宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

滅びてしまった者に関して、すべての論議は絶やされた・・・

2008年02月25日 | 釈迦 ~ 輪廻転生からの卒業
 
仏典より
 

  
弟子 : 「滅びてしまったその人は存在しないのでしょうか?

     あるいはまた常住であって、そこなわれないのでしょうか。

     世尊よ、どうかそれをわたしに説明してください。

     あなたは真理をあるがままに知っておられるからです」
 
師は答えた。

釈尊 : 「ウパシーヴァよ。滅びてしまった者には、それを測る基準がない。

     かれを、ああだ、こうだと論議する根拠がかれについては存在しない。

     あらゆることがらがすっかり絶やされたとき、すべての論議は絶えるのである」
 
(スッタニパータ 1075~1076)
 
 
人は死んだら、どうなるのか。

この疑問を抱くことにかけては、現代人も古代人も、違いはないようだ。

でも、ブッダによれば、それに対する答はない。

そもそも、滅びてしまった者に関しては、かれを測る基準がない。
 
あらゆる論議は絶やされた。
 
それが、ブッダの回答。

ありがたや。

合掌・・・・・
 
 

毒矢のたとえ

2008年02月25日 | 釈迦 ~ 輪廻転生からの卒業
 
1.   世界は時間的に有限であるか
2.   世界は時間的に無限であるか、
3.   世界は空間的に有限であるか
4.   世界は空間的に無限であるか
5.   生命と身体は同じものなのか
6.   生命と身体は別のものなのか
7.   如来は死後存在するのか
8.   如来は死後存在しないのか
9.   如来は死後存在し、かつ、存在しないのか、
10.  如来は死後存在するのでもなく、かつ、存在しないのでもないのか


↑ このような十種類の哲学的な問いが、インドでは古来から知られていた。

「宇宙に果てはあるのか」、「宇宙に始まりと終わりはあるのか」・・・。

これらの問いは、現代人にとっても克服できない問題。
 
哲学青年のマールンキャプッタは、ブッダに回答を求めました。

どうして、ブッダはこれらの質問に答えようとしないのか。

なんたって、ブッダは「一切智者」(すべてを知る人)として評判の人物。答を出し惜しみしているのか、それとも、本当は知らないのか・・・!? 「答えてくれないのなら、修行をやめて実家に帰ります」と迫った。
 
 
ブッダは答えた。

あるところに、毒矢に刺さった人がいたとする。

このままでは、毒が回って死んでしまう。

そんなときに、矢を射た人の住所氏名・年齢職業・身長体重・・・。 あるいは、矢の材質・長さ・色・形・・・。 そういったことを議論していて、どうする。
  
そんなことより、矢を抜くことが大事。 この毒矢が刺さっている限り、人は、苦から逃れることができないのだから・・・。

ブッダは、毒矢(煩悩)の抜き方を教える。
    
  
つまり、「霊界は実在する」だの、「人は生まれ変わる」だの・・・。そんな教えは、何の役にも立たないということ。それは、悩みの解決に役立たない。

そんなことより、ブッダは本当に役に立つメソッドを教える。

ありがたや、合掌・・・。
    

自我の終焉

2008年02月20日 | クリシュナムルティ

「20世紀最高の覚者」こと J・クリシュナムルティの講演録 を読んだ。

ここで、クリシュナムルティは、「死後の存続」を気にかける聴衆に対して、 「あなた方は、自分が死後も存続するということを、私に保証してもらいたがっている」 と喝破していた。

「人類の進化」も大事だが、人間、とりあえず我が身が大事。精神世界マニアとしては、「自分は死んだらどうなるのか」が気になるところだ。

それに対する回答が、「あの世」であり、「生まれ変わり」だろう。蜜と乳が流れる天国で、寝イスに長々と寝そべり、美酒を飲んで幸せに浸る。夢の生活だ。
 
しかし、クリシュナムルティは、そんな「自分が死後も存続するという幻想」に対して、シビアな言葉を吐いている。
 
聴衆としては、耳が痛いところだったろう・・・・・
 
ただし、クリシュナムルティによると、死後にも継続するものはあるという。それは「思考」であり、「記憶の束」だということだ。 だが、それは自分ではない。
 
「自分は死後も存続する」と考えている人は、思考や記憶の束を「我」と錯覚しているにすぎない。
 
存続するのは自分自身ではなく、死者の「残存想念」みたいなものが残るというイメージ。
 
クリシュナムルティによれば、そういう、つまらない「存続」にこだわっているうちは、究極の真理に到達することがない・・・・・。
 
  
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