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My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

WE蝋引き黒エナメル線をスピーカーケーブルに使う。

2025-04-19 13:00:05 | ケーブル

以前RCAケーブルの製作で期待した結果が得られなかったWE線ですが、NFBに使用して好結果が得られた事から、信号がある程度大きく通る箇所に使用すると良いだろうと考え、スピーカーケーブルに使用してみました。長さも1.3mと短くしました。

スピーカーはSP-505J ユニットはJBL LE14A + LE175DLH、アンプはWE421A PPです。

 

約10日間鳴らし込み後、結果は「大正解!」

 

生き生きと瑞々しい音になりました。中域から高域が特に綺麗です。細くて心配した低域も今までと同じで充分に出ています。トランジェントも良いです。

このシステムでよく聴いてる妻も、「ほんと良くなったね!」と喜んでくれました。

今までのダイエイ電線のケーブルは何だったのか?と思うほどです。

線径は0.5mmと細いのですが、量感たっぷりです。ケーブルって太けりゃ良いって言うものでも無さそうです。不思議です。

どこかで、ケーブルって抵抗 /線径を全長に渡って均一に作る事は難しい技術だって読んだ事が有ります。このあたりのノウハウなのでしょうか?WEの生産技術力。リニアでは無くどこかに流れの溜まりがあると音が濁るって事なのかな?

 

今後、このスピーカーの駆動に使っているWE421A PPアンプのNFB線もWE線に交換してみたいと思います。

 

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アンプ内部配線、NFBの配線材は音質への影響が大きい。

2025-03-16 14:58:20 | ケーブル

以前に、6C33CシングルアンプのNFB線材をWEブラックエナメル単線に交換したところ、音質が大きく変化した事を報告しましたが、今回、KT88プッシュプルアンプでも同様な効果が確認できました。

使った線材は、WE(ウェスタンエレクトリック)製1940年代製造のブラックエナメル単線蝋塗り品AWG22相当(芯線径約0.5mm)です。ホット側とグランド側のゆるいツイストです。「ゆるい」のがミソ。

同じ線材をRCAケーブルに使った時は上手く行きませんでしたが、NFBラインの様にある程度の信号電圧と信号電流が流れるところが上手く行く様です。

NFBに使うコンデンサ、抵抗も同様に音質への影響大なので部品選びは重要です。私はコンデンサにはサンガモ(SANGAMO)製シルバーマイカを使っています。さらに言えば、ゾベル回路のコンデンサ、抵抗の品質も音質に影響しますので私はスプラグ(SPRAGUE)製ブラックビューティを奮発しています。

 

今回、NFBの線材によって音質が大きく変化する事に確証が得られたので、今後は他のアンプにもこのWE線を採用予定です。

 

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真空管アンプの内部配線にWEケーブルを使用

2025-01-26 13:07:22 | ケーブル

真空管6C33CシングルアンプのNFBラインにWestern Electric(WE)の蝋塗ブラックエナメル単線を使ってみました。

前回のRCAケーブル製作で余ったものです。

 

結果は「良い」ですね~。ここは効きます!効果ありです。

低音と高音が良く出て音に芯が有ります。微細な音まで聴こえます。表現力が有ります。

さすが1940年代のWE線です。この線径では、この位の長さで内部配線に使うのが良さそうです。

この真空管アンプのNFB回路は、初段のカソードに戻す様になっているので、カソード・パスコン同様に使用部品で音質に大きく影響します。

 

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WE線でRCAケーブルを作りました。

2025-01-24 16:22:43 | ケーブル

またまたウエスタン・ケーブルの話です。

使用したのは「Westernのブラックエナメル単線で蝋引きツインケーブルAWG22相当品」です。

ブラックエナメルに絹巻き、外側に蝋(ロウ)が塗られています。出品者によると1940~50年のWestern Electric(WE)製の物だそうです。

これを使ってRCAケーブルを作ります。RCAケーブルとしてWE製を使うのは初めてです。

どんな音がするか、ワクワクです。

半田付けする時はカッターの背で先端のエナメルを剥がします。

黒エナメルは経時変化で退化したのか?銅芯線にしっかり密着している感じではなく、カッターナイフで軽く擦ると炭の様にポロポロと剥がれ落ちます。これって本物?

外皮は蝋が塗ってあるので、そのままではベトベトして扱い難いです。Φ3mmの編組チューブにの中に入れました。RCAプラグは手元に残っていたSwitchcraft製を使用。

こんな感じで完成しました。結構細くて頼り無いけど大丈夫かな?

仕上がりの見た目は、そこそこ良い感じ。

 

これを真空管プリアンプ~真空管パワーアンプの接続に使ってみました。

シールドが無いのでノイズを拾わなか心配でしたがACコードやトランス等の傍を避ける様に取り回せば大丈夫の様です。

 

鳴らし始めてからは日々音質が変化していました。

そうですよね。70年以上は使われずに置いてあったのですから仕方ないですよね。活性化するのに時間が掛ります。以前スピーカーケーブルにWE製を使った時もそうでした。これが本物の年代物の証?。

使い始めは、少し固い、高音がキンキンとしていました。これが少しづつ解れ、今度は少し大人しい落ち着いた音へ、そして今度は伸びる高域と弾む低域で広がりある音へ。

しかし、1か月位鳴らし込みましたが、以前に比べ音が痩せてしまい私の好みの音では有りません。

これはケーブルが少し長め1.8mだった事が原因かも知れません。もう少し切り詰めて1.5m~1.2mにしてみようかな?

取り合えず元のBelden(ベルデン)8412へ戻しました。

 

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なんちゃってWEサウンド。

2024-03-24 14:36:40 | ケーブル

スピーカーの内部配線に使ったWEケーブルの余りをスピーカーケーブルに使いました。

現在のスピーカー・ケーブルは、WE(ウエスタン・エレクトリック)のブラックエナメル単線(16GA)

但し、単線だけでは取り回しが良くないので、その両端は撚線で15cmほど延長しています。

今までは、ここにダイエイ電線を使っていたのですが、WE撚線に変更してみました。

バナナプラグは「FURUTECH」製。

(変更前) ダイエイ電線 VFFT 0.75sq」の平行線

(変更後) KS-13385L-1 16GA

 

使い始めは、いつも通りで、しっくりこない詰まった音でしたが、これも1週間後に解消。

あら不思議!WEサウンドになりました。なんちゃてWE

本物のWEサウンドを知らないので、所謂自己満足です。

プラシーボかも知れませんが不思議ですよね。わずか数センチ使っただけでもその音色が乗るんです。

 

 

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コレットチャック式RCAプラグに交換しました。

2020-12-18 14:07:46 | ケーブル

今日はちょっと軽めの話題を。

先日、RCAケーブルのプラグを交換しました。理由は、嵌合がちょっと緩めでルーズだったため。

今迄使っていたものが、定番の「Switchcraft製#3502」。

これを市販のコレット・チャック式ロックの物に交換します。

他にもフルテック製のコレット・チャック式プラグで作ったRCAケーブルを使っていて気に入ってるですが、これと同じ物は生産終了でもう手に入りません。

仕方なくAmazonでコレットチャック式ロックで半田結線仕様のものを探しました。

あまりにも安いものは避けました。

購入したものがこちら↓。値段も手頃でした。ケーブル外径9mmまで適応。

 

これって、フルテック製のラインアップに有る製品とソックリ。あれ?

海外のメーカーが真似をして作ったものか、それともOEM品なのか?

実際に商品が届き、手にして見ると、ずっしりと重い。これって良さそうな感じ。

ケーブルを半田付けをして製作しました。

作業性としては、ホット側は問題ないのですが、グランド側は端子が無いのでかなり半田の熱量を奪われます

プラグ側を充分に熱してから半田を溶かし接続します。

小型の萬力(バイス)があれば便利です。固定するものが無いと作業が大変です。

こんな感じで出来ました。分り難いですが、Lchは無地(シルバー)、Rchは赤です。

途中でチャック(カバー)の通し忘れが有り、再度作業になった事も(笑)。くれぐれも注意。

完成後、使ってみると、しっかりとRCAジャックに喰いつきロックが出来ます

しかし、以前から使っていたコレット・チャックの方が、もっとしっかり喰いつきと外れない様な気もします。

でも、これで充分です。ロックが無いよりも安心です。

 

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Gotham(ゴッサム) GAC-4/1 でRCAケーブルを作る。

2020-11-29 13:21:51 | ケーブル

立井電線のケーブルを報告してから1年以上が経過しましたが、こちらが欧州のスタジオで使われていた(真偽のほどは見たわけではないのでわかりませんが)と言われるGotham Cable(ゴッサム)です。。

GothamではGAC-1は以前に作成した事がありますが、このGAC-4/1は初めてになります。

このGAC-4/1は4芯のシールド・ケーブルです。

このGotham Cableはネット上のあるサイトでは、色々と言われていますが、今回実際に使って聴いてみた感じでは結構良いです。

 

RCAピンプラグには、定番のNEUTRIK(ノイトリック)(実はREAN)を使用しました。

いつも通り、シールド編み線は片側だけをグランドに落とします。

グランドループを作らない為と編み線に信号を流さない為です。

これが解ってなくて、市販品では両側ともに編み線をグランドに落としている物が殆どです。

そのため、私がシールド線を作る場合、片CHずつシールドしてある事は勿論ですが、2芯、4芯のシールド線を使い必ず片側の編み線はオープンにします。

今回製作したものです。RCAコネクタに半田付けしたところ。

写真の上側が編み線オープン。熱収縮チューブで絶縁しています。

下側では編み線をグランドに落としています。

 

製作後、実際に使って見た感想。

プラグがREAN(NEUTRIKの汎用品)のためか、締め付け(チャッキング)が少し弱く不安な感じがします。やはりNEUTRIKのほうが信頼性が高いのかな。

音質に関しては、実はこのRCAケーブルはオークションで完成品を購入したのですが、案の定、ケーブル末端処理が両側ともシールド編み線がプラグ・グランドへ接続されており、最初使った時は、何か籠った濁った音と感じました。

その後、上述の様に改造したところ、音がクリアーになりました。やはり何らかの効果が有りそうです。

 

 

ところで話は変わりますが、MJ(無線と実験)の今月号(12月号)ですが、興味深い記事が載っていたので、久々に購入しました。

300Bシングル・アンプの最高傑作と言われるウェスタン・エレクトリックNo.91-Bを原機に忠実に製作し、その秘密を回路から解析。

興味深く読ませて頂きました。

 

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LANケーブルの交換だけで通信速度アップ! ~接続ケーブルは重要~

2020-08-19 12:34:53 | ケーブル

お盆前にホームネットワーク環境の見直しをしました。

以前に投稿したTP-Linkの中継器に続き、Wifiルーター親機そのものも交換しました。

Wifiルーターの候補としては、USB HDDが接続出来て、それを簡易NAS型メディアサーバーとして、ブルーレイプレーヤー(UBP-X800)からアクセス出来る事が条件です。

この条件に当てはまるものを探すと、該当する機種はかなり限られてきます。(今はLAN接続のNASが主流なのでしょうね。)

そこで購入したのが、あまり好きなメーカーでは無かったのですが「BUFFALO WXR-1900DHP3」。

これで、我が家のホームネットワークは次の様になりました。

頭の中で考えると、何だか複雑そうですが、この様に図に整理すると分かり易いですね。後々、変更する時にも役立ちます。

  

これでPCやBDプレーヤーUBP-X800等から全ての簡易NAS(HDD3基)を見る事ができます。

但し、TVの外付けHDDサーバー内の録画番組を見るには、機器がDTCP-IP対応のDLNA機能を持っている必要が有ります。

 

さて、本題のLANケーブルについてですが、

ルーター機器の設置を見直していて、ふと思ったのが、「AU光 ONU~ホームゲートウェイへのLANケーブル」に何だか安っぽいものが使ってありました。しかも長さが長い。

ここを変えて見ようと思い、エレコムの「CAT7規格のケーブル」が安かったので交換しました。

長さも元の1mから約半分の0.5mにしました。隣に置いているので短くてOK。

 

通信速度は、交換前はせいぜい30Mbpsだったのが、交換後は2倍の60Mbps程度になりました。

ホントに~?って一瞬疑いましたが、何度測定してもその様になります。

スマホで測定しても倍以上になっています。たったこれだけで、得した気分です。

以前は、TVの外付けHDDにアクセスして録画番組を観ていると、時々止まる事があったのですが、これで止まる事無く快適に観れます。

自宅のLANケーブルを見て、「おやっ?」って思われた方は、試して見る価値ありです。それほど高価な物でもないし。

まぁ、高価なハイレゾ・オーディオLANケーブルって物が有るらしいですが、それに比べれば安いものです。

LANケーブルで音が変わるのかは懐疑的ですが、LANケーブルひとつで通信速度が変わるのは「有り」と思います。

 

今回のホームネットワーク環境の見直しは、デジタルメディアサーバー(DMS)とデジタルメディアプレーヤー(DMP)のやりとりをスムーズにし、ネットワーク再生高音質化へ向けた次なる展開のためでもあります。

これについては次回投稿します。

 

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Western Electric ケーブル病? ~第3弾 WE 2芯シールド・ケーブルを使う~

2019-10-24 13:06:29 | ケーブル

どっぷりとWestern Electricのケーブルにハマりこんでしまっています。WE電線病?

WE信仰に洗脳されて信者になりつつあるかも?

今度はシールド・ケーブルを使ってみた。

使用箇所は、5998 PPアンプの内部配線、RCA入力~VRに至るライン。

従来はBelden(ベルデン)の1503Aを使用していた。

これはこれで力強い音がして良かったのですが、ここをWEの2芯シールド線に交換。

2芯シールドを片chに1本、計2本使用。(通常この様にしますよね) 

WEの2芯シールドは珍しいです。あまり見かけません。

22AWGで1970年代の物らしいです。

WEの本物かどうか疑心暗鬼なところは有りますが、現物がこれ↓です。

  

構造は、外側から

・外皮=たぶんPVC

・絶縁被覆=紙で全体巻き+絹と何故か白黒の糸が2本。この2本の糸は?何か意味があるのでしょうね。

・シールド網=交差編み込みでは無く、一方向に撚って有ります。

・絶縁被覆=紙

・芯線被覆=テフロンと思われます。

・芯線=銅単線(非メッキ)

です。

外被を剥がしたところ。

シールドを剥したところ。内側にも紙が巻いてあります。その内側がテフロン被覆の信号線2本です。

なかなか凝った作りです。ここが拘り、何か技術的秘密があるのでしょう。

 

2本完成しました。

方向は信号の流れる方向と印刷文字の方向を合わせました。

シールド網線は終端側は芯線グランドとショートするために残し、入力側は切り落としています。

この接続方法をエンド・アースと言うらしいです。

逆に入力側の芯線グランドをシールド網線とショートする場合はスタート・アースらしい。

片側でシールドする理由はアース・ループを作らないため、エンド・アースとする理由は接続される機器のグランドノイズでシールドしないためです。ケーブルを自作した事がある方なら、よくご存じと思います。

私はRCAケーブルもその様にして自作しています。

今回、青色の芯線をコールド側=グランドとし、白色の芯線はホット側としています。

 

アンプのRCAジャックに半田付けしました。今回RCAジャックも新調しました。

配線した様子。結束バンドでシャーシに固定しておきました。

 

音はと言うと、一枚ベールが剥がれた様な更にクリアーな音になりました。クリスタル・サウンド?

これが色付けの無いフラットな音と言うのでしょうかね?

Eva Cassidy(エヴァ・キャッシディ)を聴いていますが、

アコースティック・ギターの弦を爪弾く音やボディーの胴鳴りがきちんと聴こえます。

そしてボーカルは突き抜けていて、天まで届く様な透き通った声です。

いやぁ、ビックリですね。恐るべしウェスタン・ケーブルと言うか、ウェスタンの拘り抜いた技術力です。

「オーディオの原点はWestern Electricにあり、ヴィンテージを極めるとここに帰結する。」

って感じですかね?。

今は高音が少しきつい感じもしますので、もう少し鳴らし込みが必要でしょう。


今迄使っていた「Belden 1503A」も価格の割には中音域を強調した様な骨太の音でPopsには良い感じでした。

Beldenのレコーディング用定番88760も気になります。

いやぁ~、電線病です。。。

 

今聴いているEva Cassidyを紹介します。こちらは「ベスト盤」です。

音質は良いです。オーディオ・ファイルとして、よく使われます。

BEST OF EVA CASSIDY
BLIX
BLIX

 

こちらは「ライブ盤」です。こちらも音質良好です。

「奇跡の歌声と感動のライブ」がたっぷりと聴けます。

Nightbird
Imports
Imports

 

 

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いにしえのWestern Electric ケーブル。~第2弾 WE 16GA(スピーカー・ケーブル)~

2019-09-29 13:33:36 | ケーブル

またスピーカー・ケーブルを買ってしまいました。電線病?

購入したのは、ヴィンテージと呼ばれるウエスタン・エレクトリック(WE)のケーブルです。

以前にも購入して現在も使用しているのですが、それより少し太いものです。

前回購入したものが18GA、今回のものが16GAです。どちらも単線です。

それにしても、超高額な蛇の様に太いケーブルに比べると、こんな細いケーブルで大丈夫?と思わせる外観です。

16GAで外径2mm/芯線径1.3mm、18GAで外径1.5mm/芯線径1.1mmです。

製造は1940~50年頃と思われます。 

今回の16GA ↓

 

分解してみると、太さだけでなく被覆の構成も少し違う様です。 

内側の絶縁体は絹(シルク)で同じなのですが、外皮の織り込み込み方が違う様です。

前回の18GA ↓

外被の布(綿?)は紐状のものが並べてあり、これが内被のシルクに螺旋状に巻き付けてあります。

今回の16GA ↓

外被の布(綿?)はクロス状に織り込んであります。

これが電気的、音質的にどんな意味があるかは私にはわかりません。

 

お約束の信号伝送ケーブルについて、色々な資料を元に、音質に影響を与える特性にはどんな要素(パラメーター)があるか勉強してみました。

その要素には、次の3つがあることがわかました。

①導体の材質

②絶縁体(被膜)の材質

③ケーブルの構造

①と③はオーディオ界では良く議論されますが、②については意外と少ないと思います。

①については抵抗値が低い物が良いとか、③については撚り線で太いほど良いとか。

確かに分解能(音数)に関しては①が影響するかも知れませんが、しかし音色に関しては②や③が重要だったりします。


まず絶縁体に注目してみました

・絶縁体の比誘電率について:

大電力、高電圧の伝送には絶縁耐圧が重要になりますが、スピーカー・ケーブルの様な信号伝送ではむしろ比誘電率が重要になります。

学術的な難しい説明は避けますが、この比誘電率により低音域と高音域での信号の伝わる速さに差が生まれます。当然比誘電率が小さいほど高速伝送が出来ます。然るにスーパーコンピューターとかTV局のアンテナ配線、また衛星など高速伝送が必要な機器では比誘電率が小さいテフロンが使われます。

 ※しかしオーディオの周波数帯でこれがどれだけ問題となるかは個人的に疑問ではありますが、取り敢えず置いときます。

比誘電率は真空中の誘電率を「1」とした時の比です。

色々な物質の比誘電率はこちらを参考にしてください。

具体的に見ていくと、実際に一般的なケーブルでよく使われるPVCは「8~4」で、しかも周波数依存が大きいです。PE(ポリエチレン)では「2.3~2.4」、テフロンは「2.2」。

ケーブルで「中空ケーブル」なんてのも聞いたことがありますが、この比誘電率に対処してでしょう。

また、真空管アンプや高級アンプの内部配線でテフロン・ケーブルが使われている理由も、耐熱や耐圧だけでなくこの比誘電率を考慮してでしょう。

では、今回のWEケーブルを見てみましょう。

内側の被覆は絹で、16GA、18GAとも同じです。

絹の比誘電率はなんと「1.3~2.0」で、物質としては比誘電率が低いです。

WEのエンジニアはその当時からこの事を熟知していたのでしょう。 

そして外被にはおそらく綿が使われてます。

 

次に導体の表皮効果について

単純に撚り線にすると表皮効果が表れます。表皮効果とは周波数が高くなると電流が導体の表面に集まり有効な電気的断面積が小さくなる現象です。これを回避するため芯線ごとに被覆し束ねたものがリッツ線です。

WEのケーブルにはブラック・エナメルで絶縁被覆を施したものが多く見受けられますが、これで表皮効果による高周波特性の劣化(高周波における交流抵抗の増加)を防いでるのでしょう。

今回のWEのケーブルにもブラック・エナメルが施してあります。

導通を取るためには、このエナメルを剥がす必要があります。上が剥がす前で、下が剥がした後です。

 

③のケーブル導体の構造について単線か撚線か

単線か撚り線かの議論はありますが、単線のほうが定位がハッキリすると聞いたことがあります。

撚線は、各素線同士が接触して大きな束になると思いがちですが、実は各素線の外側には多かれ少なかれ酸化銅が形成され抵抗膜となるので、素線同士は抵抗を持って接触する事となり、従い、電流は各素線の純銅の中を流れる事になります。

撚線には撚り方が色々とあり、「集合撚線」「同心撚線」「ロープ撚線」がありますが、「同心撚線」がその形状から機械的外力に強いため導体がつぶれ難く、信号伝送に適しているとされています。

同心撚線は、基本は下図の様に中心1本で周りを6本の芯線が囲む構造で、さらにその外側に何層も重ねた物もあり、各層が同心円状になっています。

ロープ撚り線は、上図の同心撚線を束ねたものです。可撓性があり産業用ロボット用などに適しているとされています。

製造設備新設時に工事業者が持ち込んだ電源配線を見たことがありますが、中心1本で周りを6本の芯線が囲む7芯構造でした。この7芯構造が幾何学的にが最も形が整うそうです。

 

余談ですが、海外のビンテージ・ショップで、テレフンケンのスピーカーとマッキントシュ球アンプを細いケーブル(おそらく単線)で繋いでいたのを見たことがあり、その当時は「こんな細い線で大丈夫か?」「何故、こんな細い線を使っているのだろう?」と思っていましたが、最近、自分で試して見てその意味がなんとなくわかってきました。

   

ケーブルのエージングについて。

銅線は太い銅線から延伸して作られているので、細い線ほど延伸率が高いことになります。

この延伸時に銅は機械的なストレスを受けます。この時に銅の結晶構造が乱れたり粗くなっていると思われます。

エージングではこのストレスをエージングによって整った状態に戻す事になる。

 ※結晶構造を戻す?戻るのかな?自問自答。

 ※ひょっとして、延伸で空いた隙間を電子、電荷で埋めるのかな?(妄想、個人的な推論)

従い、細い導体ほどエージングに時間が掛かるのではと思われます。

今回のケーブルも使い始めは、位相がずれた様な感じで低域がフワッとする時がありましたが、延べ50時間もすると治まりました。

 

講釈が長くなりましたが、肝心の音質は、18GAの時よりも重心が下がり、高域も聴きやすく、雑味なく纏まりのあるしっかりとした音です。今回のこの16GAが正解だったと思います。

音の透明度も良く、音がスッと立上がり立下りもスパッとして切れが良く気持ち良いです。

例えるなら、ダムの放水の様で、音の粒子の塊、束が低域から高域まで一気にドバッ~って吹き出す感じでしょうか。

現代のケーブルでは味わえない音かも知れません。

また、定位もバッチリと決まるため、スピーカーの振り角度の再調整も必要になりました。 


今回も前回同様、使い易い様にケーブルの先端部分は撚線ケーブルで延長しバナナ・プラグを接続しました。


今月の『ステレオ誌』にもヴィンテージ・ケーブルや半田の興味深い記事がありました。

「クラフト・ヴィンテージ」のコーナーだったかな?

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