波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

思いつくまま

2008-11-19 09:55:21 | Weblog
この時期に来て、景気が悪くなり、日本の企業倒産件数が増えていると聞く。
しかし自分の身の回りにそんなことが無いと、遠い他人事として無関心でいることが多いのだが、この時期に来て、取引先の会社が二社、突然、11月を持って事業を閉鎖すると通知して来た。(いずれも従業員が10名足らずの小さい会社)
どちらも40年近くの歴史と実績があり、こつこつと堅実に築いてきた会社であり、社長自らが率先して行動して、努力してきた一代の会社である。
決して、放漫経営でないことは確かである。それではその原因は何だったのか。
そこには不思議にも、その二つの会社に共通した事情があった。
それはその会社の主要取引先(販売先)の不振と創業者の老齢化があった。
大半の販売先をそこに委ねて、他社への展開の努力をしていないことと、事業展開が変わらないこと(一つの業種に限られていた)で、その親会社的存在の売り先が不振になったとき、取引条件(数量、価格)が悪くなり、その影響を全面的に受けることになって、その対応が出来なくなったのである。
このことは、どの業種、どの業界でも程度の差こそあれ、同じような傾向にあるのだろうが、問題はその変化をどう受け止め、どう対応できるかと言うことである。
今年、アメリカから始まったとされる金融危機、そしてそれに伴った消費不況はアメリカ向け輸出で潤っていた、中国の景気にも波及し、二万五千件の工場閉鎖、それに伴う失業者の増大など、それらも無関係ではなさそうである。
更に、その会社の次世代継承者の問題もある。(いずれも創業者の長男が共に従事していたのだが)今回の事業閉鎖に何の未練も無く、あっさりとその事業を継承することを放棄していることである。
事業の継承という問題は日本の歴史においては大きな問題であり、その長きを尊び百年以上続いている会社は多いのだが、そして又、その歴史を尊重した思想があったと思うのだが、もはや、この現代ではそれは美徳ではなく、遅れている思想なのかと思わされる。いつまでも綿々と捕まっているのではなく、新しい展開を考えることが現代風なのだということなのか、意に沿わないことはしてもしょうがないと言うことか、
今回、現実にこの事実に直面し、つくづくと考えさせられたことであった。