My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

真空管プリアンプのカソード・パスコンをあれこれ試す

2016-06-26 12:24:57 | 真空管プリアンプ

今年も半分が過ぎようとしていますが、実は今年に入ってからずっと、真空管プリアンプのカソード・パスコンを色々と交換して、音質を比較しながら、自分の好みの音を探していました。

その経過と比較試聴の結果を以下に記載しますので、少しでも参考になればと思います。

但し、これはあくまでも私のアンプに搭載した場合の個人的な感想ですので、ご意見、ご指摘、追加があれば、遠慮なくコメントをお願いします。

 

<経過>

カップリングコンデンサを換装して比較していたところ、カソード・パスコンでも音が変化するのではと思い、そう言えば、以前購入して未評価だったROE製のラジアルタイプの電解コンデンサ1000uF/40Vが手元に有る事を思い出しました。

そこで、元々スプラグのATOMが搭載されていたところに、試しに使ってみました。

結果は、しばらくエージング後、やはり音質は変わりました。カップリングコンデンサを交換するのと同じくらい変化しました。

 

<使用箇所と評価条件>

念のために使用箇所は、ここです。

 LINEアンプの場合           EQアンプの場合

            

 

最初は、LINEアンプで色々と試して、それからEQ(イコライザ)アンプにも適用し展開しましたが、ほぼ同じ傾向、結果が得られました。

LINEアンプで試した理由は、いずれの電解コンデンサもエージングに時間を要し、その後でないと正しい評価が出来ないためです。

LINEアンプであれば、CDをリピートで再生しておけば良いからです。その点、レコードはかけ流しが出来ません。

エージングは、約100時間くらい実施しました。そのため、ひとつひとつのコンデンサの評価に時間が掛かりました。

尚、コンデンサの容量的には、ここのカソードパスコンは、100uF以上あれば問題が無い様です。

 

<評価結果> 

では、さっそく評価結果です。 あくまでも私感です。

スプラグATOM

 元々搭載されていたコンデンサです。有名なスプラグの電解コンデンサです。

 これでスプラグを一躍有名にしたとも言われています。現在はニッケミがOEM生産?とも聞きました。ビシェイでしょう?

 スプラグ生産の旧品は入手が難しいです。

 カソードパスコンは径の細い100uF/100Vの方です。上のATOMは平滑用電解コン。

 音質は、太くて味のある暖かみのある音です。

 

日ケミ

 KMG 100uF/50V

 写真は無いのですが、皆さんよく使われるニッケミの電解コンです。

 結果は、大人しくてフラットでハイファイな音。

 クラシックとか繊細な音楽を聴くには良いかも知れませんが、私の様にロックやジャズを聴くには迫力に欠けます。

 

OSコン(導電性高分子固体コンデンサ)

 パナソニック製470uF/16Vを使いました。

 熱に弱いので、写真の様に放熱しながら半田付けを行いました。                       

 音質は、極めてフラット。高性能な感じ。クールで優等生の感じですね。面白味には欠けます。

 

ROE(ヴィンテージ品)ラジアル

 以前購入して未使用だった1000uF/40Vが部品箱にありました。ドイツ製。金色です。

 容量が大きすぎかも知れませんが、大は小を兼ねると言うことで。        

 結果は、音の輪郭がはっきりしていて、情報量も多いです。

 エージングと共に抜けが良くなり明るい音。ロックには良い感じです。

 

ROE(ヴィンテージ品)アキシャル

 470uF/40V。

 ここにラジアルは合わないので、同タイプのアキシャル品を購入しテスト。

 QUAD製のアンプによく使われていたそうです。ヴィンテージ品。

 搭載後の見た目も良い感じになりました。

 

 結果は、ラジアルよりは明るさが少し後退して良い感じ。

 エージングが進むにつれて抜けが良くなる。元気な音。

 エージングの初期段階では音に靄が掛ったり晴れたりします。

 この現象が、時差で片側づつ起きるので左右の音バランスが悪くなりエージング中の音の変化がわかります。

 ヴィンテージ品なので気長にエージングするしかないですが、でも音質は良い感じです。

 

フィリップス

 220uF/25V 小ぶりな青いやつです。

 結果は、音の分解能が良くないです。少し音が篭る傾向。音場が狭い。がっしりと固い感じの音です。

 

FRACO

 470uF/16V Germany(ドイツ)製です。ヨーロッパ系のビンテージ品によく使われている電解コンデンサです。

 結果は、2週間使ってみましたが、ROEと同じドイツ製でも低音に籠りが残ります。

 

Spurage ATOM

 200uF/50V 新たに購入して試してみました。細身の黒いやつ。

 

 結果は、ちょっとざらついた感じ。エージングで良くなるのかもしれませんが、ATOMの音になるのかな?

 

Mallory

 マロリー製150uF/35V。ロックとかには良さそうと、お店で勧められて購入。かなり古そう。

 結果は、使いはじめはレンジも広く良いかな?と思ったが、エージングが進むにつれてレンジが狭くなりカマボコ状の音に。

 ゴツゴツと団子状で篭る音になってきた。確かに今まであまり聴いた事の無い音。古めかしい音で聴かせる。

 決してハイファイでは無い。1週間でさようなら。

 

東信TK電解コンデンサ

 これも音が良いと言うことで有名な日本製の電解コンデンサ。220uF/16V。

 結果は、レンジは広いが、高域がちょっと突き刺さるかな?エージングに期待。

 とても切れが良く明るい音。現代的でスッキリした音。

 ワイドレンジで、且つ、このボディからは想像が出来ないダイナミックな音を聴かせる。

 暫く聴いたが、ちょっと煩くドライな感じで深味がない。クラシック系には良いかも。

 70年代のロックには、ちょっとどうかな?って感じです。

 

Siemens

 GPF 100uF/25V ビンテージ品

     

 結果は、ビンテージらしく味のある音です。東信とは真反対の音。ギターの音がギターっぽい。

 ビンテージ品なので、暫くエージングが必要です。

 エージング後は、音の粒立ち、分離が良く、密度が濃い。塊にならない。高域も綺麗。

 あまりにも分離が良すぎてバラバラになって音楽にならない感じもありますがが、適度かな。

 音が立体的になり遠近感がでます。低域のバスドラ、ベースの音も適度に締まってます。

 音の余韻を感じるのは、倍音が多いためでしょうか?

 ROEに近い感じの音で、ROEよりも低域が締まっています。

 ドイツ系のビンテージ部品はやはり良いのかな?

   エージングが進めると、高域の少し賑やかな部分が落ち着いてきました。

 

ニチコン製Finegold

 試しにニチコンのファインゴールドも使ってみました。

 結果は、Siemensを聴いてからでは、全ての音が近くで鳴っている感じです。

         

<まとめ>

私の好みでは、ROE製470uF/40Vが、音の抜け、音の広がり、音の生々しさでベストでした。

結局、今は、ラインアンプ部、EQアンプ共に、このROE製のビンテージ品を使っています。

ハーメチック・シールになっているので、容量抜けも問題なさそうです。

それにしても、コンデンサ関係もスプラーグ製ビタミンQ、ROE製など、ビンテージ部品の使用箇所が増えました。

抵抗も、全てアーレン・ブラッドレー(A&B)製です。 

 

 

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引っ越し後、ひとまず音楽が聴ける様になりました。

2016-06-19 12:21:41 | オーディオ

約2か月振りのブログ更新になります。

仕事の都合で転勤になり、神奈川県のマンションから引っ越し、鳥取の自宅に戻ってきました。

10年ぶりの自宅での生活になります。

定年までは、自宅に帰る事はないだろうと思っていたのですが、運良くして定年を待たずして自宅に戻り住む事が出来ました。

家族で赴任していたので、これまで自宅に帰る事は年に1、2回で、その間はずっと空き家していて、ご近所の方にも心配、迷惑をお掛けしました。

10年間も空き家にしていたにも拘わらず、家の状態は外観、内側ともにさほど傷んでいない。充分にまた生活が出来ます。築30年にはなろうかと言うのに、流石に一流?の積水ハウスでの建物です。

しかし、インフラ関係は、色々と再構築しました。

ガスコンロと台所の水栓の取り換え、エアコンの取り換え、TV、インターネット、さらには車の購入などなど。かなりの出費でした。

痛いけど生活に必要なものだから仕方がない。我が家があるだけでも有り難いと思わなくては。。。

車は、鳥取では必需品です。これがないと食料や生活雑貨の買い出しとか、生活が出来ません。

ちなみに、TVは、都会ではケーブルTV(CATV)が一般的でしょうけど、鳥取では1社独占状態なので、地デジとBSアンテナを新設しました。地デジアンテナは、最近は平面アンテナにしました。見た目も良いですね。

さらに、家のなかの不要物の掃き出し、ゴミ捨て作業。

引っ越し前には、中間処理業者にトラックで来てもらい、古い家具、電気製品などの大物を引き取って貰いました。

そうしないと、引っ越し荷物が収まらない事は、事前にわかってました。

引っ越し後は、毎週の様に、古い衣服などの細々とした可燃物をごみ処理場に運んでました。

当然、本とか、ちょっとした物でお金になりそうな物は、リサイクルセンターに買い取ってもらいました。


そんなこんなで、やっと普通の生活が出来る様になってから、いよいよ本題のオーディオシステムのセッティング

オーディオルームは、以前から決めていました。娘が社会人として独立して出て行ったので、その部屋を使おうと。

この部屋も娘が生まれる前の自分も若かりし頃は、オーディオルームとして、ボーズの901で大音量で鳴らしていました。


引っ越し荷物が到着後は、部屋が段ボール箱だらけで、どこから手を付けたら良いのか、気が重くなりましたが、少しづつ片付けて、やっとやっとの事で、取り敢えず音が出せる様にセッティングが出来ました。

 

取り敢えず設置したシステムのラインナップ(布陣)は以下です。

 ・レコードプレイヤー:DENON DP-1200(SHURE V15-TypeⅢ使用)

 ・CDプレーヤー:Cayin CDT-23(自分で改造加えたもの)

 ・DAC:GUSTARD DAC-X10(これも改造加えてます)

 ・真空管プリアンプ: (PHONO部Model7模倣、LINE部QUAD模倣)

 ・真空管パワーアンプ:オーディオ専科 FOX-BAT 6C33C

 ・スピーカー:JBL L-26(メンテ、補修品)

 ・ACレギュレーター:FURMAN AR-1215

まだ、箱に入ったままの機器も沢山あります。日の目を見させるためには、もう一本オーディオラックが必要になりそうです。

壁コンセントは、2穴タイプだったので、3穴タイプに交換しました。松下(パナソニック)製を使いました。

 

今迄のマンションにいる時は、スピーカーで聴くことが殆どなく、殆どヘッドフォンで聴いたいたので、今スピーカーで聴いてみると、スピーカーから出る音に感動です(自画自賛)。この様な環境に戻って来れた事に感謝。

ついついボリュームを上げてしまいます。

そうは言っても、ここは住宅街なので、今後は二重窓などの防音も考えないといけないと思ってます。

 

今回、CDプレーヤーとレコードを聴いていましたが、やはり、レコードが圧倒的に生々しい音がしますね。

ドライブ感、グルーブ感、音の広がり(前後左右)、訴求力が全く違います。

今迄買い貯めたレコードをしっかりと聴きなおそうと思います。

 

もう少し時間に余裕出来たら、また改造に勤しみブログにアップして行こうと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

でも、パーツはどこで入手したら良いんだ? 通販しか無いかな?     

 

 

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