(クリシュナム-ティは)つまり、思考はどのような起源を持ち、どのように働き、どのような結果を生んでいるかという一つの事実を発見したのです。
(R・パウエルいわく・・・)
「クリシュナムーティが心理の領域で成し遂げたことは、物理学においてアインシュタインが行った革命に匹敵すると言ってよい」
そして、私たちの頭の中で働いている心理的な思考の動きを克明に観察することによって、私たちはその思考の全構造を知ることができる、とクリシュナムーティは言っています。
このようにして思考の全体の働きを知ることによって、心理上の思考が完全に停止し、精神が静寂になったとき、そのとき私たちに絶対の「真理」を知る可能性が生まれてくる、と彼は言うのです。
「真理」は自己の思考が完全に終焉したときに向こうからやってくるものである、とクリシュナムーティは言っています。
(クリシュナムルティ 「自我の終焉」日本語版の訳者前文より)
これは、思考停止のススメ。
要するに、「何も考えない」ということ。
「ああでもない、こうでもない」という、日常、我々の頭の中をグルグルと渦巻いている考え。「精神の静寂」を得るためには、まず、このグルグル渦巻いているものを止める必要があるらしい・・・。
実際のところ、インド人は昔から、これが大好き。2千年以上も前に釈尊がインドで修行していた頃も、修行者たちはみんな 、「思考」 を止めようと思って一生懸命に 「無念無想」 の瞑想行をやっていたという。
しかし、「思考」は、止めようと思って止められるものなんだろうか?
現実にはなかなか、そうもいきません。
そこで、クリシュナムルティが勧めるのは、自分の頭の中を渦巻いている思考を「止める」というより、「観察」すること。
「敵を知り、おのれを知れば、百戦あやうからず」という格言もある。まずは、敵(思考)を知れ、というところか。
「思考を観察する」。それが、われわれのテーマ・・・。
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