波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

「新しき道」④

2020-06-11 15:52:50 | Weblog
徳川時代に参勤交代があったといわれる。映画ではよくみられる光景だが、私はこの時、その光景をこの親会社で見る思いであった。この会社へ来る一人一人が江戸城への登城であり、城内での雰囲気もまさに城内そのもののように緊張に包まれている。外から来た私にとっては当に異原子であり、一町人の存在であった。
何しろ一人一人が全国の城主の家系であり、T大、K大、ℍ大、出身であり、六大学は稀であり、完全な学閥である。100年を経た会社はこのようにしてできている。
やくいんはしゃちょう、会長は当然ながらT大出身に限られて事務系、技術系と交代で続いている。改めて日本の歴史を見るような思いであった。
担当になったĪ氏はその中にあって、稀な存在で地元の岡山で高卒で大阪支店を経て上京した、この部署ではまれな存在であった。100キロを超す巨漢でありながら行動も素早く、その言動はち密で気配りはこまやかである。「明日は🅼駅で9時待ち合わせでよろしく」「了解しました。」と打ち合わせをして翌朝待っていると、すでに来て待っている。「まだ少し早いから休憩してから行こう」と喫茶店へ行くと、朝から冷たいビールを一気飲みして「じゃあ、行こうか。」と始まるのがパターンだった・しかし仕事になると実に熱心であり、気遣いもできて、良きパートナーだった。千葉の寮からの通勤であったが、夜のマージャンで遅い時などは、夜明けのきたくで、朝の凝乳を飲んで着替えだけで会社へ来ることなど普通であった。事程左様に、親会社の都の仕事は嘗ての地場産業だった時とは全く変わった次元の世界の毎日となったのである。

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