最近は、CDとレコードを交互に聴いています。
CDばかり聴いていると少し疲れます。一方でアナログばかりですと音楽に集中して他の事が出来ません。
普段あまり聴かないものから良く聴くものまで、私のCDコレクションを聴き直していて、気が付いた事があります。
それは、製作された年代による変遷や国によって、音質にある傾向が有る事です。
念のため、全てがそうではありません。あくまでも個人的に感じた事です。
CD登場~2000年:
新譜は、デジタル臭くて、中がスカスカだったりする作品があります。
他方でデジタルでもうまく聴かせようとした努力が伺える作品もあります。
しかし、アナログ盤のCD化したものは、殆どがアナログ盤より音質が落ちています。
まだリマスターの概念が無かったのでしょう。
2000年前半:
アナログ音源のデジタル化(CD化)が加速的に進みます。古い音源を手軽にCDで楽しめる様になりました。
日本では、デジタル化する時にクロックの精度を謳うもの(例えば、ルビジウム・クロック・カッティング)も出てきました。
しかし現在から考えると、クロックの精度(長期的な変動や環境に依る誤差、個体差)が問題ではなく、問題はジッター(短時間の変動、揺らぎ)及びそれが引き起す雑音、輻射が問題なのです。
このジッター雑音は、再生装置側では、デジタル系の電源リップル、ノイズも影響します。
さらに、マルチビット型に比べ、後発の1bitΔΣ型のDACは特に影響を受けやすいです。
ですから、デジタル系の電源対策はしっかりと行わなければなりません。
2000年後半:
今度は盤質に目が向けられ、SHM CDやらBlu-Spec CDが登場します。またDSDマスタリングも登場します。
音質はと言うと、さほど変わりませんでしたが、日本人はこの言葉、技術単語に惑わされ、フラシボも手伝って高音質になった様に錯覚してしまいます。
海外プレス盤はどうかと言うと、この様な技術的な事は謳わずに音楽を大切にして丁寧にデジタル化されています。
今聴いても、日本プレス盤に比べて、音質がしっかりとしていると思います。
made in Gemany / Manufactured in the EU / Made in the EU
2010年~:
デジタル音源の再生方法、楽しみ方が多様化してきます。
ポータブル機器(ipod、ipad、iphone、smartphone etc.)、PC、ヘッドフォン、イヤフォンなど、、、。
古い音源のデジタル化には、リマスターの概念が入ってきて、アナログマスターテープを元にデジタル化する際に、マスタリング処理が行われるようになりました。これがリマスタリングです。
このリマスタリング音源は、低音と高音を持ち上げて、さらにはコンプを効かせたりして、時代のどの再生装置で聴いても、派手にダイナミックにカッコ良く聴かせる様な音になります。
私は、これがハイファイ志向のオーディオマニアには受け入れられなくなり、レコード回帰となったのではとも分析しています。
これに端を発して、若者もレコードブームに火を付けたのではと思います。レコード自体が古くてカッコ良い?。
しかしながら、これがまたレコードで良い音を聴いていると錯覚を生んでいます。
本当のところ、レコードを良い音で聴くにためには、それなりの機器や調整、心構えが必要なのです。
アナログ全般にそのことが言えます。
アナログは奥が深く、それがまた楽しいのです。自分で手をかけて育てていくものなのです。