ナショナル・ジオグラフィック
大変な1年となった2011年も、ようやく終わろうとしている。すでに、コルマン版のマヤ暦は、2011年10月28日に終了した。ただ、通常、「マヤ暦の終わり」と言えば、2012年12月21日を指している。ずいぶん先の話と思っていたが、あと一年と迫った。
もっとも、マヤ暦については、「2012年で終わっているらしい」という話が一人歩きし、それが終末論と結びついるだけだ。この話そのものは世界中に広がっているが、元ネタである古代マヤの碑文には、本当はどう書いてあるのか。それを知っている人は、実はあまりいないだろう。
マヤ暦について、ここで復習しておくと、
1.マヤ文明の「長期暦」は約5125年周期で、紀元前3114年から始まっている。2012年12月21日に周期の終わりに到達する。
2.長期暦の単位では約400年を「1バクトゥン」と数えており、12月21日に13バクトゥンが終了する。
・・・ということになる。ただし、ナショナル・ジオグラフィックの記事によると、マヤ暦はここで終了してしまうというより、十二支が、グルッと一巡したらまた「ネズミ年」に戻るのと同様、マヤ暦は13バクトゥンで一巡し、次のサイクルがまた始まる・・・ということらしい。いわく、
>メキシコ国立人類学歴史学研究所(INAH)のチアパス州担当責任者エミリアーノ・ギャラガ・ムリエタ氏によると、マヤ文明における長期暦の終わりは、新旧の周期の世代交代を表しているという。「中国の十二支と同様だ。今年が卯年で、来年が辰年、再来年はまた別の動物になる」。
専門家による調査・研究は、今も続いているようだ。
>13バクトゥンの終わりについて記述された史料はほとんど存在しない。大半のマヤ学者が根拠として挙げるのは、メキシコ、タバスコ州のトルトゥゲーロ遺跡にある「モニュメント6」の石板だ。
>しかし、碑文の象形文字は部分的に損傷しているため、正確な内容は不明である。研究者は何度か解読を試みてきた。最も有名なのはアメリカ、ブラウン大学のスティーブン・ヒューストン氏とテキサス大学オースティン校のデイビッド・スチュアート氏による1996年の試みだ。
>当初の解釈によると、13バクトゥンの終わりに神が降りてくる。その次に何が起きるかは不明だが、何らかの予言だった可能性があるという。「この解釈は、マヤ暦が人類滅亡を予言した証拠として、ニューエイジ思想のWebサイトやフォーラム、書籍などで盛んに取り上げられた」とスチュアート氏は説明する。
こうした専門家たちは、スピ系とは関係がない。アメリカの大学や、メキシコの国立研究機関などに所属する、普通の考古学者だ。彼らは、「2012年終末説」を否定している。マヤの碑文には、「2012年に世界が滅びるとは、どこにも書かれていない」ということらしい。当たり前といえば、当たり前・・・。
では、マヤの碑文には、本当はどう書いてあるのか。
>INAHのギャラガ氏によると、マヤ碑文の表現は回りくどい。文字どおりの直接的な読解に慣れた現代人は混乱してしまうという。モニュメント6の碑文で13バクトゥンの終わりに神が降臨すると書かれていても、世界の終末について述べているわけではないという。「マヤ人の文章は詩的センスにあふれている。2012年12月21日に、“神が降り立ち、新たな周期が始まる。古い世界は死に絶え、新たな世界に生まれ変わる…”という調子だ」。
>ボストン大学の考古学者ウィリアム・サトゥルノ氏も、「碑文で特定の日が言及されているのは確かだが、“これが世界の終末になる”、“世界が燃え尽きる”などの記述はない」と話す。
つまり、専門家の解読では、マヤ暦に記されている内容は、こういうことになるようだ。
「2012年12月21日に、神が降り立ち、新たな周期が始まる。古い世界は死に絶え、新たな世界に生まれ変わる」。
それが何を意味するのか。それは、古代マヤ人だけが知っている・・・(?)。
↑「2012年」が書かれている石版、「トルトゥゲーロ遺跡のモニュメント6」 ※画像出典サイト
大変な1年となった2011年も、ようやく終わろうとしている。すでに、コルマン版のマヤ暦は、2011年10月28日に終了した。ただ、通常、「マヤ暦の終わり」と言えば、2012年12月21日を指している。ずいぶん先の話と思っていたが、あと一年と迫った。
もっとも、マヤ暦については、「2012年で終わっているらしい」という話が一人歩きし、それが終末論と結びついるだけだ。この話そのものは世界中に広がっているが、元ネタである古代マヤの碑文には、本当はどう書いてあるのか。それを知っている人は、実はあまりいないだろう。
マヤ暦について、ここで復習しておくと、
1.マヤ文明の「長期暦」は約5125年周期で、紀元前3114年から始まっている。2012年12月21日に周期の終わりに到達する。
2.長期暦の単位では約400年を「1バクトゥン」と数えており、12月21日に13バクトゥンが終了する。
・・・ということになる。ただし、ナショナル・ジオグラフィックの記事によると、マヤ暦はここで終了してしまうというより、十二支が、グルッと一巡したらまた「ネズミ年」に戻るのと同様、マヤ暦は13バクトゥンで一巡し、次のサイクルがまた始まる・・・ということらしい。いわく、
>メキシコ国立人類学歴史学研究所(INAH)のチアパス州担当責任者エミリアーノ・ギャラガ・ムリエタ氏によると、マヤ文明における長期暦の終わりは、新旧の周期の世代交代を表しているという。「中国の十二支と同様だ。今年が卯年で、来年が辰年、再来年はまた別の動物になる」。
専門家による調査・研究は、今も続いているようだ。
>13バクトゥンの終わりについて記述された史料はほとんど存在しない。大半のマヤ学者が根拠として挙げるのは、メキシコ、タバスコ州のトルトゥゲーロ遺跡にある「モニュメント6」の石板だ。
>しかし、碑文の象形文字は部分的に損傷しているため、正確な内容は不明である。研究者は何度か解読を試みてきた。最も有名なのはアメリカ、ブラウン大学のスティーブン・ヒューストン氏とテキサス大学オースティン校のデイビッド・スチュアート氏による1996年の試みだ。
>当初の解釈によると、13バクトゥンの終わりに神が降りてくる。その次に何が起きるかは不明だが、何らかの予言だった可能性があるという。「この解釈は、マヤ暦が人類滅亡を予言した証拠として、ニューエイジ思想のWebサイトやフォーラム、書籍などで盛んに取り上げられた」とスチュアート氏は説明する。
こうした専門家たちは、スピ系とは関係がない。アメリカの大学や、メキシコの国立研究機関などに所属する、普通の考古学者だ。彼らは、「2012年終末説」を否定している。マヤの碑文には、「2012年に世界が滅びるとは、どこにも書かれていない」ということらしい。当たり前といえば、当たり前・・・。
では、マヤの碑文には、本当はどう書いてあるのか。
>INAHのギャラガ氏によると、マヤ碑文の表現は回りくどい。文字どおりの直接的な読解に慣れた現代人は混乱してしまうという。モニュメント6の碑文で13バクトゥンの終わりに神が降臨すると書かれていても、世界の終末について述べているわけではないという。「マヤ人の文章は詩的センスにあふれている。2012年12月21日に、“神が降り立ち、新たな周期が始まる。古い世界は死に絶え、新たな世界に生まれ変わる…”という調子だ」。
>ボストン大学の考古学者ウィリアム・サトゥルノ氏も、「碑文で特定の日が言及されているのは確かだが、“これが世界の終末になる”、“世界が燃え尽きる”などの記述はない」と話す。
つまり、専門家の解読では、マヤ暦に記されている内容は、こういうことになるようだ。
「2012年12月21日に、神が降り立ち、新たな周期が始まる。古い世界は死に絶え、新たな世界に生まれ変わる」。
それが何を意味するのか。それは、古代マヤ人だけが知っている・・・(?)。
↑「2012年」が書かれている石版、「トルトゥゲーロ遺跡のモニュメント6」 ※画像出典サイト