ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

著書 「私は自分をこう変えたい」より

2015年05月28日 | 著書から
 平成3年2月28日 同文館出版発行
 ☆ 自分をほめましょう
 人間は「感情の動物」です。その日、その日の気分で、同じ物事でも受け止め
方が変わってくることがあります。まったく同じ言葉を言われても、好意を持った
相手からだとさらりと笑って聞き流せるけど、」嫌いな人に言われたらムカッと
してしまう・・・そんなこともおありでしょう。
 元気いっぱいで気分が高揚しているときなら、少しばかりミスをしても
「何のこれしき」と笑い飛ばせるのに、意気消沈しているときだったら、その
小さなミスがぐさりと心につきささってしまう・・・
 理屈に合わないし、理性的でないのは百も承知。
でも、そこが人間の人間たるゆえんかもしれません。いつも安定した精神状態で
どんな問題が持ち上がっても理性で対処できる・・・。
 それはよほど人間ができている方でなければできない芸当ですね。
ふつうの人だったら、気分で左右されることが多いはず。しかも、仕事にしても
人間関係にしても、毎日同じペースでスムーズに進んでくとは限りません。
 失敗したり、批判や叱責を受けたり、話がこじれて喧嘩してしまったり・・・と
いろいろなことで気持ちがガクンと落ち込むこともあるでしょう。

「やっぱり、あの時オレが言い過ぎたのかな。どうしてオレの性格でこうなんだ」
「どうしよう。あのときの恥ずかしい失敗、みんなきっといつまで覚えている」。
 こんな時、むやみやたらに反省したり、自己嫌悪に陥ってショゲかえってばかり
いることはおすすめできません。大切なのは、そんな状態から少しでも早く立ち
直ること。反省と言うのは、あなたがいつものぺースを取り戻してからでも決して
遅くはないのですから。ではどうしたら落ち込みから早く立ち直れるのでしょうか。
 実は特効薬があります。これは前書「リラックスで人生が変わる」の中でも触れた
やり方ですが、手間ひまのかからない単純な作業の割には効果が大きいので、ここで
もう一度ご紹介いたしましょう。
 
 名づけて「自分ホメ」のすすめ。心に「プラスのストローク」であるエネルギー
を充電するために、自分の良いところを片っ端からほめていく、という方法です。
 ほめる中身はですって?あなたの能力、特技、ルックス、性格、自分の気に入って
いるところなら何でもOKです。遠慮しないでどんどんほめたたえ、それらを思い
つくままに一枚の紙に書き出していくのです。
 例えば、①よく気がつく(昨日も00さんにほめられた)②物事をきちんと最後
までやる責任感がある、③歌がうまい、など順番にナンバーを振って書いてみま
しょう。さあ、あなたは何項目位ご自分の長所を書きだせたでしょうか?
 バカバカしい、くだらない!などとシラケないで、落ち込んだときには、
ぜひ一度お試しになって下さい。と言えるのは、これは私がときどき伺う企業
研修の中の「能力開発法」の一つとして、実際に指導しているのもので、効果は
実証ずみ。時間は約15分行いますが、その間に一人30項目位は書きだせるよう
です。


 これはある大手企業での中間管理職の研修でしたが、仕事の能力については
判断力、決断力、先見性、洞察力などがある、専門的な知識が豊富、集中力がある
持続性に優れている、部下の面倒見が良い、数字に強い、など数え切れないほど
ありました。また、ルックススについても、足が長い、ハンサム、年齢より若く
見える、上品女性にもてるなどと続き、なかには年のわりに髪がふさふさ
している、などと微笑ましいものもありました。
※(無記銘ですので、その中からピックアップして私が読むと、 全員大爆笑
 し、会場の雰囲気が和やかになりました。実はこれは気分の変動が多かった
  20代の頃に、自分を元気にするため考えた方法です。
   これが社員研修や、カウンセリング・ルームで大変効果的でした)

 実を言いますと私自身も時々実行しています。次から次へと思いつくままに
自分の好きなことを書いていると、気持ちがだんだん明るく楽しくなって、心の奥
から自信が湧いてくるのを感じます。
 自分の良いところなんて、大人はふつうあまり真剣に考えませんよね。
ところがこうして実際に書き出してみると、今まで忘れてた自分の新しい面を
見出すことができたり、気づいたりする。ですから、楽しいだけではなく、新たな
自信も湧いてくるのです。昔から「豚もおだてりゃ、木に登る」と言いますが
ほめられるとパワーが出るのは人間様も同じ。
 ケナされて「ナニクソ!」と発奮する人はごく僅かなのに、ほめられてヤル気に
なる人は何と90%以上だそうです。
 そうだとしたら・・・如何でしょうか、思い切って盛大にご自分をほめてみては。
勿論紙に向かって書き出すまでもなく、「自分ホメ」は日用的な習慣にしても良い
のです。「やっぱりオレは能力がある」「今月も良く頑張ったなあ」
 日頃からそうやって自分を褒めたり、いたわって上げることも重要なんですね。

※ この本は24年前に書きましたが、三冊目の著書でした。
 その頃は全国レベルの講演や、社員研修が多く、大変好景気の時代でした
ので、企業では著書をまとめて、テキストとして買い上げてくれました。
 そのためか、かなり男性向きに書いていると、読んでいてちょっと可笑しく
なりました。その時代はダンス・スタジオとヨーガ教室二か所を経営してい
ましたが、私の人生のもっとも華やかだった頃かも知れません。
 取材、執筆もだんだん多くなり、少しずつ物書きの道に導かれたようです。
あまり過去は振り返らない私ですが、現在とは違ってあの時代は良かった
と感慨深く思い出しました。

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