My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

2018年の振り返り。(その4) ~イベント~

2018-12-30 12:30:58 | オーディオ

次は、お宅訪問、コンサート等のイベントの話題です。

 

<お宅訪問>

念願だったEDさん宅の訪問 ←クリックで過去記事が開きます。

真空管アンプの改造等でアドバイスを頂いているお礼を兼ねて訪問する事が出来ました。

EDさん宅のスピーカー(ATC)、真空管アンプ(KT150)は、壮観で、その音に圧倒されました。

良い音を聴かせて頂き、有難うございました。

その場でも色々と教えて頂き、勉強になりました。これからもよろしくお願いします。

 

<コンサート>

IL DIVO(イル・ディーボ)

  9月に大阪オリックス劇場で開催された「IL DIVO」のコンサートに行きました。

 

 こじんまりとしたホールで、音響は良かったです。

 「イル・ディーヴォ」のコンサートは、過去に4回、海外、日本武道館と見てきていますが、やはり小ホールでは盛り上がりは少ないですね。

 来年は、4月にサラ・ブライトマン」のコンサートに行く予定です。大阪城ホールです。YOSHIKIは参加するかな?

 

<お出かけ>

紅葉鑑賞:兵庫県安国寺

自分のスマホで撮影した写真ですが、こんなに綺麗でした。平日でも人が一杯でした。

 

島根 出雲大社

 何年ぶりでしょう?15年ぶり? 久し振りに行きました。

 10月の神無月でした。ただ、この出雲大社には全国の神々が集まるので、ここだけは「神在月」です。

 写真は「大しめ縄」。

 

 

2018年振り返りは以上です。

4月以降は、時間が出来ましたが、時間を持て余して暇と思う様な事は無かったです。

来年も、時間を有意義に使って、充実した日々を送りたいと思います。


それでは、皆さま良いお年をお迎えください。

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2018年の振り返り。(その3) ~新規導入機器~

2018-12-30 11:54:55 | オーディオ

次は、今年新たに私のシステムに加わった機器たちです。

 

<新規導入製品>

トーレンス製レコード・プレーヤーとSME製トーン・アーム ←クリックで過去記事が開きます。 

 これは調整がかなり大変でしたけど、見事な音を奏でます。やはり名器ですね。

 ベルトドライブで且つターン・テーブルとアームが分離構造ですので、トレース音も静かです。

 SMEの"やじろべえ(シーソー)"式アームがレコード盤の溝に刻まれた音を良く拾い上げてくれます。

 アナログ・レコードの新たな世界が拡がりました。

 

DAC ソニー製DAS-703ESを導入 ←クリックで過去記事が開きます。

 現代のハイレゾを再考させられる様な音質です。

 回路は、今の時代から見ると、ほぼディスクリートで組まれており、良く考えられています。

 オリジナルの44.1KHz/48KHzデータでも、ここまで再現できるという事を示す様なDACです。

 その当時の価格からの物量投入にも驚きました。 古き良き時代(オーディオ全盛期)の銘産物です。

 エージングと少し手を加えてやれば、さらに良くなるでしょう。来年取り組みたいと思います。

 

ブルーレイ・プレーヤー ソニー製UBP-X800  ←クリックで過去記事が開きます。

ソニー SONY ブルーレイプレーヤー/DVDプレーヤー Ultra HDブルーレイ対応 4Kアップコンバート UBP-X800
←クリックでAmazonに移動が出来ます。
ソニー(SONY)

 今年最後に導入した機器です。

 ソニーとして初のUHD対応のブルーレイ・プレーヤーです。

 コスパが良く、映像、音楽、またWIFI内蔵ですので、ネットワーク・プレーヤーとして、とても便利です。

 DACは内蔵していませんので、手持ちのDACと接続すると良い音質が得られます。

 画質、音質、使い勝手ともに満足しています。購入して良かったです。お買い得と思います。

 特に古いDVD(画質の悪いDVD)でも、以前よりも綺麗に観える様になりました。

 今は、トランスポートとして専らこれを使っています。

 今後は、HDMI出力からBlu-ray等のハイレゾ・デジタル音声データを引き出せる様にしたいと思います。


新規導入製品は以上です。

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2018年の振り返り。(その2) ~改造成果~

2018-12-29 11:31:27 | オーディオ

次に、今年改造を施して、効果の有った内容と失敗談です。

<今年改造、変更して効果の有ったもの>

REVOX B226のDAC ICとデジタル・フィルタICの換装 ←クリックで過去記事が開きます。

 これは劇的に音質アップしました。

 DAC IC:TDA1541 → TDA1541A-S1(Single Crown)

   Digital filter IC : SAA7220P/A → SAA7220P/B バージョンの違いだけ

 

Western Electric製ブラック・エナメル単線スピーカー・ケーブル ←クリックで過去記事が開きます。

 これも良かったですね~。音が別次元に昇華しました。音が立体的になりました。

 低域から高域まで申し分ないです。

 導入してから約3か月になりますが、益々その実力を発揮しています。

 

真空管(球) TUNG SOL製6SN7GT (Black Glass & Round Plate) ←クリックで過去記事が開きます。

 これも良かったです。 以前から欲しかった球ですので自身満悦です。

 音が立体的で且つ音密度も充分です。

 

<事件と失敗談>

真空管のプレートが突然真っ赤になりました。 ←クリックで過去記事が開きます。

 これには驚きました。あわや大惨事になるところでした。良い教訓になりました。

 リスクのある部品は、よく確認をしてから使わないとダメですね。

 電圧、電流の大きいところにビンテージ部品を使う時は特に要注意です。

 

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2018年の振り返り。(その1) ~休眠機器の修理と断捨離~

2018-12-29 11:14:02 | オーディオ

今年もあと残り僅かとなりました。今年もこのブログに興味を持ち沢山の訪問を頂き有難うございました。

さて、2018年に、私が勤しんだオーディオ関連について、振り返ってみたいと思います。

今年は、4月からたっぷりと時間が出来ましたので、今まで気になっていた事に取り組む事が出来ました。

修理と断捨離、改造、新規導入、イベントと4回に分けて投稿します。 

 

まずは、我が家の押入れで眠っていた古いオーディオ機器の修理と断捨離です。

<休眠機器の修理>

BOSE 901 typeⅣのエッジ貼り替えとアクティブ・イコライザの修理  ←クリックで過去記事が開きます。

  いやぁ~、これは時間が掛りました。

  なにせ、左右でトータル18ユニット有りますから、修理開始から2週間くらい作業を続けていました。

  おかげで、部屋も朽ちたウレタンの埃だらけ。当然、マスク使用です。

  アクティブ・イコライザも、現代のCD出力レベルに合う様にトータル・ゲイン調整などの改修をしました。

  久々に力強いボーズ・サウンドを聴いて、一旦満足し、また押入れへ。押入れで熟成しています(笑)。

  出番が無ければ、欲しい人に売却? ビジュアルでサラウンド等を使って大迫力で楽しむには良いでしょう。

  実は、BOSE 100Jも持っています。一時期サラウンドに嵌っていた頃の痕跡です。

 

SONY製AVアンプ(1991年製)の修理  ←クリックで過去記事が開きます。  

  20年位前まで、BOSE901と組み合わせて使っていたアンプです。

  その当時ですので物量投入されており、トランスはESシリーズのトロイダルとなっています。

  修理と言っても、ボリュームのガリ取りと外観の清掃くらいです。

  ボリュームのガリ取りには、こちらが良さそうです。定番。

CAIG F5S-H6 DeoxIT FaderLube 5oz 接点潤滑剤
←Amazonに移動が出来ます。
ケイグ (CAIG)

  今は、リビングのスピーカーSP-505+LE14A+LE175DLH用のアンプとして使用しています。

  パワーも有り、LE14Aをよくドライブしてそうです。TVの音声もDACを通して鳴らせる様にしました。

  スピーカーも、導入してから1年、漸く鳴るようになてきました。スピーカーの馴らしは時間が掛りますね。

 

BOSE model363 

  内部のエッジ確認、音出し確認、外観磨き上げを行った後、新たなユーザーの元へ旅立ちました。

  BOSE 901を聴いた後だと、ちょっと迫力に欠けますが、現代風な繊細で少しドンシャリな音がします。

 

YAMAHA製AVアンプ(2000年製?)

 こちらは、その当時②のSONY製AVアンプのガリが酷くなったので、置き換えとして購入したAVアンプです。

 動作上は何も問題ないのですが、今の我が家のシステム構成からすると役不足で必要なくなったため、
 他のユーザー様の元へ旅立ちました。

 

 

ということで、休眠中だった2製品を断捨離しました。

他にも、断捨離対象の製品がまだまだ眠っていますので、来年以降も順次断捨離したいと思っています。

所蔵リストと今後の処置リストを作成中です。 

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心癒される、懐かしの名FM放送番組。

2018-12-24 12:29:10 | 音楽

このタイトルを見て、ああ~、あの番組だな。と、東京FMで放送されていた「ジェット・ストリーム(Jet Stream)」を思い出された方は、おそらく私と同年代でしょう。

学生時代、そして卒業後、会社に入り、企業戦士(死語?)として、世界を飛行機で飛び回っていた頃、良く聴きました。

年齢的に大体その頃って、家庭的にも子供の事などで大変な時期なのですが、家庭も顧みずにがむしゃらに働いていました。今の時代、そんな事したら即刻家庭崩壊ですよね(笑)。

でも、あの頃って、ビジネスマンは皆そうでしたから。

奥様は、よく耐えて家庭を切り盛りしてくれました。感謝です。

そうやって世界を飛び回って、機中でも仕事を考えている時に、ふとヘッドホン(イヤホン)から、この「ジェット・ストリーム」が流れると、癒されたものでした。

ナレーターは、変わってゆきましたが、やっぱり初代の「城 達也」さんでしょう。

JAL版で全巻欲しいところですが、取り敢えず、ナレーションが聴きたくて、1枚だけ持っています。

ジェットストリーム FOREVER CD全10枚組セット (収納ケース付) セット
←Amazonに移動が出来ます。
日本クラウン

いまでも、これを聴くと、あの頃を思い出します。

<オープニング・ナレーション>

遠い地平線が消えて、
深々とした夜の闇に心を休める時、
遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は、
たゆみない  宇宙の営みを告げています。

満点の星をいただく果てしない光の海を、
豊かに流れゆく風に  心を開けば、
煌く星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂の、
なんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていったはるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります。

これからのひと時。
日本航空が、あなたにお送りする
音楽の定期便。「ジェットストリーム」。
皆様の、夜間飛行のお供を致しますパイロットは、
わたくし、城達也です。

<エンディング・ナレーション>

夜間飛行の、
ジェット機の翼に点滅するランプは、
遠ざかるにつれ、
次第に星のまたたきと
区別がつかなくなります。

お送りしておりますこの音楽が、
美しくあなたの夢に
溶け込んでいきますように。

日本航空がお送りした音楽の定期便、
「ジェットストリーム」
夜間飛行の
お供をいたしましたパイロットは
わたくし、城達也でした。


このオープニング「ミスター・ロンリー」のレコードも欲しくて、探して買ってしまいました。

オリジナルは、ボビー・ヴィントンなのですが、日本ではこちらのレターメンのほうが馴染みがあると思います。

 

そして、その頃よく聴いた、もうひとつのFM放送番組がNHK-FMの「クロスオーバー・イレブン」です。

「津嘉山正種」さんのナレーションが聴きたくて、購入しました。CDとしては3種類くらい有りそうですが、内容的に私はこちらを選びました。ただ、こちらはすでに廃盤で入手難になっています。

ビル・エヴァンス、チェット・ベイカーなどの曲が収録されています。

クロスオーバーイレブン~イット・クッド・ハブン・トゥ・ユー~
←Amazonに移動が出来ます。
ビクターエンタテインメント


<オープニング・ナレーション(このCD)>

今日も一日が通り過ぎていきます
昼のあわただしさの中で忘れていた
人を愛する優しさ
人を信じるぬくもりを
そっとひろげてみます
夜空の星のきらめきとともに
それぞれの想いをのせて過ぎていく
このひととき
今日一日のエピローグ

クロスオーバー・イレブン

あれ?なんか違う!私が聴き馴染んでいたのは、こちら

街も深い眠りに入り
今日もまた 一日が終わろうとしています
昼の明かりも闇に消え
夜の息遣いだけが聞こえてくるようです
それぞれの想いをのせて過ぎていく
このひととき
今日一日のエピローグ

クロスオーバー・イレブン

ん?CDの選択間違えた?まあ、いいか。

<エンディング・ナレーション>

もうすぐ時計の針は
12時を回ろうとしています
今日と明日が出会うとき

クロスオーバー・イレブン


「ジェット・ストリーム」「クロスオーバー・イレブン」とも心が癒されます。

夜寝る前に、聴くにはちょうど良いです。 

 

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DLNAメディアサーバー(NAS)で扱えるファイル数制限について

2018-12-17 15:17:02 | PCオーディオ

いやぁ~、これは知りませんでした。悩む事、かれこれ2週間。やっと解決できました~!。

同じ壁に当たるかも知れない人のために、報告しておきます。

私は手持ちのCDは、リッピングしてHDD(2TB)に保存しています。音楽専用としています。

この目的は、もしもの時のバックアップ、PCオーディオ、そしてこのHDDをDLNAサーバとしてレンダリング。

また、このHDD内のデータは、もう1台のHDDにミラーリングでバックアップを取り、定期的にFile sync.しています。

そうやってHDDに保存したものが、大体0.9TB/2TBになりました。

因みに、リッピングに使用しているドライブはこちら。これも人気がある。使用ソフトは定番のExact Audio Copy(EAC)。 

Pioneer パイオニア Windows10対応 BD-R 16倍速書込 S-ATA接続 ブラックトレー仕様 BD/DVD/CDライター ソフト付 バルク品 BDR-209BK/WS2
←Amazonに移動が出来ます。
パイオニア(Pioneer)

   ※今は、同じパイオニアでも、もっと良いモデルが有りそう。


先日も、いつも通り新たに購入したCDをリッピングして、HDD(DLNAサーバ)に保存したのですが、ネットワーク・プレーヤで見ると、追加したファイルが見当たりません。

PCからネットワーク・ドライブとしてアクセスすると、そのファイルは見えます。

あれっ?と思って、色々とやってみましたが、どれもダメ。

・追加したfileの日付けが何故か古かったので、新しい日付けに変更。 × 

・HDDをネットワーク(wifi)から切り離し再接続。 ×

・無線ルーターの電源を落とし、再度電源オン。 ×

・無線ルーターにアクセスし、設定画面からマルティメディア・サーバーのデータ更新ボタンを押す。 ×

・同じくリフレッシュ・ボタンを押す。 ×

・同じネットワーク上にあるDLNAサーバー(TVのHDD)では、追加した録画番組が見える。

・BDプレーヤーがBDP-S6700からUBP-X800に。これでも同じ。 ×

Web上でも色々と調べました。

そこでやっと、これだ!と思ったのが、メディア・サーバーにはフォルダ数、ファイル数の制限があると言うことです。

これは、Wifiルーターのメーカー、種類にも依る(バッファローは比較的大きい)様ですが、概ね、

 コンテンツ数(ファイル数):10000

 フォルダ数:999

のあたりが限界と思った方が良い様です。これには、音楽、写真、動画を含めてカウントだそうです。

バッファローの場合は、ここに書いてありました。

CDアルバムだと、ジャンル毎にフォルダ、アーティスト毎にフォルダ、アルバム毎にフォルダを作っているので、恐らく、そのフォルダ数が上限になったのだと思う。

例えば、保存したデータ量900GBの場合、仮にCD1枚当たり700MBとすると、

900,000MB / 700MB = 1,286タイトル となります。

我が家では、バッファローの無線ルーターにHDDを接続し、簡易NASとして使っていますが、よく頑張ったな!って感じです。

そこで、対応として、あまり聴かない音楽ファイルは、バックアップ用のHDDだけに残し、DLNAサーバーのHDDからは削除しました。

この状態で、ネットワーク・プレーヤーからNASを覗くと、はい! 今まで見えなかったフォルダもしっかりと表示されています。

これで、約2週間悩み続けた問題が解決しました!。良かった~。 

 

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BDプレーヤーをUBP-X800にグレードアップしました。~コスパ良く、これは買いです!~

2018-12-16 21:19:45 | オーディオ

今まで使っていたブルーレイ・プレーヤーをグレード・アップするために買い替えました。

従来のプレーヤーは、2017年4月に購入した「ソニー製BDP-6700」です。購入時の記事がこちらです。

そして、今回購入したものが、同じくソニー(SONY)製の「UBP-X800」です。

このBDPは、以前からずっと気になっていて、いつ購入しようかと考えていました。

購入のきっかけは、前回のブログに書きましたが、デジタル出力をDAS-703ESで中継しES9018 DACにSPDIF入力したら、かなり音が良かったので、このES9018でももっと可能性があるのではと思った事です。今や市場はES9038が最新ですが、、、。

ソニーのBDプレーヤーは、DACを内蔵していませんので、別途DACが必要です。

HDMI入力TVや、HDMI或いはデジタル入力のある(DACを持った)AVアンプ、プリアンプでも可能です。

音楽を聴く分には、言うなれば、ネットワーク・マルチメディア・トランスポートといった所でしょうか。

 

注文後、翌々日に「UBP-X800」が到着しました。さすがAmazon!

(開封の儀)

 

 

今迄使っていたBDP-S6700と重ねてみました。大きさが全然違いますね。重さも0.9Kgと3.8Kg。

リモコンも少し大きくなり使い易くなりました。以前の物(右)は小さくて使い辛かった。

実は、新製品のUBP-X700と言う機種があり、仕様上ではDSEE HXの有無くらいなので、少し迷いましたが、X700は重さ1.4Kgと軽く、恐らく物量が違うのだろうと、結局X800に決めました。X700は廉価版でしょう。

一般論で言うと、企業戦略的に、初号機では技術、物量を投入して、市場に技術開発力、性能を見せつけ、利益よりも話題作りを優先します。X800はソニー初のUltra HD機種。その後、2号機では集積化、コストダウンを図り、価格を抑え、販売の裾野を広げ利益回収をします。X700がこれかな? HAP-Z1ES → HAP-S1もその例かな。

但し、1号機で技術性能的に充分満足が出来なかった場合は、2号機以降で更なる改良をします。しかし、これはオーディオ全盛期の頃の話です。DAS-702ES → DAS-703ESがその例かな。 私の勝手な思い込みです。

後面の端子です。

特徴的なのは、音声専用のHDMI端子が追加になっている事です。購入時はラベルで蓋がしてあります。

早速セッティングです。

ネットワークには、簡単に繋がりました。

まずは、最新のソフトウェアにアップデートです。

 

(オーディオ再生)

まず音声設定です。

今回は馴れもあり、割とすんなりと設定できました。

DSEEは「入」、PCM「192KHz」にしてみました。

これでCDを再生してみます。CDなので元データは、44.1KHz/16bit(CD-DA)です。

CDの場合は、アルバムの内容(タイトル、収録曲、ジャケット)をWebから拾ってきてくれます。

この機能自体はS6700でも同じでした。これは良い!。今や当たり前かな。

DACの表示。2倍の88.2KHzにアップサンプリングされました。

ビット数は表示されませんが、DSEE HX仕様では24bitに拡張の筈。

因みに、TV放送録画の48KHz AACは、96KHzとなりました。

次に、e-Onkyoからダウンロードしたハイレゾ音源192KHz/24bitを再生してみます。USB使用。

192KHzがそのまま再生されました。

次に、試しにDSD音源を再生してみます。

データはDSD5.6MのDFFファイルですが、176.4KHzの表示になりました。

PCMに変換されたのでしょうか。

どの状態で聴いても、音が良い!!! 

特に音の前後、左右への広がり、音の響きが良いです。

スタジオやステージの響き、余韻が良く出ています。レンジも広いです。

 

(映像関係)

手持ちのブルーレイ・ディスクを再生してみました。

映像が綺麗!!! 

細かい部分までよく見えます。映像のダイナミック・レンジも広い。黒がよく沈んでいます。

それも凄いのですが、さらに古いDVDの映像でも綺麗に見えます。素晴らしいです!。

Ultra HDも観てみたいのですが、手持ちのソースがありません。そのうちレンタルして確認しようと思います。

ただ残念なのは、ブルーレイ・ディスクで音源96KHz/24bitとなっているソフトでも、同軸(コアキシャル)音声出力は48KHzになります。これはディスク・コンテンツで規制が掛っている様です。

96KHz/24bitで出力するためには、HDMIの音声出力を使う必要がある様です。なるほど、そのためにHDMI音声専用端子が設けて有ったのですね。

しかし、AVアンプがあれば、そのままHDMIを入力すれば良いと思うのですが、わが家には無いので、何か工夫しなければなりません。HDMI→SPDIF同軸変換とか? これに関しては調査中ですが、なかなか良いものが見つかりません。

 

(レンダラー機能)

ホームネット・ワーク上にある簡易NASからWifi接続で聴いてみます。これも音が良い!

 ※簡易NASについては、今回ちょっと問題が発生しましたが、この事に関しては、別の機会に書きます。

   BDP側の問題ではなく、wifiルーターとNASの制約問題です。

勿論、別室のTVのHDDに保存した録画番組も再生する事が出来ました。

  

(ネットワーク・アプリ)

調子に乗って、Youtubeの再生、キャスティングを試してみます。

これは、PC上でYoutube動画を再生して、これをホーム・ネットワークを通して、UBP-X800に映すと言う方法です。

これも、サクサクと出来る様になりました。接続レスポンスがS6700よりも良いです。

X800は処理速度やwifi性能も改良されているのでしょう。

そして音は? これまた音が良い!!! 笑ってしまいます。

Netflix,Amazon Prime,Spotify,huluのアプリも有りますが、まだ試していません。


(その他)

・S6700の時は、起動時に本体から「カタカタ」と安っぽい機械音がしていましたが、この機種はその様な異音はありません。ファンではなくヒートシンク採用のためでしょうか。画質、音質にも効果が有るでしょう。

・起動は早いです。「高速起動モード」では0.5秒です。ストレスを感じません。

・スマホの無料アプリ「Video&TV Side View」を使って、このX800をコントロールする事が出来ました。

 このアプリでリモコン操作も出来ますが、どうも使いづらい。

  

いずれにしても、今回、これは「買って良かった!」と思います。良い買い物をしました。

ソニー SONY ブルーレイプレーヤー/DVDプレーヤー Ultra HDブルーレイ対応 4Kアップコンバート UBP-X800
←クリックでAmazonに移動が出来ます。
ソニー(SONY)

人気があるのか、Amazonでは入荷後1週間くらいで売り切れになることが多いです。

 

前回のブログDAS-703ESでは、懐古的な内容でしたが、今回は一気に最近のデジタル技術に跳躍してしまいました。

それにしても、やはりデジタルオーディオの雄、ソニーですね。

過去からのデジタル・オーディオ技術の蓄積が現代に生きています。素晴らしい!

最新のソニー製品では「ソニー デジタルミュージックプレーヤーSONY DMP-Z1」も気になります。この筐体で95万円とは?!

余談ですが、最近「ハイレゾ・オーディオ・ワイヤレス」なんてライセンスも制定された様です。


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SONY DAS-703ESの音質評価。~手持ちの他DAC、CDPと比較。デジタルも難しい。~

2018-12-09 14:08:09 | DAC

DAS-703ESのメンテ、修理を終えてから約一週間、接続方法や機器を替えて、デジタル再生環境の比較試聴をしてみました。

使用した他の機器たちは以下です。
・CDプレーヤー:REVOX B226(TDA1541A-S1換装品)で固定
・プリアンプ:自作アンプ。E80F+ECC82カソードフォロワー。
・パワーアンプ:6C33C FOXBAT改良型
・スピーカー:JBL L26 Decade

ソースは、ジャズ・ボーカルで「All for you / Diana Krall」 Made in the EU. 
※私は洋楽CDは出来るだけ、オリジナル輸入盤を買うようにしています。

All for You
←クリックでAmazonに移動が出来ます。
Universal Jazz

ダイアナ・クラールのCDは、「Love Scenes」なども有名ですが、私は、こちらも音が良く内容も良いと思います。
このアルバムは、彼女の声に張りがあり良く伸びていて素晴らしく、途中で飽きることもなく、彼女の世界に引きずり込まれてゆきます。彼女の魅力全開です。全曲通して聴き入ってしまいます。
その中でもオーディオ評価的な聴きどころは、特に後半9曲目頭の彼女の弾くピアノです。何だかワイヤーか、椅子か、鍵盤か軋み音が聴こえます。それからボーカルが入り、包み込まれてゆきます。

そして、もう一枚、フュージョン系で「givin' it up / George Benson & Al Jarreau」です。

Givin It Up
←クリックでAmazonに移動が出来ます。
Concord Records

コンコード・ミュージックのレーベルで、ミキシング・エンジニアは、ダイアナ・クラールと同じ「アル・シュミット」です。但し、ミキシング・スタジオは違いCapital Studioで、且つ「Recorded with Monster Cable」とあります。音が滅茶苦茶良いです!!!。☆5つです。低音から高域までワイドレンジで、細かな音もバランス良く捉えれています。
アル・ジャロウの神業的なボーカル、ジョージ・ベンソンのメロウなギター、そして参加ミュージシャンが、フュージョン界の有名な凄腕揃いです。ポール・マッカートニーも参加しています。

 

(評価は3種類)

①REVOX B226のライン出力

②REVOX B226 デジタル出力→DAS-703ESアナログ出力

③REVOX B226 デジタル出力→DAS-703ESデジタル入力→GUSTARD DAC-X10(ES9018)アナログ出力
 ※注釈:DAS-703ES digital in->digital rec out。要するにDAS-703ESをデジタル信号のバッファ(中継)として使用。

 

(個人的な評価結果)

①は今迄聴いてきた音で一番円やか。ヨーロッパ的な雰囲気が出て聴いていて和む感じ。
 但し、②を聴いた後では少し暗い感じ。

②は最も音がクリアーでエッジが立っている。
 低音の質感も良い。音の輪郭がはっきりしていて1音1音が聴き取り易い。
 ウッドベースを爪弾く音、ピアノの鍵盤やペダルの音、ギターのピックの当たる音が良く聞こえる。
 エッジが立っているためか、空間表現が良い。ボーカルが際立つ。前に出てきて攻める感じの音。
 バックの演奏もクリアーではっきりと聴きとれる。
 音源のデータを取りこぼす事なく100%取り出している感じです。

③は、②の角が取れて色艶、憂いが入る。音は滑らかで聴きやすい。
 低音も良く伸びているけど、②よりは円やか。

 フュージョン系も聴いてみたが良い感じ。②に比べ音と音の間が埋まった感じ。


 (まとめ)

〇クリアー感: ② >> ③ > ① ※②が断トツです。

〇質感:何を持って質感と言うのか? 
  低音は重く、高域はクリアー、かつ全体に憂いがあり上品と言う事であれば、 
  ③ > ① > ②

〇空間表現:音の奥行き、左右への拡がり?臨場感?
  ② = ③ > ① 

〇音密度:音数の多さ
  ② = ③ > ① 

と言う事で、私が一番気に入ったのは、
③REVOX B226 デジタル出力→DAS-703ESデジタル入力→GUSTARD DAC-X10(ES9018)アナログ出力
です。
ダイアナ・クラールのボーカルの魅力、声の艶、ピアノのアタック、響き、余韻など。またフュージョンでは音のレンジの広さと、音の情報量、アタック感などが特に良いです。

②も悪くはありませんが、長時間聴いていると疲れます。まだデジタル臭さが残ります。
デジタルノイズに関して改造の余地あり。検討中です。

①に関しても、まだ改良の余地ありです。DEM用のコンデンサを換装する事で音質が変わるでしょう。さらにDEMの周波数を高くしても音質の変化が見込めそうです。こちらも検討中です。

弄りながら、その変化をしばらく楽しめそうです。

 

今回テストしていて、改めて判った事がありました。これも収穫です。ここからが重要かも?

それは、デジタル音声信号の扱いです。

CDPからのデジタル出力をあまり神経質にならずにDACに送り込んでいたのですが、実はここのインターフェースが重要でした。

各インターフェースでの条件ごとの波形を取って見ました。SPDIF(Coaxial)出力です。
※波形画像のなかのWid(1)の測定値は無視してください。

CDP B226のデジタル出力:
負荷ナシ。non-load レベルはp-pで1.17Vあります。

DAC-X10に接続:規格では0.5Vp-p±20%となっているので、こんなもんでしょう。

B226はデジタル出力を2つ持っているので、更にもう片方もDAS-703ESに接続します。
すると、レベルは減衰し、波形も訛ります。この状態ではDAC-X10はLOCKしませんでした。DAS-703ESはLOCKします。

そこで、B226のデジタル出力を1系統のみ使用し、DAS-703ESに入力、DAS-703ESのデジタル出力を使う事に。

B226 digital out → DAS-703ES degital in → DAS-703ES digital out → DAC-X10 digital in

この状態では、DAC-X10もきちんとLOCKしました。


そこで、B226とDAS-703ESのデジタル信号のインターフェース回路を見てみる事に。

CDP B226のデジタル信号の送り出し回路。右下にコアキシャルの出力端子が有ります。

 

これを見ると、アイソレーション・トランスの後に2つの端子が単純に並列に入っているだけです。
これでは2系統接続した場合は、インピーダンス的にも良くないでしょうね。インピーダンス・マッチング用の75Ωも入っていないです。

一方で、DAS-703ESのデジタル入出力のインターフェース回路です。

入力は75Ωで終端されバッファで受けて波形整形、送り出しはバッファ3個並列でアイソレーション用のパルス・トランスを強力にドライブしています。トランスの2次側にはインピーダンス整合用の75Ωが入っています。良く考えられています。しかもこのトランスが大きい。

この出力をES9018 DACに入力して聴くと、確かに音が良いのです。

因みに、DAC-X10(ES9018)もパルストランスで受けてバッファで波形整形しています。
波形整形後の波形はこの様になります。


更に、このES9018は、以前よく使っていたUSB入力よりも、このコアキシャルSPDIF入力の方が、その真価を発揮しているとも思えました。

USB入力は、やはりノイズ処理が難問かも知れないですね。

古い記事ですが、FIDELIXのここにも関連内容が書いてありました。


今回、デジタル信号インターフェースの扱いで、随分と音質が違うものだという事を学ばせて頂きました。

おそらく良質な同軸ケーブルの使用でも音質改善になるかも知れません。

最近は、4K8K対応の同軸ケーブル(特性インピーダンス75Ω)もありますので、S-4C-FB程度を使ってデジタル信号用のケーブルを作っても良いかなとも考えましたが、SPDIFの周波数3MHz程度に対して8K対応と言う事であれば3224MHzなので、何もそこまで必要ないと思い通常の75Ωビデオケーブルを手配しました。 

コアキシャルのデジタル信号接続に通常のアナログ音声用RCAケーブルを使用している人を見かけます(私もそうでした)が、特性インピーダンス75Ωのケーブルを使われた方が宜しいかと思います。

 

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年代物のDAC (SONY DAS-703ES)を入手しフル・メンテナンス。~30数年前の名機が蘇る~

2018-12-01 20:52:39 | DAC

年代物の銘DAC SONY DAS-703ES "を入手し、オーバーホール、フルメンテナンスを行いましたので、その内容を書き留めておきます。

これが、先日我が家にやってきたDACのお姿です。往年のSONYのブラックフェースです。
尚、上奥に見えるのはREVOX B226(TDA1541A-S1に換装品)です。

このDACは、1986年頃の発売、当時価格25万円。
今でも人気があり、オークションでも高値で取引されています。

人気の理由は、物量投入、強靭な造り、CDを開発し世に送り出したのSONYの拘りが盛り込まれているからだと思います。DAC単体なのに、重量は16Kgも有ります。

使用されているDAC ICは、Burr Brown製のPCM53JPで、抵抗ラダー型のマルチビットDACです。

私がこのDACに目を付けたのは、1bitΣDACの音が私の好みに合わない事と、マルチビット型の中でも今愛用しているREVOX B226のTDA1541AのDEM型とは、また違うだろう音を聴いてみたかった事(マルチビットDACではフィリップスとバーブラウンが両巨頭)、使用部品への拘りと物量投入されている点、それと2fsオーバーサンプリングも魅力のひとつ(NOSも聴いてみたいが)です。


加えて、CD規格開発のソニーがCDの事は一番熟知しているので、ツボを押さえた設計になっているのだろうと。
また、この頃までが中島 平太郎先生や当初PCM開発メンバーの息が掛っているのかな?と。(勝手な妄想です)

この本も読みました↓。

ステレオ時代 Vol.12 (NEKO MOOK)
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ネコ・パブリッシング

この後継であるDAS-R1aなども考えましたが、値段が高い事と、光ツインリンクを追加しているために避けました。その性能を試すためには、対応したCDPが必要になります。

この度入手したDAS-703ESは、動作品と言う事で落札したのですが、実際に我が家のシステムに接続して聴いてみると、ぱっと聴きは良いかなと思いましたが、じっくり聴くと何か宜しくないです!? 
音にノイズが乗っている様な。そして、、、長時間聴いていると、ノイズが盛大に混じる様になりました。

まあ、オクだから仕方ないですね。
修理の楽しみと、同時に回路解析の勉強も出来ると前向きに考え、フル・メンテナンスに挑みました。

 

ここからメンテナンスの全貌です。 備忘録として、詳細に書きますので少し長くなります。

~ 開腹作業、内部公開 ~

何はともあれ、開腹作業から開始です。
内部のお披露目です。本体構造上、完全に密封されているので、内部は綺麗でした。

見事なまでの部品群、物量です。しかも整然とレイアウトされていています。眺めていても気持ち良いです。

電源トランスは、左側がアナログ用、右側がデジタル用です。
右側1個だけでCDプレーヤーが作れるような容量です。左側のトランスはアンプが作れそう。トロイダルでしょう。

基板は、左が電源基板、中央がアナログ、銅シールドボックスに覆われた右がデジタルブロック、これらはソニー拘りのES基板が使われているそうです。そして右手前がヘッドフォン・アンプ、右奥がデジタル入力切換と端子部、中央奥がライン出力端子部です。

主要な電解コンデンサは全てELNAのCerafine セラファイン(赤)です。大型電解コンもELNA Cerafine NC NEGATIVE(黒)です。

また音質に影響する部分の抵抗は、大型の抵抗(青)が使われています。これはもしや、いつか見た事のある、既に製造終了の理研のカーボン抵抗"リノケーム" ?

アナログ基板の拡大です。

左側の青い大きな箱は、特注のカップリングコンデンサです。双信製? 
右側のオレンジ・セラミック放熱板の下にあるICがDAC IC PCM53J(Burr Brown製)です。
シールド板でその後のアナログ回路と仕切られています。
左右シンメトリーの部品配置で綺麗に並べられています。気持ちが良いですね。憧れます。
左右chの間に立てられた銅板はグランド・バーです。

信号は、迷走する事なく右から左に流れて、左端からアナログ信号が出力され、シールド線でリアパネルへ戻します。このケーブルにLC-OFCを使っているのでしょう。

PCM53Jの裏側辺りにあるSONY製シリ・パラ変換ICです。SONYは半導体部門も持っているので強いですね。

ヘッドフォン・アンプ部です。

デジタル・ブロックの銅メッキ鋼板のシールド・ボックスを開けたところです。
右側の基板は、デジタル入力端子、入力切替部です。

デジタル基板を取り外し、部品実装面を見たところです。

汎用ロジックICで組まれており、綺麗に並べられています。ディスクリートDIR回路も有ります。
中央の銅バーは+5V電源とグランド・ラインのバーです。
ここにもCerafineの電解コンデンサが使われています。

デジタル入力(SPDIF)端子とその切換基板です。入力の切換はNANDゲートで組まれています。
ここにもCerafineの電解コンデンサが使われています。

電源スイッチ周り。
アナログ用ヒューズは半田で直付けしてありました。接点の音への影響を嫌ったのでしょうか。

フロント・パネル裏です。ランプや切換スイッチ類。

 

~ メンテナンス開始! ~

メンテナンスは、一般的なところから順を追って施して行きました。

<リレーの接点洗浄>

オクに出品されている個体でも、このリレー洗浄、交換したものがあります。接触不良に成り易いのでしょう。
リレーは計6個が使われています。
ミュート用が4個(LINE OUT、HPA)、エンファシス切換用に2個。
エンファシスとは、高域補正用信号で、TOCや各トラックのサブコードにフラグが立てられる様です。今でもこの様なCDが存在するのでしょうか?

この品番のリレーはすでに絶滅品なので、洗浄を施しました。

洗浄には、有名なケイグ(caig)を使用しました。ケイグ塗布後にリレー・クリナーで洗浄。

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ついでにリアパネルの入出力端子もケイグ処理を施しました。

 

<半田打ち、再半田>

続いて、全ての基板、端子に再半田を実施しました。これは、結構時間が掛りました。

基板だけでも、電源/アナログ/デジタル/入力/出力/ヘッドホンアンプ/ランプ/電源スイッチ/ヘッドホン端子があります。
実はもう一枚、デジタル基板上にVCO基板があります。→ 実は、これがクセ者。後で書きます。

半田材料は、アナログ部/電源基板には「ケスター44」を、デジタル部には「アルミット KR-19RMA」を使用しました。
所々、経年劣化に伴う半田クラックが見受けられました。

基板上には、半田ブリッジで繋いでいる箇所も有るので、元の通りに忠実に再半田する必要があります。(パターン・ミス?)

それと、この電源基板やアナログ基板を止めているビスですが、非磁性体の真鍮が使われています。これも拘りですね。

コネクタ類は、一度外して、「リレー・クリーナー」で洗浄しました。

フロント・パネルが外れ難くて苦労しましたが、力尽くで外しました。
経年で貼り付いているだけだった様です。

 

~ 調整 ~

ここまで終わって一旦調整に入ります。

①アナログ・ライン出力段のアイドリング電流の調整

 100Ωの両端の電圧を測定します。
 8~9mAで調整する様に指示がされていますので、半固定VRで調整を行いました。 

 

②ヘッドホン・アンプ出力段のDCバランスの調整

 プッシュプルのDCアンプ構成になっています。0Vになる様に調整しました。 

③ライン・アウトの出力レベル調整

 テストCDを使用して、左右のレベルが一定値かつ同一レベルであるか確認。今の設定で問題なさそう。 

④サンプリング周波数(FS)の調整

 指示通り、2.67 ± 0.02mSに調整しました。はっきり言って調整が難しい。

 

 ここは、後ほど実動作で波形確認しところ、電源投入時や切り替え時に1発出力するだけなので、これはサンプリング周波数モードの選択に使っているだけとわかりました。

 

ここまでやって、音楽を聴いてみます。 暫く聴いていると、やはりノイズが混じり始めます。あ~~⤵。

気合を入れてマニュアルに記載のある全ての波形をオシロスコープで確認することにしました。
脳内アドレナリンが噴き出し始めます(笑)・・・。

すると、やはり異常の個所があります。

異常な波形がありますが、何故異常なのか? 原因の特定が出来ません。
そんな甘くは有りませんでした。
やはり回路構成を理解する必要があります。ここでかなり勉強させて貰いました。 

このDACにはクロック発振回路が2個あります。"RX PLL"と"APT PLL"と言うそうです。

「ジッター追尾型のデジタル用PLL」と「ジッター非追尾型のアナログ用PLL」があり、この性格の異なる2個のPLLを組み合せた高精度なダブルPLLとなっています。

これにより、入力信号にジッターが含まれていても正確にデータを復調し、一方でアナログのサンプル&ホールドは、ジッターの影響を受けない様にしているそうです。
なるほど素晴らしい!私が言うのも烏滸がましいですが、良く考えられています。流石、ソニーのエンジニア!。PCM信号の扱いを熟知しておられます。

RXは"SN74LS624N"と言うVCO IC 1発で作られていますが、APTはディスクリートで組まれたVCOです。わざわざディスクリートで組んである理由はわかりませんが、何か理由があったのでしょう。

そして、このディスクリート回路は、デジタル基板上の小型のシールド・ボックス内に収められています。

もしやと思い、このVCOの出力を見ると、波形が出ていません。発振していません。これだぁ!⤴

デジタル基板からボックス(銀箱)を外して、半田部分を確認します。

やはり、クラックが発生しています。しかもボロボロです。かなり酷い。

元半田部分を熱すると、ブツブツと泡が出てきます。錫がボロボロになってクラックやボイドが発生していたのでしょう。

半田材料にも拘るソニー様が、こんな仕事をするとは思えないので、このブロックだけ外部購入、或いは外注に作らせたのだと勝手に想像します。
ソニーの高級機では、オリジナルで開発したオーディオ専用半田を使用していると、何かの記事で読んだ事があります。

ここは、「アルミット KR-19RMA」で再半田しました。

デジタル基板上に組み直し後は、正常な波形、マニュアル通りの波形になりました。ヨシ!関門突破!!!

  ⇐修理後のVCO波形(歪んでいますがマニュアル通りです)

この状態で暫く音楽を聴きながら様子を見ます。 ノイズの発生も無く、問題は無さそうです。
念のため、さきほど調整したサンプリング周波数、出力レベル等を再確認します。こちらも問題は無さそうです。

 

~ 特性確認 ~

これでひと通りのメンテナンスが終わりましたので、特性を測定してみます。

ライン出力レベルの確認、周波数特性の確認を行いました。

テスト用CDとしては、無線と実験に付録の「2010年5月号付録のMJオーディオチェックCD」を使用しました。

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一枚あると便利ですね。

これ以外にも自作のテスト用CDも使いました。
各周波数、1KHz -60db/-90db、矩形波、ホワイトノイズ、ピンクノイズ(エージング用)なども入れています。

特性測定の結果、問題は無さそうです。

 

と言う事は、今回我が家に到着時点では、VCOが片側しか動作していなかったという事です。
これでは、このDACの特徴であるダブル・クロックでの同期が出来ていなくて、本来の音質が得られていなかった事になります。

道理で、CDトラックの終わり辺り、つまり円盤の外周付近では、同期が外れて(追随出来ていなくて)ノイズが出ていたと想像できます。円盤の外周では、ピックがブレやすく、サーボノイズも多く、ジッターが増加していたとも思われます。

 

~ 試聴 ~

このブログを書きながら聴いていますが、1bitΣ DACには無い、芯の有る骨太な押し出し感のある力強い音です。音密度が濃いけど切れがあります。この音質は人それぞれ好みがあるでしょうが、私が望んでいた期待通りの音の様です。

ジャズや、ボーカルものが、とても気持ちよく聴けます。
しかし、いつもの事ですが聴き込むにつれて評価が変わる可能性は有ります。

 

このDACの特徴は、デジタル部では、CDに刻まれたデータを正確に100%引き出す事に専念、アナログ部ではジッターを含まずにDA変換することに徹しています。まさにデジタル・オーディオ再生の原理原則に基づいた設計となっています。
また部品は高音質部品を採用、電源は余裕ある設計、シャーシは振動を受けない様になっています。配線材料も太く余裕があります。随所にソニーの拘りがあります。

この製品は、回路構成的にも、デザイン的にも、出てくる音に対しても芸術品と言えるでしょう。
今でも充分通用すると思います。

当時として良いと考えられる技術は、すべて盛り込んだ製品だと言う事だそうです。

ハイレゾと言う前に、CD-DA規格(16bit/44.1KHz)でも理屈を抑えれば、ここまでの音が出せるという事を証明する様なDACです。最近のデジタル・オーディオのハイレゾ化競争を再考させられます。

 

【DAS-703ES 技術的ポイントまとめ(私の着目点)】

今回のメンテナンスを終えて、この機種の設計仕様で、私が特に着目したポイントを書きます。
このモデルに関して投稿されている記事などを参考に、色々と勉強をさせて頂きました。

回路構成ポイント 

①内部に発振周波数を固定したクロック振器を持たない。

 入力フォーマットに同期したPLL回路を原発振として必要なクロックを生成している。
 このVCO+PLL回路を2種類持ち、一つは入力データにジッターが含まれていても追尾してデータを正確に復調、もう一つはアナログ変換用でジッターの影響を受けない様にしている。

②DA変換時のデーター書き換わり直後の電流の暴れをグリッチする様に、サンプル&ホールド回路が設けてある。

③2倍オーバーサンプリング。

 この意味するところは、低次にする事で、ジッターやプリ・エコー、ポスト・エコーが抑えられる。

④アナログ出力のアンプが、MOS-FETを使用したディスクリート構成のバッファ・アンプである事。

⑤デジタル部とアナログ変換部は、フォトカプラーを使用して、グランド・リターン・ノイズを遮断している。

 

使用部品 :

写真を見てもわかりますが、専用のオーディオ部品、高級部品、電力的に余裕ある部品が使われています。
相当な物量投入です。

ロジックICはDIPタイプが使われています。信頼性上も有利か。
これらの部品を使って、今の時代に組もうと思うと、幾らかかるのでしょうか?
1986年当時の本体価格が、25万円なので、今なら2倍の50万円???

 

【音質的評価(私の主観、個人的な感想です)】

ストレートかつ明瞭でしっかりと芯の有る音です。特に低音の質感と空間表現が良いです。
ちょっと気になる点としては、音に滑らかさが無く、少し耳障りなところです。長時間聴いていると疲れます。
これは2倍オーバーサンプリングが影響しているのでしょうか?

 

修理後、すでに延べ30時間以上稼働していますが、今のところ動作上の問題はありません。
今回のメンテナンスで、ベースが出来上がりましたので、ここからはエージングと、私なりのチューン・アップを施して音の変化を楽しみたいと思います。主にはデジタルノイズを取り除く改造になると思います。


※お断り:

このブログを見て、「ヨシ、自分もこの製品のジャンク品を購入して修理してやろう!」と言った、無謀な行動は避けてください。
良い子は真似をしないでください(笑)。
年代物ですので、個体より不具合箇所もそれぞれ違います。
修理が必要な場合は、専門業者に依頼して下さい。さもないと単なる置物になる可能性もあります。
ご自身で修理する場合は、それなりの知識、道具、技量、根気が必要です。
そのことを理解した上で、自信がある場合は、自己責任で修理に挑戦されても良いと思いますが、その場合、このブログ内容について一切の責任は待てません。 

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