My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

ネットワーク・ストリーマー用ACアダプタの製作

2022-08-22 14:05:40 | ネットワークオーディオ

先日購入した『ifi ZEN Stream』用ACアダプターを作りました。

製作費は僅か300円でしたが、その効果は絶大! 音質の向上に驚き!!!

完成したACアダプタがこちら。元々付属していた物と並べてみました。

左が今回製作したACアダプター。右が付属されていた物。

その昔はどこにでも有った巻線トランスを使った電源アダプタです。最近はスイッチング式に取って代わり、見かけなくなりました。

その中古品を購入し、中身に手を加えました。外観上は原型とほぼ同じです。

 

その経緯を書きます。

『ifi ZEN Stream』を購入して約3週間が経ち、その音の良さ、コスパの良さには満足していたのですが、暫く聴き込んでいくと、中域~高域がちょっと耳障りで気になります。

Webで調べてみると、ACアダプター交換で音が良くなるような事が書かれています。

また、ifi Audioの現地では、$100位の専用アダプタを付けて、日本よりも高額で販売している様です。

日本では少しでも多くの人にこの音を聴いてもらう為に、別のACアダプタに入れ替え価格を抑えたらしい。確かに、小型のACアダプタです。サイズ約60mm x 40mm x 25mm、重量約50g。上の写真の右側。

マニアには別売りのACアダプタを購入して頂く。この様な販売方針らしい。

しかし、私はACアダプタに1万円も払えません。

となれば、作るしかないか。

 

そもそもスイッチング電源だと機器にノイズを持ち込む事になるので、アナログのトランス式の電源で考えました。

まずは、ifi Streamの関連仕様を確認。これが前提条件になります。

電源仕様は、本体にDC9V/1.8A~15V/0.8Aと印字があります。仕様書には消費電力 最大10Wと記載があります。付属のACアダプタは12V/1A。DCプラグ形状は外径5.5mm/内径2.1mmです。

検討方針としては、12V 1A程度のトランス式ACアダプタの中古品を探し、そこに何らかの手を加える。

DCプラグ形状は後から交換しても良いのですが、該当品が付いていれば手間が省けます。

 

手っ取り早く、〇ー〇゛・オフで物色。ノギスと爪楊枝(内径2.1mm測るため)を持参。

トランス式かスイッチング式かは、重さの違いで一発でわかります。

何用か分かりませんが、良さそうな物が見つかりました。

DC12V/1000mAと書いてあります。ジャック形状もピッタリ。ラッキー!!!

これ、わずか300円也。

 

購入後、我が家で電圧測定。

無負荷時17.3V。ifi stream本体に繋げ動作時14V前後。動作時は定格内なので壊れる事は無いでしょう。しかし電源オフ時に定格の15Vをオーバーする事が心配。

ACアダプターのケースを開き、中を見てみると、トランスとブリッジ整流ダイオードと電解コンデンサ(2,200uF/25V)だけでした。これじゃ負荷で変動しますね。非安定DC電源です。表記は、1A流れた時に12Vだったのですね。

これは私的にちょっと許容できません。

 

早速、3端子レギュレータで安定化を図る事に。これが手っ取り早く簡単。

手元のジャンク基板に「7812」が見つかりましたので、これを使う事に。

なんとか元の基板に載せる事が出来ました。

が、しかし残念な所が見つかりました。

オシロでレギュレータの出力波形を見ていると、時々12Vから200mV位下に振れる事があります。

しかも120Hzで、入力リップルの下側に同期しています。

そうです、一般的な3端子レギュレータでは入出力電位差が2V程度必要なのです。

本体動作時に、時々入力電圧が13.6V位になる事があります。

因みに、トランスの1次側をAC100V→120Vにすると、レギュレータ入力電圧が上がり、このドロップは無くなり出力電圧は12Vで安定しています。

しかし、レギュレータの損失が大きく、かなり熱くなります。これはやばそうです。

AC100Vで使った方が良さそうです。

ここで考えたのは、低損失3端子レギュレータ(LDO)を使う事ですが、手持ちがありません。

う~ん、どうしたものかと。別にこのままでも本体にレギュレータを持っている筈なので大丈夫と思いますが、設計的に中途半端な妥協は出来ません。

 

そこで思いついたのは、ブリッジ整流に手持ちのショットキーバリア・ダイオードを使う事。これで入力側の電圧が少しは上昇する筈。

手元に有ったので、使って見ると、なかなか良い結果が得られました。

機器の起動時は、電流が多く流れるのか少々暴れますが、動作時はほぼ安定しています。

念のため、出力側に22,000uF/16Vの電解コンを入れました。

銅板で作った簡易放熱板も取り付け。

逆電圧防止用の入出力間ダイオードと発振防止用の0.1uFは、裏面に実装しました。ブリッジダイオードの内1本だけも裏面へ実装。

 

ケースに放熱用の穴を空け、こんな感じに仕上がりました。

 

1日使いましたが、問題無く動作しています。

仮に温度が上がり過ぎても、熱暴走する前にレギュレータの保護回路が働いてシャットダウンする筈。

 

音は、やっぱり良いですねぇ~。高域の嫌味がありませんし、音に厚み、音空間に奥行が出てきました。

元のアダプタでは、一聴すると良い様に思いますが、平面な音に聴こえ、比較するとやはり違いが分かります。

デジタル回路だけなのに、電源でこれだけの違いが出るなんて不思議です。コモンモード・ノイズが軽減されるから?

因みに、重量は、付属のACアダプターが50g、今回製作した物が500gで、10倍も違います。

 

こうなると、スイッチング・ハブ用の電源も作ってみたくなりました。こちらはDC5Vです。

材料となるトランス式のACアダプタは、すでに手元にありますが、困った事に分解が出来そうに無いので、外に基板を設ける事になるのかな。

そして、LDOタイプの3端子レギュレータも手配済みです。

交換出来たら、また投稿したい思います。

 


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