葦原瑞穂氏によれば、「地球の短期滞在者」には、いくつかの目的と役割がある。ひとつは、地球を調査する目的だ。地球生命系に関する情報を集め、「地球生命系の生命表現の中心となる波動領域の移行」(・・・要するに、地球が物質世界から次元上昇して変わること)を見届けることだ。他の星でも、地球の次元上昇に対する関心は強い。「広い宇宙でも滅多に起きないこと」とされているだけに、ヴァイブレーションの変化が他の星に及ぼす影響も小さくないと言われている。このため、一種の「調査員」として送り込まれている短期滞在者もいるという。
まあ、例えてみれば、「北朝鮮の体制がどうなるか、ちょっと行って見てきてくれ」と言われて送り込まれた、ピョンヤン特派員みたいなものか。並大抵の覚悟では勤まらない任務だ・・・。
もっとも、元からいた星には通常、地球人類のような分離感がないので、「自分たちの意識の一部を地球に送り込んだ」という感覚だと言われている。地球に、探索機(プローブ)をひとつ送ったような感覚なのだろう。自分で行く必要はなく、現地に行った人と情報を共有すればいいだけなので、とても便利だ。
そういえば筆者の場合は、長年にわたって地球の歴史とか文化とか自然環境とか政治経済とか、あらゆる知識や情報を貪欲に吸収してきている。誰もが驚くほど、なんでも読んできた。その上、多彩な職業を経験したおかげもあって(笑)、あらゆるタイプの人々と接することにより見聞を広めてきた。でも、その知識を活用して何かを成し遂げようとか、そういう目的意識はまるっきり欠落している。実際、仕事や生活の役にはほとんど立っていない。単に、ミツバチが蜜をせっせと集めるように、地球に関する情報をひたすら集め続けているだけ。これが、「地球調査員」としての本能なのか(?)。
もっとも、「地球調査員」にもいろんなタイプの人がいて、実際に世界中のアチコチを訪れ、地球の隅々まで踏破してきたような人もいる。こういうのも、「地球を知り尽くそう」という意気込みの表れなのかもしれない。幸か不幸か筆者は、生まれてこのかた、ほとんどの時間を日本ですごしている。もちろん、海外経験が豊富な人や、日本に来ている外国人を見れば、いいなとは思うけど、自分も同じようにはできない。おそらく根本的に、「自分が行かなくても、誰かが現地に行ってれば情報を共有できる」という感覚が、地球では無理があると分かっていても抜けないのだろう。実際のところ、行動範囲が狭いだけで、外国の事情には広く深く通じている。外国人と話をすると、「なんでこんなに、私の国の歴史と地理にくわしいのか」とビックリされることが多い。それでいて、筆者が実はどこにも行ったことがないということが分かると、二重にビックリだ(笑)。先日も、インド人から「世界は広い。世の中には、いろんな人がいるものだ」と感心(?)された・・・。
それはともかく、短期滞在者の目的と役割は、「地球調査員」だけではない。「地球のヴァイブレーションに影響を及ぼす」という目的を持っている人もいるらしい。
というのも、地球には、この地球生命系で動物から人間にまで意識を進化させてきた土着の地球人類もいれば、太古の昔に地球生命系に転生してきて、ここで長い経験を積んできた「長期滞在組」もいる。もちろん、地球で生きる主役は彼らだ。彼らが長い間に地球環境で鍛え上げてきた「信念体系」は、あまりにも高く堅い城壁となって、われわれの前にそびえ立っている。これを打ち破るのは、容易なことではない。ここで新風を吹き込むために、異質な存在である「短期滞在組」が呼ばれたのだという。
葦原瑞穂氏によれば、地球の信念体系の解体作業は進んでいる。そのひとつの例として、「マジメにコツコツと努力しなければならない」という地球的な信念がある。いわく、
>これらの短期滞在組の地球に対する貢献としては、地球人類が極めて長い年月にわたって作り続けてきた、強力な固定観念を破壊するような新しい感覚の波動を持ち込んで、長期滞在組が解脱に至るための手助けを行なうことが挙げられます。精神階層ではすでに様々な局面から「地球的信仰」の解体作業が始められていますが、ここで具体的な例をひとつ挙げてみることにしましょう。
>旧世代の強固な価値観のひとつとして、「良い結果を得るためには、真面目にこつこつと、地道に努力を積み重ねなければならない」という考え方があります。これは確かに良い資質ではありますし、魂がある側面を成長させる時期には必要な体験であったことは確かなのですが、・・・それは単なる制約になり・・・卒業間近の魂にとっては解脱の障害になるのです。
もっとも、短期滞在組にとっても、こうした旧世代の地球人類の強固な価値観は他人事ではない。こうした想念形態にまきこまれることにより、自分に合わない無理な表現をしようとして疲れきり、ボロボロになってしまう短期滞在者もいる。葦原氏いわく、
>分離意識のあまりない恒星系から転生してきた魂は、直感的に今の地球上の状態が異常であることを察知しており、しかも周囲の経験豊富な人たち、つまり比較的長期間にわたって地球圏に表現を行なっている魂が、制約された自我意識によって「こうすべきだ」「ああしてはならない」等という道徳や処世訓が、まったく真実ではなく、混乱した社会を調和させることも、個人を幸福に導くこともできないことを見抜いているのですが、自分自身も内在の普遍意識からくる叡智を表現できるほどには進化していないので、代わりになる指標を見つけることもできずにいます。
(つづく)