↑ もはや、砂漠大陸と化した中国
2012年は、すさまじい異常気象の年だった。そして、2013年もその傾向が続き、さらに激化してきている。
真っ先に思い浮かぶのは、アメリカの大干ばつ。2012年のアメリカは、異常に気温が高かった。
>アメリカ本土の2012年の平均気温は、観測史上最高を記録した。しかも過去の記録を大幅に更新したという。
>NOAAが公表した報告書によると、アメリカ本土48州の2012年の平均気温は摂氏13度で、これまでの最高だった1998年を0.6度上回ったという。 ・・・この幅がどれほど大きいかは、年平均気温の最低記録との差を考えればわかりやすいと、NOAAのクラウチ氏は話す。史上最も寒かった年は1917年で、これまで最も暑かった1998年の平均気温は、それよりも2.3度高かっただけなのだ。・・・「そして2012年は、そこから0.6度高かった。つまり、われわれが問題にしているこの年は、アメリカについてデータが残っているすべての年から見ても、飛び抜けているのだ」とクラウチ氏は説明する。
> 2012年はほかの面でもアメリカにとって異常な年だったと、NOAAの報告書は指摘している。ハリケーン「サンディ」や広範囲の干ばつなど、被害総額が10億ドルを超える自然災害が11回も発生した。
ナショナルジオグラフィックより
広大な国土のアメリカでは、常に暑いところもあれば、寒いところもある。だから、国全体の平均気温は、いつもほとんど変わらない。20世紀の100年間で、一番寒かった年と一番暑かった年とでは、たったの2.3度しか違わないほど、安定している。それが、去年は一挙に0.6度も記録を更新した。気象の専門家はビックリしているという。
暑いだけならいいんだけど、問題は「少なくとも、過去50年で最悪の大干ばつ」だろう。なんたって、世界最大の農業国だけに、穀物相場に大きな影響をおよぼしている。
アメリカの影に隠れて目立たなかったけど、中国の大干ばつもすさまじいものだった。なぜ、中国の干ばつが目立たないのかといえば、このところ毎年のように続いていて、特に2011年がひどかったからだ。でも、去年は中国の衛星写真がネットで話題になった。宇宙から東アジアを撮影すると、中国が茶色いのだ。「わが国土は、真っ黄色だ」と、市民からも驚きの声が上がったという。ちなみに、「まっきいろ」をPC入力したら、「末期色」と変換された。笑うに笑えない・・・。
世界中で動画にアクセスが殺到したのは、オーストラリアの砂嵐だ。これも、すさまじいの一言。「巨大な赤い壁」、「超巨大な赤い津波」、「まるで世界の終末」といった声が挙がるのも当然か。内陸なら分からないでもないんだが、海を赤い砂嵐が覆っていく光景は、日本人の想像を絶するものがある。
南半球のオーストラリアは、今が夏。今年の夏の暑さも異常で、地域によっては「摂氏54度」を記録している。外では生きていけないほどの暑さだ。
北極では、氷が異常なほど溶けてしまった。氷の面積の史上最小記録を、一挙に大幅更新。
>北極海の海氷面積は毎年、9月に最も小さくなる。これまで観測史上、最小記録は2007年9の425万平方キロだったが、今年は8月24日に最小記録を抜き、その後も減少を続けた結果、9月16日に349万平方キロになった。これまでの最小記録より、日本列島2個分だけさらに縮小し、1980年代の平均に比べると半分以下となっている。
史上最小記録が「425万平方キロ」で、2012年は「349万平方キロ」なのだから、これまた、思いっきり更新してくれたものだ。「2013年は、さらに氷が溶けて小さくなるのでは」という声が多い。
一方、ヨーロッパは、極端な大寒波に襲われた。東欧の国・チェコでは、摂氏マイナス39.4度を記録した。これは、「お湯が一瞬で凍るほどの寒さ」とされる。以前、「冬の北海道でオシッコをしたら、そのまま凍って氷柱になりました」というデマ(いくら寒いといっても、さすがにそれはない・・・)を耳にしたことがあったけど、去年の冬のヨーロッパは、まさしく冗談が本当になる寒さだった。かの有名な水の都・ベネチアも、運河が凍りついた。「突然、地球が氷河期になった」というパニック映画が、そのまま現実化したような光景。
そのほか、洪水や暴風雨も数え切れない。
異常気象が目立った2012年、WMOが警告という記事によると、
■洪水
アフリカの西部とサヘル(Sahel)地域の各地で7月~9月に発生し、300万人近くが被災、少なくとも300人が犠牲になった。ロシアのクラスノダール(Krasnodar)地方で7月に発生した洪水は200人近くの犠牲者を出し、6億3000万ドル(約516億円)相当の物的被害をもたらした。中国南部の一部地域では4~5月の降雨量が過去32年で最高となった。
■暴風雨
カリブ海と米東海岸を襲った複数の暴風雨で甚大な被害が発生。大西洋沿岸を襲ったハリケーンの数は3年連続で例年平均を上回った。今年発生した熱帯低気圧は19個で、うち10個がハリケーンだった。
まだまだあるけど、キリがないので、この辺にしておきたい。
総括すれば、夏は大熱波に襲われて灼熱地獄と化し、冬は大寒波に襲われて酷寒地獄と化し、あるところは大雨が降って大洪水で水没し、別のあるところは一滴も雨が降らず地面が干上がってヒビ割れ、巨大な砂嵐がもうもうと天地を覆っている。それが、2012年の地球を見渡した景色。
一言で言えば、「地球の気候は、極端から極端へと乱高下する傾向が、さらに激化している」ということになるだろう。
2013年も、その傾向は続いている。というより、ますます拍車がかかっている。しかも、ロシアでは「100年に一度の巨大隕石落下」というパニックまで起きた。
いよいよ、未体験ゾーンに突入した地球。この先、どこに向かうのか・・・。