く~にゃん雑記帳

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<世界遺産登録めざし> 「飛鳥・藤原」の魅力を考える奈良講演会

2014年02月23日 | メモ

【かしはら万葉ホールで、登録推進協議会主催】

 世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会(会長・荒井正吾奈良県知事)主催の講演会が22日、奈良県橿原市のかしはら万葉ホールで開かれた。題して「世界に伝えたい 飛鳥・藤原の魅力を考える奈良講演会」。第1部では〝旅する世界遺産研究家〟久保美智代さん(写真㊧)と奈良文化財研究所企画調整部長の杉山洋氏(写真㊨)が講演、第2部ではお二人がパネラーとなって熱いトークを繰り広げた。

    

 「飛鳥・藤原」は天皇を中心とした統一国家「日本国」の誕生の地として世界遺産登録を目指している。2007年に暫定リストに記載され、その年に県と橿原市、桜井市、明日香村で登録推進協議会が設立された。構成資産候補として挙がっているのは藤原京跡や大和三山、飛鳥寺跡、本薬師寺跡、石舞台古墳、高松塚古墳など20件。これまでに今年1月も含め3回、海外から専門家を招聘し登録への課題や意見を聞いてきた。

 久保さんは「世界遺産『飛鳥・藤原』で伝えたいことは何か?」と題して講演した。これまでに357カ所もの世界遺産を訪れている久保さんは、飛鳥・藤原の特徴を「史跡の中に町があること」と指摘。スウェーデンのバイキング時代の都市遺跡「ビルカ」やスペインの「アルタミラ洞窟」などを例に取り上げながら、飛鳥・藤原の課題として①本物を見せる保存方法の工夫②歴史を体感できる展示③訪れてみたくなるレプリカの再現④点在する観光・史料展示拠点の集約――などを挙げた。

 杉山氏は長年カンボジアにあるアンコール遺跡群の中の西トップ遺跡の調査・修復事業に携わってきた。その経験を踏まえ「世界遺産アンコール・ワットからみた飛鳥・藤原」と題して講演した。アンコール遺跡群は1992年の登録と同時に危機遺産リストにも登載された(2004年脱出)。今では年間300万人の観光客が押し寄せ、インフラ整備などが課題になっている。杉山氏は寺院群を中心にしたアンコールと飛鳥・藤原の共通性に触れながら「飛鳥・藤原の〝普遍的な価値〟をどう認めてもらうかが最大の課題。その魅力をもっと世界に発信していく必要もあるだろう」と話した。

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