く~にゃん雑記帳

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<奈良女子大学> アカデミー賞8部門受賞「スラムドッグ$ミリオネア」を上映

2013年06月22日 | メモ

【原作者のスワループ在大阪・神戸インド総領事の講演も】

 奈良女子大学で21日、地域公開講座が開かれ、映画「スラムドッグ$ミリオネア」の上映と、原作者で在大阪・神戸インド総領事のヴィカース・スワループ氏の講演があった。奈良女子大学社会連携センターと公益社団法人アジア協会アジア友の会の共催。映画はインドのスラム育ちの青年が主人公で、2009年の第81回アカデミー賞では作品賞など8部門を独占した。スワループ氏は講演の中で、原作に込めた思いや在任期間をまもなく終える日本の印象などを熱く語った。

     

 スワループ氏(写真㊧)は1986年インド外務省に入省し、米ワシントンやロンドン、南アフリカ・プレトリアなどで要職を歴任。外務省ではアフリカ南部、米国、パキスタン、ネパールなどを担当し、2009年8月に日本の総領事に着任した。この間の2005年に映画の原作となった「ぼくと1ルピーの神様」を出版、以来、これまでに44の言語に翻訳されている。

 これを英国のダニー・ボイル監督が映画化した(写真㊨)。スラム育ちの無学の青年ジャマールがテレビの人気クイズ番組に出演し、次々に難問に答えて大金2000万ルピーを獲得する。最後の1問となった直前、不正を疑われて警察に連行され、尋問の中でそれまでの過酷な人生が浮き彫りになっていく。クイズの答えはその生い立ちの中に隠されていた――。

 日本ではスワループ氏が着任する直前の2009年4月に公開となった。スラムに住む人もコンピューターを使いこなす時代になっていることが原作執筆の1つのヒントになったという。「スラムの子どもたちの情熱やたくましさを描きたかった。運・チャンスを生かして努力をした人は必ず栄光を手に入れることができる」。そんなメッセージを込めて書いたという。

 スワループ氏は「インド、その伝統と変貌」と題した講演の中で、インド成長の要因として低コスト、国内需要の増大、中間層の所得拡大、投資と貯蓄の増加、全人口の60%が25歳以下――の5点を挙げた。「ジュガード」という言葉に代表される起業家精神もインドの活力につながっていると指摘する。ジュガードは「限られた資源や手段を最大限活用して困難を乗り越えていく精神」。1つの例として世界で1番安い車といわれる「ナノ」(18万5000円)を挙げた。

 スワループ氏は今年6月で4年弱の任期を終えてインド外務省に戻る。「インドにとって日本は最大のパートナー。最も尊敬を集める国の1つ」。日本の印象として「おだやかさ」や「安全」「礼儀正しさ」「美意識」などを挙げた。「折り詰めの弁当にも芸術が詰まっている」「東日本大震災では災害時の行動のあり方を世界に示した」「財布を落としても、かなり高い確率で戻ってくるのは驚き」。四角いスイカ、服で着飾ったおしゃれな犬にも驚かされたという。

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