My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

電源トランスの鳴き(唸り)

2024-03-31 11:36:55 | 真空管いろいろ

1年位前から気になっていた「6C33C真空管シングルアンプ」の唸り音

スピーカーから聴こえるハムではなく、アンプ本体のメカ的な唸り音です。

この原因を突き止めて対策する事が出来ました。

聴診器の様な物を当てて探したところ、唸り音の発生源は電源トランスでした。

 

では、どの様にしてこの唸りを抑えるか?ですが、考えられる方法は以下のふたつ。

 ①機械的(構造物的)に振動を抑える。

  例えば、電源トランスの振動が出来るだけシャーシに伝わらない様にする。

 ②電気的に唸らない様にする。

  1次側にDCが乗ると、トランスが唸る事があるとか。

 

①はスマートな方法では無いし、そもそも電源トランスが唸る事自体が通常は無い事なので、②の方向で考えました。

そこで目を付けたのが、電源トランス1次側0~100Vの間に並列に入っているスパーク・キラー(47nF+47Ω)。

(回路図上)

(実装状態) 

スパーク・キラーは、キャラメル状の部品。

 

そういえば、他のアンプでは、スパーク・キラーはこの様な使い方をしていないし、稼働時に常にスパーク・キラーが入っていると音質に影響が有ります。

そうですよね。電源トランスの1次側の影響って、2次側のB電源では2倍~3倍で効いてきますからね。

そのため、他のアンプでは、電源スイッチON時のスパーク対策はスイッチに並列に入れている事が多いです。こうする事で稼働時はショートになり影響が有りません。

(回路図上)

早速、このスパーク・キラーを取り外し、その代わりにスイッチの両端に0.01uF/400Vのフィルムコンデンサを取り付けました。

(実装状態)

フィルム・コンデンサは黄色の筒状の部品。

 

変更後の結果は、電源トランスの唸りはかなり小さくなり、気にならない程度になりました。

アンプの音質も、以前と比較して歪っぽさが無くなった様な気がします。

この唸りがアンプ出力に影響していたかも?

 

そして、取り外したスパーク・キラーをよく観察すると、ケースの表裏共にひび割れていました。

これって、スパーク・キラー自体が鳴いていたのかも知れません。 

 

ところで、スピーカーのエッジ交換作業を実施して以降、久々にオーディオ熱が再燃してきました。

この6C33Cシングルアンプを設計的に少し弄ってみました。

内容については、また次回。

 

コメント (3)
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やっぱり良い物は良い!!! ~Telefunken(テレフンケン)~

2022-05-18 12:48:00 | 真空管いろいろ

最近なんだか調子悪いな~。何か変だな~。腰が座ってない浮ついた音。芯の無い位相が回った様な定位がハッキリしない音。こんなだったかなぁ~?何が悪いのだろう~? と暫し悩んだ。

こうした少しの音質変化でも敏感に感じるのは、損な感性の持ち主なのか?得なのか?

オーディオを永くやっていると自ずと聴覚が鍛えられますね。

「損」と言えば、お金が掛かってしょうがない。

「得」と言えば、音の変化を感じながら『弄り』を愉しむ事が出来る事、かな。

 

それは兎も角として本題に戻り、「もしや?」と思い、プリアンプの差動増幅段の球交換

結果は、やはり、コイツでした。交換後は生き生きとした元気な音を取り戻しました。

 

これまで使っていた球:

Mullard(ムラード) 7614/CV2493

Dimpled Disc Getter/Made in Great Britain/Gold pin  ECC88互換。

下部に黒化が見られます。他の回路で使い倒していたので寿命だったのかも知れません。

こんな時に真空管測定器があれば便利なのですが、持ち合わせていませんので、自分の耳で判断するしかありません。

 

交換後の球:

Telefunken(テレフンケン) ECC88

ダイヤマーク♢付 消えかかっていますが、製造LOTも印字有り。

10年以上前に秋葉原のク〇シック・コン〇ーネンツで購入。

高価だったので、勿体なくてあまり使っていません。

 

交換後の音は、流石ですね。しっかりした優等生の音です。やっぱり良いものは良いです!

見通しが良くて、芯の有る音です。音空間表現も良いです。やっぱMT管の最高峰ブランドですね。

 

しかし、暫く聴いてから、また勿体なく思えてきて、この球はいざと言う時のために大切に保管しておく事とし、他の元気な球に交換してしまいました。貧乏性ですね。

とは言うもの、Telefunken以外に10年以上前からどうしても聴いておきたい欧州球があって、また食指が動きそうです。

 

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KT88系真空管の聴き比べ。~4種類のまとめ~

2022-02-15 14:06:26 | 真空管いろいろ

手持ちのKT88系真空管の聴き比べがひと通り終了したので、簡潔にまとめをしたいと思います。

今回比較した球は、

 ・GEC KT88(オリジナル、ヴィンテージ品)

 ・Gold Lion KT88(Reissue、復刻品)

 ・TUNG SOL 6550(Reissue、復刻品)

 ・SED 6550C(Svetlana Winged-C)

の4種です。

 

<外観>

並べて撮影してみました。

左から、GEC KT88、Gold Lion KT88、SED 6550C、TUNG SOL 6550 になります。

GECとGold Lionは、ガラスの形がよく似ていてます。大容積です。

SEDだけは、ストレートガラスです。GT管タイプ。

TUNG SOLは、ダルマ型で、他に比べ小容積です。

プレートの形状もそれぞれ違います。

GECは特徴的な形で窓穴が有りません。

SEDはプレートが2枚有ります。

マイカ板は、SEDのみ2枚、他は3枚です。

ゲッターは、SEDがトップのみ、他はトップとサイドです。

 

<音質>

順位付けするなら、やはりGECがNo.1ですね。

低域から高域までよく出ています。それに中域に張りが有って艶とコクが有ります。独特の年代を感じます。しかし勿体なくて長い時間は使いたく無いです。

次にはSED(Svetlana)の6550Cです。

GECほど張り・艶・コクは有りませんが、雄大でスケール感があって良いです。

クラシック、ジャズ、ロック、現代のポップまでどんなジャンルでも良く表現します。

聴いていて気分爽快です。ずっと聴いて居たくなります。私の常用管です。

Gold Lion(復刻)も良いです。帯域が広く無難にこなします。現代風の音です。

TUNG SOL(復刻)は音楽を選ぶようです。少し篭り気味で小編成のジャズ等に向きます。

詳しくは、それぞれの聴き比べに書いています。

 

<その他>

今回の比較した後でふと思ったのですが、KT88と6550を同じ回路で比較して良かったものかと。

そもそも電圧設定等を変更する必要があったのでは?と思い、改めて其々のデータシートを比較してみた。

ひとつは、スクリーン・グリッド電圧(Vg2)。

UL接続の場合、KT88は600Vmax.に対して、6550(Tung Sol)は500Vmax. 、6550C(SED)は400Vmax.(UL時か記載なし)となっている。

で現状はと言うと、トランスのUL端子から100Ωを介してSG2に接続しているので、480V程度となっている。

お気に入りの6550Cを使った時が心配ですが、SV6550CのDatasheetには、"is designed to be a direct replacement for any 6550"と書いてあるので信じる事にしよう。

また、コントロール・グリッドの抵抗に関して、

固定バイアスの場合、KT88の100kΩMax.に対して、6550(Tung Sol)は50kΩmax.、6550C(SED)は記載無しとなっている。

で現状はと言うと、180kΩ位となっている。ここはあまり小さくするとドライブ段の負荷が重くなるのと、現状は暴走などの異常は無いので、あまり下げたくないですが、取り敢えず100kΩ位に下げてみるかな?

 

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KT88系真空管の聴き比べ。~SED 6550C~

2022-02-12 14:30:17 | 真空管いろいろ

手持ちのKT88系出力管で最後に紹介するのは、

私のお気に入りの「SED Winged-C 6550C」です。

外観がこちら。

本家Svetlana(スベトラーナ)製で、羽根の生えた"C"ロゴが特徴です。

現行販売されている"S"ロゴでは有りません。プレート構造、穴形状が違います。

因みに、"S"ロゴ品の外観はこちら。

私は聴いたことは有りませんが、おそらく音質も違うでしょう。

 

以前にも紹介しましたが、オリジナルのSvetlana(スベトラーナ)製は、プレートが2枚構造、穴形状は長方形です。

参考になる記事もリンクさせて頂きました。

私は、この"C"ロゴ品4本組を3セット所有しています。うち1セットは未使用のデータ付き品(使用せず保管中)です。US、UK、JPNから購入しました。

 

さて、音質は「良いですね~。」

紹介したGECとGold Lionの中間の音でしょうか。

演奏が目の前に悠々と広がります。解像度(分解能)高めです。

クラシックのオーケストラを聴くと、見晴らしが良く、広い高原から山々を望む様な景色が広がります。久々にクラシックに聴き入りました。

また、Jazz、Popのライブと聴くとそのホールの特等席で聴いている様です。

音空間が雄大で、且つ表現力が有りますね。響きが豊がです。

響きが豊かと言う事は、それなりに付帯音が乗っているという事でしょう。

真空管の良さが出ています。こうでなくっちゃ。

 ※付帯音の無い、歪の無い音、特性を求めるなら、トラアンプの方が余程優れている。

 

GECも良いですが、音の明瞭度ではこちらが上です。

低域~高域まで良く伸びています。

低域はGECよりも更に重心が低くて分離が良いです。ダブルプレートの効果でしょうか?。

高域は綺麗に伸びていて艶が有ります。中域も張りが有ります。

やっぱ、これです。私のお気に入りの音です。

聴いて居て心地良く、ずっと聴いて居たくなります。虜、癖になる音です。

 

比較的近年の球ですが、すでに生産終了していて、今では新品購入が難しいのが残念です。

 

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KT88系真空管の聴き比べ。~TUNG-SOL 6550~

2022-02-10 12:55:21 | 真空管いろいろ

こちらもオリジナルではなく、復刻品"Made in Russia"です。

10年ほど前にUSから購入。

TUNG-SOLの6550と言えば、その形状から通称”ダルマ球"と呼ばれています。

ボトル容積もKT88に比べ小さい。---並べた写真は、「まとめ」の時に。

Gold Lionと同じく、"New Sensor"(ロシアRFT工場)生産、US検査のマッチドクワッドです。

お値段はGold Lionより少し安かったと思う。

購入時の外観。

現在の外観。随分と使い込んだと思う。

左から3本目の1本だけ製造年が違う(16 11)のは、固い床に落として割ってしまい、後で補充したため。

バイアスを調整後、暫く鳴らし込んでから評価。

 

音質は、Gold Lionに比べ音空間の広がりがひと回り狭く、小ぢんまりとした硬めの音です。

KT88の様な雄大な響きは有りません。

低域の明瞭度がいまひとつで、少し団子状に聴こえます。音数も少なく感じる。

周波数レンジは、低域、高域ともKT88ほど広く無い様に感じます。

この事が雄大さに影響しているかも知れません。

然しながら、ボーカル、ピアノ等の中域は太くて良い感じです。

古いJAZZで小編成のバンドの音楽を聴くには適していると思います。

例えば、

Waltz for Debby/Bill Evans Trio

SAXOPHONE COLOSSUS/SONNY ROLLINS

SOMETHIN' ELES/CANNONBALL ADDERLEY

JAZZ SINGER/ROSEMARY CLOONEY

など。MONO盤は特に良い感じで鳴ります。少し枯れたナローレンジが良い感じ。

ただ、大編成のオケなどにはあまり向かない様です。

これは、以前に聴いた時と同じ印象。

 

Amazonでも新品が購入出来る様です。

 

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KT88系真空管の聴き比べ。~Gold Lion KT88~

2022-02-08 12:36:16 | 真空管いろいろ

"Gold Lion"と言ってもオリジナル品ではありません。復刻品"Made in Russia"です。

10年ほど前に、"New Sensor"工場生産、US検査品、4本マッチドクワッドをUSから購入しました。マッチと言っても経年での劣化度合が夫々違うので、今となっては殆ど意味ないですね。

新品時はこんなにカッコ良かったです。

 

今の外観がこちら。取り敢えずゲッターも残っています。

ベース部分の「Genalex」の印刷が剥げてきています。

アンプに搭載しバイアス電流と調整。

それほど劣化してない様で、半固定の僅かな回転でバイアスの調整が出来ました。

 

音質は、どちらかと言うと現代的な音です。

低音から高音まで良く伸びて美音ですが、ドンシャリで派手とも言えます。

GECの様なコクや艶やかさは有りません。

ピアノの音はGECに比べ軽く、ボーカルは明るく若返った感じで目の前に飛び出してきます。

これはこれで良い感じです。

しかし、聴き込む感じではなく、演奏がどんどんと進んでいく感じ。

ヴィンテージのコクや深味よりも、美音を求める人には好まれるでしょう。

現代のスピーカーに合いそうです。

 

今でもAmazonで新品が購入出来ます。

 

 

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KT88系真空管の聴き比べ。~GEC KT88~

2022-02-06 13:34:56 | 真空管いろいろ

今回のKT88プッシュプルアンプの改造を一旦終了としましたので、ここで手持ちの球を乗せ換えて、聴き比べをしてみたいと思います。

UL接続、Ip(プレート電流)は40mAに調整して統一。

体調の良し悪し、鳴らし込み時間を考慮し、2日間位聴き込んでから評価します。

いずれの球も過去に聴いたことがあり、今の状態での再確認になります。

最後に「比較まとめ」を投稿したいと思います。

 

最初にいきなり登場するのは、KT88の最高峰と言われる『GEC KT88』です。

Made in England(UK)。茶ベースでので正真正銘の初期版です。

印字、ラベルも残っています。印字から分かる通り1978,79年製です。

これ、はっきり言ってお高いです(自慢)。

確か、測定値付きを購入したと思う。

 

その音は、やっぱ「良いものは良いですね~。」

人気があり高価なだけの事はありますね。これで音が悪かったら泣きます。

音数が多く、響きが良いですね。

言葉で表現するのが難しですが、音楽の雰囲気が良いです。

ヴィンテージ管らしく中域から高域にかけて特徴があります。

かといって耳に刺さらない良い響きです。

聴き疲れしません。いつまでも聴いていたくなる魅力があります。

流石!、王様キングの貫禄です! "King of KT88!!!"

 

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6DJ8系真空管の聴き比べ。(6922/ECC88/E88CC)

2021-10-17 13:59:19 | 真空管いろいろ

真空管差動ラインアンプがひとまず完成したので、ここに使用している6DJ8系の真空管を簡単に聴き比べてみました。

多くは有りませんが、写真の真空管を所有しています。

以前(随分と前)にも紹介したのですが再度。

左から。

・EH6922(エレクトロ・ハーモニックス=通称エレハモ)

 現行生産品(Made in Russian)です。特に特徴も無く中庸的な音です。ちょっと甘めで良い感じ。

 私が最初に出会った真空管です。現行品なら、これかJJ/Teslaでしょう。

次からはヴィンテージ品になります。

・Amperex ECC88 (Bugle Boy)

 日本では「笛吹童子」とも呼ばれています。おそらく管壁の印刷からその様に呼ばれているのでしょう。Made in Holland

 音質も確かに高域が煌びやかで特徴的です。春風の様に吹き抜けます。これ、誰かがその様に表現していました。低域もしっかりと出ています。気持ち良い音です。

・Telefunken(ダイヤマーク付き) ECC88

 優等生です!。低域~高域までフラットです。しっかりとした音です。

 甘さとか厭らしさは有りません。それ故、面白く無い音かも。リファレンスとして使っています。

・Tesla(金足) E88CC

 Vp(max)がECC88/6DJ8の130Vに対してE88CCは220Vと高いです。ECC88の高信頼性管。

 繊細で緻密な音です。音の色付けは有りません。これも優等生です。

・SEIMENS(金足) E88CC

 柱に製造ロットの刻印が有るので正真正銘の本物です。

 Telefunkenと並んで最高峰と言われていますが、私が持っている球はエミ減なのか?それ程でも有りません。

・National 6922(Mullard)

 Made in USA。Mullardの製造設備を買い取って製造したとの事。

 欧州系の音ですね。しっとりとした感じです。高域が綺麗です。中域が物足りないです。

・Mullard 7614/CV2493

 Made in Great Britain。軍用のCVナンバーが付いています。

 金足、ディンプル付きのディスクゲッターです。

 欧州系の色気、暖かみの有る音です。

 

結果、プラシーボが多分にあると思いますが、以前に感じたのとほぼ同じ結果となりました。

6DJ8に関しては、現行生産品EH製でも充分な様な気がします。

 

最後に一言。

真空管の足(ピン)は、綺麗にしてから使いましょう。

特にヴィンテージ品は酸化して黒ずんだ物が多いので、本来の音が出ないです。

汚れが酷いと、場合によっては、ボソボソ・ノイズや雑音が出ます。ヒーターが不灯になる事も。

ピンの掃除には、これが良さそうです。

掃除した後は、無水エタノールで綺麗に仕上げましょう。

 

 

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真空管自体の修理 ~ステムリード接続不良~

2020-12-23 11:25:01 | 真空管いろいろ

購入したヴィンテージ真空管が使っているうちに(或いは初期から)、球の頭を軽く叩くと、スピーカーから「ガサゴソ、ボソッ」と異音を発した経験は有りませんでしょうか?

因みに「カーンとか、ピーン」と響くのはハーモニック・ノイズでこれとは別物です。

この球が、いつか大事故を起こして、他の部品に影響を及ぼしたり、場合によってはスピーカーを飛ばしたりするのではないかと、気がきで使いたくなくなります。折角、大枚を叩いて買った球がこれでは泣くに泣けません。

私も何度かこの経験をして、折角のヴィンテージ品なのに仕舞い込んでしまった球が有ります。

恐らく接触の問題なのでしょうけど、どこの接触不良なのか調べる方法も分からず、また分かったとしても修理方法も知りませんでした。今までやって見た事と言えば、端子ピンのアルコール掃除くらいでした。

ところが、GT管のベース(袴)やピンを眺めていて、最近ふと思いつきました。

取り敢えず、ステムリードとベース・ピンの接続を再半田してみよう!!!これで治れば儲けものだ!いざ実行!!

作業の手順は以下の通りです。

 

①ベースピンの古い半田を半田吸い取り器か吸い取り線で除去します。

  半田を吸い取ったら、細いステムリードが見えてきました。

    

  半田吸い取りには、いつものシュッ太郎を使いました。追い半田をすると吸い取り易いです。  

  これ1本あれば便利です。もう10年以上使っています。

 

②ステムリードの先端を極細ヤスリで磨きます。こんな感じ。

 

 この時、ヤスリの先端でリードを押し込んでしまわない様に、出来るだけ細いヤスリを使います。

 極細ダイヤモンドやすりが必要です。私が使用した物は軸径0.7mm品で、東急ハンズで購入したと思います。

 

 Amazonにも同等品が有りました。

 

③再半田をします。

  使用する半田はお好みで。良質な物が良いでしょう。

  半田を盛り過ぎると、ソケットに挿入しづらくなるので注意。

 

④ついでにピン(足)もエタノールで洗浄しておきます。

 

見事に修理が出来ました!!! 球を叩いてもスピーカーから異音が出ません。

異音の原因はやはりステムリードの接合問題の様です。

長期使用で問題が発生したのは、熱膨張収縮を繰り返して接続がルーズになったと思われます。

この修復作業は、道具さえ有れば2本で1時間も掛かりませんでした。わりと簡単に出来ました。

これはステムリードとベース(袴)のピンが半田で接続されているST管、GT管に共通して使える修理技です。MT管はガラス管内部で接続されているので無理です。

お役に立てれば幸いです。

なお、ヴィンテージ真空管マニアなら既知の内容と思いますので読み飛ばして下さい。

 

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ヴィンテージ品にはFAKEも多い。

2019-09-09 13:47:22 | 真空管いろいろ

前回の投稿で真空管E88CCの真偽について書きましたが、オーディオに限らずファッション関係(衣服、時計、カバン等)でも、世間でヴィンテージ品と呼ばれるものには、偽造品、模造品、また復刻品がなんと多いことか。

それを見分けるには、何度か痛い目にあった経験と本物を見抜く観察力が必要です。

模造品や復刻品とわからず大枚叩いて手に入れた品物が偽物だった時の精神的ダメージは相当なものです。

オーディオ部品に関して言えば、私は何度か痛手を被り、今ではある程度見抜ける様になったつもりです。

あまり参考にならないかも知れませんが、私の経験から模造品(FAKE)や復刻品(REISSUE)について、いくつかの例を挙げたいと思います。

具体的な見分け方の詳細は、波紋が広がるといけないので、ここでは敢えて伏せておきます。

 

(オペアンプIC)

有名なものでは、Burr Brown製のOPA627AP/BPが有りますね。

これは音質が濃厚でこのアンプを超えるものは無いとか、このICの存在でディスクリートでアンプを組むのをやめた人もいると言われています。オペアンプとしてはとても高価です。

私が最初に手に入れたものは、色々と調査していくとなんと中国製であることが分かりました。そしてその後本家米国から購入した物は本物でした。音質も違っていました。

見分け方のヒントは、電気特性(テスターでわかります)とパッケージの一部です。印字にも違いが。

ネットで調べてみて下さい。

中国製はシリコンマスクをコピーしたという噂もあります、、、。

このOPA627の本物は一時期入手難で高騰していましたが、今は入手出来る様です。本物かどうかは知りません。

他のICでも模造品があります。Burr Brown(バー・ブラウン)ブランドは特に注意が必要です!。

 

(真空管)

信頼性、品質が良く音質が優等生でとされているTelefunken(テレフンケン)が代表格ですね。

一般的には底にダイヤマークが有る物が本物と認知されていますが、果たしてそれが全てか?。

私は印字とダイヤマークで見分ける様にしています。

ECC83にはリブプレートとフラットプレートが有ります。

私は何本か所有していますが、音質的に優等生過ぎて面白味がないので、あまり使っていません。

テレフンケン品を安く手に入れる方法も有ります。それはOEM品です。この場合は印字では見分けがつきません。

またSIEMENS品にもFAKE品が有ります。

これは意外と簡単です。印字形状と製造ロット番号の印字です。

Mullard品にもFAKEが多い様です。

手持ちのムラード・ボックス・プレート。本場欧州から入手しました。

TESLAやMullardにはReissue品も有ります。

他のブランドでも有ると思います。真空管に関しては枚挙に暇が有りません。

手持ちのBRIMAR製。

真空管に関しては、製造年代が古いだけに当時の情報も不足していて、これが混乱させている要因のひとつでも有ります。

 

(コンデンサ)

ヴィンテージと言われるスプラグBlack Beautyにも模造品が有りそうです。

またWest Capには復刻品(REISSUE品)Arizona Capcitors製が有ります。

 

まだまだ他の部品にも沢山有りますが、兎に角、購入する時はよく調査の上、現物を慎重に確認するか、自信がない時は信頼のおける業者から購入する様にしましょう。


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