く~にゃん雑記帳

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<奈良・猿沢池> 護岸点検のため18年ぶり水抜き、アカミミガメ駆除!

2014年02月19日 | メモ

【池の中から大量の酒瓶やラジカセ、携帯、側溝の鉄製ぶた……】

 古都奈良を代表する観光名所の1つ、猿沢池で1996年以来18年ぶりに水抜きが行われている。護岸の点検や清掃、水面下の状態の確認などが主目的だが、奈良県奈良公園室ではこの機会に生態系を壊すミシシッピアカミミガメなど外来種を駆除する方針。これでニホンイシガメなどの在来種や食欲旺盛なアカミミガメの犠牲になっていた鳩たちにとっても安全な環境が戻ってきそうだ。

 

 水抜きは10日にスタート、先週末までにほぼ完了し中央部分に水が残る程度になっている。きょう19日午後には池の点検と同時に奈良市立椿井小学校4年生の環境学習が行われる予定。それに備え18日には投げ捨てられたゴミの回収や水面下の事前調査などが行われた。ゴミの中で目立ったのが日本酒の瓶。回収しても回収しても、すぐにバケツが満杯になっていた。ほかにラジカセやビデオ、ビール瓶、携帯、ハサミなど。酔っ払いが投げ込んだのだろうか、側溝を覆う鉄製のふたもあった。

 

 池に生息していた魚や在来種の亀などはいったん奈良教育大学付属小学校のプールに移し、3月をめどに池に戻す。アカミミガメなど外来種は当初処分の予定だったが、神戸市立須磨海浜水族園が引き取ってくれることに。アカミミガメは夜店などでミドリガメとして売られているが、大きく成長し手に負えなくなって池に放たれたものが増殖したようだ。

 

 前回水抜きした18年前の調査ではまだ在来種のニホンイシガメやクサガメが圧倒的に多かったが、10年前の目視調査では逆にアカミミガメが急増し在来種を大きく上回った。北米原産のアカミミガメは食欲が旺盛で繁殖力が極めて強い。2012年8月12日のブログでご紹介したように、水を飲んでいた鳩を水中に引き込んで溺れさせ、十数匹のアカミミガメが羽根をむしり取って食べる衝撃の場面に遭遇したこともある(上の写真㊨)。

 県奈良公園室では今回の水抜きに合わせ池のほとりのヤナギ並木の復元にも取り組む。猿沢池では池の背後の興福寺五重塔とほとりのシダレヤナギが風情を引き立てていた。だが近年、枯れ死が相次いでおり、かつて30本以上あったのが今ではわずか数本に。根元の樹皮に寄生し養分を吸い取る「ナラタケ病」が原因とみられる。数年後には水面に映るヤナギ並木が復活していることを期待したい。

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