宇宙のこっくり亭

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子供たちとの対話 ~ クリシュナムルティ

2010年04月08日 | クリシュナムルティ
   
クリシュナムルティに、「子供たちの対話」という本がある。日本での人気は今ひとつなのだが (そもそも、K自身の認知度が、日本ではイマイチ・・・)、アメリカではKの代表作として、最も親しまれているという。

世界各地で、一種の学派(?)を形成するに至った、シュタイナー・スクール。教育者でもあったルドルフ・シュタイナーが、独特の教育観を体現した学校として有名だ。「美味しんぼ」の雁屋哲氏は、わざわざ子供たちをオーストラリアのシュタイナー学校に留学させたという。

それに比べて、クリシュナムルティ・スクールは、世界に広がるには至らなかった。インドに数校、後はイギリスとアメリカにあるくらいだ。でも、関係者の評価は高い。こんな風に、規模を追わないところもまた、クリシュナムルティらしさと言える。

そんなインドのクリシュナムルティ・スクールでの、子供たちやPTA諸氏とのKの対話を収録した本。それが、「子供たちとの対話」。

Kの著書は一般に、難解だという人が少なくない。哲学者でもあるシュタイナーとは違って、難しい言葉が使われているわけではないのだが、Kの言いたいことが何なのかは、シュタイナーと同じくらい分かりにくい(笑)。筆者に言わせれば、難解というより、「読んでも頭に残らない」という方が当たっているように思う。もともと、頭に残すために読むようなものではないので、こればっかりは仕方がないのだが・・・。そんな中では、「子供たちとの対話」が、最も入りやすい。

子供からの質問は、ときに素朴で、ときに屈折している。屈折した質問が出たときのKは、「小さな子供が、こんなことを質問する世の中だ・・・」と、世間に批判を向けている。でも、それは仕方がないだろう。こんなに歪んだ世の中では、いくら子供でも、屈折するのは仕方がない。筆者が小学生の頃に書いていた作文なども、本ブログの文章とすでに似たような雰囲気だった(笑)。

「魂は、死後も残るのでしょうか?」といった、おなじみの形而上的な質問もあるのだが、それに対してダイレクトに回答を与えず、考えさせるように仕向けるのが、クリシュナムルティ流。相手が子供とはいえ、Kが説いている内容は、いつもと変わらない。「思考を観察せよ」というのを、子供たちにも勧めている。

>君たちは目を閉じて、とても静かに坐り、自分の思考の働きを眺めたことがありますか。自分の心が働いているのを眺めるというか、心が作動している自分を眺め、自分の思考は何か、感情は何か、どのように提案に応答し、新しい考えに反応するのかを、ただ見たことがありますか。やってみたことがありますか。やったことがなければ、君たちはとても多くのことを逃しています。
  
という具合に、さりげなく語られているとはいえ、実は大変な奥義だったりする。もっとも、聴いている子供たちには、これが奥義だということなど、知る由もなかったでしょうが・・・。
 
(J.クリシュナムルティ著「子供たちとの対話」 藤仲孝司訳 平河出版社 mind books)


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