My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

いにしえのWestern Electric スピーカー・ケーブルを使ってみました。

2018-09-24 13:08:27 | ケーブル

久々にケーブルに関する投稿です。

ケーブルは何かと電線病になり易いので熱くならない様に注意しなくてはなりません(笑)。

今回、以前から気になっていったWE(ウエスタン・エレクトリック)のスピーカー・ケーブルを購入してみました。

仕様としては、芯線は単線の銅線に黒エナメル、外皮はシルク(絹)の二重巻き、さらに綿布巻きで、1940年代~50年代に製造された伝説的な、マニアの間では神格化しているケーブルらしいです。

実は、先日、JBLのスピーカー端子を交換した理由も、このケーブルを使ってみたい為だったのです。

 

届いた商品がこちらです。

私のリスニング・ルームの場合、2mも有れば十分なので1.9mを4本。

太さはスピーカーから長さが3m以下の場合は18GAがお勧めと言うことでした。

先端の加工をして行きますが、これが結構大変でした。

最初、何も考えずに、ワイヤーストリッパーを使ったら、導線とも簡単に切れてしまいました。

気を取り直して、カッターナイフで丁寧に外皮だけを取り除いて行きました。

左側が外皮を一枚剥いたところ。

最外皮をもう少し詳しく撮影しました。

細い糸が並べられた帯。これが巻き付けられています。

この裏側、つまり表面に出る方(上の写真右)はツルんとしています。

この内側は絹(シルク)で覆われています。綺麗なシルクです。

剥がすときに二枚有りました。このシルクが正巻きと逆巻きとで二重になっていました。

 シルクを剥がしたところです。

黒エナメルが出てきました。これが有名なWEの「黒エナメル」ですね。

導通を取るためには、これを剥がす必要があります。ここも苦労しました。

最初に粗目の布ヤスリを使い、仕上げは細目の金属用ペーパーヤスリを使いました。

それでも剥がれない箇所は、カッターナイフの刃で優しく削り取りました。写真ではまだ少し黒い部分が残ってます。

これを4本分、計8か所、導体出しを行いました。結構、根気が要りました。

それにしても、この年代に此処まで手の込んだ細かい作業、製造が出来ていた事に驚きと加工技術に感動しました。マイスターが作った歴史上の芸術作品ですね。私はこんな部品、製品が好きです。

何故このような構造、材料を使ったのか、試行錯誤の結果だけでは無いと思うので、技術論理的根拠を知りたいものです。

考えらるのは、電磁誘導を避けるためでしょうか?PVC被覆は静電気を引き起こし帯電し易い?。マイナスかプラスかどちらかに帯電して、これが電子の流れに影響する?それならば帯電防止のPVCにすれば良い?そんな単純なものではないでしょうね。

ここに何やら参考になりそうな事が書いてあります。↓

http://energychord.com/children/energy/trans/tl/contents/tl_em.html


因みに、上の拡大写真は、マイクロスコープを使って撮影しました。役立ってます!

DEPSTECH 顕微鏡 デジタルマイクロスコープ 高解像度 IP67防水レンズ 高倍率10-200倍 USB接続 PC Android対応
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DEPSTECH

 

先端の加工が終わったところで、スピーカーとアンプに繋いで、音を出して聴いてみました。

今まで使っていたダイエイ電線のケーブルよりもかなり細いので不安になりましたが、出音は、巷の噂どおり、今迄使ってきたの他のケーブルとはなんか違う音です。OFC、POCC、ベルデン、ダイエイとも違う。

何が違うかって、表現が難しいですが、高域はよく伸びいて、低域は締まりが有り、ダブつかない、音数情報量多く細かい音まで出る、全体的に帯域フラットで変な癖がなく、自然な表現力でいつまでも聴きたくなる様な音です。

でも、使い始めた今は、何かが足りません。

そうです、質感は良いのですが、量感が不足している様な気がします。

70年の眠りから覚めるには、ケーブルももう少しエージングが必要なのでしょう。

色々と音楽ソースと変えたり音量を上げたり下げたりしてじっくりと聴いてみると、音量が小さい時は、確かにボーカルなどはよく通って聞こえます。これは中域から高域にかけて特徴があるのでしょう。しかし、ある程度音量を大きくすると、フォルテの音の立ち上がり、応答性(レスポンス、トランジェント)の不満や、量感不足、押し出し不足を感じます。

これは、単線の欠点、ケーブルの太さに起因するものでしょうか?瞬間的に大電流を伝送するには無理がある?

さらに聴き込むと、音空間が広がり過ぎて、なんだか位相を間違えたような音で纏まりがありません。

やはり、鳴らし込みが必要なのでしょう。


毎日、鳴らし込んで、音の変化を観察していました。

私の耳で聴いても、日々の目まぐるしい変化がわかります。

低音が徐々に出る様になり、レスポンスも良くなって行きます。さらに高域も落ち着いてゆきます。中域は少し張り出してきて、ボーカルなんかは、本当に生々しくて目の前で歌っている様です。

鳴らし始めてから、延べ時間で大体50時間経過した頃から、定位も安定してきて音に纏まりが出てきました。

そこで、思ったのですが、音が落ち着いてくると、従来のダイエイ電線の時とさほど変わらないような気もします。耳が慣れてしまったのでしょうかね。

しかし、まだ伸びしろ、変化は有りそうです。焦らずまだまだ鳴らし込みを続けます。

 

今回をきっかけにWEの虜になりそうです。WE病に注意。

このWestern Electricの部品、製品は、とうの昔に製造終了品なので市場でも枯渇状態ですが、この製品、部品を崇拝する人は多いです。まさに、オーディオ界では世界遺産級のビンテージと言えるでしょう。 

 

最近、音楽をある程度の音量で鳴らし続けていると、部屋に妙な臭いが漂ってきます。これは最近アンティークなビンテージ品を買い集めているからでしょうか? ケーブルからも? 骨董品屋の様な古臭い匂いがします。フラシボでその様に脳が反応しているのでしょうかね?

 

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MQA CDを入手、試聴。 少し期待はしていましたが。。。

2018-09-21 13:50:06 | CDプレーヤー

先日、ブログに書きましたMQA CDなるものが手元に届きました。

注文したアルバムは、テレサ・テンの「オリジナル・ベスト・ヒット」です。

発売日が9月19日で昨日到着しました。

オリジナル・ベスト・ヒット
←Amazonに移動が出来ます
ユニバーサル ミュージック

このアルバムをアナログ・レコードの中古で買うとなると、諭吉越えです。

(残念ながら、私の手元には有りません。)

 

※MQAーCDに興味のある方は、こちらに詳しい説明があります。

 

説明によると、通常のCDプレーヤーで聴いても従来よりも音は良いという事でしたので、早速、普通にCDプレーヤーで聴いてみました。

1曲目:「愛人」

んっ?何も変わらない!寧ろ音が大人しいかも。

なんだか、テレサ・テンの声が別人の様な声。元気がない。暗い感じ。声の線が細い。緊張気味。

いつも聴いているテレサ・テンでは無い様な。。。いつもはシングル盤のレコードで聴いています。

演奏と歌が一体化していない。作られた様な音。神経質な音。

2曲目:「乱されて」 音悪っ。。。 レンジが狭い。低音が出てない。どうしたんだろう。

    あとで、他のCDで同曲も聴きましたが、こんな感じでしたので、これがオリジナルでしょう。

3曲目以降は、1曲目と同じ感じ。

しかし、じっくりと聴くと、曲ごと微妙に音質が違う。これはベスト盤だから仕方ないか。

そこで、発売元のユニバーサル・ミュージックの説明書きを読んでみると、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【MQA-CD】【UHQCD】【グリーン・カラー・レーベルコート】【スリムケース帯】【生産限定盤】
台湾が生んだ「アジアの歌姫」テレサ・テンの、トーラス・レコードからリリースされたベスト・アルバム。「つぐない」「愛人」など1980年代半ばの大ヒット曲のほか、ポリドール時代の代表曲も、本作のための録り下ろしを含めた新録ヴァージョンで収録。
(1986年発表/2018年マスター)

★オリジナル・アナログ・テープを基にした2018年最新DSDマスターを352.8kHz/24bitに変換して収録 (ハイレゾ未配信音源)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とあります。

と言うことは、ポリドール時代の曲は、録り直した新録バージョン。なるほど、納得しました。


では、次に本命のMQAを聴いてみようと、再生方法を調べると、ここで大きな壁にブチ当たりました! 

今更ですが、私の調査不足、勉強不足でした

このまま、今の私のシステムでは再生出来ないことがわかりました。orz。。。

CDをリッピング後、foobar2000で再生出来ると思っていたのですが、その前提としてMQA対応のDDCかDACが必要なのです。

なんでも、データにMQA用コードが埋め込まれていて、専用DACでのみ解凍(折り紙を広げる)が可能だそうです。

商売上手!同時に専用DACも売る戦略だったのですね。多分そのDACのコーデックにはパテントも。

さらに調査を進めると、この専用DACのDDCにはXMOSを使っている事がわかりました。

私のDACもXMOSで受けているので、ドライバーを書き換えれば良いかなとも思ったのですが、それもXMOSの対応可能Ver.なども有り簡単ではなさそうです。

だからと言って、タイトル数も少なく今後の発展性が未知数の現状に、専用DAC、一番安いものがMeridian「Explorer 2」数万円、に投資をする価値があるかどうかも判らず、どうしたものかと、、、。悩んでいます。

 

それに今回のMQA CDをそのままCDプレーヤー再生した音とレコード再生の音を比べてみると、やはりレコードに軍配が上がります。

MQA再生にした場合の変化量がどの程度かは分かりませんが、過去のハイレゾ化の経験から、恐らく音が繊細になり、さらに骨の無い音になる事が想像されます。

少なくとも、これは私の好みの音ではありません。私は人間味のある血の通う生きた音が好きです。

そんな訳で、私的には、新たにDACに投資するよりは、従来通りオリジナルのレコードを買い求めたほうが良いかな?とも思います。

やはり、CDは終焉なのかな?

まあ、今どき、CDが売れているのは日本くらいと言われていますからね。

こんな記事もあります。

「音楽を所有する」時代の終焉:CDとダウンロードはいかに消滅したのか


今のところ、わが家のCD再生は、DAC ICをバージョンアップしたルボックスで満足しています。

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ロックレコード名盤・オリジナル版 ~ DEEP PURPLE編~

2018-09-12 13:03:20 | レコード

ディープ・パープルのオリジナル盤がある程度揃いましたので紹介します。

このグループも今年でデビュー50周年になるそうです。もうそんなに経つのですね。学生の時に狂った様によく聴きました。


第一期ディープ・パープル 1968年~69年

確かに、デビューアルバムの『SHADES OF DEEP PURPLE』のクレジットを見ると、1968年となっています。

このデビューアルバムは、ジャケットが2種類ありますが、おそらく上のジャケットがオリジナルでしょう。

スタートは、アメリカの"TEREGRAMMATION"と言う小さなレコード会社と契約し発売。この会社は後に倒産。ちなみに、オリジナル盤は、もともとの盤質が良くないです。

第一期ディープ・パープルのメンバーは、ジョン・ロード、リッチー・ブラックモア、イアン・ペイス、ニック・シンパー、ロッド・エバンスです。

音楽性は、プログレッシブ・ロックな感じで、ロックにクラシック、バロックを取り入れた感じです。なのにボーカルはビートルズ風? キーボードのジョン・ロードが主体の様に思います。

このアルバムに第一期の代表曲「HUSH」が収められています。

その他には、ビートルズの「HELP」、クリームの「I'M SO GLAD」、ジミ・ヘンで有名な「HEY JOE」を収録。

 

第二期ディープ・パープル 1969年~73年

 一番人気のあった時期ですね。黄金期です。私も夢中になって聴きました。とにかくスピード感がありカッコ良いです。

メンバーは説明不要と思いますが、リッチー・ブラックモア、ジョン・ロード、イアン・ギラン、イアン・ペイス、ロジャー・グローバーです。

私が持っているオリジナル盤は下の2枚です。UK盤。

「in Rock」は、EMIマーク無しのHarvestオリジナル盤です。

日本盤とは、音圧、音の厚みが違うのは勿論ですが、「SPEED KING」の演奏が日本盤とは違います。

オリジナル盤では、イントロの所で、遊び?メンバーのジャムが有り、それから聴き馴れた「SPEED KING」が始まります。

「MACHINE HEAD」以降は、PURPLEレーベルがオリジナル盤となります。ラベルが紫背景にPの白文字。

素晴らしい音の厚みです。これを聴いてしまうと、もう日本盤は聴けません。今まで何を聴いてきたんだろう?って感じです。

 

第三期ディープ・パープル 1973年~75年

イアン・ギランとロジャー・グローバーが抜け、代わりに、デイヴィッド・カヴァデール、グレン・ヒューズが入ります。

私の持っているオリジナル盤は、「BURN」と「STORMBRINGER」、それにライブ盤の「Made In Europe」です。UK盤。

デイヴィッド・カヴァデールの舐める様なコブシの効いたボーカルが良いですね。イアン・ギランとは違う魅力があります。

この期になって、ポップな感じが入ってきました。

「Mistreated」は、デイヴィッド・カヴァデールの名歌唱作と思います。

こちらはライブ盤。センターラベルにメンバーの顔の印刷の有る物が初版です。

スタジオ盤に比べて、ベース、ドラムスの音が太いです。

グレン・ヒューズのベースもなかなか聴きごたえがあります。評価が変わるでしょう。


やはりオリジナル盤は良いです!!!。

見つけた時に少しずつ買い集めて、ここまで揃いました。一旦、ディープ・パープルは、これ位で良いかな。

 

尚、CDでディープ・パープルを聴く場合は、デビュー50周年を記念して、デビュー作『ハッシュ』から『ナウ・ホワット?!』までの全スタジオ・アルバムから少なくとも1曲以上を選曲、時代順に曲が編成され、全40曲を収録した3枚組が発売されてますので、お得と思います。今聴いても新鮮です。

日本では今月9月26日発売の様ですが、海外では昨年の11月に既に発売されています。 

A FIRE IN THE SKY: A CAREER-SPANNING COLLECTION [3CD]
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RHINO RECORDS/WARNER BROS. RECORDS

 

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井上 陽水『二色の独楽』のバック・ミュージシャンが凄い。

2018-09-11 11:54:08 | 音楽

今年9月デビュー50年目を迎えるで井上陽水のハイレゾ配信が9月1日に始まりました。

e-Onkyo、moraなどでWAV、flac 192kHz/24bitが入手出来るようです。

今回のリマスタリングは、NYの有名なスターリング・サウンド所属のテッド・ジェンセンスが手掛けているそうです。

その方の名前は、私は初めて聞きますが、スターリング(Stelring)は、洋楽のアナログ・レコードでも高音質と言うことで有名です。私もこの刻印を気にしながら買い漁ったレコードを沢山持っています。

そして、ミックスマスターをSTUDER A820で再生、dCS904で192kHz24bitにADコンバートし、MAGIX Sequoia(DAWソフト)でWAVファイルを作成との事です。

12月にはCDでもBOXセットで発売されるようです。こちらは限定発売で26UHQCD+1DVD。

 YOSUI BOX Remastered(初回生産限定)(DVD付)(ご予約締切:2018年10月25日(木)まで)

 

私も思い出したようにレコードを聴いてみました。

初期作品(アンドレ・カンドレ時代を除く)の「断絶」「氷の世界」「もどり道・ライブ」などは素晴らしい楽曲が揃っていますね。

この中で、東京ワシントン・クラブだけは、CD化(デジタル化)されていません。希少?

井上陽水は、私の好きな日本アーティストの一人で、15年位前?にコンサートに行った事があります。その世代です。

ステージでも、そのままの声、演奏でした。感動しました。

レコードも結構揃えていたつもりでしたが、何故か、『二色の独楽』が無かったので追加で購入しました。

ついでに、玉置浩二さんとのジョイント・ライブ「スターダスト・ランデブー」も見つけたので買いました。

この『二色の独楽』ですが、クレジットを見ると、バックミュージシャンが、なんと、これも私の好きなクルセイダースとかその時代のフュージョン系人気ミュージシャンが名を連ねています。

 ギター:レイ・パーカー・Jr、デヴィッド・T・ウォーカー

 ドラムス:ハーヴィー・メイソン

 ベース:ウィルトン・フェルダー

 キーボード:ジョー・サンプル など。

ハリウッド・A&Mスタジオで録音。

そこから出てくる音は、やはりファンキー、フュージョン系の音です。陽水の感じとは少し違うかも?

私個人的には、陽水には、やはり初期の星勝さん、元モッブスのメンバーで構成した音のほうが好きです。

余談ですが、『二色の独楽』には2種類のジャケットがあります。

玉置浩二さんとのジョイントライブは、会場の熱気が伝わってきて、こちらも素晴らしいライブです。

特にデュエットの「帰れない二人」が好きです。

 

あっ、そう言えば、「陽水 センチメンタルⅡ」も無かった。。。

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音楽CD(デジタル音源)の変遷

2018-09-09 13:48:00 | CDプレーヤー

最近は、CDとレコードを交互に聴いています。

CDばかり聴いていると少し疲れます。一方でアナログばかりですと音楽に集中して他の事が出来ません。

普段あまり聴かないものから良く聴くものまで、私のCDコレクションを聴き直していて、気が付いた事があります。

それは、製作された年代による変遷や国によって、音質にある傾向が有る事です。

念のため、全てがそうではありません。あくまでも個人的に感じた事です。

 

CD登場~2000年:

 新譜は、デジタル臭くて、中がスカスカだったりする作品があります。

 他方でデジタルでもうまく聴かせようとした努力が伺える作品もあります。

 しかし、アナログ盤のCD化したものは、殆どがアナログ盤より音質が落ちています。

 まだリマスターの概念が無かったのでしょう。


2000年前半:

 アナログ音源のデジタル化(CD化)が加速的に進みます。古い音源を手軽にCDで楽しめる様になりました。

 日本では、デジタル化する時にクロックの精度を謳うもの(例えば、ルビジウム・クロック・カッティング)も出てきました。

 しかし現在から考えると、クロックの精度(長期的な変動や環境に依る誤差、個体差)が問題ではなく、問題はジッター(短時間の変動、揺らぎ)及びそれが引き起す雑音、輻射が問題なのです。

 このジッター雑音は、再生装置側では、デジタル系の電源リップル、ノイズも影響します。

 さらに、マルチビット型に比べ、後発の1bitΔΣ型のDACは特に影響を受けやすいです。

 ですから、デジタル系の電源対策はしっかりと行わなければなりません。

 

2000年後半:

 今度は盤質に目が向けられ、SHM CDやらBlu-Spec CDが登場します。またDSDマスタリングも登場します。

 音質はと言うと、さほど変わりませんでしたが、日本人はこの言葉、技術単語に惑わされ、フラシボも手伝って高音質になった様に錯覚してしまいます。

 海外プレス盤はどうかと言うと、この様な技術的な事は謳わずに音楽を大切にして丁寧にデジタル化されています。

 今聴いても、日本プレス盤に比べて、音質がしっかりとしていると思います。

 made in Gemany  /  Manufactured in the EU  /  Made in the EU

 

2010年~:

 デジタル音源の再生方法、楽しみ方が多様化してきます。

 ポータブル機器(ipod、ipad、iphone、smartphone etc.)、PC、ヘッドフォン、イヤフォンなど、、、。

 古い音源のデジタル化には、リマスターの概念が入ってきて、アナログマスターテープを元にデジタル化する際に、マスタリング処理が行われるようになりました。これがリマスタリングです。

 このリマスタリング音源は、低音と高音を持ち上げて、さらにはコンプを効かせたりして、時代のどの再生装置で聴いても、派手にダイナミックにカッコ良く聴かせる様な音になります。

 私は、これがハイファイ志向のオーディオマニアには受け入れられなくなり、レコード回帰となったのではとも分析しています。

 これに端を発して、若者もレコードブームに火を付けたのではと思います。レコード自体が古くてカッコ良い?。

 しかしながら、これがまたレコードで良い音を聴いていると錯覚を生んでいます。

 本当のところ、レコードを良い音で聴くにためには、それなりの機器や調整、心構えが必要なのです。

 アナログ全般にそのことが言えます。

 アナログは奥が深く、それがまた楽しいのです。自分で手をかけて育てていくものなのです。

 

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MQA-CDへの期待。。。

2018-09-04 12:42:55 | CDプレーヤー

言い方悪く、エンジニアの方々の努力に大変失礼ですが、今迄、この手のCDに散々騙されてきました。

今回のMQA-CDはどうでしょうか。実は期待半分です。

音楽業界でのハード販売低迷の起爆剤となるのでしょうか? 

安室 奈美恵さんのDVD、CDのミリオンセラーのほうが余程救世主と思いますが(個人的意見)

 

(過去に聴いてきたCDの振り返りと私の評価)

ちょっと辛口になりますが。

①SHM --- 2007年登場

  ディスクの素材を透明度の高い液晶ポリマーに変えただけ。 

  エラー発生要因を排除するだけなので、読み取り精度の高いCDPでは何も変わらない。

  音質:変わらず

 

②PLUTINUM SHM CD --- 2013年登場

  反射膜に純プラチナを採用。こちらも読み取り精度向上のため。値段高い。

  読み取り精度の高いCDPでは何も変わらない。反射率低いため、CDPによっては読み込めない時がある。

  音質:変わらず 

 

③XRCD24 --- 1996年登場

  マスタリング、カッティング、スタンパーまで機器、音質に拘った。

  ビクターのK2テクノロジーが導入されている。

  音質:多少良くなりました

 

④HDCD --- 1996年頃 登場? 写真は所有しているEU盤です。

  技術的にはかなり難しそう。A/D変換の回路技術、アーキテクチャーが革新的。

  隠しコードがあり、HDCDデコーダーを有した装置で再生するとHDCDと表示されるとの事(初めて知りました)

  Foobar2000でも出来るという事なので挑戦してみたいと思います。

  音質:普通に再生しても音質良いです    

 

⑤Blu-Spec CD --- 2008年に登場

  ブルーレイディスクのカッティング技術と素材を使ったもの。

  青紫色半導体レーザーをカッティングに使用、ピットのエッジが立っており、ジッターが発生しにくい。

  音質:多少良くなった

 

⑥Blu-Spec CD2 --- 2012年登場

  Blu-Spec CDから更にマスタースタンパーのカッティング方法、素材にも拘った。

  音質:良くなった。巷の噂ではリマスタリングしているのではと。

 

⑦その他にも蒸着膜に金を使用した24k GOLD CD等もあると思いますが、これくらいで。

  24k Gold  "the well / Jennifer Warens"  金は貴重。

 

私の今迄の経験では、素材どうのこうの言っても、それは読み取り能力・精度の高いCDプレーヤーで再生する分には何も変わらない。

それよりも寧ろ、リマスター、マスタリング、マスターカッティングの良し悪しが最も音質に影響すると思います。

また、古い音源のリマスターの場合は、マスター音源、マスターテープが何かによっても違います。オリジナルに近いほど良いのは言うまでもないです。

なので、今回のMQAの場合も、私はオリジナルマスターテープを元に2018年リマスターしたアルバムを選びました。

単純に、MQAと今迄のCDの本質的な差を比較するのであれば、同じ音源を使ったものが良いでしょう。

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音の立体感とは。

2018-09-03 13:45:52 | オーディオ

音の立体感とは、どういう事から生まれてくるのか自分なりに考えてみました。

音の「立体感」は、「臨場感」、「音が前後左右に広がる」とも表現されます。

例えるなら、いつものリスニングポジションで聴いた時に、自分が恰もスタジオ、ステージ客席の中央に座り、音に包み込まれる様な感じになると言う事でしょうか。

この状況を再現するために、オーディオ業界では、過去に幾度も新たな技術が試されました。

後方の反響音を加えた4チャンネルステレオ、ドルビー・サラウンド・システム等々。

しかし、今となっては、2chステレオ再生が一般的です。モノ→ステレオになってから何年経つのでしょう。50年以上? 

それだけステレオ再生は確立された技術で世間に受け入れられ、ハイファイ・オーディオのスタンダードとなっています。

では、何故4chステレオやサラウンドが主流とは成り得なかったのでしょうか。

システムの煩雑さ(機材が沢山必要)?、セッティングの難しさ、住宅事情?、2chで充分、必要性を感じない?、規格の乱立?。。。。所詮人の耳が2つだから(笑)? まあ、様々な要因があったから市場から消えたのでしょう。

しかし、映画鑑賞の場面では、ドルビー・サラウンドが主流ですよね。

私も新宿のTOHOシネマでジェラシック・ワールドを見た時は3D画像と相まって臨場感の凄さに感動しました。

 

私個人の考えでは、音楽を聴く場合は、音の出口を増やし、疑似的に反響音を後方から出力したりしなくても、音数、音の密度を増やすことでも立体感を出す事は可能ではないかと思います

これは液晶TVでも同じ事が言えます。

TV業界も一時期左右の目の視差を利用した3Dが話題になりましたが、いまや聞かなくなりました。

ちなみに、耳は左右で距離感や音の発する方向を認識します。

液晶テレビは、FHD→4K2K→8K4Kと高解像度化が目覚しく進んでいます。

私は4KTVしか見たことがありませんが、FHDと比較すると確かに奥行き感が出て自然な感じです。これだと3Dは必要ないと感じました。

要するに、ハイレゾルーション化が進むと画像も立体的になる。これは音でも同じ事が言えるのではと思います。

デジタル音源は今後もさらにハイレゾ化が加速するのでしょうか?楽しみですが、データ量が半端なく増えますね。ここがデジタルの欠点です。データを圧縮とか何か抑える技術革新が必要です。

画像の場合ですと、一度メモリーに保存し前後のデータを比較して変化があった部分のみ書き換えるといった技術がありますが、音楽データは常に変化するので、そんな訳にはゆきませんね。

ところで、最近、MQA-CDなるものがユニバーサルミュージックから発売されていますが、記事を読むと音質が良さそうです。麻倉怜士さんも絶賛です。

私も興味があり、期待を込めて早速手配しました。楽しみです。

サンプラーであれば、¥1,080で手に入る様です。

但し、生産限定品のため、興味ある方は早めに予約注文したほうが良さそうです。

 

これがハイレゾCDだ! クラシックで聴き比べる体験サンプラー
←Amazonに移動が出来ます。
ユニバーサル ミュージック


ただし、私はダイレクトにMQA再生出来る装置を持っていないので、取り敢えず普通のCDプレーヤーで聴いてみます。普通にCDで聴いても音が良いと言われています。

その後、Foobar2000でもドライバをダウンロードすれば、再生が出来そうなので挑戦してみようと思います。

また、レポートします。

 

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