ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

それぞれの介護(後) 我が家の場合

2015年05月10日 | えっせー
 ☆ 結論はすべて対応法だった。
 「認知症優等生」の夫は、二度ほど雑誌で紹介されましたが、私が
日頃に心がけている対応法は・・・・
      1 愛情を持ってやさしく接する。
      2 プライドは絶対に傷つけない。
      3 ほとんど逆らわない。
      4 夫の存在価値を絶えず認める。
      5 何があっても責めない。
      6 いつでも明るくふるまう。
      7 何を忘れても決して不安感を与えない。
      8 できるだけ彼の好きな食事をつくる。
      9 何かやってくれたら、必ず「有難う」と言う。 
      10 同じことを何度言っても、できるだけ楽しそうに聞く。
      11 できることは手伝ってもらう。
      12 絶えず好きなBJMを流しておく。
      13 毎日の出来事は報告する。
などですが、これは私が毎日実践している事実ですが、一言で申し上げると
「機嫌よくしているため、また、絶対に怒らせない方法」なのです。
 もしかしたら、ふつうの人にとっては、苛立ってなかなか大変かも知れませんね。
私は仕事柄「認知症の対応」のノウハウは学んでいましたが、でも、実は夫にやさし
くできるのは、こんな理由もあるのです。。
 
 大昔私達をよく知っていたある先生に、ズバリ言われたことがありました。
夫は「お釈迦様」で、私はその掌から出られない「孫悟空」だと。
 「なるほど!先生は私をよく見ている」と、感心しましたが、それは確かかも
知れません。夫は大変寛容で、私が不器用で緊張症のため、運転免許の実技の
バックで3回失敗し「もう止めたい」と言いました。
すると、彼は「折角ここまで一生懸命やったんだから、あの教習所の不合格
記録をつくるつもりで、もう一度やってこいよ」と言ったのです。
 それならと割り切ったため、リラックスしたのかすぐに合格しましたけれど・・・
          
私は整理整頓が大変苦手でしたが、当人が内心気にしているにも拘らず、今まで
唯の一度も、そのことで文句を言ったことがありませんでした。
 我が家は夫婦中心でしたが、欲しいもののすべては与えてくれ、大変家庭的な人で
子供達もよく面倒を見てくれました。また、子供達が呆れるほど、まるで保護者の
ように私には優しかったのです。(私がダンス教師になってから、二年間位は実は
大変機嫌が悪かったのですが)インドのヨーガの先生から「エイジレス・ベービー」
と言われたほど、我儘で幼児性の強い私ですが、現在の自分があるのは、夫のお
陰だと思っています。そのために長年のご恩返しのような気持ちも、実はあるの
でしょう。
  
 今では心理カウンセラーになったのは、もしかしたら夫のためではないのかしらと
すら思えるのです。同じように介護をしている友人や知人達に比べたら、比較的
自由に行動できますし、ストレスも少なく、幸せな介護をしていると思っています。
 初めの頃は記憶がだんだん消えていく彼が、本当に気の毒で、「もしも私だった
ら恐ろしくて、絶対にふつうではいられない」と、何度思ったことでしょう。
 今では5分前のことでも忘れますが、忘れたことを責めたことが一度もないのは
「認知症」について、ある程度の知識があったからだと思います。

 いずれにしても、ご家族がやさしくできるか、そうでないかは、過去のご自分の
行動が左右するのは否めません。その点私は何の確執もなく、愛情をこめて介護
できるのです。ますます増える認知症ですが、今は行政機関でも「認知症に対する
知識を高めるため」の無料でセミナーを開いています。
 機会があれば、ぜひ参加してその知識を得て、「認知症」の症状や、その感情
などについてを理解して頂きたいと、私は思います。
 すると、必ずその対応の仕方のコツも分かりますし、その感情の揺れなども
きっとご理解できるでしょう。「一番辛いのは認知症になったご本人」なのです
から。少々大変ですが、もしも心あたりがあったら、あなたの愛するご家族の
ために、認知症についての知識を、ぜひ知って頂きたいと思っています。

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