波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

思いつくままに  「楽しい話が出来る人」

2015-11-19 10:47:03 | Weblog
周りの人を注意して観察してみると、みな同じようでいて様々な人がいることが分かる。
私自身のことを言うと会社で起こる問題について語り合っているうちにその焦点が、いつのまにか私に集中していて、その問題の原因や対策が私自身に責任があるかのような雰囲気によくなっていることが会った。私は部外者で関係ないと思っていたのに何時の間に私がその問題の責任をとらなければいけないのかと聞いていた。そして会議が終わってから社長に「私はこの問題はあまり関係がないと思うのですがね」と率直に聞くと「いや君には何でも話しやすいし相談しやすいからつい頼ってしまうんだよ。愚痴も聞いてもらえるしね」といわれたことがある。そんな訳で問題の尻拭いをよくさせられたことがある。
また「寅さん映画」では苦境なるヒロインが寅さんに出会って「寅さんと話しているといつのまにかとても元気が出て楽しくなるの、だから寅さんといつも一緒にいたい」と言わせている。
これは作者のこの映画に対する姿勢を寅さんという人物を通じて人生を語っているのだが、世の中にはこのようなことは注意してみていると多くいることが分かる。
私はかつて上司として20年近くともに仕事をした人を知っているが、当に「楽しい人」であった。実務について仕事をしているときは強面で真剣であるが、私的な時間になるとすべてに開放的で私的なことでもすべて隠すことなくオープンで常にユーモアとエスプリの聞いた会話が楽しかった。またとても博識で個人ノートにはスペイン語でのメモしか書かず(すぐに誰にも分からないようにしていた。)勉強家であった。
しかしその彼の経歴は知られざる苦労の連続であった。上場会社のエリートとして入社しながら学閥の差別を受け入社早々アフリカのニジェールへ出向させられ、帰国後組合関係の労務課で苦労しその後南米ボリビアの閉山責任者として十数年単身で生かされ、帰国すると日本のチベットといわれる僻地の子会社の再建者として派遣され、立派な功績を挙げて本社役員として迎えられる筈だったが、、最後は本社監査役で終わって肺がんでなくなった。しかし真の意味で人間の喜び、悲しみ、楽しさを身につける人は人生において辛酸をなめた苦労人しかわからないことであることを私はこの人を通じて教えられたのである。