【やまと郡山城ホールで42回目の定期演奏会】
奈良アマチュアウィンドオーケストラ(A-Winds)の「2014年春の演奏会」が9日、やまと郡山城ホールで開かれた。この吹奏楽団が発足したのは15年前の1999年。42回目となる今回の定演では新しい試みとして、トロンボーン奏者で指揮者や作編曲者としても活躍中の松下浩之氏(写真=前列左から3人目)を客演指揮者とともにトロンボーン協奏曲のソリストとして迎えた。
松下氏は1964年神戸市生まれ。大阪音楽大学(トロンボーン専攻)卒業後、同大非常勤教育助手を経て88年大阪市音楽団に入団、昨年退団するまで約25年間、トロンボーン奏者として活躍した。現在は神戸山手女子高校音楽科講師、福祉の管弦楽団「まごころ」音楽監督兼常任指揮者、関西トロンボーン協会理事などを務める。
コンサートは2部構成で、第1部の2曲を松下氏が指揮した。1曲目はオープニングにふさわしい華やかで躍動的な祝典序曲「オリンピカ」。ベルギーのヤン・ヴァン・デル・ローストが長野市民吹奏楽団から創立20周年記念作品として委嘱を受けて作曲した。2曲目は米国生まれのロバート・ラッセル・ベネットが1957年に作曲した「吹奏楽のためのシンフォニックソング」。物静かな曲調が最終章に入ると陽気でにぎやかな演奏に一転した。
第2部1曲目はやや短めの「ブラボー・ブラス!」(星出尚志作曲)。次いで2曲目に松下氏がソリストとして登場し協奏曲「トロンボーンのための『カラーズ』」を演奏した。作曲者ベルト・アッペルモントは「オリンピカ」の作曲者デル・ローストの教え子。4楽章の構成で、題名の通り黄・赤・青・緑の4色のイメージをもとに作曲したという。改めてトロンボーンの音域の広さや多様な音色などを再発見させてくれる名演だった。アンコール曲は「76本のトロンボーン」など。