角として本題に戻り、「もしや?」と思い、プリアンプの差動増幅段の球交換

結果は、やはり、コイツでした。交換後は生き生きとした元気な音を取り戻しました。

 

これまで使っていた球:

Mullard(ムラード) 7614/CV2493

Dimpled Disc Getter/Made in Great Britain/Gold pin  ECC88互換。

下部に黒化が見られます。他の回路で使い倒していたので寿命だったのかも知れません。

こんな時に真空管測定器があれば便利なのですが、持ち合わせていませんので、自分の耳で判断するしかありません。

 

交換後の球:

Telefunken(テレフンケン) ECC88

ダイヤマーク♢付 消えかかっていますが、製造LOTも印字有り。

10年以上前に秋葉原のク〇シック・コン〇ーネンツで購入。

高価だったので、勿体なくてあまり使っていません。

 

交換後の音は、流石ですね。しっかりした優等生の音です。やっぱり良いものは良いです!

見通しが良くて、芯の有る音です。音空間表現も良いです。やっぱMT管の最高峰ブランドですね。

 

しかし、暫く聴いてから、また勿体なく思えてきて、この球はいざと言う時のために大切に保管しておく事とし、他の元気な球に交換してしまいました。貧乏性ですね。

とは言うもの、Telefunken以外に10年以上前からどうしても聴いておきたい欧州球があって、また食指が動きそうです。

 

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