My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

KT88 PPアンプ 出力トランス(OPT)交換後、音質調整を進行中(その3)~設計変更編~。

2017-03-26 13:11:17 | 真空管アンプ

さきほど、各部の電圧測定も終わりましたので、変更後の回路図を公開します。 

前段部回路図

後段部回路図

 

<変更箇所>

電源供給回路

 初段への電源は、ツェナーダイオードによる定電圧生成を廃止し、単純な抵抗分割へ変更。

 ツェナーダイオードはノイズを発生するため。

 39kΩと24kΩでB電源を分圧。電解コンデンサを抱かせました。

 元のツェナーダイオードの時と同じ180Vを得る事が出来ました。

ヒーターバイアス

 6SN7のカソードが100V程度になるので、約45Vのヒーターバイアスを実施。

 初段の6SL7も同じヒーター電源を使うので、こちらも45Vのバイアスが掛かる事になりますが問題ないでしょう。

 470kΩと47kΩでB電源を分圧。電解コンデンサ、セラミックコンデンサを抱かせました。

ムラード回路見直し

 ここが一番手こずりました。

 まずは、電源供給を初段と分離。15kΩ抵抗と100uFの電解コンで電源を作りました。

 共通カソード抵抗とプレート抵抗は、以下の色々な事を考慮しながら定数を決めました。

  ・6SN7のロードラインより、カソード電流は少し増やして3mA程度が直線性が良くなる。

  ・後段KT88のグリッドバイアスがー62Vなので十分にドライブ出来るプレート電圧とする。

    ・共通カソード抵抗が小さいとアンバランスが生じて有効な差動特性が得られないらしい。

   教科書によると、

   アンバランス(m) = { 内部抵抗(rp)+交流負荷抵抗(RL) } ÷ { ( 1+μ )×共通カソード抵抗(Rk) }

     だそうです。

  ・また、別の本では、

  「共通カソード抵抗RKはRLの1/2以上にしないと両相間のバランスが悪くなります」

    と書いてあります。

 そこで、私の場合、上図の回路図の抵抗値としました。

 プレート抵抗は上側36kΩと下側34.8kΩ。

 ここは同じ値ではなく、下側を上側よりも少し小さくした方が良いと書いてありました。

 共通カソード抵抗は17.8kΩ。バイアス電流は片側2.8mAとなりました。

 ロードラインも直線性の良い所に来ました。

NFB定数見直し

 回路が安定した為か、現状のNFBを15kΩ+100Ω(9.1dB)では音があまりにも大人しくハイファイでつまらない、元気のない音なので、22kΩ+82pF(7.1dB)に変更しました。

 これで元気な音、生きいきした音になりました。音も前に出てくるようになりました。

 

この状態で鳴らしていますが、いったんは満足のゆく音になりました。

あとはエージングが進んだら、また定数の微調整が必要かも知れません。

 

今回もEDさんにご指導を頂きました。本当にありがとうございました。

長い道のりでしたが、お陰さまで音質、知識ともにレベルアップができました。 

 

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ビンテージ部品を使用する時の準備と注意

2017-03-25 10:14:45 | その他

オーディオや電気楽器(エレキ)をやっていると、どうしてもビンテージ部品(パーツ)とか往年のオーディオ全盛期の古い部品を使ってみたくなります。

そうした時の使用前の準備と注意事項を参考になればと思い書いてみました。

ご存じの方は読み飛ばして下さい。

<使用前の確認と準備>

1.古い部品なので足(リード)が酸化、腐食、汚れている物が多い。

 リードは必ず研磨、クリーニングして使う。

 汚れたままで半田付けすると半田がのり難いだけでなく、音質にも影響します。

 無理矢理に半田付けしても、半田の中に酸化物や不純物が残ってしまいます。

 私はクリーニングに、「銀磨きクロス」を使っています。

KOYO ポリマール 銀磨きクロス 195mm×125mm 2枚入
←クリックでAmazonに移動が出来ます。
光陽社

 このクロスを使って磨くと、クロスが真っ黒になり、汚れが落ちていることが良く分かります。

 これでも汚れが取れない場合は、こちら↓を使い、その後、ポリマールクロスで仕上げます。

3M スポンジ研磨材(スーパーファイン)/(マイクロファイン) 各1枚セット
 
3M(スリーエム)

 クリーニングした後は、無水エタノールで洗浄すると完璧です。

 リードや真空管の足がピカピカになります。

 

2.コンデンサは容量値を確認する。

 古い部品は容量抜けしている物もあるので注意が必要です。

 良心的な販売店ではチェックしている筈ですが、念のために確認しておくと安心です。

 

3.コンデンサの漏れ電流を確認する。

 メガオーム・テスターがあれば良いのですが、少なくともテスターで絶縁抵抗値を確認しておいた方が良いです。

 オイルペーパーコンデンサや電解コンデンサは特に注意。

 最低でも100MΩは必要ですね。 

 

4.フィルムコンデンサは、必ず巻き始め(内側)と巻き終わり(外側)があります。

 それを見つけるためにはミリボルト・メーターが必要です。

 巻き終わりをインピーダンスの低い方(例えば、プレート側)に接続すると誘導ノイズを受け難いそうです。

 

5.抵抗は抵抗値を確認する。

 特にカーボン抵抗は経年変化で定格値よりも大きくなっています。

 

抵抗値、容量値を確認するには、私は「FLUKE107」を使用しています。

FLUKE(フルーク) 107 ポケットサイズ・マルチメータ(バックライト付多機能型)
 
フルーク

安物のテスターは、電圧を測定するときに、入力インピーダンスが低くて正確に測れない事があります。

FLUKEなら安心です。このテスターはオートレンジ、オートパワーオフでもありますので使いやすいです。

少し高いですが、FLUKEなら買っておけば心配は無いです。

 

<注意事項>

製造から数十年も経っている物は、覚醒する(本来の音になる)まで時間が掛かりますので、使い始めてすぐに判断するのは危険です。ビンテージ部品は高価でも有りますので、すぐには諦めないように、気長く見守り、様子をみてあげてください。

100時間くらいは必要かも知れません。これは、コンデンサー、抵抗、真空管などどんな部品でも同様ですが、抵抗はコンデンサよりもエージングに時間が掛かる様な気がします。

また、部品交換する時は、古い半田は取り除き、新しい半田を使って半田付けします。

私の場合、半田にはケスター(KESTER)44を使ってます。

 

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KT88 PPアンプ 出力トランス(OPT)交換後、音質調整を進行中(その2)~抵抗交換編~。

2017-03-20 12:26:53 | 真空管アンプ

今回は抵抗を高音質と言われるものに交換してみました。

同時に、定数の見直し(設計の見直し)も行っていますが、この部分は次回として、まずは交換した抵抗を紹介します。

今まで私のアンプでは散々アーレン・ブラッドレー(A&B)のカーボン抵抗を使用し濃い音を作ってきましたので、今回は高特性の出力トランスのを生かすために、金属皮膜抵抗を中心に使い、ハイファイ化を狙いました。

使用した抵抗は以下です。写真を参考にしながら読んで下さい。


①PRP製抵抗PR9372 写真の赤い抵抗。小さい方。表面に艶があります。 

 アメリカ製のハイエンド・オーディオ用の抵抗らしいです。

 電力が低い部分(カソード抵抗、帰還抵抗、グリッド抵抗)にはこの抵抗を使いました。1/2W品です。


②IRC製RN-65(MIL規格品) 写真の赤い抵抗。少し大きい方。IRCの印字が見えます。

 RN型の元祖でアメリカ宇宙航空用途に開発された物らしいです。3/4W品です。


③KOA製SPR5C 写真の緑色の大きい抵抗。

 日本が誇る抵抗メーカーKOA製のものです。カーボン系?

 この抵抗は「無線と実験」「管球王国」でも抜けが良く透明感のある音と評価だったそうです。

 5Wが音が良いそうです。

 

今回、初段帰還カソードの電解コンデンサもスプラグATOMからBCコンポーネンツ製のラジアルタイプ220uF/25Vに交換しています。

こちらの方が配置的に収まりが良いのと、音も抜けが良いためです。

 

現在エージング中ですが、エージングが進むとともに抜けの良い、解像度の高いハイファイな音になっていってます。

今迄よりは確実に音質が向上しています。ノイズも減っています。

抵抗はとにかくエージングに時間が掛かるので、100時間くらいは様子を見たいと思います。 

 

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ロック豪華アーティスト揃いのイベント・ライブCD、DVDの紹介

2017-03-12 10:55:19 | 音楽

最近買ったCD、DVDの中で、これは良い、コスパ高いと思ったCD、DVDがありますので紹介します。

それは、イベントで有名なアーティストが集結して演奏したライブ盤です。

以前から気になっていたものです。いずれも豪華な顔ぶれです。 


一つ目は、

ネブワース 1990 完全版 [DVD]

です。

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ヤマハミュージックアンドビジュアルズ

エリック・クラプトン、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、ピンク・フロイド、ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、フィル・コリンズ、ダイヤー・ストレイツなどが集結した1990年のライブです。

あの伝説的なロックの聖地(私は知らなかった)イギリスの小さな村ネブワースで行われた最大規模の歴史的コンサート。

観客12万人、11時間に及ぶコンサートだったそうです。出演アーティストの顔ぶれも豪華です。

私はCDを買いましたが、エリック・クラプトン以降の演奏が特に熱いです。

クラプトンは自身の「Sunshine of your love」の後、ダイヤーストレイツ(マーク・ノップラー)、エルトン・ジョンのコーナーでも弾きまくっています。

ダイヤー・ストレイツの「Money for Nothing」も良いです。

ロバート・プラント with ジミー・ペイジもツェッペリンのフレーズとか入れていて少し懐かしくもあり新鮮です。

ピンク・フロイドのメンバーは、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイソン、リック・ライトです。

「Ru like hell」(The Wall)はカッコ良いです。

このDVDも欲しくなりました。

 

2つ目は、

モントセラト島救済コンサート [DVD]

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ヤマハミュージックアンドビジュアルズ

1997年ロイヤル・アルバート・ホールでのチャリティ・コンサート。

ポール・マッカートニー、フィル・コリンズ、スティング、マーク・ノップラー、エリック・クラプトン、エルトン・ジョンなどの錚々たるメンバーが出演。

画質、音質ともにGood!です。

クラプトンは、自分のコーナーではアコースティックです。

マーク・ノップラーと演奏する「レイラ」、パーカッションのレイ・クーパーもカッコ良いです。

他のコーナーではシルバーのストラトを弾いています。

スティングは渋くてカッコ良いですね。「Message in a bottle」のアコースティック・バージョンは最高!一聴の価値あり。

マーク・ノップラーのコーナーでは、「Maney for nothing」でスティング、クラプトンも共演。

このメンバーは豪華過ぎます。

 

3つ目が、

アメリカ:ア・トリビュート・トゥ・ヒーローズ

です。

アメリカ:ア・トリビュート・トゥ・ヒーローズ
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ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

2001年9月11日に起きた米国同時多発テロの犠牲者追悼チャリティーイベントの模様を収めたもの。

ロックではありませんが、出演者は、ブルース・スプリングスティーン、ビリー・ジョエル、スティービー・ワンダー、マライヤ・キャリー、セリーヌ・ディオン、スティングなど。

私が持っているのはCDですが音質良好です。選曲、各アーティストの語り、涙なしでは聞けないです。

 

 

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