く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<BOOK> 「勇気をくれる、インドのことわざ」

2014年02月14日 | BOOK

【帝羽ニルマラ純子著、共栄書房発行】

 副題に「幸せをつかむタミル語、ことばの魔法」。著者は法政大学卒業後、日本国籍を取得。その後、13年間にわたって日本企業の海外ビジネス展開、外資系企業の日本市場への参入の橋渡し役として活動し、現在はインドビジネスアドバイザーとして活躍している。

   

 タミル語は22のインド公用語の1つで世界で最も古い歴史を持ち、南インドと北スリランカで使われている。本書では3万以上あるといわれるタミル語のことわざのうち、現在もよく使われている160を選び「学び」「人間関係」「戦略」「愛」など9つの項目に分けて紹介している。各ことわざにはタミル語とローマ字表記、片仮名での発音と日本語の意味を併記している。

 本書執筆の理由の1つとして著者は「カレー、数学、ボリウッド映画など日本人が抱くステレオタイプ的なインドのイメージを残念に思ったこと」を挙げる。「インド人は古代より伝わるスピリチュアルな考え方、成句や哲学的感情、知性などの知恵を重んじていることを忘れてほしくない」。以下に示唆に富むことわざの一部を列挙(カッコ内はその意味)。

与えられた食料と知恵は二日と持たない

五歳で頭を下げない人は五十歳でも頭を下げない

敵からとったココナツを寄付する(その場しのぎの解決方法を選択すると、物事は解決しないばかりか、結果的に事態が複雑になる)

平和のために汗をかけば、戦争で血を流すことはない

賢い猫は魚に目もくれず、タマリンドを食べてみせる(タマリンドはサヤ状の果物。魂胆を隠して何事もないようなふりをする人のことを指す)

おしゃべりは友と敵をつくる

冗談は敵をつくらないが、しばしば友を失う

砂糖を借りに行ったら塩を貸してくれと言われる(誰かに助けを求めたら、その人から逆に助けを求められる。悪い状況がさらに悪くなる)

雨に濡れる羊を狼が哀れむ(悪意を持っている人はあなたを心配しているようなふりをする。どんな思惑を持っているか分からない)

虎がいない町では猫が王(どこかに本当の実力者がいるのに、自分が最高であると思ってはいけない)

静かな川にはワニがいないと考えるなかれ(表面の下に危険が潜む)

五と三があれば無学な少女でも料理ができる(五は胡椒・塩・カラシ・クミン・タマリンド、三は水・火・燃料。全てがそろっていると特別な努力や工夫は必要ない。逆に全てそろうことは滅多にない)

カラスにとってヒナは黄金(黒い羽を持つカラスでも母鳥にとってヒナは黄金に輝いて見える。母親は子どものためにどんなことでもする)

箒(ほうき)に飾りをつける(大金を手にすると、つまらないものにお金をかけ始めることのたとえ)

牛は茶でも黒でも、乳は白(肌の色などによって人に対する態度を変えてはいけない)

コメント
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