「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

ジョージ・オーウェルの『一九八四年』を読む。

2022-09-22 05:58:46 | 遊んで学ぶ 『学びの宝箱』

 以前から、ジョージ・オーウェルの『一九八四年』が気になると書いてきました。

 もし、読まれたかたがおられましたら、以下の問いを立てながら、気軽にお話ししたいです。

         記

問い1 『一九八四年』の帯のポップコピーを考えてください。

問い2 アウトプットする=読み聞かせをしたいと思う3箇所を選んでください。

問い3 
(1)あなたなら、読者と読後に何をテーマに話し合いたいですか。どのような問いを立てますか?

(2)ご自身が立てた(1)の問いにお答えいただくか、以下の(ア)~(ウ)のいずれか一つにご回答ください。
(ア)『一九八四年』を読んで、あなたの中で何か「変わったこと」がありましたか。「変わったこと」を教えて下さい。

(イ)もし、あなたが、ウィンストン・スミスであったなら、『一九八四年』の世界を、どのように生きましたか?


(ウ)『一九八四年』の世界が、今の時代に既に起きていると思うことがあれば、教えて下さい。

以上




私の回答:

『一九八四年』(新訳版)ジョージ・オーウェル 高橋和久訳 ハヤカワepi文庫 での回答です。

問い1 『一九八四年』の帯のポップコピーを考えてください。

『一九八四年』は、もう目の前に。これからも二足す二が四でありつづけるには?

問い2 アウトプットする=読み聞かせをしたいと思う3箇所を選んでください。

  • ウィンストンにとって人生の最大の喜びは仕事だった。大部分は退屈な決まりことなのだが、なかにはとても難しく入り組んだ作業もあって、数学の深遠なる難問に没頭するときのような気分を味わえるのである。デリケートな偽造作業がそれで、(69頁)

  • 党に対する組織的な反逆は失敗するに決まっているのであって、彼女には馬鹿げたことにしか思えないのだ。賢明なのは、規則を破りつつ、なおかつ生きながらえること、彼女のように考える人間が若い世代にはどれくらいいるのだろう、と彼は漠然と考えた。育った世界は革命一色で、それ以外の世界は知らず、空のように何かを変えようもないものとして党を受け容れ、その権威に背いたりはせずに、ウサギが犬をかわすように、ただひたすらそれをやりすごそうという若者が。(202頁)

  • 以後の人生は、洗濯、床拭き、繕いもの、料理、掃除、家具磨き、壊れものの修理、床拭き、洗濯に追われた。最初の子どもたち、それから孫たちのために三十年以上もそれを休まず続けてきた。そしてここにきてもなお彼女は歌っているのだ。…鳥は歌う。プロールは歌う。党は歌わない。…労働と生産とで途方もなく大きな身体になり、生まれてから死ぬまでこつこつ働きながら、なお歌い続ける姿が。あの力強い腰からいつの日か意識を持った人間の集団が生まれてくるに違いない。自分たちはもう死んでいる。かれらの子孫こそ未来なのだ。だが自分たちも、かれらが肉体を生かし続けるように精神を生かし続け、二足す二は四であるという秘密の教義を後世に伝えるなら、その未来に加わることができるだろう。(338頁-340頁)

問い3 
(1)あなたなら、読者と読後に何をテーマに話し合いたいですか。どのような問いを立てますか?
 
 私の問いは、もともと(イ)でした。

(2)ご自身が立てた(1)の問いにお答えいただくか、以下の(ア)~(ウ)のいずれか一つにご回答ください。
(ア)『一九八四年』を読んで、あなたの中で何か「変わったこと」がありましたか。「変わったこと」を教えて下さい。

 ジョージ・オーウェルの著作も追いかけてみようと思いました。ハンナ・アーレントにトライして、「全体主義」について、考察を深めたいとも思っています。


(イ)もし、あなたが、ウィンストン・スミスであったなら、『一九八四年』の世界を、どのように生きましたか?

 同じように、仕事に面白さを見出し、隠れて、党をひっくり返すにはどうしたらよいかときっと考えていただろう。

(ウ)『一九八四年』の世界が、今の時代に既に起きていると思うことがあれば、教えて下さい。

 世相で言えば、「国葬」しかり、「全数把握」中止しかり。

 身の周りでも、いろいろあります。

 しかし、『一九八四年』の世界も、善いとは絶対に言えないものの『夜と霧』のホロコーストや、『苦海浄土』の水俣病などの現実からすれば、健康に生かせてもらえているだけ、まだ、ましなように感じます。ましだからといって、上に書いたようにほっときはしません。

以上

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« かかりつけ小児科での不登校... | トップ | 日本の来るべき冬を占う今冬... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

遊んで学ぶ 『学びの宝箱』」カテゴリの最新記事