医療的ケア児の療育、保育、教育の問題。
小児科医師として医療における重要なテーマのひとつです。
中央区においても、医療的ケア児がその成長発達にあった療育、保育、教育の場が提供されていくことを見守っていきたいと考えます。
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http://digital.asahi.com/articles/DA3S12770695.html
(360゜)医療的ケア児、支える 野田氏「法に明文化、知ってもらう」
2017年1月29日05時00分
日常的に経管栄養やたんの吸引など医療的ケアが必要な子どもたち。いわゆる「医療的ケア児」を支援するため、政府の取り組みが始まった。医療的ケア児の母親である国会議員らも法改正に向けて動いた。
「看護師さえいれば保育園で社会生活を送ることができる。そのエビデンス(根拠)を作るため『捨て石』になるつもりでやっている」
自民党の野田聖子・元総務会長は朝日新聞のインタビューにこう語る。
不妊治療の後、卵子提供を受けて2011年1月に50歳で出産。生まれた長男は心臓などに複数の病気があり、病院のNICU(新生児集中治療室)に入った。退院したのは2歳3カ月のとき。気管切開し、胃ろうがある医療的ケア児を預かる保育園や幼稚園は見つからなかった。
野田氏は当時、総務会長を務めていた。「共働きの夫婦で障害を持った子を育てられるかを確認するつもりでやってみたが、結論から言うと、できない。夫が仕事をあきらめました」
医療的ケア児も預かる障害児向けの保育園「ヘレン」が東京都杉並区に開設されたのは14年9月。ようやく保育園に通えるようになった。
医療的ケア児の支援に取り組む超党派の勉強会「永田町子ども未来会議」が発足したのは、民主党(当時)の荒井聰・元国家戦略担当相がその保育園を視察したのがきっかけだった。野田氏の自民党総裁選への立候補が取りざたされていた時期でもあった。荒井氏はこう声をかけたという。
「法律が整備されていないから医療的ケア児を預かる施設がない。自民党総裁は国民全員を救う仕事だ。まずは自分の子どもを救ってからじゃないか」
荒井氏と野田氏が中心になって厚生労働省や文部科学省などに呼びかけ、医療的ケア児に対する支援が検討され始めた。
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新生児医療が進んで、以前は救えなかった超未熟児などが救えるようになり、人工呼吸器などをつけたまま退院する医療的ケア児は増えつつある。
病児保育を手がけるNPO法人フローレンス(東京都)が障害児向けの保育園ヘレンを開設したのは、医療的ケア児を育てる母親から「保育園を一緒に探してほしい」と相談が寄せられたのが発端だったという。
駒崎弘樹代表理事は「東京じゅう探しても、たったひとりの障害児すら預かってくれないことに非常にショックを受けた」と話す。フローレンスが運営するヘレンは、2月に3園目がオープンする予定だ。
政府は16年度から、公立小・中学校や特別支援学校に配置される看護師の定員を3倍に増やした。医療的ケア児に対する適切な支援の努力義務を自治体に課す規定を盛り込んだ改正障害者総合支援法も昨年5月に成立。保育所で医療的ケア児を受け入れるモデル事業も17年度から始まる。
野田氏は「これまで国の医療や福祉の中に『医療的ケア児』が存在していなかった。法律に明文化させ、日本中の人に認知してもらい、支えの輪を作ることが母としてできる贈り物だ」と話す。
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新たな課題もある。
その一つが、保護者の学校への付き添いだ。医療的ケア児は特別支援学校に進学した場合でも、保護者が付き添って医療的ケアをすることを求められるケースが多い。
医療的ケア児の保護者らで構成する全国医療的ケア児者支援協議会「親の部会」が昨年実施したアンケートによると、医療的ケア児らの通所・通園・通学の方法は「保護者による送迎」が54%を占めた。「保護者は働くこともできず、体調を崩すと教育の機会も失われる」と親の部会リーダーの小林正幸さんは言う。
フローレンスの駒崎代表理事は「現在の法制度は医療的ケア児を想定しておらず、時代に合わなくなっている」と指摘。訪問看護師の訪問先を「居宅」に限定している健康保険法の規制を緩和し、学校を訪問できるように改正すれば、こうした問題は解決すると主張する。
さらに、こう訴える。「社会の高齢化が進めば、胃ろうなどの医療的なケアを必要とする大人の医療的ケア者も増えてくる。医療的ケア児への支援は、こうした医療的ケア者が活躍できる社会にもつながるはずだ」
(山下剛)
◆キーワード
<医療的ケア児> 人工呼吸器や経管栄養といった医療的ケアを日常的に必要としている子ども。厚生労働省研究班の推計では、2015年5月現在、全国に約1万7千人。このうち約3千人(18%)が人工呼吸器をつけているという。看護師がいない一般の保育園では預かってもらえないため、保護者が働けないケースも多く、「隠れた待機児童問題」と指摘されている。
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