My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

抵抗のタイプ、メーカー別での音質傾向

2018-07-19 11:38:24 | オーディオ

今まで使ってきた抵抗について、私的な感覚で音質傾向を簡単にまとめました

実は、昨年の春(3月)に書き始めましたが、纏めるのが大変で今になってしまいました。

このブログを始めた頃からの経験ですので、記憶も曖昧になっているかも知れません。

何れにせよ、この評価結果は、あくまでも私個人の主観ですので、人により感じ方が違うと思いますので、ご承知おきをください。単に私のメモ書き程度に捉えて頂くと幸いです。

また、電子部品は、その使用箇所、印加電圧によっても、違う結果となると思われます。

以下のタイプ名は、略称・呼称で書いているものもあります。


<カーボン系>

アーレン・ブラッドレー(A&B) 1/2W、1W

 カーボンでは音抜けも良く、濃い艶のある音。往年のマランツやマッキントシュに使われていた物です。

 ビンテージ・サウンドを求めるなら、この抵抗につきると言っても過言ではないでしょう。

 ある意味、神格化しています。 ※メキシコ製のレプリカ品もあるので注意。見た目が違い、出音も違います。

 私も真空管アンプでは好んで使用しています。これだけで揃える事も有ります。

 但し、抵抗値は経年変化で大きくなっているものが多いです。

 誤差規格±5%品なら実測で+10%以内。

 

 私は、時間が有る時に抵抗値を測定し、整理して保管しています。かなり使ってしまいました。

 高電圧が印可される箇所に使うと、初期はノイズが出る事もありますが、使用時間と共に無くなります。


タクマン REX

 使い始めは、低音のパワーが凄く、高音が曇りますが、時間とともに低音も締まり良くなります。

 力強い音がします。実装の方向性があります。


理研 リノケームRMG

 金メッキリードの高級カーボン抵抗。廃版。金メッキの音が乗り繊細な高音ですが、中音の張りは無い。


TRW Cタイプ MIL規格品

 A&Bよりも経年変化、温度特性に優れています。A&Bよりも低価格で音はA&Bに近いです。

STACKPOLE

 カーボンコンポジション抵抗。かなりレアです。米ギターアンプビルダー使用。柔らかい音がします。


その他にも使いましたが、思い出したら追記します。  

 

<金属皮膜系>

Dale(デール) RN-60,65 MIL規格品

 出音の情報量の多さではコスパが良いです。現代のRNタイプの定番でしょう。

 色付けのないクリアーな音です。

 

タクマン REY

 高音が少しザラツキます。実装の方向性があります。


PRP 9372 1/4W、1/2W

 出音の情報量は多いですが、音質的にはDaleよりも大人しくハイファイな感じ。

 アメリカのハイエンドオーディオに使われているらしい。


IRC RN-65(3/4W)/RN-70(1W) MIL規格品

    DaleのRNと似た音。


TRW RN-55(1/4W)/60(1/2W) MIL規格品

 DaleのRNと似た音。少し柔らかいかも?

 

TRW RL 金属皮膜抵抗に外皮カーボンコンプを合体 MIL規格品

 カーボンに近い感じの音。抵抗精度は良いです。

 

<巻線抵抗系>

Dale(デール) RS-2B 非無誘導タイプ

 高域に癖があります。少し耳障りなザラザラした感じです。NFBには発振するので使えません。

 リード線が鉄なので、リードを長くして使うとザラついた音が強調されます。


Dale(デール) NS-2B 無誘導タイプ

 評判だけあって味付けの無いスッキリした音で万人に好まれそうです。

 但し、形状が大きく、大きな抵抗値は有りません。高価。

 NFBや真空管グリッド抵抗に使う(高インピーダンス・ライン)と発振する可能性も有ります。


OMITE 巻線 無誘導タイプ

 鋭い音がします。 

         

<プレート抵抗系(金属箔抵抗)>

ニッコーム RP-24C 

 低価格で音が良いとの評判も有ったので使ってみたが、音が篭って使い物にならなかった。

 50時間、100時間エージングしても、多少は改善されるもののスッキリしない音。

 被膜を剥がしてみたりもしたが駄目。お蔵入り。


アルファ FLCX

 日本が世界に誇る高信頼性精密抵抗で純国産(秋田工場生産)。Vishay Groupの1つのブランド。

 航空宇宙、半導体製造装置、医療機器にも使われるそうです。高価です。@500位。

 交換直後から生々しい音、20時間後でさらに良くなりました。 HPAで使用中。


ビシェイ VSR 無誘導金属箔抵抗

 これは特段に音が良いです。但し@1,000位

 情報量が格段に多いです。抵抗交換直後から明らかに音質向上を実感できます。

 今までの抵抗が如何に音を遮断していたかが分かります。 CDP、HPAで使用中。

 この上のラインナップに、「Z201」や「VAR」が有りますが、高価で手が出ません。

   

(まとめ)

私の今迄の経験から以下の様な見解に至りました。(私見)

①抵抗は本来の音が出てくるまでエージングが必要。その時間はコンデンサーよりも長い。

 最低でも50時間は必要です。

②抵抗は、抵抗体で抵抗値精度が、外皮では信頼性が決まり、音質は外皮の材質が大きく影響する。

 傾向としては、

 外皮が密度の高い硬質な材料でモールドされている物は、音も固い。場合によっては篭る。

 外皮が柔らかい密度の低い材料の物は、音抜けが良い。

 カーボン抵抗は、音に色艶が乗る。ジャズ系はボーカル、楽器が一段と甘くなる。

③使用する抵抗タイプは、何を優先するか、精度、形状、音質で適材適所に使用する必要があります。

 A&Bで抵抗値を揃えたいのであれば、本数を多めに購入し、測定してから使用する事をお勧めします。

④私なりに、敢えて選ぶのなら、

  ・味付けなくスッキリ:VSR (コスト許す場合)

  ・ビンテージ感(色艶):A&B、TRWカーボン

  ・無難なところ(迷ったらコレ):Dale RN-60、RN-65(入手性/コスパ/音)

と成ります。

但し、人それぞれ音の志向や使用場所の事情等が有るでしょうから、使ってみないとわからないですね。 

他にも、廃版となっている東京光音の抵抗なども試して見たいですね。


今後、コンデンサについても纏めてみたいと思いますが、時間が掛りそうです。


※このページは、断りなしに、追記・修正する場合があります。


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