1980年代からアメリカで流行し、日本にも広がってきたアセンション思想を、昭和30年代から40年代の日本で、マイナーながら密かに先取りしていた「オイカイワタチ」。本場アメリカよりも、断然早い。なんとも、不思議な先駆者がいたものだ。
主張内容・表現ともに、あまりにも過激なため、世間の一般人にとっては、読めば目まいがするほどのトンデモ本にしか見えないだろう。そのせいか、知名度が高いとは言いがたい。
その代わり、この書は、真に革新的な内容と言える。
新興宗教系の人が、「教祖の○○先生がかつて言っておられたことは、いま思えば、アセンション思想を先取りしたものでした」というような主張をするのを、しばしば見かける。それはもちろん、信者だからそう思えるのであって、部外者にはそう思えないことがほとんどだ(苦笑)。その点、「オイカイワタチ」は違う。あの高度成長期の日本において、正真正銘、アセンション思想をまるごと先取りしていた。
「アセンション」という用語は出てこないけど、「第三密度」や「第四密度」は出てくる。「ワンダラー」も登場する。「地球が次元上昇し、それについていけない人々が別の道を進む」という考え方も、ここに初めて登場した。
もちろん、一口に「アセンション」といっても、それがどういう形を取るのかについては、いろいろな説がある。オイカイワタチの場合、「UFOの群れが地球の空に出現し、次元上昇した人々を救う」という、いわゆる「空中携挙説」を取っている。それは、「宇宙船、天空に満つる日」という故・渡辺大起氏の著書の名前からも分かる。
オイカイワタチの核心となる内容は、第1巻の冒頭部分だという。「ここが、大事なところなのだ。読み飛ばすな」と、渡辺大起氏も言っていたようだ。
>オイカイワタチ 第一巻 (昭和50年)
その日、その時、地球を覆う程に膨大な数の“宇宙船”と“空飛ぶ円盤”が訪れる。
地球の人類同胞は、決して慌てたり恐れたりする必要はない。
彼ら宇宙船と宇宙人は、地球を攻撃に来たのではない! 限りなき愛と援助の手を差し延べに来たのである。
彼ら宇宙人は、この太陽系は勿論、別の太陽系からもまた他の銀河系宇宙からも、はるばる地球とそこに住む人類を救うために訪れて来たのである。新しく生れ変る地球と人類に対し、愛と真理《まこと》の時代の訪れを告げるためにやって来たのである。
それは神様の久しく待たれた“約束の時”である。
その時、天からは大いなるラッパが鳴り響くであろう。
聞け! そのラッパの声を!!
(引用おわり)
う~ん、なんとも力強いお言葉・・・。
(つづく)