宇宙のこっくり亭

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精神も老化する ~  クリシュナムルティ

2010年04月09日 | クリシュナムルティ
 
道具や機械も、長く使っていれば、やがて古くなってくる。見た目も古くなるが、アチコチにガタがきて、使いにくくなってくる。肉体も、これに同じだ。長く生きていれば、見た目が古くなるのはもちろん、アチコチに支障を来たすようになるのは、ご存知のとおり。
 
肉体だけではない。精神もまた、老化する。子供の頃の、生き生きした精神を、大人になっても、老人になっても維持する人は少ない。

なぜ、人間の精神は老化するのだろうか。クリシュナムルティは、子供たちに問う。

>君たちは、人々が老いるにつれて、生の喜びをすべてなくしてしまうようなのは、なぜなのかと思ったことはありますか。現在、若い君たちのほとんどは、かなり幸せです。・・・生を自然に楽に受け入れて、物事を明るく幸せに見ているのです。 

>そして、老いるにつれて、はるかなもの、より大いなる意義を持つものの、その喜ばしい暗示を失ってしまうようなのは、なぜでしょう。私たちのこんなに多くが、いわゆる成熟をとげるにつれて、なぜ喜び、美しさ、大空とすばらしい大地に対して、鈍く鈍感になったのでしょう。

クリシュナムルティ自身は、90歳で死去するまで、鈍く鈍感にはならなかった。「瞑想録」を初めとして、どの本や講演も、自然に対する鋭い観察にあふれている。特に、インドの自然を見つめたエッセイの数々は、散文詩のように美しい。

Kによれば、精神が老けこんでくるのは、「過去の記憶」のせいだという。

部屋も、掃除しないでいれば、だんだん塵や埃が積もってくる。同じように、人間の精神にもまた、長く生きるにつれて、「記憶」という塵や埃が積もってくる。

「記憶」は、すでに死んで灰になっている。もしくは、意識の中に沈殿して、腐敗し、腐臭を放っている。にもかかわらず、人は記憶に縛られ続ける。

とはいっても、子供の場合は、まだ「記憶」という死の灰が、それほど積もっていない。それがウズ高く積もっているのは、大人だろう。でも、子供だって、「記憶」がゼロではない。すでに、それは積もり始めている。
 
「記憶」が溜まりに溜まってくれば、意識はそれで一杯になってくる。だんだん、重くなって身動きとれなくなる。こうして、新鮮でハツラツとしていた子供の精神は、老化し、動きがなくなっていく・・・。それを防ぐためには、「記憶」を掃除して、キレイにしなければならない。クリシュナムルティは、それを「毎日、死ぬ」ことと表現する。死んで、すべての記憶をリセット。そして、再生する。

「過去の記憶のクリーニング」といえば、ハワイの秘法、「ホ・オポノポノ」を連想するところだろう(笑)。ホ・オポノポノの場合は、「四つの魔法の言葉」を唱えて、せっせと記憶をクリーニングする。ここは、ハワイアン・スピリチュアルの出番か!?
  
もちろん、クリシュナムルティの場合は、「過去の記憶をクリーニングする」とは言わない。「毎日、死になさい」というのが、Kの教え。これは「子供たちとの対話」だってのに、子供に向かって「毎日、死になさい」ってのも凄い話だが、そこがKのKたるゆえん・・・(笑)。 

(引用部分は、J.クリシュナムルティ著「子供たちとの対話」 藤仲孝司訳 平河出版社 mind books)
 

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